2017年07月24日

『教場2』長岡弘樹著(小学館)5

 ずっと、読みたいと思っていた『教場』の続編。地元の図書館で見つけたので、借りてきた。

教場2教場2
著者:長岡 弘樹
小学館(2016-02-23)
販売元:Amazon.co.jp


 【●第一話 創傷(そうしょう)
初任科第百期短期課程の桐沢篤は、風間教場に編入された不運を呪っていた。医師から警察官に転職した桐沢は、ゴールデンウイーク明けに最初の洗礼を受ける。
●第二話 心眼
風間教場では、備品の盗難が相次いでいた。盗まれたのは、PCのマウス、ファーストミット、マレット(木琴を叩く枹)。単独では使い道のないものばかりだ。
●第三話 罰則
津木田卓は、プールでの救助訓練が嫌でたまらなかった。教官の貞方は屈強な体格のスパルタ教師で、特に潜水の練習はきつい。本気で殺されると思ってしまうほどだ。
●第四話 敬慕
菱沼羽津希は、自分のことを初任科第百期短期課程のなかでも特別な存在だと思っている。広告塔として白羽の矢が立つのは、容姿に秀でている自分なのだ。
●第五話 机上
仁志川鴻は、将来の配属先として刑事課強行犯係を強く希望している。元刑事だという教官の風間には、殺人捜査の模擬実習を提案しているところだ。
●第六話 奉職
警察学校時代の成績は、昇進や昇級、人事異動等ことあるごとに参照される。美浦亮真は、同期で親友の桐沢篤が総代候補と目されるなか、大きな試練に直面していた。】(小学館HPの内容紹介より)

 相変わらずの面白さだ。警察学校の中で起きる些細な事件、あるいは事件とも呼べない出来事の謎を、教官の風間が解き明かしていく。といっても、『名探偵コナン』の毛利小五郎のように、得意顔で推理を披露するのではない。彼は黒子に徹しながら、真相を明らかにするのだ。

 『教場』のレビューの時にも書いたことだが、小学館のTVCMを見ていた時には、生徒の失態を見逃さない鬼教官が登場する作品だと思っていた。

 それは大きな勘違いであった訳だが、この続編を読んで、風間という人物がより魅力的に思えてきた。時として、生徒に辛辣な言葉を投げかけるが、その根底には、真摯に警察官を目指す者に対する愛情が流れている。

 もっとも、この作品に描かれているように、「パワハラ」や「モラハラ」のオンパレードが警察学校の実態で、助教の朝永のような人物にしごかれるのだとしたら、根性なしのぼくにはとても耐えられそうにもないね。

 長岡さんには『教場』シリーズを書き続けてほしいと思う。



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2017年07月23日

『現代詩人探偵』紅玉いづき著(東京創元社)2

 昨日は、妻の誕生日祝いで、東区泉の「ぽっか」さんでお食事。前日までに予約が必要な「お二人様とりわけコース」を頼んでおいた。こちらのお店は、しょうがと味噌を使ったお料理を看板メニューとしている。ネットで偶然見つけたのだが、どの料理も美味しかったし、ボリュームもあって、妻も喜んでいた。今度は、ランチでお邪魔したいな。

 さて、『ミミズクと夜の王』の紅玉いづきさんの本を、地元の図書館で見つけたので、借りてきた。こんなタイトルをつけられたら、国文科出身のぼくとしては、読んでみずにはいられない。

現代詩人探偵 (ミステリ・フロンティア)現代詩人探偵 (ミステリ・フロンティア)
著者:紅玉 いづき
東京創元社(2016-03-12)
販売元:Amazon.co.jp


 【とある地方都市で、「将来的に、詩を書いて生きていきたい人」が参加条件のSNSコミュニティ、『現代詩人卵の会』のオフ会が開かれた。互いの詩の合評を行い、現代詩について存分に語り合った九人の参加者は、別れ際に約束を交わした。「詩を書いて生きる志をもって、それぞれが創作に励み、十年後に詩人として再会しよう」と。しかし約束の日、集まったのは五人。ほぼ半数が自殺などの不審死を遂げていた。なぜ彼らは死ななければならなかったのか。細々と創作を続けながらも、詩を書いて生きていくことに疑問を抱き始めていたぼくは、彼らの詩にまつわる事情を探り始めるが……。
 生きることと詩作の両立に悩む孤独な探偵が、創作に取り憑かれた人々の生きた軌跡を辿り、見た光景とは?気鋭の著者が描く初のミステリ長編。】(単行本表紙見返しの内容紹介より)続きを読む

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『図書館の魔女 上・下』高田大介著(講談社)5

 『図書館の魔女』というファンタジーが面白いということは、耳にしていた。一度、読んでみたいと思っていたが、なかなか図書館で借りることができずにいた。ひと月ほど前に、地元の図書館の書架で見つけたので、借りてきた。

 上下巻2冊借りてきたのだが、とにかく厚さがすごい。amazonの登録情報によると、上巻が658ページ、下巻が810ページ、合計すると1400ページを超えるのだ。

 当初、ぼくは、軽いタッチの読み物を想像していた。実際には、生半可の気持ちで読み出すと、すぐに挫折してしまいそうな重厚で壮大な物語であった。なんと言ったらいいのか、読者の想像力も試されるような作品である。ありきたりの日常の中で発揮される想像力だけでは、とても太刀打ちができない。
 
図書館の魔女(上)図書館の魔女(上)
著者:高田 大介
講談社(2013-08-09)
販売元:Amazon.co.jp

図書館の魔女(下)図書館の魔女(下)
著者:高田 大介
講談社(2013-08-09)
販売元:Amazon.co.jp


【鍛冶の里に生まれ育った少年キリヒトは、王宮の命により、史上最古の図書館に暮らす「高い塔の魔女(ソルシエール)」マツリカに仕えることになる。古今の書物を繙き、数多の言語を操って策を巡らせるがゆえ、「魔女」と恐れられる彼女は、自分の声を持たないうら若き少女だった。超弩級異世界ファンタジー全四巻、ここに始まる!】

【図書館のある一ノ谷は、海を挟んで接する大国ニザマの剥き出しの覇権意識により、重大な危機に晒されていた。マツリカ率いる図書館は、軍縮を提案するも、ニザマ側は一ノ谷政界を混乱させるべく、重鎮政治家に刺客を放つ。マツリカはその智慧と機転で暗殺計画を蹉跌に追い込むが、次の凶刃は自身に及ぶ!】

【深刻な麦の不作に苦しむアルデシュは、背後に接するニザマに嗾けられ、今まさに一ノ谷に戦端を開こうとしていた。高い塔のマツリカは、アルデシュの穀倉を回復する奇策を見出し、戦争を回避せんとする。しかし、彼女の誤算は、雄弁に言葉を紡ぐ自身の利き腕、左手を狙った敵の罠を見過ごしていたことにあった。】

【手を汚さずして海峡に覇権を及ぼす、ニザマの宦官宰相ミツクビの策謀に対し、マツリカは三国和睦会議の実現に動く。列座したのは、宦官宰相の専横に甘んじてきたニザマ帝、アルデシュ、一ノ谷の代表団。和議は成るのか。そして、マツリカの左手を縛めた傀儡師の行方は?超大作完結編。第45回メフィスト賞受賞作。】(講談社HP文庫版全4巻の内容紹介より)
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2017年07月02日

『烏に単は似合わない』阿部智里著(文藝春秋)4

 話題になっていると聞いたので、読みたいと思いながら、地元の図書館では貸し出し中なのか、手に入れることができなかった。

 先日、愛知県図書館で見つけたので、早速借りてきた。

烏に単は似合わない  八咫烏シリーズ 1烏に単は似合わない  八咫烏シリーズ 1
著者:阿部 智里
文藝春秋(2012-06-01)
販売元:Amazon.co.jp


 【松本清張賞を最年少で受賞、そのスケール感と異世界を綿密に組み上げる想像力で選考委員を驚かせた期待のデビュー作は、壮大な時代設定に支えられた時代ファンタジーです。
人間の代わりに「八咫烏」の一族が支配する世界「山内」では、世継ぎである若宮の后選びが今まさに始まろうとしていた。朝廷での権力争いに激しくしのぎを削る四家の大貴族から差し遣わされた四人の姫君。春夏秋冬を司るかのようにそれぞれの魅力を誇る四人は、世継ぎの座を巡る陰謀から若君への恋心まで様々な思惑を胸に后の座を競い合うが、肝心の若宮が一向に現れないまま、次々と事件が起こる。侍女の失踪、謎の手紙、後宮への侵入者……。峻嶮な岩山に贅を尽くして建てられた館、馬ならぬ大烏に曳かれて車は空を飛び、四季折々の花鳥風月よりなお美しい衣裳をまとう。そんな美しく華やかな宮廷生活の水面下で若宮の来訪を妨害し、后選びの行方を不穏なものにしようと企んでいるのは果たして四人の姫君のうち誰なのか? 若宮に選ばれるのはいったい誰なのか?
あふれだすイマジネーションと意外な結末――驚嘆必至の大型新人登場にご期待ください。】(文藝春秋HPの内容紹介より)。続きを読む

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栄ミナミ音楽祭2017

 注意:開催されたのは5月13日です。

 毎年恒例の栄ミナミ音楽祭。

 昨年はなぜか5月7日、8日という早い時期に開催された。7日は斉藤和義さんのライブに出かけたので、去年は行かずじまい。

 今年はあいにくのお天気で、矢場公園のメイン会場がどうなるか心配されたのだが、何とかお天気が持ちそうだったので、3時過ぎに出かけた。

 ちなみに午前中は、朝の9時から妻とカラオケ。昔の歌を中心に歌ったけれども、やはり今の歌を歌うよりも、昔の歌の方が安定感があるとは妻のお言葉。

 さて、メイン会場の矢場公園に近づくと、慣れ親しんだメロディが聞こえてくる。あれっ、これって『心の旅』?。歌っていたのは、「八事交差点」というデュオ。後で調べたら、「八事交差点」のメンバーは伊藤秀志さんと元・雅夢の三浦和人さんであった。お二人は中京大学のフォークソング部の先輩・後輩という間柄らしい。

 さて、公園の入り口でプログラムの入った袋を渡されたが、中身がいろいろあって豪華だった。

 寿がきやの「みそのだしつゆ」、カゴメの「ごろごろローストチキン用炒め用スープ」に「野菜生活 ライム・ミントミックス」、名古屋トヨペットのタオルに、男性用、女性用のシャンプーの試供品、UCCコーヒーの試供品に、クリアファイル。何だか得した気分。

栄ミナミ2017_1





栄ミナミ2017_2



 会場には、午前中に降っていた雨をよけるためかテントがいくつか設営されていたが、足元はぐちゃぐちゃ。お天気が回復してきたたため、そのテントも撤去され、後半に向かう。

 今回のぼくのお目当ては、Kさん以降のアーティスト。

 まずはKさん。関根麻里さんの夫であるが、それは音楽とは無関係なことだね。以前、彼の楽曲を気に入って、MDに録音した記憶があるが、どの曲なのか忘れてしまった。

 Kさんが最初に歌ったのは、ドラマ『科捜研の女』の主題歌『シャイン』。次がブルーノ・マーズのカバー。

 最後に歌った『桐たんすの歌』は、お嫁にいった女性の父親の心情を、その家にある桐たんすの視点から歌ったという、ユニークな作品だった。

 次はScoop on Somebody。以前、鈴木雅之さんが栄ミナミに出演していた時以来かな。

 前に聴いた時には、それほど感じなかったのだけれども、歌唱力がすごい。ただ、聴いて、彼らの曲だとわかるのは、『sha la la』くらいしかないんだけどね。

 Kさんも、Scoop on Somobodeyも、しきりに今回のトリの佐藤竹善さんが、超のつく「雨男」であることをアピールする。確かにやんでいたはずの雨が、ポツリポツリと落ちてくる。会場では傘の使用は禁止で、用意のいい人は、雨ガッパを羽織っていたが、まあ、濡れるほどの雨でもないから、そのままステージを見続けた。

 次が、矢井田瞳さん。彼女の代表曲『my sweet darlin’』について、二つ思い出がある。

 一つは、会社の同僚たちとカラオケに行った時、歌の上手なTさんという女性社員が、この歌を英語部分も含めて、完璧に歌ったことだ。びっくりしたぼくが、「相当練習した?」と聴いたら、「今日、初めて歌ったんです」というので、二度びっくりした。

 もう一つは、矢井田さんが「ヤイコ」と呼ばれていたことを踏まえての話。ある時、職場の有線放送から、すごく気になる歌が流れてきた。歌のタイトルも、誰が歌っているかも分からなかったので、20歳くらいのアルバイトさんに、「これって、誰の歌?」と聞くと、「ヤイコ」。

 えっ、『my sweet darlin’』と、曲調も歌い方も全然違うし、声も違うんじゃないかと思っていたら、後にぼくの聞き違いだったことが分かった。

 アルバイトさんは「アイコ」と言ったのに、母音が一緒だったので、ぼくが勝手に「ヤイコ」だと思い込んだというオチである。

 ちなみに、その時流れていた曲は、『桜の時』。

 矢井田さんを特に気に入っていたという訳ではないが、なぜか、セカンドアルバム『Candlize』を借りてきてMDに録音していた。

 久しぶりに『my sweet darlin’』を聴けるかと思ったのだが、残念ながらこの曲は歌わず仕舞い。その代り、『Candlize』に収録されていた『Over the Distancd』を聴くことができた。懐かしくて、涙が出そうだった。

 さて、トリの佐藤竹善さん。彼の歌は、カバーアルバム『CORNERSTONES』シリーズを3枚ほどMDに録音して聴いていた。当時は今ほどカバーアルバムがなかったので、時々思い出しては聴くという程度で、特にファンであるという訳ではないんだけどね。

 まずは、「雨男」のエピソードから。その頃から、またポツポツと雨が落ちてきたが、佐藤さん曰く、「ぼく的には、これは晴天(青空だったかな?)です。」幸い、それ以上雨が強くなることはなかった。

 佐藤さんの歌った曲は、洋楽が多くて、どこかで聴いたことはあっても、アーティスト名も曲名も分からない。歌唱力も、ギターも、さすがって感じだったけどね。

 最後は、Kさん、Scoop on Somebody、矢井田さんもステージに上がり、佐藤さんと一緒に、『夢で逢えたら』を熱唱。いやー、よかった。

 昨年の栄ミナミを見ていないので、趣向が変わったのが、昨年からなのか、今年からなのか分からないけれども、以前は、出演アーティストが代わる度に司会者がステージに登場して、次のアーティストを紹介していた。

 今回、Kさん以降は、次のアーティストと一緒に、一曲披露してから、次のアーティストに代わるというスタイルであった。

 KさんとScoop On Somebodyのジョイントした曲が何か分からなかったけれども、Scoopと矢井田さんは、キャロル・キングの『You’ve Got A Friend』。そして、矢井田さんと佐藤さんのコラボは、THE BLUE HEARTSの『青空』。『青空』と言えば、miwaさんもカバーしているが、ギターを抱えて歌う女性アーティストの走りは、矢井田さんだったようにも思える。

 さてさて、来年の栄ミナミには、どんなアーティストが出演するのかな?気の長い話だけれども、今から首を長くして待っていよう。 

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2017年07月01日

『黒警(こくけい)』月村了衛著(朝日新聞出版)3

 たまたま愛知県図書館に出かける機会があって、書架を眺めていたら、この本が目に留まったので借りてきた。

 『機龍警察』シリーズに比べると、かなり薄い本なので、内容はどうかなと思いながら読み始めた。

 面白かったけれども、やはりページ数の関係もあって、物足りなかった。

黒警黒警
著者:月村了衛
朝日新聞出版(2013-09-06)
販売元:Amazon.co.jp

 【街で女を見捨てた警視庁組織犯罪対策部・沢渡と、見ず知らずの女の命を救った滝本組の幹部ヤクザ・波多野。腐れ縁の2人の前に、カンボジア難民の女を助けたい中国黒社会の新興勢力「義水盟」の沈が現れる。3人の運命が重なった時、警察内部の黒く深い闇が蠢きだす……。『機龍警察』『土漠の花』の著者による本格警察小説!】(朝日新聞出版HP 文庫版の内容紹介より)

 主人公と思しき刑事の沢渡よりも、ヤクザの波多野の方がずっと魅力的に思われる。中国の黒社会に生きる沈はスマートなインテリヤクザ(?)でありながら、「義」に篤い不思議なキャラクターである。

 このページ数で、この三人が三面六臂の活躍ができるのだろうかと心配していたら、なるほど、そう来たか。

 沢渡も波多野も、所詮は組織の一員にしか過ぎない。腐敗した警察組織の中で、一介の刑事にできることなどたかが知れている。しかし、彼らは、大胆な作戦で、組織のトップに一矢を報いる。

 どうやら続編も出版されているようだが、『機龍警察』のような重厚なストーリー展開は望めそうもない。

 手軽に読む作品としてなら、いいかもしれないね。

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2017年06月25日

『考証要集 秘伝!NHK時代考証資料』大森洋平著(文春文庫)5

 GW前から、読み終えてもレビューを書き終えることができなくて、かなり順番が前後してしまった。実際に読み終えた順に本を並べると、『ひとり吹奏楽部』、『ランニングをする前に読む本』、次がこの『考証要集』で、『カムパネルラ』、『流』の順となる。

 さて、2003年に放映された山田孝之さん、綾瀬はるかさん主演のTBSドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』はぼくのお気に入りだった。

 すべてビデオに録画したし、放送終了後はすぐにDVDボックスを注文した。後にも先にも、DVDを購入したドラマはこれしかない。

 ただ、途中、気に入らないシーンがあった。

 柄本佑さん演じる山田さんの友人・ボウズが、「マジっすか?」と声を上げる場面だ。

 このドラマの背景となっているのは1985年で、「マジっすか」という表現はなかったはずだ。

 そういえば、筒井道隆さん、吉岡秀隆さん、石田ひかりさんの出演した『1970 ぼくたちの青春』。先ごろ話題になった川越美和さんも出演していたっけ。

 このドラマも素晴らしいドラマなのだが、本屋さんのシーンがあり、そこで、1970年当時には存在しなかった文庫(確か集英社文庫)が陳列されていて、ちょっと興ざめしたことがあった。

 まあ、気づかない人の方が多いのだろうけれども、やっとの思いで当時の車や衣装を調達してきても、そうした些細なことで、せっかくの苦労が水の泡になることがある訳だ。

 図書館でこの本を手に取り、パラパラとめくってみると、色々とぼくの知らないことが出てきて、興味を持ったので借りてきた。

考証要集 秘伝! NHK時代考証資料 (文春文庫)考証要集 秘伝! NHK時代考証資料 (文春文庫)
著者:大森 洋平
文藝春秋(2013-12-04)
販売元:Amazon.co.jp


【織田信長がいくら南蛮かぶれでも、望遠鏡を使わせたらドラマは台無し。「花街」を「はなまち」と読ませたり、江戸っ子に鍋料理を食わせようものなら、番組の信用は大失墜。斯様に時代考証は難しい。テレビ制作現場のエピソードをひきながら、史実の勘違い、思い込み、単なる誤解を一刀両断。目からウロコの歴史ネタが満載です。】(紀伊國屋書店WEB STOREの内容紹介より)

 例えば、「弥平は大店から3両を盗んだ下手人として召し取られ、5年の遠島を申し付けられた。」とか「今回の行為は、海軍兵士として恥ずべきものでありますが、その責任はすべて自分にあります。」というナレーションやせりふを聞いて、どこがおかしいのか分かるだろうか。

 情けないことに、この本を読むまで、この文例のどこがおかしいのか、ぼくには全然分からなかった。(この文章は、本書に掲げられた事柄を組み合わせて、ぼくが作ったものである)。

 「へぇー」と感心させられることが山盛りの楽しい読み物である。興味のある方は、ぜひ一度手に取って、興味のある項目についての解説を読んでみてください。

touch3442 at 20:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0)BOOK−ビジネス・実用 | BOOK−その他の「あ」行の作家

永瀬正敏主演『光』

 先日、知人がFacebookに伏見ミリオン座の看板をアップしていた。看板には、第70回カンヌ国際映画祭でエキュメニカル賞を受賞した『光』のポスターもあり、そういえば、この映画を見たいと思っていたことを思い出した。

 ぼくは映画監督や映画賞には全く詳しくない。映画を見る基準は、雑誌や新聞の映画紹介を読んで、ピンとくるかどうかで決める。カンヌで上映後、10分間のスタンディングオベーションを受け、監督や出演者が涙を流したという記事を読んで、どんな映画なのだろうと興味を持っていた。 

 伏見ミリオン座の上映スケジュールを見ると、先週の金曜日までは一日2回上映される。しかも、2回目の上映は、午後7時35分からで、仕事が終わってからでも間に合う。

 今は、まだ仕事が立て込んでいないので、21日の水曜日に、ほぼ定時で退社し、ミリオン座へ向かった。

 上映までにはまだ時間があったので、コーヒーとクイニーアマンを買って、腹ごしらえをした。

 主演の永瀬さんの存在を知ったのは、昔、あだち充さん原作の『みゆき』の実写版を見に行った時のことだ。今、調べると1983年の作品だから、もう30年以上前のことになる。

 永瀬さんの若松真人、血のつながらない妹・みゆきは、宇沙美ゆかりさん、同級生の鹿島みゆきは、三田寛子さんというキャストだった。

 当時中学3年生だった下の弟が見たいというので、一緒に連れて行ったが、当時は満員でも客を入場させていた。大混雑の中での立ち見だったため集中できなかったのか、記憶があいまいだ。

 永瀬さんの演技も特には印象には残っていない。

 その後、テレビドラマ『私立探偵 濱マイク』が話題になった時に、一度見たことがある。ぼくの想像していたのと違うドラマだったため、一回きりで、これまた永瀬さんの印象は残っていない。

 今年のお正月に元妻の小泉今日子さんと共演した『毎日かあさん』をDVDで借りてきて見たが、この時に初めて、永瀬さんのことを、味のあるいい役者さんだと思った。

 『光』















 【「萌の朱雀」の河瀬直美監督が「あん」に続いて永瀬正敏とタッグを組み、「ユダ」の水崎綾女をヒロインに迎えて描いたラブストーリー。人生に迷いながら生きてきた女性が、視力を失いゆく天才カメラマンとの出会いを通して変化していく様子を描く。視覚障がい者のための「映画の音声ガイド」の制作に従事している美佐子は、弱視のカメラマン・雅哉と出会う。雅哉の無愛想な態度に反感を覚える美佐子だったが、彼が撮影した夕日の写真に感動し、いつかその場所に連れて行って欲しいと思うようになる。そして、視力を失っていく雅哉の葛藤を間近で見つめるうちに、美佐子の中の何かが変わりはじめる。共演に「日本のいちばん長い日」の神野三鈴、「るろうに剣心」シリーズの小市慢太郎、「龍三と七人の子分たち」の藤竜也。】(「映画.com」の解説より)
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2017年06月18日

『YOGA DAYS TOKAI 2017』

 妻と一緒に、愛・地球博記念公園で開催された『YOGA DAYS TOKAI 2017』というイベントに参加した。

YOGA DAYS TOKAI 2017











 妻は数年前からヨガを習っている。その関係もあって、参加したいと言い出したのだ
が、ひとりで参加するのは心もとないらしく、ぼくに同行を求めたという訳である。

 妻が参加したのは、11時30分から開講される『全身のバランス維持を高める足・脚のヨガ行法』、ぼくは同じ11時30分から開講される『体調管理ヨガ』に参加した。

 男性が一人だったらどうしようと心配していたのだが、ぼくの講座には、男性が7、8人いたのでよかった。

 ヨガをやったこともなければ、その効用についてもほとんど知らないぼくであったが、13時まで、それなりに楽しく時間を過ごすことができた。

 ただ、ぼくは赤ちゃんの時に股関節脱臼をした関係で、あぐらをかくことができないなど、股関節の動きが不自由なため、ちょっと辛い部分もあった。

 講座の後に、妻と一緒にお弁当を食べた。参加申し込みの際に頼んでおいた、超健康的なお弁当はおいしかったけれども、ちょっと物足りなくて、ソフトクリームのチョコミントを食べたり、マルシェのパン屋さんのパンを食べたりしてしまった。

お弁当












 14時からは、妻のヨガ教室の先生のお師匠筋にあたるという木村慧一さんという方の講演を聞いた。

 ユーモアたっぷりの講演(ただし、若干のセクハラ発言や問題発言もあったが、安倍とか菅とかいうバカな政治屋があれだけの低レベルな発言をしている昨今、問題視するようなものではないとぼくは思う)で、日本のヨガ療法が世界的に見て、いかにレベルの高いものなのかを知ることができたのは有益だった。

 その後、「整膚」のコーナーで、初めて整膚なるものを10分間してもらった。マッサージのような心地よさはないが、それでも肩こりが楽になった。

 今日は、父の日なので、その後は瀬戸にある妻の実家に行き、妻の両親と焼肉を食べに出かけた。

 結構、あわただしい一日だったが、初めての経験が出来て、ちょっとした気分転換になった。今度はヨガ関連の本も読んでみようかなと思った。

touch3442 at 22:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0)身辺雑記 

2017年06月11日

『Yellow Mellow 名古屋ワンマンライブ』4

 昨日の土曜日は、知人のお勧めの女性アカペラグループ『Yellow Mellow』のワンマンライブに出かけた。

 ライブ会場は今池のパラダイスカフェ21で、開場は12:30、開演は13:00。

 会場に向かう前にパスタで腹ごなし。カルボナーラを注文したのは20年ぶりだったが、比較的あっさりとしていて、美味しくいただくことができた。

 さて、会場で最前列右隅の席に陣取り、開演を待った。

 オープニング・アクトは『JUKU☆MELO』というこれまたアカペラのグループ。熟女3名、若い(?)男性3人という組み合わせで、いきなり『セーラー服を脱がさないで』。ちょっと、これには意表を突かれた。

 アカペラというのは、しっとりとした曲を歌うものだという先入観がぼくにはあったためだ。

 『JUKU☆MELO』というグループ名は、「熟女が懐メロ」あるいは「熟女にメロメロ」の両方を掛けたネーミングらしい。時折名古屋弁を交えたおしゃべりも面白くて、楽しかった。

 いつもなら、ライブに出かけるときには、ペンとメモを持っていくのに、今回は忘れてしまったため、残り2曲がなんだったかが思い出せない。ごめんなさい。


 さて、続いて、『Yellow Mellow』の登場である。

 イエロー・メロー












 彼女たちの歌うのは、『JUKU☆MELO』さんたちと同じくカバー曲。『五番街のマリー』や『世界で一番暑い夏』、『UFO』、『狙い撃ち』(これは山本リンダさんだ)などなど。

 これまた意外だったのは、『UFO』と『狙い撃ち』。だって、振り付けまで入っているんだもの。

 途中休憩をはさんで、第二部。

 第二部は『マイ・ピュア・レディ』や『ダンシング・オールナイト』、『駅』などサード・アルバムの『第三埠頭』の曲を中心とした構成であった。

 実は今日、妻とカラオケに行って、妻が歌った歌と、昨日聞いた歌とがごっちゃになってしまい、メモを取っていなかったこともあり、セット・リストがきちんと思い出せない。

 アンコールに『学園天国』を歌ったことは覚えているのだが、最後の『JUKU☆MELO』さんと一緒に歌ったのは、何だっけ?

 何はともあれ、初めての生アカペラ体験は楽しかった。

 アカペラというのは、ボイスパーカッションとかベースボーカルといった、縁の下の力持ちの役割を果たす方がいて、初めて成り立つのだなと思った。

 関西人らしいツッコミの入ったMCも楽しかったよ。

 名古屋でのワンマンライブは1年2ヶ月ぶりだという話だったけれども、チャンスがあれば、また聴きに出かけたいと思う。

 ちなみに帰りには、池下まで歩いて行って、ドゥリエールというケーキ屋さんで、シュークリームを買ったきた。クリームがたっぷりのシュークリームは1個150円とお値打ちで、娘たちは大喜びで食べたとさ、めでたし、めでたし。


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2017年06月10日

『ランニングする前に読む本 最短で結果を出す科学的トレーニング』田中宏暁著(講談社ブルーバックス)5

 小学校時代は陸上部だった。足はそれほど速くなかったけれども、ハードルが得意で、6年生の時には、郡大会に出場した。もっとも、入賞はできなかったけどね。

 中学校時代は剣道部に所属していたにもかかわらず、なぜか駅伝の郡大会に出場した。多分、1500m走のタイムが良かったからだろう。

 そんな訳で、「走る」ことは嫌いではない。結婚した当初は、朝、3kmほど走っていたこともある。ひと月も続かなかったし、その後は、早起きする余裕もないほど仕事に追われるようになって、もう20年近く走る機会はなかった。

 GWにかなり体重が増加し、お腹がポッコリしてきたので、これはいけないと思っていたら、本屋さんでこの本を見つけた。

 本の帯には、「今始めても、3ヵ月でフルマラソンは完走できる!」とある。いや、フルマラソンに挑戦しようという気は全然ないのだが、『ためしてガッテン』でも取り上げられていた「スロージョギング」の第一人者の書かれた本だというので、買ってきて読んだ。

ランニングする前に読む本 最短で結果を出す科学的トレーニング (ブルーバックス)ランニングする前に読む本 最短で結果を出す科学的トレーニング (ブルーバックス)
著者:田中 宏暁
講談社(2017-02-15)
販売元:Amazon.co.jp


 【運動生理学の研究から生まれた「走るための最強メソッド」

 本来、走ることは、決して苦しい運動ではありません。
 誰でも持っている「走る才能」を100%発揮するには、フォアフット着地で、楽なペースで走ること。
 「スロージョギング」から始めれば、
 一流ランナーと同等のスキルが簡単に習得できます。
 準備運動も筋トレもいらない、膝や心臓への負担もない。
 それでいて、消費カロリーはウォーキングの2倍。
 初心者から、サブスリーを目指す上級者まで、
 弱点を克服し、確実に結果を出すノウハウを徹底解説。】(本書裏表紙の内容紹介より)続きを読む

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2017年06月04日

『流(りゅう)』東山彰良著(講談社)5

 直木賞受賞作の『流』。読みたいと思っていたら、地元の図書館で見つけることができたので、借りてきて読んだ。

 東山さんの作品を読むのはこれが初めてだ。

流
著者:東山 彰良
講談社(2015-05-13)
販売元:Amazon.co.jp


 【1975年、台北。
偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。
戦争中、内戦で敗れ、追われるように台湾に渡った不死身の祖父。
なぜ? 誰が?
無軌道に生きる17歳のわたしには、まだその意味はわからなかった。
台湾から日本、そしてすべての答えが待つ大陸へ――。
歴史に刻まれた、一家の流浪と決断の軌跡。】(講談社『流』特設HPの内容紹介より)
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2017年06月01日

『カムパネルラ』山田正紀著(東京創元社)3

 最近、何かと話題の宮沢賢治。ぼくも『宮沢賢治全集』をちくま文庫版で持っているが、実は全然読んでいない。『銀河鉄道の夜』は幻想的で、ぼくの好みの作品ではあるけれども、なんとなく物悲しい気分になるので、読み返すことはない。

 山田さんのSFは、大学生の頃に『弥勒戦争』や『神狩り』を読んだけれども、面白さがよく分からなかった。10年ほど前に読んだ、『ミステリーオペラ』も、大作ではあったが、ぼくにはそれほど印象に残らなかった。

  少し前に『夕刊ゲンダイ』が紹介していたおすすめのSFの一冊がこの『カムパネルラ』であった。地元の図書館にあったので早速借りてきて読んだ。

カムパネルラ (創元日本SF叢書)カムパネルラ (創元日本SF叢書)
著者:山田 正紀
東京創元社(2016-10-20)
販売元:Amazon.co.jp


 【十六歳のぼくを置いて、母は逝った。研究者だった母は、現政権の思想教育の要となっている宮沢賢治作品−とりわけ『銀河鉄道の夜』を熱心に研究し、政府が否定する「第四次改稿版」の存在を主張していた。遺言に従い、遺灰を携え花巻へ行ったぼくは、ふと気がつくと土砂降りの中、賢治が亡くなった昭和八年九月二十一日の二日前に転移していた。いまなら彼の死を阻止できるかも知れない−その一年で辿り着いた賢治の家でぼくを迎えたのは、早逝したはずの宮澤トシと、彼女の娘「さそり」だった……

 永遠に改稿され続ける小説、花巻を闊歩する賢治作品の登場人物−時間と物語の枠を超えた傑作長編SF!】(単行本表紙見返しの内容紹介より)続きを読む

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2017年05月31日

『ひとり吹奏楽部 ハルチカ番外編』初野晴著(角川文庫)5

 GW前に読み終えたのに、レビューを書くのが遅れてしまった。

 いろいろとブログのタネはあるのに、さぼってばかりで、危うく、この5月は投稿が0件になるところだった。

 この本は、本屋さんで偶然見つけて買ってきた『ハルチカシリーズ』の最新刊である。

ひとり吹奏楽部 ハルチカ番外篇 (角川文庫)ひとり吹奏楽部 ハルチカ番外篇 (角川文庫)
著者:初野 晴
KADOKAWA(2017-02-25)
販売元:Amazon.co.jp


 【マレンと成島の夢は、穂村と上条の夢を叶えることだ−。部を引退した片桐元部長から告げられ、来年のコンクールへの決意を新たにする芹澤直子。ギクシャクした関係を続けるカイユと後藤朱里。部の垣根を越えてある事件を解決するマレンと名越。そして部のまとめ役の成島美代子…。清水南高校吹奏楽部に運命的に集まった個性的なマンバー。その知られざる青春と日常の謎を描く、大人気シリーズ書き下ろし番外篇!】(角川文庫裏表紙の内容紹介より)続きを読む

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2017年04月23日

『珠玉の短編』山田詠美著(講談社)4

 地元の図書館で見つけて、タイトルに惹かれて借りてきた。

 もっとも、タイトルと内容とは、天と地ほどかけ離れていたけれどもね。


珠玉の短編珠玉の短編
著者:山田 詠美
講談社(2016-06-22)
販売元:Amazon.co.jp


 【★第42回川端康成文学賞受賞作「生鮮てるてる坊主」収録!★

奈美はある夫婦と親しくしているが、妻の虹子よりも、夫の孝一の方に深い友情を感じている。虹子にまつわる問題を二人で解決することで、更に親密度は増していく。しかし、孝一の出張中の雨の日を境に、三人の関係に歪みが生じ始めて…。(「生鮮てるてる坊主」)

神戸美子は幼い頃からありとあらゆる悪意を一身に受けてきた。中学の時、ついに長年の恨みが念となって同級生の男子を襲う。世にも稀な復讐の才能を手に入れた美子は、教祖と信者を兼任するひとり宗教「みこちゃん教」を設立することに…!?(「自分教」)

スプラッタ描写に定評がある作家・夏耳漱子は、自作に最も似つかわしくないはずの「珠玉」という惹句に取り憑かれてしまった。やがて頭の中で珠玉たちが地位向上と種の保存を騒ぎ出して…!?(「珠玉の短編」)

恋愛、友情、自尊心――人間の欲望の行き着く先は、グロテスクでブラックで愛おしい。詠美ワールド全開の11編の絶品をご堪能あれ。】(講談社BOOK倶楽部HPの内容紹介より)続きを読む

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『ラヴィアンローズ』村山由佳著(集英社)3

 21日の金曜日はノー残業ディ。どうも体調が思わしくないので、まっすぐ帰宅して、おとなしくしていた。

 昨日の土曜日は、妻とカラオケに行こうと思っていたのだが、予約でいっぱいだったため、あきらめて、港区方面へドライブ。

 今日は、お寺さんがいらして、一日早い母の命日を済ませた。早いもので、母が亡くなってから十年になるが、ぼくはいまだに母親が恋しくて、夢にまで見る。

 その後、お墓参りに行き、午後からは妻と一宮方面へドライブ。

 さて、先週の免許証更新の時に持参してほとんど読んでしまった『ラヴィアンローズ』。

 不思議なのだが、同じようなラブシーンであっても、女性が書いたものの方がぼくには刺激的に感じられる。とりわけ、村山さんの描くラブシーンは、別に濃厚だとは思わないのだが、結構、興奮する。

 もっとも、この作品の場合、ラブシーンにたどり着く前に、何度も読むのを止めようかと思ったのだけどね。

La Vie en Rose ラヴィアンローズLa Vie en Rose ラヴィアンローズ
著者:村山 由佳
集英社(2016-07-26)
販売元:Amazon.co.jp


 【薔薇の咲き誇る家で妻思いの優しい夫・道彦と暮らし、予約のとれないフラワーアレンジメント教室の講師、カリスマ主婦として人気を集めている咲季子。平穏な毎日が続いていくはずだった。あの日、年下のデザイナー堂本と出会うまでは。

――門限は九時。打ち合わせで外出する場合は三日以上前に場所と時間を夫に報告すること。男性と一対一での打ち合わせは絶対に避けること。泊まりの旅行など論外。
ややあって、堂本が言った。「なんかもう、『人形の家』って感じだな」――

夫が決めた厳格なルールに従って成り立っていた「幸せ」な暮らし。堂本との恋をきっかけに、咲季子はようやくその酷いモラハラに気づき、檻の外へ羽ばたこうとする。】(amazonの内容紹介より抜粋続きを読む

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2017年04月22日

『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』キャスリーン・フリン著(きこ書房)5

 地元の図書館の新刊紹介欄においてあったのをペラペラとめくってみたら面白そうなので借りてきて読んだ。

妻はこの本のタイトルをチラリとみて、「読む気がしない」と言っていた。どうやら、「ダメな女たち」というタイトルが気に入らないらしい。

 ぼくの母は料理上手だったし、妻もかなり料理の腕前は上だと思うが、「料理ができない=ダメな女」という世間一般にある先入観のようなものがお気に召さなかったようだ。実は、ぼくも同じことを感じた。この本の訳者は女性の村井理子さんという方だが、タイトルを決めたのは、もしかして男性の編集者かな?

 そう思ったのは、原題が『The Kitchen Counter Cooking School: How a Few Simple Lessons Transformed Nine Culinary Novices into Fearless Home Cooks』とあったからだ。

 単純に訳せば、『キッチンカウンター調理学校:いくつかのシンプルなレッスンは、9人の料理の初心者をどのようにして、恐れを知らない家庭のコックに変えたか』となる。

 『ダメ女』という言葉は、出版社が本を売る上で、インパクトを与えるために思いついたタイトルなのだろうなと想像した訳だ。

 タイトルの是非はさておいて、内容は非常に面白かった。

ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室
著者:キャスリーン・フリン
きこ書房(2017-02-09)
販売元:Amazon.co.jp


 【食べることは、生きること。

 料理ができない――そのせいで、自信を持てなくなっていた。

 年齢も職業もさまざまな女たちが、励ましあい、泣き、笑い、野菜を刻む。

 10人の人生を賭けた、リベンジがはじまる。

 自炊すればするほど、体重は減る! 素晴らしく、元気づけられた!――米ピープル誌

 米国人の著者は37歳でフランスのル・コルドン・ブルーを卒業した遅咲きの料理人。帰国後、地元の巨大スーパーマーケットで、買い物客の女性が缶詰めや箱詰めのレトルト食品ばかり買いまくる様子を目撃して、ショックを受ける。その買い物客の「料理のことって誰も教えてくれなかったし」という言葉がずっと心に引っかかり、一念発起。料理に対して苦手意識があるせいで、自分に自信を持てずにいる女たちを10人集め、料理教室を開催する。

 実母との“思い出の味”がマクドナルドの女、料理のことになると情緒不安定になる精神科医の女、自分より料理がうまい夫に引け目を感じているせいで夫婦の力関係が危うくなってしまっている女、ひとり暮らしなのに倉庫型スーパーで大量の食材を買いこんでしまう女、料理=良妻賢母の価値観から脱したい女…。

 年齢も、職業も、環境もそれぞれ違う女たち10人が、包丁の持ち方からはじまり、野菜を刻み、スープの取り方を覚え、鶏や牛肉をさばき、魚を焼き上げる。料理の基礎を学び、できることが増えていくうちに、10人の人生にも変化があらわれて…。】(きこ書房HPの内容紹介より)続きを読む

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2017年04月21日

『家康、江戸を建てる』門井慶喜著(祥伝社)4

 4月になって仕事もひと段落。土曜日も休めるようになったし、平日も早めに帰ることができる。

 先週の14日は、結婚記念日だったので定時で帰宅し、妻と二人で食事に出かけた。

 ある方のブログで拝見した「海鮮おこげ」がおいしそうだった西区の『味彩』さん。

 じゃこねぎのパリパリサラダに、桜えびのおつくり、鮃のカルパッチョ、鰆の竜田揚げ、クリームチーズの味噌漬、にんにくの豚肉巻き、そうそう、アスパラガスと蓮根の天ぷらも頼んだ。そして、最後が海鮮おこげ。

 先日、瀬戸の中華料理屋さんで食べた五目おこげは、おこげ部分がインスタントでがっかりしたが、こちらのお店では、ちゃんとしたおこげで、食べごたえがあった。

 ぼくのお小遣いの予算内での食事だったので、豪勢とは言い難いが、料理はどれも珍しく、おいしかった。妻も喜んでくれたので、よかった。

 15日の土曜日は、妻と二人、カラオケへ。なんでも、近々、友人とカラオケに出かけるので練習をしたいのだとか。妻は、これまで、ぼくがいくら誘っても行こうとしなかったのに、すっかり味をしめて、「毎週行こうか」などと言っている。

 午後からは、最近のぼくたち二人のブームの古着屋さんめぐり。

 16日は平針へ運転免許の書き換えに。現地に着いたのが、6時50分。一番乗りで書き換えを終えて、10時半には帰宅した。午後からは妻と津島方面へお出かけ。

 さて、門井さんは、当初、本にまつわるミステリーを書いていたが、最近では歴史物の著作をよく見かける。図書館で見つけ、タイトルに惹かれて借りてきた。

家康、江戸を建てる家康、江戸を建てる
著者:門井慶喜
祥伝社(2016-02-09)
販売元:Amazon.co.jp


 【関東には、のぞみがある──究極の天下人が描いた未来絵図とは?

「北条家の旧領関東二百四十万石を差し上げよう」天正十八年、落ちゆく小田原城を眺めながら、関白・豊臣秀吉は徳川家康に囁いた。その真意は、水びたしの低湿地ばかりが広がる土地と、豊饒な現在の所領、駿河、遠江、三河、甲斐、信濃との交換であった。愚弄するかのような要求に家臣団が激怒する中、なぜか家康はその国替え要求を受け入れた……。ピンチをチャンスに変えた究極の天下人の、面目躍如の挑戦を描く快作誕生!】(祥伝社HPの内容紹介より)続きを読む

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2017年04月09日

『サブマリン』伊坂幸太郎著(講談社)4

 昨日はお昼を食べに妻と『まつぼっくり』さんにお出かけ。五条川沿いの満開の桜を眺めながら、お店に向かった。

 今日は瀬戸にある妻の実家に行き、義父母と一緒に、曽木の温泉に。自宅から瀬戸に行く間、曽木から多治見を通って瀬戸に帰る間、様々な桜の花を楽しんだ。そうそう、曽木の温泉では、鶯がいい声で鳴いていた。

 さて、伊坂さんの『サブマリン』である。『チルドレン』の続編であるこの作品を、前々から読みたいと思っていたら、地元の図書館で見つけたので借りてきた。愛知県図書館では、予約が多くて、書架で見つけることは無理だろうな。

 『チルドレン』は大森南朋さん、坂口憲二さん主演で映画化されている。ぼくはDVDを借りてきて見たのだが、今調べたら、もともとはWOWOWのドラマだったんだね。

サブマリンサブマリン
著者:伊坂 幸太郎
講談社(2016-03-30)
販売元:Amazon.co.jp


 【陣内さん、出番ですよ。

『チルドレン』から、12年。
家裁調査官・陣内と武藤が出会う、新たな「少年」たちと、罪と罰の物語。

伊坂幸太郎、最新書き下ろし長編。】(講談社BOOK倶楽部の内容紹介より)

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2017年04月08日

『名古屋駅西 喫茶ユトリロ』太田忠司著(ハルキ文庫)3

 休日に本屋さんに行った時に、たまたま見つけたので買ってきた。

 太田さんには、名古屋を舞台にした『甘栗』シリーズや『ミステリなふたり』といった著作がある。

 『ミステリなふたり』は、松島花さん主演でドラマ化もされた。ぼくは一度見たけれども、学芸会っぽい雰囲気なので、それきり見なかった。

 この本も、名古屋(付近)の人間なら、気になるよね。

名古屋駅西 喫茶ユトリロ (ハルキ文庫)名古屋駅西 喫茶ユトリロ (ハルキ文庫)
著者:太田 忠司
角川春樹事務所(2016-12-13)
販売元:Amazon.co.jp


 【東京生まれの鏡味龍(とおる)は名古屋大医学部に今春から通う大学生。喫茶店を営む祖父母宅に下宿した龍は、店の常連客から、家にピンポンダッシュをされ、外に出ると家の前に手羽先の骨が置かれて困っていると相談を受ける。龍は友人と先輩の助けを借りて、謎に挑む。手羽先唐揚げ、寿がき屋ラーメン、味噌おでん…名古屋めしの魅力が満載の連作ミステリー。書き下ろし!】(文庫本裏の内容紹介より)

 収録作品は六編。『手羽先唐揚げと奇妙なイタズラ』、『カレーうどんとおかしなアフロ』、『海老フライ(えびふりゃー)と弱気な泥棒』、『寿がきやラーメンと家族の思い出』、『鬼まんじゅうと縁結びの神』、『味噌おでんとユトリロが似合う店』。

 ん?カレーうどんや海老フライは、名古屋めしになるのかな。それよりも、きしめんやあんかけスパゲッティ、味噌煮込みうどんの方がそれっぽいのにと若干不満に思う。

 太田さんはぼくと同じ1959年生まれなので、例えば名古屋駅西、通称駅西についての認識など、ぼくと一致している。

 「駅西は危ないから歩かない方がいい」とは、高校生の頃まで、よく親に言われたものだ。中村の遊郭のイメージがあるから、余計にそういう発言につながったのかな。もっとも、我が家が山本屋の味噌煮込みうどんを食べる時には、決まって大門のお店に出掛けたものだけれども…。

 はっきり言って、ミステリーとしてはしょぼい。

 名古屋めしや地元のあれこれを楽しむ方が主眼を置いた方がいいだろう。ぼくは言ったことがないが、エスカの「鳥開」や、中村公園近くの「ひょうたんや」といった実在のお店も出てくるので、この本に出てくるお店を全部制覇するというのもいいかもしれない。

 ちなみに、内容紹介で「先輩」とあるのは、ツンデレの素晴らしい美女である。この美女が名古屋めしをこよなく愛するドラキチという設定であるから、地元の人にはたまらないだろう。ぼくは今では野球に全く興味がないし、子どもの頃からジャイアンツファンだったから、どうでもいいんだけどね。

 できれば続編も期待したいところだけれども、美女・明壁(あすかべ)さんや常連客・紳士さんといった、ミステリアスな登場人物たちの素性を明らかにしてしまったので、ちょっと難しいかな。

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