やっぱし舞台が好き!

芝居、ミュージカル、バレエ、ダンス、クラシック、コンサートなどの舞台観賞が大好きです。 観劇の個人的な感想をつらつらと書いてます。 たまに、ちょっとした体験談や気になったことも・・・。

蓬莱竜太

【観劇】渦が森団地の眠れない子たち

渦が森団地の眠れない子たち

渦が森団地の眠れない子たち 渦が森団地の眠れない子たち  渦が森団地の眠れない子たち

作・演出: 蓬莱竜太
出演: 藤原竜也、鈴木亮平、奥貫薫、木場勝己、青山美郷、太田緑ロランス、岩瀬亮、蒲野紳之助、辰巳智秋、林大貴、宮崎敏行、伊東沙保、田原靖子、傳田うに
観劇日: 2019年10月14日(日) 13:30
上演時間: 第1部(75分) / 休憩(15分) / 第2部(65分)
劇場: 新国立劇場 中劇場
チケット代: 10,800円(6列) [パンフレット代:1,600円]


【感想】

大人の演者が小学生の扮装をして、思いっきり小学生を演じると言えば……二年ちょっと前、同じスタイルで上演された三谷幸喜さんの『子供の事情』(会場も同じ新国立劇場・中劇場)が思い出され、ついついコメディを想像してしまいましたが、テイストは全然違っていて……。

大きな地震があって間もない(まだ余震が頻発している)頃のとある団地「渦が森団地」が舞台です。
田口圭一郎(鈴木亮平さん)と月子(青山美郷さん)の兄妹は、地震で被災したため、母・景子(奥貫薫さん)と共に、この団地に引っ越してきます。
そこには、「キング」と呼ばれる佐山鉄志(藤原竜也さん)が、ガキ大将として君臨していました。
鉄志の母(奥貫薫さん・二役)と景子は姉妹(鉄志と圭一郎はいとこ同士)ということがわかり、鉄志は圭一郎を依怙贔屓するようになりますが、ある出来事をきっかけに二人は対立するようになり……。

大人になった圭一郎が、昔を振り返るという形で、物語がスタートします。

藤原竜也さん、もともとヤンチャなガキ大将っぽいイメージがあるので、小学生を演っても全然違和感がありません(褒めてます)。
エアガンを撃ちまくったり、改造自転車にまたがったりする姿が、何だか生き生きと見えました。

一方の鈴木亮平さん、ガタイはデカイのに、少し気が弱くて、言いたいことがなかなか言えない少年の雰囲気が、これまた似合っていました。

木場勝己さんは、団地の自治会長という大人の役で登場しますが、子供にイライラさせられ、でも必死に自制しようとする葛藤を、とてもリアルに伝えてきます。

私は、団地で暮らしたことがないためか、この舞台にあまりノスタルジーを感じませんでした。
でも理由はそれだけではなく、この話、繰り広げられるのは子供の世界ですが、そっくりそのまま大人の世界にも当てはまるように思えるからか……。
「ガキ大将=独裁者」と見ると大げさですが、ひょんなことで力関係が逆転することはありますし、イジメや派閥形成なんかは大人になってもやってることばかりです。
というか、最近の大人がひどく子供じみているとも言えるのかも知れません(某小学校教員のイジメのニュースとか)。

いろいろいがみ合ったり喧嘩をした鉄志と圭一郎ですが、最後はまた子供らしく笑える場面などもあって、ちょっとしんみりしたラストの後味は悪くなかったかな。

【観劇】ビューティフルワールド(モダンスイマーズ結成20周年記念公演)

ビューティフルワールド

ビューティフルワールド ビューティフルワールド

作・演出: 蓬莱竜太
出演: 津村知与支、小椋毅、生越千晴、古山憲太郎、西條義将、吉岡あきこ、成田亜佑美、菅原大吉
観劇日: 2019年6月13日(木) 19:00
上演時間: 第1部(1時間5分) / 休憩(10分) / 第2部(1時間)
劇場: 東京芸術劇場 シアターイースト
チケット代: 3,000円(D列) [パンフレットなし]


【感想】

テーマは「純愛」で、タイトルは『ビューティフルワールド』。
なんてベタなんだろうと思いましたが(笑)、やはり蓬莱竜太さん、ありふれたラブストーリーになるわけもなく……。

40を過ぎて引きこもっている夏彦(津村知与支さん)。
ある日、実家が火事になり、銚子にある親戚の家(カフェを経営)の離れへ引っ越すことになります。
そこで、夫(菅原大吉さん)や娘(生越千晴さん)から邪険に扱われている依子(吉岡あきこさん)に出会い……。

前半は、夏彦と依子の視点で物語が進みます。
虐げられた者同士が想いを寄せ合うまでは、二人の苦しい心情が描かれ、観ているこちらも胸が詰まる場面も。

でも、そのまま単純に話は運びません。
引きこもり、いじめ、モラハラ、不倫など、様々な要素が絡み合って、それまでの主従関係が逆転したり……
登場人物の誰かにどっぷりと共感することはできませんでしたが、逆に、誰にでも少しずつ共感できるところもあって、「ああ何かわかる」とか「そんな言い方しなくても」とか「そりゃそう思うわな」とか、時々、自分と照らし合わせて、いたたまれなくなることもありました。

菅原大吉さんのモラハラっぷりもかなりのものでしたが、吉岡あきこさんの本当に普通の主婦感が、とてもハマっていて、だからこそリアルに感情移入することができたと思います。

ただ、息苦しい場面だけではなく、かなり笑えるシーンも。
終盤、不器用な男・ケンさん(西條義将さん)の思わぬ本性に爆笑でした。

諸手をあげてハッピーエンドというわけではなかったですが(特に依子一家にとっては)、決して重くない終わり方で少し救われました。

※ 序盤に「エヴァンゲリオン」ネタがありましたが、知らない人には全くわからないかもしれません。
ちなみに「エーティーフィールド(ATフィールド)」というのは、いわゆる「バリア」みたいなもので、アニメでは「ATフィールド全開!」といった使われ方をします。

【観劇】まほろば

まほろば

作:
 蓬莱竜太
演出: 日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)
出演: 高橋恵子、早霧せいな、中村ゆり、生越千晴、安生悠璃菜、三田和代
観劇日: 2019年4月10日(水) 14:00
上演時間: 1時間50分(休憩なし)
劇場: シアターイースト
チケット代: 6,800円(I列) [パンフレット代:1,200円]


【感想】

2008年に初演、2009年に岸田國士戯曲賞受賞で、今回は再再演(2012年にも再演)とのこと。

登場人物は女性6人。5人は家族で、1人は近所の子。
長崎の田舎にある旧家が舞台です。
最近の蓬莱竜太作品とは少し違った、ちょっとドタバタ的な要素もあるファミリーコメディ色が強い会話劇でした。

長女・ミドリ(早霧せいなさん)は、東京でキャリアウーマンをしていますが、40を過ぎて未だ独身です。
次女・キョウコ(中村ゆりさん)は、若くしてユリア(生越千晴さん)を産み、シングルマザーのまま実家暮らし(ユリアは東京で働いています)。
母親のヒロコ(高橋恵子さん)は、このままでは家を継ぐものがいないとヤキモキしています。
そんなある日、ミドリとユリアが立て続けに帰ってきて……。

ステージには、シアターイーストには珍しく、旧家の客間ががっしりと作り込まれていて(屋根裏の梁なんかも)、それだけで、この家がどんな家か分かる気がします。

6人の女性たちも、それぞれ魅力的ですが、何と言っても素晴らしかったのは、高橋恵子さん
娘たちに、相手は誰でもいいから跡取りを産めと言ったり、近所の子・マオ(安生悠璃菜さん)をいくぶん差別的に扱ったり……今、こんなことTVやSNSで言ったら、間違いなく炎上ですが(笑)……でも、その口さがない様が全然嫌味じゃなく、却って、必死に家を守ろうとする姿が可哀想にも思えてきます。

早霧せいなさんも、元タカラジェンヌとは思えないボサボサ頭のだらしない格好で、なかなかのコメディエンヌぶりでした。

また、家族が大騒ぎする中で、ひとり達観しているかのような姑・タマエ(三田和代さん)と、一番冷静で随所に鋭い指摘をするマオ(安生悠璃菜さん)が、要所要所で熱くなった場面をクールダウンさせていました。

果たして、この6人にとって、ここが「まほろば」(素晴らしい場所、住みやすい場所)になるのか?

最後、マオに訪れた出来事が、この物語全体を象徴するかのようで、とても印象的な終わり方でした。

【観劇】母と惑星について、および自転する女たちの記録

母と惑星について、および自転する女たちの記録

作:
 蓬莱竜太
演出: 栗山民也
出演: 芳根京子、鈴木杏、田畑智子、キムラ緑子
観劇日: 2019年3月10日(日) 13:00
上演時間: 第1部(65分) / 休憩(15分) / 第2部(65分)
劇場: 紀伊國屋ホール
チケット代: 8,500円(E列) [パンフレット代:1,500円]


【感想】

初演も観に行きましたが、待望の再演です。
こういう芝居、大好きです。

母(キムラ緑子さん)の突然の死。
娘三人(長女:田畑智子さん、次女:鈴木杏さん、三女:芳根京子さん)は、ある目的のためにイスタンブールに来ています。
三者三様、母親との確執を胸に旅を続けますが……。

初演の時から、母親(斉藤由貴さん)と三女(志田未来さん)が変わっていますが、今回のキャスティングも良かったです。

娘三人を中心に描いていますが、そこから垣間見える母親の人生にも想像が膨らみます。
自身も母親を疎ましく感じていたからこそ、自分が死ぬ時は、あっさりと、しかも葬儀の準備までしていたことに(お寿司まで注文していたことに泣けます)、何だかんだ言いながら、娘たちのことを想っていた気持ちが現れていたように感じます。

タイトルの『母と惑星について、および自転する女たちの記録』は、最初、何のこっちゃ?と思いましたが、観終わった後はナルホドと……
娘たちは、決して母親の衛星ではない。
自転しながら(衛星も自転しますが)、自分たちの軌道を描く惑星なんだ、ということでしょうか。

芳根京子さんは、舞台で拝見するのは初めてかと思っていましたが、2015年の『幕が上がる』にも出演されていたようで……まだ朝ドラ出演のブレイク前だったためか、気づきませんでした。
でも、他のベテラン三人と堂々と渡り合って、後半の母親とやりあうシーンや、最後の一言が母親を死なせてしまったと慟哭する場面などは、胸が詰まる思いで観ていました

母親のことを恐れ、毛嫌いしながらも、憎みきれずに愛情を求めてしまう娘たち。
ラストシーンは、そういった複雑な想いが昇華していくようで、とても後味のいい終わり方でした。

【観劇】死ンデ、イル。

死ンデ、イル。

死ンデ、イル。

嗚呼いま、だから愛。

作・演出: 蓬莱竜太
出演: 片山友希、古山憲太郎、成田亜佑美、津村知与支、千葉雅子、西條義将、小椋毅、松尾潤、野口卓磨
観劇日: 2018年7月20日(金) 19:00 ※初日
上演時間: 1時間55分(休憩なし)
劇場: 東京芸術劇場 シアターイースト
チケット代: 3,000円(D列) [パンフレットなし]


【感想】

最近、東京芸術劇場(プレイハウス、シアターイースト、シアターウエスト)での観劇率が、とても高いです(笑)。
それはさておき、句読点三部作のラストです。

開演前、ステージのセットを見ると、第一弾『嗚呼いま、だから愛。』、第二弾『悲しみよ、消えないでくれ』とは趣きが違います。
9脚の椅子(机が1つ)がステージの縁に沿って配置され、中央には三脚に置かれたビデオカメラがあるだけです。

話は、ルポライターの古賀(古山憲太郎さん)が、二週間前に失踪した女子高生・七海(片山友希さん)の関係者に話を聞くところから始まります(インタビューをビデオカメラで撮影し、それが背景の壁に大写しになります)。
母親を5年前に亡くした(父親は18年前に事故死)七海と姉夫婦(成田亜佑美さん、津村知与支さん)は、浪江町から、二本松に住んでいる叔母・ユウコ(千葉雅子さん)の家に避難してきます。
迷惑そうなユウコ、慣れない環境、義兄からのアプローチ……徐々に七海の居場所が無くなってきて……。

七海の感じる閉塞感とか孤独感とか無力感なんかが、ひしひしと伝わってきて、こちらも苦しくなってきます。

七海はどこへ行ったのか、ルポライターが何故そのことを追っているのか、ラストでその謎も一気に解けます。
ユウコの家を飛び出して、母親に会いたくて、やっと安らげる場所に戻ってきたと思ったのに、そこには……二本松で遭遇した浮浪者・ビーマン(野口卓磨さん)の伏線も、憎いほど効いていました。

個人的には、三部作の中で一番、心を揺さぶられました。


また、この日は、終演後にアフターイベントがありました。
蓬莱竜太さんと生越千晴さんによる、絵本『まじょのルマニオさん』と『くぎのスープ』の朗読です。

これが実に良かった!

単なる朗読ではなく、語りに沿って、本編のキャストが登場し、ユウコの視点で先ほどの物語がなぞられます(言い方が軽いかもしれませんが、スピンオフみたいな感じ)。
もちろん、絵本のストーリーと本編とは全然違うものですが、それが見事にシンクロし、ユウコの寂しさを物語っていて、また違った角度で本編を思い返すことができました。

15分という短い時間でしたが、本編にも劣らない、内容の濃いアフターイベントでした(毎回やってくれたらいいのに)。
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