やっぱし舞台が好き!

芝居、ミュージカル、バレエ、ダンス、クラシック、コンサートなどの舞台観賞が大好きです。 観劇の個人的な感想をつらつらと書いてます。 たまに、ちょっとした体験談や気になったことも・・・。

【観劇】ゲゲゲの先生へ

ゲゲゲの先生へ

ゲゲゲの先生へ

原案: 水木しげる
脚本・演出: 前川知大
出演: 佐々木蔵之介、松雪泰子、白石加代子、手塚とおる、池谷のぶえ、水上京香、水田航生、浜田信也、盛隆二、森下創、大窪人衛
観劇日: 2018年10月16日(火) 14:00
上演時間: 2時間(休憩なし)
劇場: 東京芸術劇場 プレイハウス
チケット代: S席 8,000円(P列) [パンフレット代:1,300円]


【感想】

ちょっと不気味で、だけど可笑しくて、そしてとても懐かしい……水木しげる先生の妖怪ワールドが満載の舞台でした。
イキウメの舞台はいくつか観たことがありますが、「イキウメの世界 × 水木先生の優しさ」みたいな感じも受けました。

子供がほとんど生まれなくなった時代、山奥の廃村に根津(佐々木蔵之介さん)という男が一人で住んでいます。
そこへ、ある日、若いカップル(水田航生さん、水上京香さん)が、都会から逃げて来ます。
カップルの話によると、都会では、突然現れた謎の怪物が暴れまわっているとのこと。
とりあえず、二人を泊めることにした根津は、自分がここに住むようになった経緯を話し始めますが……。

会話の中で、今が「平成60年」と出てきますが、これは未来の話じゃなく、パラレルワールドなんじゃないかと思いました。

佐々木蔵之介さん、白石加代子さん、松雪泰子さん、誰も妖怪のようなメークをしているわけでもないのに、妖怪臭プンプンです。
誰が何の妖怪なのか明言はしませんが、それぞれハッキリ分かります。

特に白石加代子さん、もう妖怪そのものです。
加代子さんの登場から、話も一気に面白くなっていきます。

松雪泰子さんはとても美しく(ちょっと変わった足袋にも注目)、佐々木蔵之介さんはネズ○男らしからぬダンディさ

また、謎の怪物「コケカキイキイ」の池谷のぶえさんもハマり役で、シュールなコントを観ている感じも……。

笑える場面が多々あるものの、どうして妖怪がいなくなってしまったのか、ということに思いを馳せると、いろいろと考えさせられることがあります。
妖怪がデジタル化されて時計の中に閉じ込められる現代ですが、やっぱり妖怪は、暗闇からそっと人間を見守って、ときどき出てきてはイタズラをして驚かせる、そんな存在であって欲しいと思います。

果たして昔の妖怪が住める場所が残っているのか、そんなことを無言で問いかけているようにも感じられるラストシーンでした。

【観劇】現代能楽集Ⅸ 「竹取」

現代能楽集Ⅸ 「竹取」

現代能楽集Ⅸ 「竹取」

構成・演出: 小野寺修二
脚本: 平田俊子
音楽: 阿部海太郎
企画・監修: 野村萬斎
出演: 小林聡美、貫地谷しほり、小田直哉、崎山莉奈、藤田桃子、古川玄一郎、佐野登
観劇日: 2018年10月15日(月) 19:30
上演時間: 1時間15分(休憩なし)
劇場: シアタートラム
チケット代: 6,000円(E列) [パンフレット代:500円]


【感想】

まさに現代能、コンテンポラリー能といった感じの舞台でした。

黒で統一された衣装とステージ。
ステージ奥にはティンパニーがあり、天井からは何本もの紐(ゴム紐)が下がっています。
この紐を様々に変化させ、竹藪や道、最後には能楽堂まで作り出します。

オープニングは、古川玄一郎さんが叩くティンパニー。
静かに始まって、徐々に激しくなっていきます。凄いです。どこかに持っていかれそうな迫力でした。

セリフはあまり無く、ほとんどがコンテンポラリーダンスのような動きで、ときおり、能や狂言の要素も垣間見えます。
まあ「竹取物語」なので、セリフはなくても話は分かります。

アクロバティックなダンスこそありませんが(でも体幹はきつそう)、緻密に計算された動きは「これは何を表現しているんだろう?」と想像しながら観るのが、とても楽しく、ずっと舞台に釘付けでした。

影や水を使った演出も効果的で、「竹取」の幻想的な世界をよく表していました。

最後は、小林聡美さんが叩くティンパニーで、静かに幕です。


※ 終演後、ポストトークがありました(小野寺修二さん、小林聡美さん、貫地谷しほりさん)。
貫地谷しほりさんが、普段の演技は、気持ちから入るというアプローチをするが、この「竹取」をやって、身体を緊張状態から急激に緩和させると自然と涙が出るような経験をして新鮮だった、みたいな話をされていて印象に残りました。

【観劇】誤解

誤解

作: アルベール・カミュ
翻訳: 岩切正一郎
演出: 稲葉賀恵
出演: 原田美枝子、小島聖、水橋研二、深谷美歩、小林勝也
観劇日: 2018年10月13日(土) 13:00
上演時間: 1時間55分(休憩なし)
劇場: 新国立劇場 小劇場
チケット代: A席 5,900円(D3列) [パンフレット代:800円]


【感想】

事前勉強をあまりせずに臨みました。
そのせいか、どう捉えたらいいのか、ちょっと悩んでしまいました(笑)。

素直に、ある家族の物語?
それとも、何かを象徴していて、大きなメッセージが隠されている?
少なくとも、単なるサスペンスでないことは確か……。

田舎の小さな宿を営む母(原田美枝子さん)と娘・マルタ(小島聖さん)。
彼女たちは、宿泊客を殺して金品を奪い、その金で、いつの日か、この陰鬱な場所を出ていきたいと夢見ていました。
そこへ20年前に家を出て行った息子・ジャン(水橋研二さん)が帰ってきます。
しかし、息子だと気づいてもらえず、また自ら息子だと名乗りたくない(向こうから気づいて欲しい)ジャンは、彼女たちによって……。

ストーリーは非常にシンプルで分かりやすいものの、交わされる会話に含み?があるため、そこらへんを読み取ろうとすると、なかなか厄介です(笑)。

でも、母親(原田美枝子さん)の疲れと後悔が入り混じった感じ娘(小島聖さん)の少し狂気じみたエネルギッシュな感じが、うまく対立し、観ていて惹きつけられました。

終演後、未消化の部分を何とか理解しようと、作品や作者について、ネットで調べたりしたんですが、その中で、アルベール・カミュについて書かれたWikipediaに「彼は一貫してキリスト教や左翼革命思想のような上位審級を拒否し、超越的価値に依存することなく、人間の地平にとどまって生の意味を探しもとめた。彼は「父」としての「神」も、その代理人としての「歴史」も拒否した。」という記述があるのを見つけました。
ラストシーン、それまで一度も口を開かなかった使用人(小林勝也さん)が、救いを求めるジャンの恋人(深谷美歩さん)に対して放った一言の意図が、これで分かりました。
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