私の恋人

脚本・演出: 渡辺えり
原作: 上田岳弘『私の恋人』(新潮社)
出演: 小日向文世、のん(能年玲奈)、渡辺えり、多岐川装子、松井夢、山田美波、那須野恵
ピアノ: 三枝伸太郎
観劇日: 2019年9月5日(日) 19:00
上演時間: 100分(休憩なし)
劇場: 本多劇場
チケット代: S席 8,300円(G列) [パンフレット代:1,300円]


【感想】

原作は読んでないですが、おそらく読んでいても、理解するのは難しかったのでは?という舞台でした。
でも、次々と繰り広げられるシーンについて「なんだこれは?」と楽しんでいるうちに時間が過ぎていきました(全体的に若干チープな感じはしましたが)。

話は多分こんな感じ……。
井上ユウスケ(のんさん)の前世は、ネアンデルタール人やナチス強制収容所にいたユダヤ人で、ずっと運命の女性「私の恋人」を探しています。
一方、井上の担当医・高橋陽平(小日向文世さん)は、余命いくばくも無い中、「行き止まりの人類の旅」に出かけて行き……。

これは現実なのか夢なのか?それとも妄想なのか?
時間や空間、人種や性別を行き来しながら、時にはミュージカルで、時にはダンスで、時にはパントマイム?で繋いでいきます。
その不思議な世界観は、ルネ・マグリットのシュルレアリスムの絵のようです。

小日向文世さん・渡辺えりさんというベテランに、のんさんがどう絡んでいくのかというのも興味がありました。
とてつもない透明感に、ちょっと不安定なお芝居と歌……どこかアンバランスな感じが、この舞台に合っていたように思います。

『あまちゃん』を観ていない私は、のんさんのお芝居を観るのはこれが初。
でも最近TV放送されていた『この世界の片隅に』を観て、その独特の空気にいたく感動しました。
声優としては決して上手ではないと思うのですが、その"こなれていない感"の魅力が、この舞台にもあるように感じました。

さて、タイトルにもなっている「私の恋人」というのは、当然、何かのメタファーなんでしょう。
理想とか平和とか真実の愛とか?……人類が何周も旅をしながら、未だ見つけることができないもの……と私は勝手に解釈しました。