2009年02月19日

『ラストイニング』あさのあつこ著(角川書店)3

ラスト・イニングラスト・イニング
著者:あさの あつこ
販売元:角川書店
発売日:2007-02
おすすめ度:4.5
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 角川文庫の新刊で『ラストイニング』を見つけたが、愛知県図書館で予約して借りてきた。この作品は、『バッテリー』の6巻で描かれた新田東中と横手二中の試合の直前と、その後を描いたものだ。

 『バッテリー』は最初のうちは、稀有な野球小説だと楽しんで読んでいたが、途中、横手二中の瑞垣というキャラクターが登場してからは、どうも、話がややこしくなって、読むのが苦痛になってきた。

 この『ラストイニング』でも、瑞垣にスポットライトが当たっているが、それでも、野球の醍醐味は伝わってきた。何より、あの試合の決着が気になるファンには、たまらない内容だろう。

 試合の直前に焦点を当てた『マウンドへ』は、ごく短い作品である。高校へ進学後野球をスッパリとやめた瑞垣、それに強豪校への推薦入学を断って地元の高校へ進んだ門脇の二人を描いた『白球の彼方』では、巧と豪のバッテリーと、門脇や瑞垣との息詰まる対決の場面が、フラッシュバックのように描かれる。

 内角低めに飛び込んでくるボールの軌跡や、空気を切り裂くスイングの音まで伝わってくるかのような臨場感溢れる描写は、あさのさんならではのものだ。

 『バッテリー』は完結したが、横手二中の参謀として巧たちの前に立ちふさがる瑞垣や、高校野球を舞台に再び対決する巧と門脇の姿を描いた番外編を、あさのさんには、是非書いてもらいたいと思う。もっとも、『ダ・ヴィンチ』に載っていたあさのさんへのインタビューを読む限りでは、彼らの物語は、あさのさんの中では完結してしまったようなので、期待はできないかな。(2月15日読了)



touch3442 at 23:46│Comments(2)TrackBack(1)BOOK−ヤングアダルト | BOOK−あさのあつこ

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1. ラスト・イニング あさのあつこ  [ 粋な提案 ]   2010年09月06日 00:06
大人気小説「バッテリー」。あの伝説の試合がここに──!! 全国劇場公開される人気小説「バッテリー」。その中でも屈指の人気キャラクター・??.

この記事へのコメント

1. Posted by 真野   2009年02月20日 13:39
あさのあつこ作品はまだ読んだことがないんですが何かオススメありますか?

『ガール』のところのコメ返読みました(^ω^)★
自分は女で、サッカー好きです。サッカーというかスポーツ全般好きですよ(´∀`)*゚バレーとか柔道とかTVでやってたら結構観ます。
『サウスバウンド』それです!豊川悦司さん、かなり役にはまってました。しかも地元沖縄が舞台なので映画も観てみたいです。
2. Posted by touch3442   2009年02月21日 08:40
真野さん

あさのさんの作品はあまり読んでいないのですが、真野さんがスポーツがお好きなのでしたら、やはり『バッテリー』(角川文庫)を読んでみたらいかがでしょうか。
1巻だけでしたら、すごく新鮮な気分を味わうことができると思います。
あと、『ガールズ・ブルー』(文春文庫)もなかなか面白かったですよ。

真野さんは、女性でしたか。
コメントから、恐らくそうだろうなあと、想像はしていましたが、万が一性別を間違えると、失礼になると思って、お聞きしました。
でも、男性を女性と間違えるのと、女性を男性と間違えるのと、ショックはどちらが大きいのだろう?

『サウスバウンド』がどんな小説(映画)なのか、内容を把握していないのですが、面白そうなら読んでみたいですね。

>地元沖縄が舞台

ってことは、真野さんも沖縄の方なんだ。
坂木司さんの『ホテル・ジューシー』という作品が沖縄を舞台にしていたのですが、沖縄では「ポーク」と呼ばれる缶詰を使った料理がよく作られるということを知って、ちょっと意外でした。

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