すべての四月のために

すべての四月のために

作・演出: 鄭義信
出演: 森田剛、麻実れい、山本亨、西田尚美、臼田あさ美、村川絵梨、伊藤沙莉、近藤公園、中村靖日、小柳友、稲葉友、津村知与支、牧野莉佳、斉藤マッチュ、浦川祥哉
観劇日: 2017年11月29日(水) 13:30 ※東京公演千秋楽
上演時間: 第1部(80分) / 休憩(15分) / 第2部(80分)

劇場: 東京芸術劇場 プレイハウス
チケット代: 9,500円(2階A列) [パンフレット代:1,500円]


【感想 (あくまでも個人的なものです)】

とても魅力的なキャストが集結した、興味深い作品でした。

第二次世界大戦時の朝鮮半島・木浦(モッポ)近くの島にある小さな理髪店が舞台です。
理髪店を営む夫婦(山本亨さん、麻実れいさん)と四姉妹(西田尚美さん、臼田あさ美さん、村川絵梨さん、伊藤沙莉さん)、その次女(臼田あさ美さん)と結婚した幼馴染み(森田剛さん)の物語。
ある日、常連でもある日本軍の将校(近藤公園さん)がやってきて、店が軍の管轄下に置かれたことを告げます。
それでも変わらず、明るく生きていく一家に、戦争の影が徐々にのしかかってきます。

描き方によっては、デリケートなテーマにもなり得る題材ですが、コメディ的な演出も多く、結構、肩の力を抜いて観ることができました。

しかし、締めるところはしっかりと締めていて、(ネタバレになるので詳しく書けませんが)伊藤沙莉さんと麻実れいさんとのくだりは、胸に響くものがありました。
麻実れいさんは、やはり「さすが!」という貫禄がありましたが、それにも負けず伊藤沙莉さんが、なかなかの存在感でした。

森田剛さんの舞台映えする演技も良かったですし、何より四姉妹の女優陣が皆個性的で魅力的でした。

山本亨さんは、つかこうへい作品での渋くキメたイメージが私には強く残っているのですが、それとはかけ離れたとぼけた親父っぷりが、妙に似合っていました(上演前に山本さんが登場して観劇の注意をするというサービス?もありました)。

森田剛さんが主役と思っていたのですが、意外と出番は少なく、誰かひとりにフォーカスされるというよりは、家族それぞれが抱えている問題をひとつずつ丁寧に描いていました。
それが却って、一家全体を俯瞰して観ることができ、奥行きが増したようにも感じました



※昨年から、私の観劇記録は「レビューぴあ」にも投稿しています。よければ、合わせてご覧ください。
https://r.pia.jp/review/pia/list/reviewr/20832/insert_date/1