特定の集団に属していない
「野良役者」のために
と題し
基礎力研鑽と知見の拡大をめざして
たまーにゆるーく開催している坂本企画ワークショップ
今回は
今春失われる我らがホーム
カフェ+ギャラリー cantutku で開催しました
ちなみに今回のメニューはこのような感じ
【その1.体の調整力実験】
◆倒れかけのエチュード
◆立ち上がりのエチュード
◆ポージングのエチュード
【その2.「これからひどい目にあう役」と「もうひどい目にあった役」で違うキャラクター作り術】
◆内心のエチュード
◆講義:「劇的」な瞬間の前と後
◆「これからひどい目にあう役」と「もうひどい目にあった役」のエチュード
その1では
普段の生活や活動の中では気がつきにくい
体のアンバランスや不自由を観察し
楽しく簡単に取り除く方法を探しました
その2では
誰もが悩み苦しむ役作りの
誰もが悩み苦しむ役作りの
その第一歩目をとにかくも踏み出すための
ちょっとしたテクニックについて
演劇史的な視点からアプローチしてみました
途中
「板目に物が挟まる」という
cantutkuお約束のトラブルに見舞われながらも
それすら楽しい和気藹々とした雰囲気
今回は見学の方を含め8名もの参加者に恵まれ
その1では多人数ならではのエチュードも実施することができました
その一つがこの写真

何をしているところかおわかりでしょうか
これは「ポージングのエチュード」の中で行った
「ポーズの伝言ゲーム」の結果検証での一枚です
「ポーズの伝言ゲーム」とは
参加者が一列に並び「お題」を聞いた先頭の人から
「ポーズ」を一人ずつ伝えていくというゲームです
お察しの通り
人間の体はなかなか理想の「ポーズ」をそのまま表現することはできませんので
伝わって行くにつれて「ポーズ」にはノイズが混じり変化していきます
最終的に
一番後ろの人が「お題」がなんだったのか
伝わってきた「ポーズ」とともに解答するのですが
たいていの場合正解にはたどり着けません
今回は
「水泳」
というお題だったのですが
今一度ご覧下さい

左から右へ
だんだんと「クロール」を表現した「ポーズ」が変容していっています
答え合わせの結果
「クロール」が「歌舞伎の見得」になり
最終的になんと「競技カルタ」になったことが判明しました
この後
当然のごとく「ポーズ」を変容させた「犯人」探しが行われたわけですが
皆さんには誰が最も罪深い「犯人」か
おわかりになるでしょうか
後半は坂本企画の過去のテキストを用いて
セリフの掛け合いも

坂本企画は
「キャラクターの内面はセリフの内容ではなく話し方に表れる」
という立場を取っていますが
その2では
とある理由から
「あることを知っている」という内面を持ったキャラクターと
「そのあることを知らない」という内面を持ったキャラクターで
ワンシーンを演じてもらいました

詳しい内容はブログ上で説明するのは難しいので
ぜひ次回のワークショップにお越しいただくとして
このテクニックで
単なる言葉の羅列が
あっという間に先の気になる「物語」になる様は
仕掛けた私自身も驚くほどでした
最後は
あまり普段やらない記念撮影

やけに私が光っているのは
実はcantutkuの精だった私が
閉店とともに光の粒子になって消えてゆく前兆ではなく
単なるレールライトの位置の問題です
こんな風にワークショップをやっていると
まだまだここで芝居が作れそうな錯覚に陥りますが
cantutkuとは今日でお別れ
たっぷり三時間のワークショップを終えてなお
ぐずぐずと帰りがたく名残を惜しみ
それでも更けてゆく夜に急かされるように
皆家路についたのでした
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