ラ・マンチャの男

脚本: デール・ワッサーマン
作詞: ジョオ・ダリオン
音楽: ミッチ・リー
訳: 森岩雄、高田蓉子
訳詞: 福井崚
演出: 松本白鸚
出演: 松本白鸚、瀬奈じゅん、駒田一、松原凜子、石鍋多加史、荒井洸子、祖父江進、大塚雅夫、白木美貴子、宮川浩、上條恒彦、鈴木良一、ICCOU、真田慶子、北川理恵、美濃良、山本真裕、小川善太郎、山本直輝、宮河愛一郎、照井裕隆、市川裕之、佐々木誠、斉藤義洋、下道純一、楢原じゅんや、宮川智之、北村圭吾、飯田一徳、堀部佑介、齋藤信吾、高木勇次朗、島田連矢、大塚紫文、髙田実那
観劇日: 2019年10月4日(金) 18:00 ※東京初日
上演時間: 2時間5分(休憩なし)
劇場: 帝国劇場
チケット代: S席 5,000円(L列:Over50チケット) [パンフレット代:2,200円]


【感想】

日本初演から50年!
一度観てみたいと思いつつ、毎回、チケットを取るところまでいきませんでした。何故か?

『ドン・キホーテ』の話って、よく知らないけど(風車に戦いを挑むことだけは知ってます)、あまり面白くなさそう。
大作っぽいので、上演時間も長いんだろうな……もしかしたら三幕くらいあるんじゃない?
チケットも結構高いし……。

ところが、今回50周年を記念して、50歳以上の人は、S席が5000円(通常13,500円)になるチケットが発売されると聞き、それならばと申し込みをしました(嬉しさ半分、歳を感じしみじみ半分)。

チケットをゲットしてから知ったこと……。
上演時間って、休憩なしの2時間5分だったんですね。帝国劇場のミュージカルで「休憩なし」って珍しいんじゃ?
そしてストーリーの方も、単純に『ドン・キホーテ』の話だけじゃありませんでした。

作者のセルバンテス(松本白鸚さん)が教会を侮辱した罪で投獄されます。
囚人たちに小突き回され、牢名主(上條恒彦さん)から持っていた原稿を取り上げられそうになったセルバンテスは、囚人たちを配役した劇『ドン・キホーテ』を上演することを提案し……。

つまり、劇中劇の形をとっています。
なので、劇中の役との間を行ったり来たりするする時の面白さもあって、結構笑いどころもありましたし、セルバンテスとキホーテを重ね合わせたりすることで、物語に奥行きも出ていました

キホーテは、いわゆる「ちょっと頭のおかしい男(劇中の表現はキチガイ)」と周りから言われます。
でも、夢を見続け、信念を貫き、妥協しないことは、時には人から「アイツおかしい」と見なされることも。
キホーテの台詞「夢に溺れて現実を見失うのも狂気かも知れぬ。現実ばかりを追い続け、夢を持たぬのもまた狂気かも知れぬ。だが、一番憎むべき狂気とは、あるがままの人生に折り合いをつけてしまって、あるべき姿のために戦わないことだ!」にハッとさせられ、初めは滑稽に見えていた姿が、最後の方はカッコよく見えてきました。

そしてその姿は、一つの役を50年以上も続けてきた松本白鸚さんにも重なって見えるようにも感じます。
その松本白鸚さん、歌声も朗々としてますし、何より立ち振る舞いにオーラというか迫力というか……ちょっと言葉にできない凄みがありました。

いやあ、本当に観てよかった!
今回、あらためて、食わず嫌い(観ず嫌い)はいけないなと反省した次第です(笑)。