作: 長田育恵
演出: 栗山民也
出演: 上白石萌歌、中山優馬、勝地涼、早霧せいな、玉置玲央、松島庄汰、林田一高、後藤剛範、谷川昭一朗、石村みか、谷田歩、キムラ緑子
観劇日: 2020年9月24日(木) 18:30
上演時間: 第1部(1時間5分) / 休憩(20分) / 第2部(1時間25分)
劇場: PARCO劇場
チケット代: 0円(WOWOWメンバーズオンデマンドによるライブ配信)
【感想】
この舞台、興味あったんですが、ちょっと重そうだなと思い見送ってました。
でも、WOWOWメンバーズオンデマンドでライブ配信すると知り、それならばと。
ピカソの「ゲルニカ」は、本物はもちろん見たことはないですが、絵の良し悪しが分からない私も、初めて見たときは衝撃を受けました。
その絵のモチーフとなったスペイン内戦(ゲルニカ無差別爆撃)にまつわる人々を描いた舞台です。
話は、ゲルニカに住む領主の娘・サラ(上白石萌歌さん)が、従兄弟のテオ(松島庄汰さん)と結婚する日の朝から始まります。
ところが、その日、内戦が激化し、テオは反乱軍に加わるため戦地へと行ってしまいます。
サラは、以前、屋敷で働いていたイシドロ(谷川昭一朗さん)の食堂へ出入りし、そこで、兵士のイグナシオ(中山優馬さん)やジャーナリストのクリフ(勝地涼)、レイチェル(早霧せいな)らと知り合うようになりますが……。
これ、スペイン内戦について知識がないと、ちょっと厳しいかも。
恥ずかしながら、私はほとんど知らず……観劇の途中、ネットで調べながら観てしまいました。
それでも、バスク人の独立に対する思いとか、登場人物のそれぞれが置かれている事情や背景とか、肌感として捉えるのが難しいところも多々ありました。
それにしても、エルサルバドルにしろベトナムにしろ、もともとは国内で起きた争いが、右とか左に分かれて、それらを支援する諸外国が加担して激化・泥沼化していくパターンは、何だか本当にやりきれない。
終盤、ゲルニカ無差別爆撃のシーンでは、ピカソの「ゲルニカ」の部分部分が、スクリーンに次々と投影される演出が……。
それは、実際の写真や映像よりも迫力や臨場感があり、あらためて、あの絵の持つ凄みを認識しました。
劇場で観たら、もっと何倍もグッとくる舞台だったんだろうなあ。