大人のけんかが終わるまで

大人のけんかが終わるまで

作: ヤスミナ・レザ
翻訳: 岩切正一郎
上演台本: 岩松了
演出: 上村聡史
出演: 鈴木京香、北村有起哉、麻実れい、板谷由夏、藤井隆
観劇日: 2018年7月26日(木) 19:00
上演時間: 1時間45分(休憩なし)
劇場: シアタークリエ
チケット代: 9,000円(12列) [パンフレット代:1,600円]


【感想】

タイトルに「大人のけんか」とありますが、ちょっと違う印象を受けました(確かに言い争う場面は多いんですが)。

原題は『Bella Figura』で、パンフレットを見ると、元々はイタリア語の表現で「表向きにいい顔をする」とか、うまくいっている風に、顔に出さず「毅然とする」といった意味があるそうです。
なるほど、この劇の本質は、こっちの方がピンとくる感じがします。

話は、ボリス(北村有起哉さん)とアンドレア(鈴木京香さん)が、車でレストランにやってくるところから始まります。
二人は不倫関係。ボリスが「このレストランは妻のお薦め」と言ったことに、アンドレアは怒っています。
険悪なムードの中、何も食べずに帰ろうとしたところ、誤って老女(イヴォンヌ:麻実れいさん)を轢いてしまいます。
幸い怪我はなかったものの、一緒にいたイヴォンヌの息子夫婦(エリック:藤井隆さん、フランソワーズ:板谷由夏さん)と偶然にも知り合いだったボリスは、成り行きからイヴォンヌの誕生祝いに同席することに。
しかし、フランソワーズは、ボリスの奥さんの友人で……。

ここから、登場人物が総当たり的な感じで、それぞれの間でいざこざが発生します。

このやり取りが、この舞台のキモだと思うのですが……魅力的なキャストが勢揃いしている割には、なんかこう、いまいち乗り切れないというか……(苦笑)
それは、演技がどうという訳ではなく、外国もの特有の世界観 ー 例えば、ジョークとかで「だから俺はジョニーに言ったのさ、奴にはブロッッコリーがお似合いだってね。HAHAHA!」みたいな、日本人には???の世界観 ー のようなものが、私には気になったからかもしれません。

でも、男女の価値観のズレ(エリックはしきりに料理のことを気にしますが、フランソワーズはそんなこと今どうでもいいと言ったりします)や、ボリスが早く帰りたがっているのに、アンドレアはどこ吹く風といった態度で居座るとこなんかは、「あるある」といった感じで笑いました。

また、情緒不安定で、精神安定剤のようなものを常用しているアンドレアと、痴呆気味のイヴォンヌの二人が、妙に心が通じ合うところに、ちょっとほっこりもしました。

様々ないざこざの裏に「Bella Figura」があると思うと、なんとなく納得する感もあります。

この舞台、男性と女性とでは、見方や共感するところが、かなり違うかもしれません(私は料理を気にするエリックに、おおいに共感です! 笑)。