やっぱし舞台が好き!

芝居、ミュージカル、バレエ、ダンス、クラシック、コンサートなどの舞台観賞が大好きです。 観劇の個人的な感想をつらつらと書いてます。 たまに、ちょっとした体験談や気になったことも・・・。

風間杜夫

【観劇】泥人魚

泥人魚

作: 唐十郎
演出: 金守珍
出演: 宮沢りえ、磯村勇斗、愛希れいか、風間杜夫、岡田義徳、大鶴美仁音、渡会久美子、広島光、島本和人、八代定治、宮原奨伍、板倉武志、奈良原大泰、キンタカオ、趙博、石井愃一、金守珍、六平直政
観劇日: 2021年12月7日(火) 13:30
上演時間: 第1部(50分) / 休憩(10分) / 第2部(1時間10分)
劇場: シアターコクーン
チケット代: S席 11,000円(P列) [パンフレット代:1,800円]


【感想】

困った。感想が書けません(^^;)。
唐十郎作品は、これまでにもいくつか観たことがありましたが、いつにも増して難解で……。

事前に、ホームページなどを見て、諫早湾の干拓事業(ギロチン堤防)がテーマだとは分かっていながら。
いや、仮に知らなくても、オープニングで、宮沢りえさんと磯村勇斗さんが潟スキーで登場し、その背後でギロチン堤防が閉まっていく光景を、かなりリアルに表現していたので、すぐに気づいたかと思います。

問題は、そこから繰り広げられる物語。
あらすじは省略します(気になる方は、ネットで調べてください)。ちょっと自力ではまとめられません。

舞台上で何が行われているかというのは理解できます。
でも何だろう、登場人物の心情とか、その人(もしくはモノ)が出てくる必然性とか、何を表しているのかとか、つまりは作者の意図を私は掴みきれませんでした。
その分からなさも含めて、アングラ演劇の面白さなんでしょうが。

私の席がかなり後方だったことも、イマイチ面白さが理解できなかった原因かもしれません。
唐さんのお芝居を観る時、今までは小劇場(中にはテント小屋もありました)か、コクーンなどでも幸運なことに前方の席が多かったため、アングラ特有の迫力や熱量が分からなさを上回っていました。
今回は、その熱量を受け取れなかった感じがします。

これって、アングラ劇を商業演劇の施設で演ったからなんでしょうか(違うか)。

【観劇】白昼夢

白昼夢

作・演出: 赤堀雅秋
出演: 三宅弘城、吉岡里帆、荒川良々、赤堀雅秋、風間杜夫
観劇日: 2021年3月24日(水) 13:00
上演時間: 1時間35分(休憩なし)
劇場: 本多劇場
チケット代: 7,500円(B列:最前列) [パンフレット代:1,000円]


【感想】

赤堀雅秋さんの舞台は、やっぱし面白い!
今回も、様々な問題を抱えた”愛すべきダメ人間・小市民”の生き様に目が離せませんでした。

12年間、自宅に引きこもっている47歳の薫(荒川良々さん)。
妻に先立たれた父親(風間杜夫さん)との二人暮らしです。
結婚して家庭のある兄の治(三宅弘城さん)は別に暮らしていますが、この状況を何とかしようと、支援団体の別府(赤堀雅秋さん)と石井(吉岡里帆さん)に協力を仰ぎますが……。

いわゆる「8050問題」です。
舞台は、家のリビング・ダイニングの1シチュエーション。
赤堀さんの舞台ではお馴染みのスナックシーンは、今回はありません(喫煙シーンはチョコチョコ)。
このセットで、夏・秋・冬・春の移ろい(それぞれの変わり目で暗転)を描いていくという構成です。

「8050問題」というと、この場合、主に薫(荒川良々さん)に原因がありそうですが(まあ実際そうですが)、それ以外の人たちも多かれ少なかれ闇を抱えていて……。

特に、吉岡里帆さん演じる石井
周りに気を使って、明るく振る舞おうとしている感じが健気でもあり、可哀想でもあり。
無理して作っているかのような笑顔が、観ているこちらをも不安定な気分にさせてきます。

風間杜夫さん演じる父親は、すぐにカッとなって怒鳴るような人。
その着火がいつ起きるのか分からないので、平穏な場面でも、ずっとどこかに緊張感が漂っていました。
でも、薫のことを心底愛している(こういう表現が合っているかどうか分かりませんが)のが分かるシーンもあります。

大きな出来事があるようでないような、そんな話が続くんですが、その中で印象に残ったのが、薫(荒川良々さん)が夜中にゴキブリと出くわしたというエピソードを、別府(赤堀雅秋さん)や石井(吉岡里帆さん)に聞かせるくだり。
珍しく機嫌よく話していた途中で、兄の三宅弘城さんが帰ってきます。
話は、ちょうどクライマックスで、まさにオチに入ろうかというところ。
腰を折られ、急速にテンションが下がっていく、あの何とも言えない微妙な空気感が、とてもリアルでした。
その間の悪さみたいなのが、この家族の関係性を象徴しているかのようにも思えます。

ちょっと暗くなりがちなテーマではありながら、チラシにも書かれている「それでも生きて行く。喜劇。」とあるように、少し笑えて、少し前向きになれる、そんな舞台でした。


【観劇】唐版 風の又三郎

唐版 風の又三郎

唐版 風の又三郎

作:
 唐十郎
演出: 金守珍
出演: 窪田正孝、柚希礼音、北村有起哉、丸山智己、江口のりこ、石井愃一、山崎銀之丞、金守珍、六平直政、風間杜夫、大鶴美仁音、えびねひさよ、広島光、申大樹、林勇輔、染野弘考、小林由尚、加藤亮介、三浦伸子、渡会久美子、傳田圭菜、佐藤梟、日和佐美香、清水美帆子、本山由乃、寺田結美
観劇日: 2019年2月14日(木) 19:00
上演時間: 第1部(45分) / 休憩(10分) / 第2部(45分) / 休憩(15分) / 第3部(60分)
劇場: シアターコクーン
チケット代: S席 10,500円(A列) [パンフレット代:1,600円]


【感想】

はっきり言って、ストーリーはほとんど追えませんでしたが、アングラ特有の勢いや迫力に押し切られた舞台でした。

あらすじは一応こうです。
精神病院から抜け出してきた青年・織部(窪田正孝さん)の前に現れたエリカ(柚希礼音さん)を、織部は自分をどこかに連れて行ってくれる「風の又三郎」だと思ってしまいます。
エリカは、自衛隊の練習機で逃亡した恋人を探していますが……。

その後は、夢なのか何なのかよく分からない状況が続きます。
いきなり「夜の男」(北村有起哉さん)が登場してエリカを連れて行こうとしたり……。
風間杜夫さん、六平直政さん、金守珍さん、石井愃一さんたちが、何者なのかもいまいち掴めないし……。
第二幕の始まりの時には、六平直政さんが「二幕は織部の耳の中の世界」と説明しますが……。

とにかく、よく分からないけど、でも不思議と舞台には引き込まれてしまいました。
ところどころ、おどろおどろしい場面があったりするものの、幻想的で美しいシーン(第三幕の電話ボックスとか)もあります。
アジテーション気味に喋るモノローグもリズミカルで、聴いていて心地よくなってきます。
これがアングラの魅力なんでしょうか?

主役のお二人(窪田正孝さん、柚希礼音さん)が、あまりアングラ感が強くなかったおかげで、ちょうどいい具合に中和されているのも良かったです。
窪田正孝さんはナイーブな青年がピッタリで、柚希礼音さんの歌と踊りは見事でした。
そして、脇を固める(かなり目立つ脇ですが)風間杜夫さんを筆頭としたベテラン勢、贅沢なキャスティングです。

コクーンで上演しているせいか、セットは結構大掛かりになっていましたが、これを本来のテントで演るとどうなるのか、ちょっと観てみたい気もしました。


※ 二幕・三幕に、カタツムリが印象的に登場します。
二幕は「織部の耳の中の世界」ということだったので、「そうか蝸牛管を表しているのか」と思っていましたが、パンフレットを読んでみると、美術の宇野亜喜良さんが「昔からカタツムリの何だかよく分からない感じが好きで、よく描いていた」とのこと。
深読みしてしまいました(汗)。
二幕のカタツムリは、すごくゆっくりと(じっと見てても分からないくらい)移動しています。
途中から、そっちばかり気になってしまいました(笑)。

【観劇】リトル・ナイト・ミュージック

リトル・ナイト・ミュージック

リトル・ナイト・ミュージック リトル・ナイト・ミュージック リトル・ナイト・ミュージック

脚本: ヒュー・ホィーラー
演出: マリア・フリードマン
作曲・作詞: スティーヴン・ソンドハイム
翻訳・訳詞: 高橋知伽江
出演: 大竹しのぶ、風間杜夫、安蘭けい、栗原英雄、蓮佛美沙子、ウエンツ瑛士、木野花、安崎求、トミタ栞、瀬戸たかの、綾橋みゆ、飯野めぐみ、家塚敦子、中山昇、ひのあらた
演奏: 小林恵子(指揮)、鈴木章浩、松田裕子、川内優子、粟生田直樹、中道悠貴、塚原里江、廣川実、鈴木希恵、野崎めぐみ、田口裕子、中條純子、友清麻樹子、山名玲奈、内山ふみ、高嶋麻由、藤原歌花、遠藤益民、宮尾悠、倉持敦、佐々木大輔
観劇日: 2018年4月12日(木) 18:30
上演時間: 第1部(75分) / 休憩(20分) / 第2部(55分)
劇場: 日生劇場
チケット代: S席 13,000円(A列) [パンフレット代:1,700円]


【感想】

過去にトニー賞やグラミー賞を受賞した作品、しかも、大竹しのぶさんや風間杜夫さんといったベテランも出演されると知り、観に行きました。

ストーリーは、女優・デジレ(大竹しのぶさん)と二組の夫婦(風間杜夫さん&蓮佛美沙子さん、栗原英雄さん&安蘭けいさん)を中心とした恋愛コメディ。

登場人物は、それほど多くないので、人物相関は分かりましたが、何故、そのような関係になったのかという経緯については、あまり描かれていなかったように思います(デジレとフレデリックが別れた訳とか……)。
まあでも、経緯はわからなくとも、それぞれの心情はわかりますので問題ありません。

ミュージカルなので歌もたくさんありましたが、難解な音階の曲が多く、キャストの歌唱力の差が大きく現れたように感じました

綾橋みゆさん、飯野めぐみさん、家塚敦子さん、中山昇さん、ひのあらたさんの5人は群を抜いており、この5人が歌うと難解な音階もメロディアスに聴こえます。

安蘭けいさん、瀬戸たかのさん(瀬戸カトリーヌから改名したんですね)も流石です。

大竹しのぶさんが歌う「Send in the Clowns」(数少ないメロディアスな曲)は、心に沁みました。

ラストは、ちょっと悲しくもおかしいハッピーエンドで、とても後味のいい終わり方でした。

※ 今回、ラッキーなことに最前列での観劇でしたが、思いのほかオーケストラピットのスペースが大きく、最前列なのに意外と舞台が遠く感じられました。

【観劇】24番地の桜の園

24番地の桜の園

24番地の桜の園

作: アントン・チェーホフ
演出・脚色: 串田和美
翻訳・脚色: 木内宏昌
出演: 高橋克典、風間杜夫、八嶋智人、松井玲奈、美波、小林聡美、大堀こういち、池谷のぶえ、尾上寛之、北浦愛、菅裕輔、新田祐里子、大森博史、久世星佳、串田和美、太田惠資、関島種彦、アラン・パットン、飯塚直、ギデオン・ジュークス
観劇日: 2017年11月9日(木) 19:00 ※初日
上演時間: 第1部(85分) / 休憩(15分) / 第2部(60分)

劇場: シアターコクーン
チケット代: S席 10,000円(XC列) [パンフレット代:1,500円]


【感想 (あくまでも個人的なものです)】

串田和美さん演出で『桜の園』……何となく難しそうな予感がします……(笑)。
『桜の園』は、以前、三谷版を観ていたので筋は覚えていますが、登場人物の詳しい相関関係は忘れてしまいました。

舞台中央には、ウッドデッキのような台があり、窓枠や扉の付いた壁が3つに分割されて配置してあります。
この壁が、人物や時間の動きに合わせて、いろいろと配置を変えていきます。
それに合わせて、照明も細かく切り替わるので、慣れるまで、ちょっと鬱陶しさも感じました(笑)。

また、セリフはマイクを通さずに行っていたのですが、ウッドデッキを歩く靴の音とかぶる時があり、小さい声の時には、少々聞きづらいところもありました(私の席は、前から3番目だったので、後方の席は余計聞きづらかったかと思います)。

と、少し面食らいながら観始めましたが、高橋克典さんや小林聡美さん、美波さんらの演技に、だんだんと引き込まれました

物語は、いろいろな場面がシャッフルされながら進行します。
その時々で、串田さんらしい独特の演出が繰り広げられるのですが、前の場面と全く異なるテイストになったりするので、これも若干戸惑ってしまいました。

二幕目では、舞台上にあんなもの?まで……しかも、ずっと出突っ張り……かなり気になる存在でした。

演出意図は、理解できないものが多かったのですが、観終わった後は、意外と嫌な感じは残りませんでした
でも、事前に『桜の園』のあらすじ等は、把握しておいた方がいいかと思います。

※パンフレットを読むと、「24番地」というのは、シアターコクーン(Bunkamura)の所在地の番地との事。ここで生まれる『桜の園』という意味だそうです。



※昨年から、私の観劇記録は「レビューぴあ」にも投稿しています。よければ、合わせてご覧ください。
https://r.pia.jp/review/pia/list/reviewr/20832/insert_date/1

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