神の子神の子

作・演出: 赤堀雅秋
出演: 大森南朋、長澤まさみ、でんでん、田中哲司、石橋静河、江口のりこ、永岡佑、川畑和雄、飯田あさと、赤堀雅秋
観劇日: 2019年12月27日(金) 19:00
上演時間: 2時間(休憩なし)
劇場: 本多劇場
チケット代: 8,500円(G列) [パンフレット代:1,500円]


【感想】

普通の人(嫌な言い方をすれば"下流の人")の小さな世界を描くのが、赤堀さんは本当にうまい
今回も、その世界観が存分に味わえた舞台でした。

警備員として働いている池田(大森南朋さん)、五十嵐(田中哲司さん)、土井(でんでんさん)。
消費者金融に借金してたり、パチンコが趣味だったりで、貧乏な生活をしています。
ある日、池田は、街でゴミ拾いのボランティアをしている田畑(長澤まさみさん)と斎藤(石橋静河さん)に出会い、ボランティアに参加することになりますが……。

大森南朋さん、田中哲司さん、でんでんさんの自堕落的な感じがとてもいい(笑)。
彼らにとっては深刻で悲劇的かもしれない出来事が、観ている我々にとってはとても可笑しく、結構、笑える場面がありました。

スナック(赤堀作品としては不可欠のスナック)のママを演じる江口のりこさんもいい味出してます。

時折登場する赤堀雅秋さんや永岡佑さんの粗暴な雰囲気も、舞台をピリッとさせて、緊張感を演出します。

そして、長澤まさみさん
彼女が普通の女性(最終的にはちょっと普通でもないんですが)を演じるのは、久しぶりなんじゃ?
田畑の過去やバックボーンなどについては、多くは語られませんでしたが、それが想像できる演技は、やはり流石です。

石橋静河さんも良かった。
バレエのシーンは、それだけで彼女が受けてきた傷のようなものが伝わってきました(そう言えば、『大逆走』でも趣里さんがバレエを挫折した少女を演じてましたね)。

最初のゴミ拾いのところ(長澤さんが永岡さんを注意するところ)で感じた違和感が、終盤のでんでんさんの指摘で、「やっぱしそうか」となり、タイトルの「神の子」につながっていく……。
ラストは、何の問題も解決せず、誰もがこれまでと同じ日常を続けていきますが、そこに悲観さは感じられなかったし、決してハッピーではないけど、静かなしみじみとした終わり方で、私は好きでした。