BOOK−井上荒野
2022年12月31日
『生皮 あるセクシャルハラスメントの光景』井上荒野著(朝日新聞出版)
昨日の30日からお正月休み。
昨日も今日も想定外のことの連続で少々疲れた。とりあえず、無事に年を越すことができそうなので良かった。
10日程前に読み終えたのは今年話題となった井上荒野さんの『生皮』だ。
【小説講座の人気講師がセクハラで告発された。
桐野夏生さん激賞
「この痛みは屈辱を伴っているから、いつまでも癒えることはないのだ」
* * *
皮を剥がされた体と心は未だに血を流している。
動物病院の看護師で、物を書くことが好きな九重咲歩は、小説講座の人気講師・月島光一から才能の萌芽を認められ、教室内で特別扱いされていた。しかし月島による咲歩への執着はエスカレートし、肉体関係を迫るほどにまで歪んでいく――。
7年後、何人もの受講生を作家デビューさせた月島は教え子たちから慕われ、マスコミからも注目を浴びはじめるなか、咲歩はみずからの性被害を告発する決意をする。
なぜセクハラは起きたのか? 家族たちは事件をいかに受け止めるのか? 被害者の傷は癒えることがあるのか? 被害者と加害者、その家族、受講者たち、さらにはメディア、SNSを巻き込みながら、性被害をめぐる当事者たちの生々しい感情と、ハラスメントが醸成される空気を重層的に活写する、著者の新たな代表作。】(朝日新聞出版HPの内容紹介より)
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touch3442 at 22:00|Permalink│Comments(0)│