恐るべき子供たち

恐るべき子供たち恐るべき子供たち

原作: ジャン・コクトー
上演台本: ノゾエ征爾
演出: 白井晃
出演: 南沢奈央、柾木玲弥、松岡広大、馬場ふみか、デシルバ安奈、斉藤悠、内田淳子、真那胡敬二
観劇日: 2019年5月28日(火) 15:00
上演時間: 1時間40分(休憩なし)
劇場: KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ
チケット代: 6,500円(E列) [パンフレット代:1,200円]


【感想】

思春期の少年少女の危うさ・不安定さといった雰囲気が見事に表現された舞台でした。

病気の母親と暮らすエリザベート(南沢奈央さん)とポール(柾木玲弥さん)の姉弟。
雪合戦の最中、ポールはダルジュロス(馬場ふみかさん)の投げた雪に当たって怪我をしてしまいます。
友人のジェラール(松岡広大さん)は、雪に石が入っていたと言い、そのことが原因で、ダルジュロスは学校を去ってしまいます。
数年後、エリザベートは、ダルジュロスにそっくりなモデル・アガート(馬場ふみかさん)と知り合いになり……。

舞台には白い布で覆われた四角いステージがあるだけですが、その布を使って、雪を表現したり、場面転換をしたり、とても幻想的で美しい効果を生み出しています。

少年少女役が中心の4人(南沢奈央さん、柾木玲弥さん、松岡広大さん、馬場ふみかさん)は、思春期特有の無邪気さ、幼稚さ、純粋さ、悪意のない悪意のような複雑な心模様がよく描かれていたように思います。

特に、エリザベートの弟に対する歪んだ愛情や独占欲なんかは、まさしく「恐るべき」という感じです。

馬場ふみかさんも、アガートの時には、少年役(ダルジュロス)とはガラッと雰囲気を変えて、さすがモデルさんといった本職のウォーキングを披露してくれました。

救いがないラストではありましたが、何故だか後味はそんなに悪くなかったかな(良くもなかったけど)。
ストーリーなんかは全く違いますが、全体的な空気感は、以前観た(最近も再演された)『春のめざめ』に近い感じがしました(どちらも白井さん演出)。