2019年01月13日

「東アジア人類学研究会冬季研究集会」のお知らせ

東アジア人類学研究会では、この度下記の要領にて、冬季研究集会を開催する運びとなりました。
開催日時、会場、プログラムは以下の通りです。

なお本冬季研究集会は、慶應義塾大学人類学研究会ならびに、三田哲学会との共催です。

どうぞ、奮ってご参加くださいませ。

なお、配布資料等の準備のため、ご参加をご希望の方は会期前日(126日)までに、下記アドレスまでご一報くださいますようお願い申し上げます。


東アジア人類学研究会幹事:

川瀬由高(ychuanlai[at]gmail.com)※[at]@にかえてご送信ください


                記


【東アジア人類学研究会冬季研究集会】

(共催:慶應義塾大学人類学研究会;三田哲学会)


概要:

 本発表の目的は、インドネシア・西スマトラ州における憑依儀礼アナック・バラムを対象に考察することで、人類学のイスラーム研究における民衆イスラーム論の意義を再考することである。インドネシアを含むマレー世界では、精霊信仰とその憑依に関する事例が報告されてきた。ただし、より純粋なイスラームを希求する運動の高まりに伴って、これらの信仰は人びとから「非イスラーム的なもの」として認識されるようになり、衰退しつつあると言われる。

 本発表が対象とするインドネシア・西スマトラ州のある村落では、アナック・バラムという精霊の憑依儀礼が見られる。この憑依儀礼は、他の地域でも見られた通り、「非イスラーム的なもの」として認識されつつある。だがその一方で、アナック・バラムは一部の人びとによって継続して行われており、さらには、地域の伝統音楽の形式と織り交ぜられたかたちで儀礼の様子を映し出すVCDも発売され人気を博している。本発表では、アナック・バラムとそれに関する言説を分析することで、憑依儀礼が人びとの「ムスリムであること」とどのような関係にあるのか考察してみたい。


日時:2019127日(日)1330分〜1530

会場:第1会議室(慶應義塾大学三田キャンパス研究室棟B1階)

 ※ https://www.keio.ac.jp/ja/maps/mita.html におけるの建物です

題目:「マレー世界における憑依儀礼に関する一考察:西スマトラ州における『アナック・バラム』を事例に」(仮)

報告:西川慧(東北大学大学院)

司会:川瀬由高(日本学術振興会特別研究員PD/東京大学)



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2018年12月10日

第5回日本文化人類学会国際シンポジウム 「東アジアにおける人類学の国際化/グローバル化:第三部 台湾と日本」開催のお知らせ

 皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
 この度、日本文化人類学会 第5回国際シンポジウム「東アジアにおける人類学の国際化/グローバル化:第三部 台湾と日本」の開催をお知らせさせていただきます。
 来年の1月とまだ先のことではございますが、以下の内容で開催いたします所存でございます。
 お誘いあわせの上、奮ってご参加頂けましたら幸いです。

                     記

第5回日本文化人類学会国際シンポジウム
「東アジアにおける人類学の国際化/グローバル化:第三部 台湾と日本」

趣旨:
 東アジアにおける人類学の国際化/グローバル化について、今年度は台湾と日本に焦点を当てて考えます。
 台湾の人類学は、その草創期においては、日本植民地下における台湾総督府や台北帝国大学所属の研究者などによって主導され、その成果の中には、今日においても貴重なものとして、その輝きを失っていないものが見られます。しかし、日本の敗戦によって、日本が撤退すると、学問の世界の主導者は中国大陸から渡ってきた中国人にとってかわられ、また戦後に教育を受けた世代の研究者たちは、そのほとんどがアメリカ、ヨーロッパに留学して研究を進めたため、学問のスタイルは一変しました。
 他方、戦後長い間、台湾の人類学界は、研究対象としては台湾研究が中心となり、ごく一部海外の華僑華人研究や、太平洋地域・中国大陸の民族学的研究がなされました。戦後、台湾を再び訪れることができるようになった日本の研究者たちも、日本時代に収集された史資料と欧米の理論や長期現地調査の手法を活用しつつ、台湾研究を行いました。
 しかし、1990年代ころより、台湾においても、台湾以外をフィールドとした人類学的な研究が勃興してきています。研究のテーマもかつてのような伝統社会研究から、グローバル化を踏まえた様々な新しい研究領域に広がっており、また日本以上に社会との連携を切り開いていく実践的なスタイルを模索するようになっています。
 そこで、今回のシンポジウムでは、最近の研究動向を踏まえた台湾の人類学の現状を2名の気鋭の研究者にご報告いただきます。そのうえで、今後の台湾と日本の学術交流を、従来の台湾を中心的な対象としてきた研究に止まらない、よりグローバルな地域、トピックに対する共同研究に広げていく可能性を模索する機会としたいと思います。

日時 2019年1月26日(土)午後1時30分〜5時30分
場所 慶應義塾大学三田キャンパス 北館ホール(北館1階)
   https://www.keio.ac.jp/ja/maps/mita.html
主催: 日本文化人類学会
共催: 慶應義塾大学人類学研究会、東アジア人類学研究会、仙人の会
使用言語: 日本語、英語、中国語

プログラム
総合司会 西村一之(日本女子大学准教授)
講演者名とタイトル
1時30分 開会挨拶 清水展 (日本文化人類学会会長・関西大学特別任用教授)
1時40分-50分 趣旨説明 三尾裕子(慶應義塾大学教授)
1時50分‐2時40分(発表40分、質疑10分)
林承緯(台北芸術大学 副教授)「台湾における「日本研究」の現状と課題」
2時40分‐3時30分(発表40分、質疑10分)
Guo Peiyi(郭佩宜)(中央研究院民族学研究所  副研究員)「Pacific Studies and Comparative
Austronesian Studies in Taiwan」
3時30分‐3時50分 休憩
3時50分‐5時30分 コメントとディスカッション(コメント一人10分×4人+フロアとのディスカッション60分)
 コメンテータ 黄智慧(中央研究院民族学研究所研究助理)
         上水流久彦(県立広島大学准教授)
         飯高伸五(高知県立大学准教授)
         窪田幸子(神戸大学教授)

問い合わせ先:日本文化人類学会事務局
    〒108-0073 東京都港区三田2-1-1-813
    TEL: 03-5232-0920

本シンポジウムは、独立行政法人日本学術振興会平成30年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金)(研究成果公開促進費)(JSPS科研費JP16HP3004)の助成を受けて実施されます。  

<参考:過去の大会>
第1回 国際化する日本の文化人類学と 国際情報発信強化の試み
第2回 国際化する日本の文化人類学と 国際情報発信強化の試み
第3回 東アジアにおける人類学の国際化/グローバル化――第1部 韓国と日本
第4回 東アジアにおける人類学の国際化/グローバル化――第2部 中国と日本


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2018年10月04日

東アジア人類学研究会第五回研究大会・プログラム公開

東アジア人類学研究会第五回研究大会・プログラム

【日時・場所】
日時:2018年11月10日(土曜日)13:00〜18:20  個人発表
    2018年11月11日(日曜日) 9:00〜15:00  分科会および個人発表
場所:東北大学 川内南キャンパス 文科系総合講義棟 法2講義室
アクセス: http://www.tohoku.ac.jp/japanese/profile/campus/01/kawauchi/areac.html
(会場は上記リンクのC19です。)
会議使用言語:日本語
お問い合わせ先: 川瀬由高 ychuanlai[at]gmail.com ([at]を@にかえてご送信ください)

*研究大会初日の夜には懇親会を予定しております。
懇親会会場:「クラフトビアマーケット 仙台国分町店」
https://tabelog.com/miyagi/A0401/A040101/4017194/


【一日目:2018年11月10日(土曜日)プログラム】
12:30 開場
13:00 開会の辞 川瀬 由高(日本学術振興会特別研究員PD/東京大学)

<個人発表 第一セッション> ※発表20分、コメント5分、質疑応答15分
司会:川瀬 由高(日本学術振興会特別研究員PD/東京大学)

13:00〜13:40 個人発表 ‘山 頌(障害をこえてともに自立する会)
「生きづらさを遊びに変える――自発性をめぐる不器用な生き方のエスノグラフィ」
コメンテーター:川口 幸大(東北大学・准教授) 

13:40〜14:20 個人発表◆―嫖 寛人(東北大学大学院・博士前期課程)
「日本における「エスニック」なもの――雑貨とファッションを対象に」
コメンテーター:宮脇 千絵(南山大学・准教授)

 (休憩20分)

<個人発表 第二セッション> ※発表20分、コメント5分、質疑応答15分
司会:田中 孝枝(多摩大学・講師)

14:40〜15:20 個人発表 中生 勝美(桜美林大学・教授)
「台湾のゴーギャン――小林保祥のパイワン族調査」
コメンテーター:小林 宏至(山口大学・准教授)

15:20〜16:00 個人発表ぁ ̄册此淵ぅ鵐肇Α法平斉狎鄲膤愨膤惘 η郢慮經課程)
「内モンゴルにおけるラマ廟の機能に関する考察――通遼市フレー旗三大寺を事例として」
コメンテーター:  山田 仁史(東北大学・准教授)

16:00〜16:40 個人発表ァ郝 雅楠(カク ガナン)(首都大学東京大学院・博士後期課程)
「北京における道教系寺廟の陰事道場をめぐる人類学的研究―H道観の事例を中心として」
コメンテーター:瀬川 昌久(東北大学・教授)

(休憩20分)

<個人発表 第三セッション> ※発表20分、コメント5分、質疑応答15分
司会:西川 慧(東北大学大学院・博士後期課程)

17:00〜17:40  個人発表Α^け燐院淵▲ぅ鵐福法平斉狎鄲膤愨膤惘 η郢慮經課程)
「モンゴル人の‘ツァガンサル’中の儀礼食――中国青海省海西州のモンゴル人を例として」
コメンテーター:稲澤 努(尚絅学院大学・准教授)

17:40〜18:20  個人発表А_蝋 洋尚(国立民族学博物館・准教授)
「南太平洋で「客家文化」を考える――フードスケープの視点から」
コメンテーター:河野 正治(日本学術振興会特別研究員PD/京都大学)


【2018年11月11日(日曜日)プログラム】

<個人発表 第四セッション> ※発表20分、コメント5分、質疑応答15分
司会:川瀬 由高(日本学術振興会特別研究員PD/東京大学)

9:00〜9:40 個人発表─ヾ 行一(ガン コウイチ)(首都大学東京・博士前期課程)
「冷え性をめぐる医学言説に関する試論――身体と感覚の視点から」
コメンテーター:濱 雄亮(東京交通短期大学・講師)

(休憩5分)
<分科会:「不真面目」なイスラーム実践から考える宗教的規範の再創造> 
※開催時間:9:45〜12:00
司会:沼崎 一郎(東北大学・教授)

趣旨説明  西川 慧(東北大学大学院・博士後期課程)
分科会発表 \樟 慧(東北大学大学院・博士後期課程)
「清い「心」が生み出すもの/邪な「心」が生み出すもの――インドネシア西スマトラ州におけるイスラーム実践の創造性」
分科会発表◆ヽぬ 典子(日本学術振興会特別研究員PD/中央大学)
「矛盾を受け入れる――近現代中国ムスリム社会における「愛国愛教」と「面子」」
分科会発表 奈良 雅史(北海道大学・准教授)
「敬虔さの経済――回族社会の変化とイスラーム復興」
分科会発表ぁ〔畋 自(立教大学・准教授)
 「華人ムスリムを「真面目」に生きるということ――雲南ムスリム移民たちと「宗教」実践」
コメント  藤野 陽平(北海道大学・准教授)
コメント◆ 高尾 賢一郎(日本学術振興会特別研究員PD/東京外国語大学)
質疑応答

<個人発表 第五セッション> ※発表20分、コメント5分、質疑応答15分
司会:吉川 侑輝(慶應義塾大学大学院・博士後期課程)
 
13:00〜13:40 個人発表 夏 群(カ グン)(東北大学大学院・博士後期課程)
「毛皮交易と狩猟民の生存戦略——中国大興安嶺地域に暮らすエヴェンキの事例から」
コメンテーター:二文字屋 脩(早稲田大学・講師)

13:40〜14:20 個人発表 張 平平(チョウ ピンピン)(北九州市立大学大学院・特別研究員)
「チベット族の牛糞利用――燃料から伝統文化へ」
コメンテーター:ボウ サラ(東北大学大学院・博士後期課程)

14:20〜15:00 個人発表 小嶋 ゆかり(東北大学大学院・博士前期課程)
「漁撈信仰の文化人類学的研究――海と共に生きる人々の語り」
コメンテーター: 塚原 伸治(茨城大学・准教授)

15:00 閉会の辞:吉川 侑輝(慶應義塾大学大学院・博士後期課程)

***

【趣旨説明】「不真面目」なイスラーム実践から考える宗教的規範の再創造

 本分科会の目的は、宗教規範の順守という観点からすると「不真面目」に見える人びとの営みから、規範がつくりなおされていく創造的なプロセスを描くことである。
 従来の人類学におけるイスラームに関する議論では、人びとの生活のなかでイスラーム的な事柄が以前よりも顕在化していく「イスラーム復興」という現象が注目されてきた(大塚2000)。この現象は、より広い文脈では、宗教が私的領域から抜け出し公的領域にまで及び始める「ポスト世俗化」によって社会が再構成されていくプロセスとして位置づけられる。その理解のために、「イスラーム復興」を対象とする研究は、ムスリム自身がより敬虔になろうとする営みを描いてきた(Mahmood 2005)。
しかし、このようなアプローチでは、一見すると「不真面目」に見えるムスリムの実践に込められている宗教的な意味合いが見落とされてしまう。例えば、インドネシアのある村落では、一部の人びとのあいだで富くじが行われていた。富くじは本来であればイスラームで禁止されているはずの賭け事に当たる。しかし、参加者たちは、富くじが禁止されていることを知りながらも、夢に現れる数字を神からの恩寵と捉え、その数字へと金銭を賭けていた。彼らにとって富くじは神の真実性を担保するものであったのだ。人びとの生活に目を向ければ、「イスラーム的」であるための方向性は教義としてのイスラームに還元できないのである(奈良2016)。そこで、重要となるのは「敬虔」と「不真面目」がつくられていくポリティクスと、「不真面目」な実践が人びとの中で積極的な意味を持ち始める可能性の両者を描いていくことである。本分科会では、これらの議論を通して、人びとの日常のなかで宗教的規範が創造的につくりなおされていく様態を明らかにしたい。
 
引用文献
Mahmood, Saba 2005 Politics of Piety: Islamic Revival and the Feminist Subject, Princeton: Princeton University Press.
奈良雅史2016『現代中国の〈イスラーム運動〉:生きにくさを生きる回族の民族誌』風響社。
大塚和夫2000『近代・イスラームの人類学』東京大学出版会。




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