やっぱし舞台が好き!

芝居、ミュージカル、バレエ、ダンス、クラシック、コンサートなどの舞台観賞が大好きです。 観劇の個人的な感想をつらつらと書いてます。 たまに、ちょっとした体験談や気になったことも・・・。

山崎一

【観劇】人形の家 Part2

人形の家 Part2

人形の家 Part2

作: ルーカス・ナス
翻訳: 常田景子
演出: 栗山民也
出演: 永作博美、山崎一、那須凜、梅沢昌代
観劇日: 2019年8月25日(日) 13:00
上演時間: 105分(休憩なし)
劇場: 紀伊國屋サザンシアター
チケット代: 8,000円(9列) [パンフレット代:1,500円]


【感想】

イプセンの名作『人形の家』の15年後を描いた作品(アメリカの劇作家ルーカス・ナスが2017年に発表)。
この舞台、男性が観た場合と女性が観た場合で、だいぶ感想が異なるのでしょうか?
男目線から観た私は、最後までノラに共感することはできませんでした。

ノラ(永作博美さん)が、トルヴァル(山崎一さん)の留守を狙って、15年ぶりに扉を開けるところから始まります。
しかし、出迎える乳母のアンネ・マリー(梅沢昌代さん)と話をしている最中、トルヴァルが帰ってきてしまい……。

イプセンの『人形の家』では、自立していったノラに、多くの人が拍手喝采したんでしょうが(子供を置いていってしまうことは別として)、この舞台のノラには意見が分かれるんじゃないでしょうか。
トラヴァルと再会するやいなや、言い合いが勃発します。
まるで昨日まで一緒にいたかのような夫婦喧嘩です。
ここで、ノラの言い分に、どれだけの人がシンパシーを感じることができるでしょうか
家を出ていった後、苦労しながらも作家としての成功をおさめた点は、素直に素晴らしいとは思いますが……。

『人形の家』では、ノラのせいで窮地に立たされたトラヴァルでしたが、今度はトラヴァルのせいでノラの方が窮地に立たされるというのも皮肉なもの(トラヴァル自身も自分で自分の首を絞めることになってますが)。

ノラは、それをなんとかしようと、子供のエミー(那須凛さん)にも取り入ろうとします。
最初、「戻ってくるのに15年って長過ぎやしない?」「作者はなんで15年という設定にしたんだろう」と思っていましたが、おそらく成人したエミーと対決させるための時間だったんでしょう。

登場人物は4人ですが、ノラvs誰かというふうに、対決は1体1で行われます。
そのおかげで、ノラは3人から同時に責められることはないですが……その構図があれば、ノラへの同情もあったかもしれません。

一番可哀想だったのはアンネ・マリーでしょうか。
ノラがいなくなった後、子供達やトラヴァルの面倒をみてきたのに、ノラからは感謝の言葉もありません。
なんか、ここらへんで、私の心はノラから完全に離れていってしまいました。

女性の自立の大変さ、生き方を貫くためのエゴ、家族との繋がりなどなど……様々なテーマがある中で、ある種、主人公をヒール的にも見えるような描き方が、正解をひとつに絞っていない感じがして良かったです。

床が大きく下手側に傾いたステージが、この舞台を象徴しているようでもありました。

【観劇】ハムレット

ハムレット

ハムレット

作: ウィリアム・シェイクスピア
翻訳: 河合祥一郎
演出: サイモン・ゴドウィン
出演: 岡田将生、黒木華、青柳翔、村上虹郎、福井貴一、山崎一、松雪泰子、玉置孝匡、町田マリー、秋本奈緒美、竪山隼太、冨岡弘、薄平広樹、内田靖子、永島敬三、穴田有里、遠山悠介、渡辺隼斗
観劇日: 2019年5月21日(火) 18:30
上演時間: 第1部(1時間30分) / 休憩(15分) / 第2部(1時間5分)
劇場: シアターコクーン
チケット代: S席 10,500円(N列) [パンフレット代:1,800円]


【感想】

これまでに、いくつかの『ハムレット』を観てきましたが、原作(戯曲)を読んだことがないので、どれくらい原作に忠実なのかは毎回分かっていません(笑)。
でも、今回の『ハムレット』は、とても取っ付きやすかったように思います。

衣装が近代的だったり、ときどき笑える場面があったりということもあるでしょうが、やはり岡田将生さんの若々しくて威勢のいいハムレットが、全体をあまり重々しくさせなかったからかもしれません(決して軽いということではなく)。
回転舞台を使った場面転換もスピーディでしたし、オープニングの音楽もドラマチックなメロディで、ちょっと現代劇っぽい感じもしました。

それでも二幕に入ると、悲劇のオンパレードで、さすがに序盤のような笑いどころはなくなりましたが、テンポはそのまま、最後まで駆け抜けてくれました。
休憩15分入れても3時間を切る『ハムレット』も珍しいのでは?

キャスト陣もかなり豪華で、その使い方がこれまた贅沢です。
オフィーリアの黒木華さん、ガートルードの松雪泰子さんは、それほど多くの出番があるわけでもないのに、出演シーンになると圧倒的な演技と存在感を放っており、強烈に印象に残りました。
特に黒木華さんの狂気の凄まじさ……さすがです。

村上虹郎さんに至っては、二幕の2シーンのみ。
演出によっては登場しないこともあるらしいノルウェー王子・フォーティンプラス役。
でも、そんな役だからこそ、村上虹郎さんが演ることによって、物語を大きく締めることができたんじゃないかと思いました。

【観劇】森から来たカーニバル

森から来たカーニバル

森から来たカーニバル 森から来たカーニバル

脚本: 別役実
演出: 山崎一
出演: 高田聖子、大石継太、本多力、安澤千草、宮下今日子、皆戸麻衣、山崎一、高橋恵子、木津誠之、森谷ふみ、中村明日香、久保貫太郎、長南洸生、髙久瑛理子
演奏: 鈴木光介
観劇日: 2018年12月1日(土) 14:00
上演時間: 80分( 休憩なし)
劇場: 下北沢 駅前劇場
チケット代: 6,500円(B列) [パンフレット代:1,000円]


【感想】

閉所恐怖症の気がある私としては、「ザ・スズナリ」や「駅前劇場」のような場所は苦手なんですが、これは是非観なきゃと思いチケットを取りました。

それにしても狭い!(笑)
隣との間隔もギチギチで、肩をすぼめないといけないほど……。
座席も、低めのパイプ椅子で、前の方はクッションもありません(上演時間が80分と短めで助かりました)。

でも、狭いからこそ、役者さんたちの息遣いまでも感じることができました。
しかも、このキャスト陣かなり贅沢です。

舞台は、夫婦役の高田聖子さんと大石継太さんが登場し、漫才めいたやり取りをするところから始まります。
喫茶店でお茶を飲もうとしていると、「森から920ヘクトパスカルのカーニバルがやってくるので、早く店仕舞いしたい」と店員に言われます。
そこにカーニバルの男(本多力さん)が現れて……。

別役実さんらしい、面白くて、不条理で、分かるようで分からない、そんな展開が続きます。

「カーニバル」とは、いったい何なのか?
やっぱり「自然の猛威」みたいなことなんでしょうか?
大雨や河川の氾濫などは、災害をもたらす一方、土地を肥沃にしたりもします。
だから、恐ろしいものであると同時に、「カーニバル」と呼んで、祝祭的な面もあることを表現したのでしょうか?
自然は、決して人間を殺そうとしているわけではなく、人間の方が、自然に近づきすぎるために、災害に巻き込まれてしまう、と言っているようにも感じます。

それとも……別役実さんのことですから、「どこかの大国」とか「いつかの戦争」みたいなものを描き出しているのでしょうか?
そう思えば、そう見えなくもありません……。

演技派、ベテラン揃いの役者さんたちのおかげもあって、いろいろ考える余白をもらえた舞台でした。

【観劇】父と暮せば

父と暮せば

父と暮せば

作: 井上ひさし
演出 鵜山仁
出演: 山崎一、伊勢佳世
観劇日: 2018年6月5日(火) 19:00 ※初日
上演時間: 90分(休憩なし)
劇場: 俳優座劇場
チケット代: 5,500円(4列) [パンフレット代:1,000円]


【感想】

原爆の悲惨さに泣け、父娘の愛情に泣け、そして立ち直っていく一人の女性の姿に泣けました。

終戦(=原爆投下)から三年後の広島が舞台。
登場人物は、父親・竹造(山崎一さん)と娘・美津江(伊勢佳世さん)の二人だけです。

美津江は、図書館に勤めていますが、そこへやってくる木下さんに想いを寄せるようになります。
しかし、原爆で大勢の知り合いを亡くした美津江は「自分だけが幸せになってはいけない」と、木下さんへの想いを断ち切ろうとします。
そんな娘の姿をみた竹造は……。

父娘のやり取りは、ユーモラスで微笑ましくもあります(昔の?広島弁がとても可愛らしく聞こえます)が、ところどころで語られる原爆の話が、胸をえぐります

伊勢佳世さんの演技が真に迫っているため、本当に体験者から聞いているようにも感じます。
生き残ってしまったことの罪悪感(サバイバーズ・ギルト)が、痛いほど伝わってきます。

そして、どうにか娘に前を向いてもらおうと叱咤激励する山崎一さんが、何とも優しいです。

これは私だけかもしれませんが、以前と比べて(私が小学生の時に初めて行った広島原爆資料館でのショックとか)、「原爆」というものに対する意識が薄くなっているように思えます。
近年、「非核化」とか「核兵器廃絶」という動きはあるものの、「核」という総称に惑わされて、「原爆」という"生々しい恐ろしさ"のようなものを忘れていたような気がします。

この舞台は、それに再び気付かせてくれました。
でも、ただ悲惨さだけを描くのではなく、そこから立ち直っていく姿から、希望も感じさせてくれました。

カーテンコールでヘトヘトになった(ように見えました)伊勢佳世さんを見て、体力以上に精神的に疲弊するくらい密度が濃い舞台だったんだと改めて思いました。


※ この舞台、『名セリフ!(鴻上尚史著・ちくま文庫)』という本(鴻上尚史さんがセレクトした古今東西の演劇31作品を解説しています)の中でも紹介されていました。
鴻上尚史さんが、数ある井上ひさし作品の中から、何故『父と暮せば』を選んだのか?……とても感動するエピソードが載っていますので、一読をお勧めします。

【観劇】シャンハイムーン

シャンハイムーン

シャンハイムーン

作: 井上ひさし
演出: 栗山民也
出演: 野村萬斎、広末涼子、鷲尾真知子、土屋佑壱、山崎一、辻萬長
観劇日: 2018年2月22日(木) 13:30
上演時間: 第1部(90分) / 休憩(15分) / 第2部(80分)
劇場: 世田谷パブリックシアター
チケット代: S席 8,600円(G列) [パンフレット代:1,000円]


【感想】

可笑しさの中に、差別や偏見といった問題も孕ませながら、観終わった後、とても暖かな気持ちになる舞台でした。

昭和初期の上海。
蒋介石の国民党から逮捕令が出された魯迅夫妻(野村萬斎さん、広末涼子さん)は、親交のあった内山書店(店主・完造:辻萬長さん、妻・みき:鷲尾真知子さん)の二階に避難します。
様々な病気にかかりながら、大の医者嫌いのために治療しようとしない魯迅を何とかしようと、魯迅のファンでもある医師・須藤(山崎一さん)や歯科医・奥田(土屋佑壱さん)が内山夫妻と奮闘しますが……。

当然、魯迅を中心とした話になるのですが、魯迅が主役というよりは、その周りの4人の物語のようにも見えます。

特に、山崎一さんが良かったです。
魯迅に対して、一緒に日本へ行って療養を勧めるくだりは、本当に魯迅のことを慕い、案じる気持ちが溢れ出て、それ故に熱くなっているのが、ヒシヒシと伝わってきます。

日中関係ということではなく、こんな「人間関係」を築けたら幸せだろうなと思わされました。

※ 上演後は、野村萬斎さん、広末涼子さん、辻萬長さんによるポストトークがありました。
辻萬長さんのお人柄に惚れてしまいました。

劇場で配られたチラシの中に、これを見つけました。
内山書店
内山書店は、今も神保町にあるんですね。
写真AC
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