やっぱし舞台が好き!

芝居、ミュージカル、バレエ、ダンス、クラシック、コンサートなどの舞台観賞が大好きです。 観劇の個人的な感想をつらつらと書いてます。 たまに、ちょっとした体験談や気になったことも・・・。

岩切正一郎

【観劇】正しいオトナたち

正しいオトナたち

正しいオトナたち

作: ヤスミナ・レザ
翻訳: 岩切正一郎
演出: 上村聡史
出演: 真矢ミキ、近藤芳正、中嶋朋子、岡本健一
観劇日: 2019年12月22日(日) 13:00
上演時間: 1時間45分(休憩なし)
劇場: 東京グローブ座
チケット代: S席 9,500円(E列) [パンフレット代:1,500円]


【感想】

ヤスミナ・レザさんの作品は、これまでに2つほど観てました。



どちらも、カップル(夫婦など)2組を中心としたケンカ劇。
そして、この芝居も同じ構成で……。

ウリエ夫妻(ヴェロニック:真矢ミキさん、ミシェル:近藤芳正さん)の家に招かれたレイユ夫妻(アネット:中嶋朋子さん、アラン:岡本健一さん)。
レイユ夫妻の子供が、ウリエ夫妻の子供を怪我させた(前歯を二本折るほどの)件で、話し合いをしています。
ウリエ夫妻は被害者側でありながら、お茶などでもてなし、穏便に事を治めようとしますが、弁護士のアランは、ひっきりなしにかかってくる電話の応対に忙しい。
そのうち、そんな旦那の様子に、アネットのイライラが積もり積もって……。

最初は穏やかに、それこそ"正しいオトナ"の対応をしていた4人ですが、徐々にその仮面が剥がれて、子供じみた諍いに発展していく様が笑えました。
それに伴って、服装にも乱れが……スカートやズボンにきちんと入れていたシャツが、だんだんだらしなくはみ出してきます(初めは演出じゃなくて、ハプニング?かと思いました)。

そして、目まぐるしく変わるパワーバランス
夫婦vs夫婦、女vs男、アランvs3人、妻vs妻(旦那同士は馬鹿話)などなど。
その中で、それぞれ夫婦二人きりの時には、こんな感じなんだろうなあ、ということが見えてくるのも、なかなかに上手い作りでした。

途中、ハムスターを逃した件で言い争っている時には、「今、何の件で揉めてるの?」と思わないでもなかったですが、人のケンカは見ていて面白い!

4人の掛け合いが見事な舞台でした。


※ ひとつ思ったのは、この芝居は、もう少し小さい劇場で観たかったかな、ということ。
劇場(ステージ)の大きさは、その舞台が描いている世界(シチュエーションとか人数とかではなく)と比例した方がいいんじゃないかと。
夫婦二組の小さな小さな諍いは、シアタートラムとかシアターイースト・ウエストくらいの小ささが丁度いいんじゃないかと思いました。

【観劇】カリギュラ

カリギュラ

カリギュラ

作: アルベール・カミュ
翻訳: 岩切正一郎
演出: 栗山民也
出演: 菅田将暉、高杉真宙、谷田歩、橋本淳、秋山菜津子、原康義、石田圭祐、世古陽丸、櫻井章喜、俵和也、野坂弘、坂川慶成、石井淳、石井英明、稲葉俊一、川澄透子、小谷真一、小比類巻諒介、西原やすあき、髙草量平、原一登、平野亙、峰﨑亮介、吉澤恒多
観劇日: 2019年11月17日(日) 13:00
上演時間: 第1部(70分) / 休憩(20分) / 第2部(70分)
劇場: 新国立劇場 中劇場
チケット代: 10,800円(6列) [パンフレット代:1,800円]


【感想】

登場人物は大勢いましたが、まるで一人舞台のような圧倒的な存在感の菅田将暉さんでした。

人徳にも富んだ非の打ちどころのないローマ皇帝・カリギュラ(菅田将暉さん)。
しかし、最愛の妹を亡くし、放浪の末、3日後に宮殿に戻ってくると、残虐非道な行為の数々を繰り広げるようになります。
初めは恐れていた貴族たちも反旗を翻そうと策謀しますが……。

カリギュラといえば、無茶苦茶な暴君というイメージしかなかったですが、その背後には悲しみ、苛立ち、怒り、そして絶望を秘めているのだと知りました。
まあ実際やってることは許されないですが、単に私腹を肥やすような私利私欲で動いているようには見えず(少なくともこの舞台では)、それが逆にカリギュラの純粋さを表しているようで、悲しくもあり、恐ろしくもありました。

人を動かすのに必要なのは「正面の理、側面の情、背面の恐怖」という中坊公平氏の言葉がありましたが、カリギュラの場合は「正面の恐怖、側面の情、背面の理」といったところでしょうか。
決して恐怖だけで支配しているのではなく、時には情も見せ、相手の痛いところを突く理屈で説き伏せることもやっています。

絶望感を抱きながら暴虐の限りを尽くし、そして言葉でも相手をやり込める……そんなカリギュラを菅田将暉さんが、まさに魂の激演!
TVや映画でいろんな役をされてますが、やはり『あゝ、荒野』とか『ディストラクション・ベイビーズ』のようなエネルギーが暴走するような役はピカイチだと思います。
この舞台では、更に複雑な感情を加えるという難しさもありましたが、見事と言うほかありません。
特に冒頭の打ちひしがれて帰ってくるシーン。
あの悲観があればこそ、その後のカリギュラの振る舞いにも説得力が出てきます。

そして、そんな暴走を受け止める秋山菜津子さん(セゾニア役)や谷田歩さん(エリコン役)のベテランも流石

終始ピンと張り詰めた緊張感で、激しい動きこそありませんが、さぞ体力や精神力を消耗する舞台じゃないかと。
カーテンコールはスタオベでしたが、何度も出てきてもらうのが、何だか申し訳ないくらいでした。

【観劇】誤解

誤解

作: アルベール・カミュ
翻訳: 岩切正一郎
演出: 稲葉賀恵
出演: 原田美枝子、小島聖、水橋研二、深谷美歩、小林勝也
観劇日: 2018年10月13日(土) 13:00
上演時間: 1時間55分(休憩なし)
劇場: 新国立劇場 小劇場
チケット代: A席 5,900円(D3列) [パンフレット代:800円]


【感想】

事前勉強をあまりせずに臨みました。
そのせいか、どう捉えたらいいのか、ちょっと悩んでしまいました(笑)。

素直に、ある家族の物語?
それとも、何かを象徴していて、大きなメッセージが隠されている?
少なくとも、単なるサスペンスでないことは確か……。

田舎の小さな宿を営む母(原田美枝子さん)と娘・マルタ(小島聖さん)。
彼女たちは、宿泊客を殺して金品を奪い、その金で、いつの日か、この陰鬱な場所を出ていきたいと夢見ていました。
そこへ20年前に家を出て行った息子・ジャン(水橋研二さん)が帰ってきます。
しかし、息子だと気づいてもらえず、また自ら息子だと名乗りたくない(向こうから気づいて欲しい)ジャンは、彼女たちによって……。

ストーリーは非常にシンプルで分かりやすいものの、交わされる会話に含み?があるため、そこらへんを読み取ろうとすると、なかなか厄介です(笑)。

でも、母親(原田美枝子さん)の疲れと後悔が入り混じった感じ娘(小島聖さん)の少し狂気じみたエネルギッシュな感じが、うまく対立し、観ていて惹きつけられました。

終演後、未消化の部分を何とか理解しようと、作品や作者について、ネットで調べたりしたんですが、その中で、アルベール・カミュについて書かれたWikipediaに「彼は一貫してキリスト教や左翼革命思想のような上位審級を拒否し、超越的価値に依存することなく、人間の地平にとどまって生の意味を探しもとめた。彼は「父」としての「神」も、その代理人としての「歴史」も拒否した。」という記述があるのを見つけました。
ラストシーン、それまで一度も口を開かなかった使用人(小林勝也さん)が、救いを求めるジャンの恋人(深谷美歩さん)に対して放った一言の意図が、これで分かりました。

【観劇】大人のけんかが終わるまで

大人のけんかが終わるまで

大人のけんかが終わるまで

作: ヤスミナ・レザ
翻訳: 岩切正一郎
上演台本: 岩松了
演出: 上村聡史
出演: 鈴木京香、北村有起哉、麻実れい、板谷由夏、藤井隆
観劇日: 2018年7月26日(木) 19:00
上演時間: 1時間45分(休憩なし)
劇場: シアタークリエ
チケット代: 9,000円(12列) [パンフレット代:1,600円]


【感想】

タイトルに「大人のけんか」とありますが、ちょっと違う印象を受けました(確かに言い争う場面は多いんですが)。

原題は『Bella Figura』で、パンフレットを見ると、元々はイタリア語の表現で「表向きにいい顔をする」とか、うまくいっている風に、顔に出さず「毅然とする」といった意味があるそうです。
なるほど、この劇の本質は、こっちの方がピンとくる感じがします。

話は、ボリス(北村有起哉さん)とアンドレア(鈴木京香さん)が、車でレストランにやってくるところから始まります。
二人は不倫関係。ボリスが「このレストランは妻のお薦め」と言ったことに、アンドレアは怒っています。
険悪なムードの中、何も食べずに帰ろうとしたところ、誤って老女(イヴォンヌ:麻実れいさん)を轢いてしまいます。
幸い怪我はなかったものの、一緒にいたイヴォンヌの息子夫婦(エリック:藤井隆さん、フランソワーズ:板谷由夏さん)と偶然にも知り合いだったボリスは、成り行きからイヴォンヌの誕生祝いに同席することに。
しかし、フランソワーズは、ボリスの奥さんの友人で……。

ここから、登場人物が総当たり的な感じで、それぞれの間でいざこざが発生します。

このやり取りが、この舞台のキモだと思うのですが……魅力的なキャストが勢揃いしている割には、なんかこう、いまいち乗り切れないというか……(苦笑)
それは、演技がどうという訳ではなく、外国もの特有の世界観 ー 例えば、ジョークとかで「だから俺はジョニーに言ったのさ、奴にはブロッッコリーがお似合いだってね。HAHAHA!」みたいな、日本人には???の世界観 ー のようなものが、私には気になったからかもしれません。

でも、男女の価値観のズレ(エリックはしきりに料理のことを気にしますが、フランソワーズはそんなこと今どうでもいいと言ったりします)や、ボリスが早く帰りたがっているのに、アンドレアはどこ吹く風といった態度で居座るとこなんかは、「あるある」といった感じで笑いました。

また、情緒不安定で、精神安定剤のようなものを常用しているアンドレアと、痴呆気味のイヴォンヌの二人が、妙に心が通じ合うところに、ちょっとほっこりもしました。

様々ないざこざの裏に「Bella Figura」があると思うと、なんとなく納得する感もあります。

この舞台、男性と女性とでは、見方や共感するところが、かなり違うかもしれません(私は料理を気にするエリックに、おおいに共感です! 笑)。
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