明日は喀血

喀血劇場主宰=唐仁原俊博のブログ。

劇研アクターズラボ+正直者の会vol.3 鉄人漁船『白(地図-旗)』

劇研アクターズラボ+正直者の会 vol.3 鉄人漁船『白(地図-旗)』(長いな)を見た。日曜日、昼の回。

感想を端的に言うと、退屈だった。
こういう感想の時、必ず前提として言うのが「僕はあくまでべたべたの会話劇スキー」って事で、今回の公演がそういうのじゃない時点で、まず僕は前のめりに観劇しにくいって事です。

アンサンブルっていうのか、ああいうのがずっと続くと無理だなあって思った。やっぱ僕は単純な物語を見たいし、単純な物語をやりたいんだなあと。見てて、「ほう」とかってなる瞬間はあるんだけど(「川ひき」のエピソードは僕はすごい好きだった。シーンはほとんど一瞬だったけど)、それ以上にならなかった。
なんだろうな。途中から、いや正確に言うと、かなり序盤の方から、役者が語る光景が想像できなくなって、頭が追いつかなくなって?、むうこりゃどうしたもんかって見てた。セリフのスピードとか個々の役者の空気感とか、(使いたくない言葉だけど)力量とか、そういうのが違えば、また違うものになるのだろうけども。

以下、感じた事適当に。

じゃあ自分はどうあったら興奮するんだろうって考えたんだけど、自分がやるならベタな盛り上がりを作るだろうなと。

あと、大量の洗濯物。あれってたとえば最後にワーッてあの状態になるとかの方が僕は好みだなあ。ずっとあると、邪魔に感じる。

学生前売1300円高い。妥当でないと思った。いくらが妥当かは知らないけど。

あの脚本は受講生へのエールやったんかなあ。

もし自分がかんでたとしたら、グッときたりはするんだろうな、やはり。アクターズラボの公演、多分初めて観に行ったけど。

トリップできなくて残念だったな。

年とった人が役者やる時は、年とってるだけで意味不明な説得力を持つ事があるってのが僕の持論なのだが、でも逆に瑕が見えたら、え〜ってなる度合いもでかい。(学生演劇祭が少し怖くなった。)

お客さん大入りで、駅伝の事忘れてたせいでかなりぎりぎりの入場になってしまい、桟敷席で見てた事も一因かもしれんが。僕、ほんとすぐにケツが痛くなるので、今回の事があって、劇場にはほんまに早めに行こうと決意をしました。

明確な場面転換(暗転とか)があった方が、小劇場でやる分にはもしかして客には優しい芝居なのかもしれないと思った。事実僕は、芝居観に行って、あまりのケツの痛さに暗転した時に立ち上がった事があります。帰ったって意味じゃないよ。立ってすぐ座った。

あ。
この公演で出演していた「古野陽大」は、喀血劇場第五幕『千和、立ったまま眠っている』に出演します。舞台上ですごくセリフを言わせる予定です。稽古ではヒーヒー言わせる予定です。気になった方は是非観に来てね。

京都小劇場界隈2011年忘年会のお知らせ

来る12月17日、及び22日に京都小劇場界隈忘年会を開催致します。いろいろと騒ぎのあった一年でしたが、ぽーんと飲みましょう。年賀状に「日本をあきらめない」とかクソみたいな文句書く時間があるくらいなら、飲みましょう。

企画の趣旨としては、「おまえ等に圧倒的に足りてないのは、勇気とアンテナと行動力だ」ってなもんで、意識高いと巷で噂の唐仁原がホストとなり、よく知らない人を無理やり集めて飲んだり話したりするってなもんで。

特に若手を自称・標榜するような奴は、自発的に知り合ってみろってなもんで、若手じゃない埃をかぶったひと等は、隅でちびちびやってもいいよってなもんで。なんなら若手に言いくるめられて顔、真っ赤にするもよし。出会いの場にするもよし、決別の場にするもよし、恋人とかセフレ探しをするもよしってなもんで。

しかも今回は、定番の店「レコレコ」だけではなくて、特別出張・右の方編と題しての立命館辺りにも繰り出してみるっていう超絶サービスっぷり!ごめんね、右の方に住んでた皆さん、白川まで来させるのは遠かったよね。右の方にも行くから一緒に飲もう。

12月17日(土)定番編
会場:ロック居酒屋レコレコ(天下一品銀閣寺店の左隣の隣の地下)
12月22日(木)巡業編
会場:未定(クソ安い店の情報求む) 
※どちらも19時より私は待機しているつもりです。

想定される話題としては「京都国際舞台芸術祭をキミは見たか?」とか「唐仁原と高田はどっちもクズ」とか「今年一番よかった舞台、ひどかった舞台」とか「地明かりの取り方」とか「学生演劇祭どーなの?」とか「あいつとあいつはつきあってる」とか。そして、「あんたら、芝居を取り巻く環境どう思う?どうしたい?」とか。

最後に少しだけ真面目な話をすると、きっとあなたに目をかけて優しくしてくれる人なんてほとんどいないんだから、だったらせめてもう少し知り合い増やしましょうよ、お互いに。そして本気のディスすら飛ばしましょうって感じです。酒場で待ってますわ。

劇団野の上『臭う女』

劇評じゃないっす。感想文っす。

劇団野の上『臭う女』を見た。
この劇団の脚本・演出を務める山田百次氏に惹かれての事だ。

2010年のインディペンデントシアターの一人芝居フェスティバルで、氏の芝居を見て、「すっげ!」と思った。今回京都エクスペリメントのフリンジ企画として本公演が上演されるという事を知って、唯一、ビラを取っておいた。ほいで、今日観に行った。

無邪気でお茶目で、シビアなんだけど、でも偽悪的でなくて、結局最後まで無邪気でお茶目っていう。
これ多分、僕のストライクゾーンど真ん中なんです。(それって、たとえば、こないだの劇団飛び道具『ロキシに捧ぐ』も。)

詳しい箇所は覚えてないんだけど、中盤から何か堪らなくなって涙出てくるとかいう、ほんとどうしたって感じに陥った。
誰かに恋焦がれてる時に、いい芝居を見ると泣くのだわ、どうやら俺は。
少年王者舘の天野天街プロデュース『百人芝居真夜中の弥次さん喜多さん』の時もそうだったけど。

物語が好きで、物語をこそ観に劇場に足を運んでるんだけど、そこで実際に観ているのは、知っている役者だったり、その人がどうやって役を全うしようとしているかだったりする。(←ココら辺は純粋によくないと思う。だけど、芝居に足を突っ込んでしまったひねくれ者であるところの僕は、そういう見方をしてしまうのよ。)

でも、「あああああ!本当にすごいなあ!」ってなった時には、感情移入とかでなくて、何か勝手に暴発してしまうんですね。言い訳みたいだけど、きちんと芝居観てるんだけど、で、きちんと頭の中に入ってきてて、あははとか、うふふってなってるんだけど、もう1個の自分が頭の中で暴れてるっていう。めっちゃ面白い!って思いながら、わんわん泣いてやがるっていう。

気持ちよかったー。
ほんとにほんとに気持ちよかったー。

偉そうに言えば、別に何も新しい事してないし、ほつれてる所もあったけど、このお芝居は、気持よかった。
今日の観劇は気持ちよかった。

さいっこうです。
これだから芝居はやめられません。

わーい!わーい!ありがとう!!

吉田寮しばい部『うつしまパンデミック地獄庚申講踊る亡者の膝栗毛』

脚本・演出、あと出演してます。
吉田寮しばい部『うつしまパンデミック地獄庚申講踊る亡者の膝栗毛』

ほんとうにいろいろなことがありました。
生まれてから。
京都に来てから。
吉田寮に入ってから。
今年の5月から。

そこらへんの一部をちょっとだけのっけて、脚本にしました。

今まで僕が寮生と何かやるときは、どっかに「もうこれでええやん」という適当なところがありました。
それを今回は許さずにやります。
寮の外でやっても観劇に耐えるような、寮生がやってるっていうことを言い訳にしないような芝居にしようと思って、そういう出来になりつつあります。
これは何も、これまで自分が寮でやってた芝居を全否定してるわけではないのですが。
要は、寮生のやることに、「それもありやなあ」とかってんじゃなく、ほんと、徹頭徹尾と言ってもいいぐらい、「俺はこれがいいと思うから、こうしてくれ」というふうに芝居を作っていったということです。

正直、出演者が21人もいると、しかも、舞台慣れしていない人が大半となると、心がガシガシ削られていくこともあります。でも、それでもここまでこぎつけたのは、作っているものが面白いはずだという確信があることと、面白くなってきているという実感があるからです。みなさんの目に触れる頃にはさらに面白くなってるはずです。
しかも21人が21人なりの個性を感じ取れるものになってるはずです。
是非ともご来場ください。是非とも。

吉田寮しばい部『うつしまパンデミック地獄庚申講踊る亡者の膝栗毛
2011年10月1日(土)、2日(日) 両日とも19時半開演
(会場は19時〜、しばらくは飲み食い出来る予定)
会場:京都大学吉田寮食堂
料金:カンパ制
上演予定時間:2時間弱

脚本・演出:唐仁原俊博(喀血劇場)

出演:中西良友 古谷卓磨 毒電波素香 月力左三佐 山本貴宏 筒井 あへわ里美 サトタツP(モルグモルマルモ) カルデラ・アッパーヴィレッジ 八居田びが郎 小谷子種 広田拾 逆本悠一 辻斬血海 とらやゆり 伊藤玄 すとーん デウスエクスウチダ 林保美 生方友理恵 稲森明日香(夕暮れ社 弱男ユニット) 唐仁原俊博

照明:黄瀬奏江(劇団立命芸術劇場)、社会窓太郎

音響:二十一世紀的最初的最大的池面

舞台美術:凄腕

ヘルプ神:平林肇(吉田寮食堂のファイヤーシスターズ)


個人的には、これまでの13年半の芝居歴の、これがいくつめかの転換点になりそうです。
散々やらかしまくってきた、この唐仁原に、まだ少しでも興味を持っていただいているなら、ご来場を心よりお待ちしています。

つー と流れる星

ある日きみはきみが星だったことに突然気づく。
星というからには輝いている。
でもきみはまわりの星よりきみが明るくないといって悲しむ。
まわりの星がきみより大きいといって涙をながす。
きみの光がきっとあの人にとどかないだろうといっていっそ光を失えばいいと思う。
回転する銀河のなかで、きみは世界の中心だった。
しかしそこに居座るきみにきみは許せなさを覚えて、ついに旅立った。

きみはつかの間の自由を知る。
まわりに流れる星をみる。
つつがなく輝く恋人たちをみる。
きみにひきよせられ、ついには消えてしまった星をみる。
にこにこ笑ってきらきら光りながら、きみは少し疲れてしまった。
少しされるがままにしてみよう。

きみはいつしか遊星になったのだった。
光を照らし返す遊星になったのだった。
そしてきみは交わりこそしなかったが、出会ったのだった。
楕円軌道をえがくきみと、ぼくの住むこの星と。

揺られている間、きみは安心だった。
きみが輝かなくとも、きみにしたがうものは時折現れるのだった。
新しくきみの回転の中心となったあの太陽に焦がれたりもしたのだった。
いままで夢見ていた、居眠りをしてみた。
それでも太陽はきみを離さなかった。
それはやはり安心だった。
だけどきみはきみの心の奥のところで、やはり恒星であった。
遠くにいきたいなあと思いをはせた。
はたして。
ぼくがのぞく望遠鏡はきみが去っていくのを当然みていた。
そうだきみはひとりぼっちになるだろう。
いくつかの天体にひっぱられ、不思議な軌道をえがいた後、
ところが最後に落ちることなく、きみはやっぱり飛び続ける。
宇宙のだいぶ果てで思う。
ただあの太陽のまわりだけまわっていればよかったのになあ。

もう一度もどってみようか。
どうしてか、からだはいうことをきかない。
うまく飛べたはずだったのに。気ばかり焦る。
ぶつかって欠けてしまった。
ぶつかって割れてしまった。
でも、少しずつ近づいている。
かの輝きは日増しに大きくなっていく。
あの輝きに飛び込みたい。
もう一度とらえてほしい。
小さく小さく削られてしまったきみは、強く強く思う。
小さく小さく削られてしまったきみを、とらえたのはぼくの星だった。

きみの光はさいごのその光は、この星の滑走路からよくみえた。
きみからはみえなかったろうが、その滑走路にはいくつかの飛行機がとまっていたよ。
飛行機の整備士が伸びをした瞬間にきみは流れたのだよ。

きみの光はこの星の、もう電車の走らない線路からよくみえた。
つらいことがあってあてもなくあるいていた青年の目に、きみの光は飛び込んだよ。

きみの光はまた、こどもをなくした夫婦もみつけたよ。
ふたりはそれをみて泣いたよ。

きみがこの星の大気に溶け込む瞬間、
たくさんのたくさんの人たちがきみに願いをこめたよ。
きみが引く光の尾に、たくさんのたくさんの願いがこめられたよ。

気がつけばきみはまた銀河の中心にいた。
きみを好きだという天文学者がきみのために論文を書く。
ゆらゆら揺れる光をみて、ふるさとを思う若者がいる。
きみのおかげで生まれる命がある。
きみに聞こえないかすかなたくさんの声がきみにありがとうと言っている。

輝くきみは、むかしのことを覚えていない。
でもきみの輝きは、あの時のきみの輝きからできている。
そしてまたあの光の尾は、だれもが忘れずにいまもこの星で生きている。
自己紹介
役者。
京都市左京区吉田近衛町在住
大学生
眼科の検査係でもある
老人ホームの当直もしている
かつてはファミマの店員で
家庭教師は3件クビに
I'm from 鹿児島市
目がキラキラしている
つまるところ、
喀血劇場の主宰
本名なわけはない。

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