遅くなったが、録画していたのを今日見た。
友人に話の内容をまとめてくれと言われたのでまとめてみた。

クローズアップ現代
"にっぽんの頭脳"はいかせるか
〜苦悩する博士たち〜


学位の最高峰である「博士」。
学部卒業して最短でも5年を要す「博士」。
理系の学生にとって一度は気になる存在の「博士」。



■博士
博士課程修了者数は、1990年で5,000人ほどだったのが、2006年で15,000人を超える。
一人の博士を育てるのに、1億円の税金を使っているとか。
お金をかけ、それだけ多くの博士ができても、専門性の高い頭脳を持った人材がなかなか安定したポスト・就職先を見つけることができない。もったいない状況が今の日本だ。


■東京大学の植物機能工学研究室
いわゆる、バイオテクノロジー。
7人の博士たちがいるのだが、正式な大学職員ではなく「ポストドクター」。いわゆるポスドク。だいたいが1年契約制の研究員。任期終了間際で次の行き先が決まっていないと不安という。

その中で、将来を嘱望されながらもポスドク生活に見切りを付ける人がいる。

研究内容は食糧難を解決する稲の研究で、期待を集めるものだ。
しかし、"一年契約"で将来を見通せないポスドクを辞めて民間企業に就職した。
32歳。子供が生まれ、家族を養っていかないといけない。しっかりとした収入がないと苦しい。


■ポストドクターが増えるきっかけ。
1996年「科学技術基本計画」のなかの、博士の大増産計画である「ポストドクター等1万人支援計画」。
博士号取得した若者を支援し、研究現場の充実を図るというもの。アメリカを手本とした。

80年代、日本の自動車や家電製品の輸出攻勢に苦しめられていたアメリカではレーガン大統領の下、国を挙げて優秀な人材の育成に取りかかった。莫大な予算が博士教育に注ぎ込まれ、大学と企業の連携が一気に進んだ。
大学と企業が人材交流・共同研究を緊密に進める中、博士たちは最先端の研究を中心になって進めた。その結果は特許として蓄積された。

その結果、IT・バイオ分野で日本を大きく引き離す実績を上げた。

そして日本のお偉いさんは「このままでは世界に取り残される」と思い、日本でもこれに習って本格的なポスドク制度の整備をすすめた。
博士課程に進む人間を2倍に増やし、博士号をとったあとは研究室に予算をつけ、ポスドクとして抱え込む。

だが、誤算の連続。

2004年以降独立行政法人化で大学は人員のスリム化、助手などの就職口は激減。
受け皿と期待された民間企業の就職も思うように進まなかった。


■なぜ企業は博士の採用に二の足を踏むのか?

 企業から見た博士の問題点(経団連 2007)
○業務遂行能力 ○協調性 ○コミュニケーション力

「博士の専門的知識は高いものの、チームで対話しながら課題を解決したり独自に計画を立案したりするような実戦経験に乏しい。博士号取得者は視野が狭くて扱いにくい。自分の専門以外になった場合、具体的なアイディアを出す訓練を受けていない。」という理由がある。

企業は自分で研究プランを作り、大きな目標を建てて、それを実行出来る人物を求めている。


企業が求める能力と博士が学んできた知識とのずれ。
■高年齢化
この溝が埋まらないまま、ポスドクの高年齢化が進む。
40歳以上が10%いて、35歳以上は25%。

40歳で大学との契約が切れるポスドク。企業へ転職したくても、募集の年齢制限に引っかかり応募を断られる。

八方ふさがり。
行き場を失っている。
研究というフィールドの中で修行を積んできたのに、ポスドクに対して世間の理解が確立されていないのが現状という。


どうすればいいか?
■大学・企業での新たな取り組み。

○大学側
東北大学
博士教育の見直し。ポスドクなど若手研究者たちにビジネスの感覚を学んでもらう「高度技術経営塾」。
経営者や採用担当者を講師として招き、企業が博士に何を求めているか、その本音を知る。
工場、研究施設に足を運びビジネスの現場の厳しさを肌で感じる。
特に力を入れているのは、企業に採択されるような研究テーマを考え、その計画を立案する能力の向上。
なぜこの研究が必要なのか、メンバーや資金をどうやって集めるのか。
様々なケースを想定しながら、研究リーダーとしての能力を養う。

○企業側
ULVAC(茅ヶ崎にある液晶パネル製造装置メーカー)。
敬遠されがちのポスドクを積極的に採用。
技術の移り変わりが激しい今、ポスドクは貴重な人材。
長い間研究に没頭し、幅広い基礎知識を持つ彼らこそ、独自技術を生み出す条件を兼ねそろえていると見ている。


■どういかす ”日本の頭脳”

一部の企業では応用研究・実用化というよりも、事業の太い柱を作るため「基礎能力」が必要と考えるようになってきている。
逆に大学側は、特許や知的財産権が大事と考え、むしろ「実用化研究」に力を入れようとしている。
むしろ企業の方が研究者の能力を生かす場があるかもしれないのだが、企業側採用担当者に目利きの人がいないとポスドクにいい機会を与えることはできない。


博士課程が終わっても将来に不安があるため、実際に修士から博士に行こうとする人が減ってきている。
ポスドク制度は日本の国力そのものを強くするため基礎科学に根ざした研究者を増やす、という政策。
ポスドクの人にとっては大学だけが成果を生かす場ではなくて、アメリカのようにベンチャー企業を自分で興すとか、中堅の技術志向の企業に身を置いて自由に研究をやることで成果を出していくとか、そういう意欲を出させるような環境を用意することで博士課程に行こうとする人が増えるのではないか。


今の時代、世界の環境が変わっていくにつれて、新たな技術が必要となる時が必ずある。博士レベルの技術力を持った人材の育成は絶対必要。
基礎の学問ができてないと、研究内容を変えようとしたり事業の柱を替えようとする時に応用力が効かなくなってしまう状況に陥ってしまうため、博士の中に見いだせる「研究能力」を磨いていくような人事システムをとらないといけない。博士号を取得した人物を世界中から確保する必要も出てくる。


博士と企業とを繋ぐ仕組みも必要。
架け橋となるカウンセラーやコンサルティングが重要課題だといえる。


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以上。
こんな感じの内容だった。

博士ってスゴイと思うけれど、大変ね。


ちなみに、「博士」の読み方に自信がないという人がいると思うので、↓こちらをどうぞ。

博士 読み方 - Google 検索