グレーのこと

作・演出:
 田村孝裕
出演: 羽田美智子、阿知波悟美、山野史人、恩田隆一、冨田直美、山口森広、伊藤俊輔、長尾純子、関口敦史、松本亮
観劇日: 2017年12月4日(月) 19:30
上演時間: 1時間55分(休憩なし)
劇場: 浅草九劇
チケット代: 3,900円(E列) [パンフレットなし]


【感想 (あくまでも個人的なものです)】

最初コメディなのかと思いきや、徐々にサスペンス的な要素も出てきて、最後には人間関係のドロドロした部分も描かれた、結構シリアスな舞台でした

窓のない小さな部屋に机がひとつ、周りには壁際に椅子が置いてあります。
薄暗い中、ミドリ(羽田美智子さん)が一人、アパートへ引っ越してきたことを回想しながら、アンケート用紙らしきものに何やら書いています。
そして、背景に「あなたは何に生まれ変わりたいですか?」の文字……。
やがて、その部屋に次々と人が入ってきます。
彼らは皆、ファイルを携えて、ミドリに「決まりましたか?」と聞いてきます。
どうやら生まれ変わるための手続き?をしているようです。

ここらへんは、とてもコメディタッチで、軽快に進んで行きますが、阿知波悟美さんがやってきて「あなたを人間に生まれ変わらせたことを後悔している」と言ったあたりから、徐々に空気が変わっていき……。

この小さな部屋だけで行われる密室劇で、小劇場にピッタリの芝居でした。

登場人物もそれぞれ個性的で、山野史人さんの飄々とした議長阿知波悟美さんの性格キツそうな上司山口森広さんのコミカルでお調子者の感じが、とても象徴的でした。伊藤俊輔さんは、エキセントリック過ぎましたが(笑)。

羽田美智子さんも、周りに気を使いすぎる普通の主婦という雰囲気が、よく出ていました。

ミドリに何があったのか、そしてミドリは何に生まれ変わるのか、最後まで笑いと緊張が途切れない2時間でした

※ 後半に出てくる「船頭多くして……」の例えが、個人的にはちょっとしっくりこなかったかなぁ……。


劇場は、今年3月にオープンした「浅草九劇」。
客席はパイプ椅子で、キャパ100人強くらい?の小劇場です。
でも、出来たばかりなので綺麗です(当然ホワイエはなく、トイレも少ないですが)。
浅草駅からだと、浅草寺の仲見世や花やしきの近くを通って、ぶらぶら観光しながら来られます。



※昨年から、私の観劇記録は「レビューぴあ」にも投稿しています。よければ、合わせてご覧ください。
https://r.pia.jp/review/pia/list/reviewr/20832/insert_date/1