唐版 風の又三郎

唐版 風の又三郎

作:
 唐十郎
演出: 金守珍
出演: 窪田正孝、柚希礼音、北村有起哉、丸山智己、江口のりこ、石井愃一、山崎銀之丞、金守珍、六平直政、風間杜夫、大鶴美仁音、えびねひさよ、広島光、申大樹、林勇輔、染野弘考、小林由尚、加藤亮介、三浦伸子、渡会久美子、傳田圭菜、佐藤梟、日和佐美香、清水美帆子、本山由乃、寺田結美
観劇日: 2019年2月14日(木) 19:00
上演時間: 第1部(45分) / 休憩(10分) / 第2部(45分) / 休憩(15分) / 第3部(60分)
劇場: シアターコクーン
チケット代: S席 10,500円(A列) [パンフレット代:1,600円]


【感想】

はっきり言って、ストーリーはほとんど追えませんでしたが、アングラ特有の勢いや迫力に押し切られた舞台でした。

あらすじは一応こうです。
精神病院から抜け出してきた青年・織部(窪田正孝さん)の前に現れたエリカ(柚希礼音さん)を、織部は自分をどこかに連れて行ってくれる「風の又三郎」だと思ってしまいます。
エリカは、自衛隊の練習機で逃亡した恋人を探していますが……。

その後は、夢なのか何なのかよく分からない状況が続きます。
いきなり「夜の男」(北村有起哉さん)が登場してエリカを連れて行こうとしたり……。
風間杜夫さん、六平直政さん、金守珍さん、石井愃一さんたちが、何者なのかもいまいち掴めないし……。
第二幕の始まりの時には、六平直政さんが「二幕は織部の耳の中の世界」と説明しますが……。

とにかく、よく分からないけど、でも不思議と舞台には引き込まれてしまいました。
ところどころ、おどろおどろしい場面があったりするものの、幻想的で美しいシーン(第三幕の電話ボックスとか)もあります。
アジテーション気味に喋るモノローグもリズミカルで、聴いていて心地よくなってきます。
これがアングラの魅力なんでしょうか?

主役のお二人(窪田正孝さん、柚希礼音さん)が、あまりアングラ感が強くなかったおかげで、ちょうどいい具合に中和されているのも良かったです。
窪田正孝さんはナイーブな青年がピッタリで、柚希礼音さんの歌と踊りは見事でした。
そして、脇を固める(かなり目立つ脇ですが)風間杜夫さんを筆頭としたベテラン勢、贅沢なキャスティングです。

コクーンで上演しているせいか、セットは結構大掛かりになっていましたが、これを本来のテントで演るとどうなるのか、ちょっと観てみたい気もしました。


※ 二幕・三幕に、カタツムリが印象的に登場します。
二幕は「織部の耳の中の世界」ということだったので、「そうか蝸牛管を表しているのか」と思っていましたが、パンフレットを読んでみると、美術の宇野亜喜良さんが「昔からカタツムリの何だかよく分からない感じが好きで、よく描いていた」とのこと。
深読みしてしまいました(汗)。
二幕のカタツムリは、すごくゆっくりと(じっと見てても分からないくらい)移動しています。
途中から、そっちばかり気になってしまいました(笑)。