2014年09月

2014年09月30日

文化財、自衛隊、猛禽、物理学、充実の2日間でした

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 一見何の脈絡もない4枚の写真ですが、本当に何の脈絡もありません(笑)。1枚目が特別公開された白井市指定文化財、2枚目が下総基地開設55周年記念行事で着陸する対潜哨戒機、3枚目が野田市でのタカの渡り観察会で見たサシバ、4枚目が柏の葉での理論物理学の講演会です。

 実は、この前の土日に私の住処の周りでこんなイベントがあり、それぞれを巡りました。まさに地元で開催されたこと以外に脈略はありませんが、とても楽しかったです。おかげで充実した休日の2日間となりました。

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 まずは27日の土曜日、白井市の指定文化財の公開です。これは少し前に聴いた講演会と同様、白井市郷土資料館の開館20周年記念企画展に併せた催し。来迎寺と佛法寺の仏像、それに折立熊野神社本殿が公開されました。

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 最初に訪ねたのは来迎寺。上の写真が木造阿弥陀如来立像(中央)、木造不動明王立像(左)、木造毘沙門天立像(右)で、真ん中の写真が木造閻魔王坐像(奥)、木造奪衣婆坐像(手前)です。おお、予想以上に素晴らしい。

 訪れた時、団体の皆さんが来ていたので、ご住職自身が説明されていました。かなりラッキー。この5躯の像は元々、市川市にあったものだそうです。阿弥陀如来と不動明王、毘沙門天の立像は鎌倉時代の作。不動明王と毘沙門天は当初、後世の手による下手くそな彩色が施されていたため、なかなか文化財に指定されなかったとのことです。

 それにしても、ご住職の話が面白い。「地獄の沙汰も金次第の意味が誤解されています。この世で得たお金は、世のため人のために使えということです。お寺にお参りした時のお賽銭も、10円玉よりも1000円札。これが世のためということなんですね」。

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 次に訪ねたのが折立熊野神社の本殿。この本殿は通常、四方を囲われており詳しく見ることはできません。1753年の建立を示す棟札が残されており、正確に建立年代の分かるものとしては白井市で最古の神社だそうです。

 いやぁ、素晴らしい彫刻ですね、と龍の彫り出しに目がいっちゃうのですが、これは江戸時代後期のものとのこと。建立当社からのものは、その上、赤っぽい朱が塗られた痕跡の残る部分だそうです。白井市文化課の職員の方の解説がなければ、彫り出しの写真を撮って帰るところでした(苦笑)。ただ、龍の彫り出しの柱は千葉県で7例、白井市で2例しかないそうです。

 少し時間があったので、白井市の職員の方に、なぜ白井市など印旛地域に鳥見神社が密集しているのかなど、私が以前から疑問に思っていたことについてご意見をうかがいました。今後、鳥見神社の謎をさらに妄想する上で、大変参考になりました(笑)

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 そして佛法寺です。公開されていたのは木造阿弥陀如来坐像と両脇侍立像。両脇侍立像は右が観音菩薩、左が勢至菩薩だそうです。来迎寺の仏像と同じく鎌倉時代の作ですが、こちらはもともと白井市にあったため、白井市最古の仏像の称号はこちらですね。

 いやぁ、面白かったです。そう言えば、この日は折り畳み自転車のPacific-18を使いましたが、その自転車を見たご夫婦から「東葛人さんですか」と声を掛けられました。なんでも私と同様、郷土史や文化財がお好きとのことで、私のこのブログも読んでいただいているとか。

 感激です。本当にありがたいですね。Pacific-18は改造しすぎて、折り畳みが難しくなってしまったのですが(苦笑)、私を識別する目印になります。まさに仏縁&自転車縁でした(笑)


 この日は海上自衛隊下総航空基地の開設55周年記念行事が開かれていました。ただ、開設50周年の時に訪れたことがあるので、今回はパスすることにしました。でも、住処へ帰る途中、国道464号を西に走っていると、目の前を自衛隊の対潜哨戒機が下総基地へと降りていきました。

 「あっ、これを動画で撮って帰ろう」と思って撮ったのがこれ。以前、下総基地に着陸する対潜哨戒機の写真を撮った時、動画を撮るのを忘れたので、今回撮影してみました。この対潜哨戒機には、おそらくこのイベントでの体験搭乗の方が大勢乗っていたはずです。

 さて、次からは28日の日曜日の話です。

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 この日は、たすけさんとワンチャンとご一緒。午後にある物理学の講演会にそれぞれ別々に申し込んだのですが、それならば利根運河の生態系を守る会主催のタカの渡り観察会にも参加しようという話になり、朝早くから出かけました。

 実は、タカの渡り観察会の前に、ハヤブサが見られるポイントに行ってハヤブサ撮影も狙ったのですが、残念ながらこちらは空振りでした。それにしても、たすけさんのリカンベントは改めて見ると、とても目立ちますね(笑)。この日も注目の的でした。

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 タカの渡り観察会への参加は今回で2度目です。タカの渡りとは、渡り鳥であるサシバの渡りのこと。前回の参加の時と同様、サシバ以外にも数多くの猛禽に遭遇することができました。

 これはノスリです。ノスリは比較的低空をゆっくりと旋回しながら飛んでくれるので、撮影が比較的容易です。撮影に使ったのは、もちろんマニュアルフォーカスのBORGです。

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 そしてオオタカ。遠いし逆光なので、かなり辛い写真になりました。ただ、かろうじてオオタカの特徴が見て取れるので、これで勘弁してください(苦笑)

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 写っているのはチョウゲンボウですが、捕らえたヒヨドリ(?)を食っていました。以前狩りに失敗するオオタカは見ましたが、猛禽の捕食を見るのはこれが初めて。観察会に着いた時、「チョウゲンボウが食っているよ」と言われて、慌ててレンズを向けました。

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 そして、これが南へ渡って行くサシバです。実は今回、たくさんのサシバの渡りに遭遇しました。ただ、守る会の方が「低い鉄塔の上、3羽が右に流れていきます」「左側にも2羽確認」という声を聞いて、そちらを見ても、遠くを飛んでいるらしく私には全く見えません(苦笑)

 近くを飛ぶサシバだけをなんとか確認。さらにごく近くを飛んでくれた、このサシバ君だけを撮影できた次第です。実は私、この夏の野鳥撮影の“宿題”は「サシバを撮る」ことでした。ところが全く見つけられず。これでなんとか落第を免れました(苦笑)

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 観察会の場所の近くに「こうのとりの里」があるとのことで、初めて訪れてみました。多摩動物公園から2羽のコウノトリを譲り受けて飼育を開始したそうで、真ん中の写真が昨年生まれた兄弟、そして下の写真が今年生まれた幼鳥たちです。思っていたよりも可愛いです(笑)

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 そして、午後の講演会。東京大学の物性研究所カブリ数物連携宇宙研究機構、柏市共催の一般講演会で「物質の科学と素粒子物理の深い関係」がテーマです。物理学の物性論と素粒子論の間には共通点がある、との難しい話の分かりやすい解説です(たぶん、苦笑)

 実は、講師の一人が以前何度か自転車でご一緒したおっしーさん。高校生の時まで天文や宇宙物理学、相対性理論などに憧れ、能力の限界を感じてさじを投げた理系少年だったこともあり(苦笑)、興味を持って聴きに行った次第。

 で、講演の内容ですが・・・止めておきましょう(笑)。ただ、昔ふわふわとしか理解できなかった「くりこみ」や、超弦理論の「ひも」の“出所”がすとん腑に落ちた(と思う・・・たぶん・・・うーん、えーっと・・・苦笑)。間違いないのは、おっしーさんは凄い人だということです。それと、こうした講演は十分理解できなくても楽しいことが分かったのが収穫でした。

 たすけさん、ワンチャン、日曜日はお疲れ様でした。

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2014年09月26日

初めての佐倉牧、野馬土手オタクには最高の1日でした(笑)

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 初めて佐倉牧の野馬土手を見ました。佐倉牧というのは江戸時代、下総国(今の千葉県北部)に存在した徳川幕府の牧場です。その牧場を囲むため、あるいは放牧されていた馬を1カ所に追い込むために築かれたのが野馬土手です。

 下総国の幕府の牧場としては、佐倉牧のほかに小金牧もありました。小金牧は私の住む東葛地域に存在した牧場。実は、私は大の野馬土手オタクで、小金牧の野馬土手を見て回り、「野馬土手 〜小金牧の残光」というページまで作ってしまいました(笑)

 一方、佐倉牧は住処から遠く、現存する野馬土手の位置もよく分からないので、一度も訪ねたことはありませんでした。ところが、自転車仲間の愚兵衛さんから「佐倉牧の野馬土手を見に行きませんか」とのお誘いが。

 「うわぁ、嬉しい」ということで、この前の日曜日の「佐倉牧野馬土手ポタ」に参加。佐倉牧の野馬土手に萌もえの1日となりました(笑)

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 「それにしても、佐倉牧の野馬土手を見たいという酔狂な人が他にいるのだろうか」と思っていたら、IWAさん、ワンチャン、spirit隊長、まっちさんが参加。

 そうか、愚兵衛さんは谷津道の達人。皆さん、野馬土手よりも、愚兵衛さんが案内してくれる里山の風景を期待しての参加のようです(笑)

 100キロ超の長旅になりますので、皆さん、当然ロードバイクです。でも、なぜか、愚兵衛さんだけクロスバイク。実は、出発直後にトラブルがあったのです。

 愚兵衛さんの後を走っていると、突然「バッス!」という音がして、愚兵衛さんの自転車の後輪がペシャンコに。いやぁ、鉄砲で撃たれたのかと思うほど、大きな音でした。

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 早速、愚兵衛さんがパンク修理に取り掛かりましたが、なんとタイヤのサイドが刃物を使ったようにスパッと切れています。どうやら石を踏んだか擦った際に、その石の鋭利な角が切り裂いたようです。

 とりあえず、タイヤの裏にガムテープを貼って応急処置。ただ、このままでは走り続けるのは難しいので、愚兵衛さんは最初に乗ってきたロードバイクを断念し、白井市の自宅に戻ってクロスバイクに乗り換える羽目に。

 愚兵衛さん、災難でした。今回のパンク大魔王はどうやらスナイパーだったようです(笑)

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 で、最初に訪れたのが、八街市の交進小学校脇の野馬土手です。500メートルほどの堂々たる土手です。いやぁ、こんな一直線に長く土手は、小金牧では現存していません。

 この土手は野馬を捕らえるために1箇所に追い込む勢子土手だそうです。勢子に追い掛けられて、この土手に沿って必死に逃げる若駒の姿が目に浮かびみます。いやぁ、萌えますね(笑)

 ちなみに、この野馬土手は佐倉牧を構成する7つの牧場のうち最大の柳沢牧の土手です。素晴らしいことに、八街市ではこの土手を市の文化財に指定して保存しているとのことです。

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 次に愚兵衛さんにご案内いただいたのは、酒々井プレミアム・アウトレットのすぐそばにある柳沢牧の野馬土手です。愚兵衛さんによると、造成工事でこの土手は崩されそうだったのですが、なんとか保存されることになったようです。

 この土手は八街市と酒々井町の境にあります。おそらく柳沢牧を囲っていた土手でしょう。小金牧や佐倉牧の野馬土手のうち市境に現存するものは、その牧場を囲っていた土手の可能性が高いのです。

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 そして3番目に訪ねた野馬土手は、国道296号の七曲交差点付近の土手です。こちらはさっきの二つの土手と異なり、同じ佐倉牧でも柳沢牧の北側にあった内野牧の土手です。富里市と酒々井町の境にそびえる土手ですから、内野牧を囲っていた野馬土手なのでしょう。

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 この野馬土手の近くの蕎麦畑。ちょうど花が満開で、こんな美しい光景が広がっていました。で、ここで私、やっちゃいました(苦笑)

 ワンチャンが「向こうの林に猛禽がいますよ」と教えてくれて、「えっ、どこ、どこ」と探しましたが見つからない。ワンチャンに何度も聞いても分からない。結局、皆さんをかなり待たせてしまうことに。皆さん、申し訳ありません。猛禽はノスリだったようです。

 それにしても私、初めて佐倉牧の野馬土手を訪ねたわりには、やたら詳しいでしょ。そうなんです。後日、本を買って勉強しました(笑)

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 買った本は、野馬土手研究の第一人者、青木更吉先生の『続 野馬土手は泣いている』です。実は、私は青木先生の講演を聞いて野馬土手オタクになり、小金牧の野馬土手のことを記した『野馬土手は泣いている』で随分勉強させていただきました。

 今回遂に佐倉牧バージョンを買ってしまった。『続 野馬土手は泣いている』を読んでいると、小金牧以上に野馬土手が残っているんですね。やばいなぁ。なんか、100キロ以上走って佐倉牧の野馬土手に通いつめそうな悪い予感(笑)

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 愚兵衛さんが案内してくれた遺構は野馬土手だけじゃありません。この上勝田第一アーチ橋は、明治30年ころに造られたもののようです。実際に明治30年なら1897年、つまり19世紀の遺構ですね。

 場所はここ。JR総武本線の南酒々井駅と榎戸駅の間にあります。実は私、野馬土手ほどではありませんが、こんなページを創るほどで、レンガの構造物にもかなり萌えます(笑)。このレンガ造りのアーチ橋も素朴で、なかなか味わい深いです。

 それにしても、アーチの上部は高さ制限オーバーのクルマにガンガンぶつかられたようで、かなり削られています。ぶつかったクルマは大丈夫だったのでしょうか(爆)

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 この日の昼食は、印旛沼の佐倉ふるさと公園の近くの台湾料理店「弘祥」。で、ランチのセットメニューのボリュームと安さに仰天しました。ラーメンとご飯ものがそれぞれ一人前ずつのセットで650円!

 私は台湾ラーメンと麻婆丼をチョイスしましたが、両方とも普通に美味しかったです。しかし、量が・・・この日のエネルギー消費を帳消しにしかねないカロリー摂取です(苦笑)。

 そう言えば、「こんな量は食べられないよ」と言って、麻婆丼の単品を頼んだspirit隊長はお気の毒。もの凄い量の麻婆丼を「もう飽きる」とブツブツ言いながら食べていました(笑)


 最後にこの日のルートをアップしておきます。いやぁ、楽しかったです。それに佐倉牧の野馬土手を初めて見て感動しました。愚兵衛さん、ありがとうございました。ご参加の皆さん、お疲れ様でした。

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2014年09月20日

超遅アップですが横浜ポタ、一番美しいのは機関室

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 随分、遅アップになってしまいましたが、この前の月曜日の祝日に横浜をポタしてきました。メンツはいつものチーム東葛小径車分科会の皆さん。まっちさん、はんぞうさん、えいじさん、ワンチャンです。横浜までの往復は電車での輪行です。

 もう少し早くアップしようと思っていたのですが、仕事が忙しくて今になってしまいました。もう時間も経っていますし、詳しく書いていると、いつ書き終わるかも分かりませんので、私が美しいと思ったものだけをアップして今回はお茶を濁します(苦笑)

 で、最も素晴らしかったのは、山下公園に係留されている氷川丸の機関室。もうなんて素敵なのでしょう! 私はこういう無機的なのだけど、手垢のついた空間に心を奪われます。最初の写真の景色なら、ご飯3杯は十分にいけますね(笑)

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 氷川丸には若かりし時、一度来て以来です。ひどく退屈だった記憶が残っているのですが、確かに豪華貨客船の一等船室は、その時の記憶の通り退屈。

 昭和5年に就航し、戦後も客を米国に運んだそうですが、よく皆さん、退屈しなかったものだと感心します。私なら2〜3日で「下船させてくれ」とわめくでしょう。まあ庶民の私は、こんな豪華船には乗りたくても絶対に乗れませんが(苦笑)

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 これは“赤煉瓦の時計台”、横浜市開港記念会館。初めて訪れましたが、この重厚感はすばらしいですね。

 ペリー来航をモチーフにしたステンドガラスも素敵です。富士山の横で星条旗がはためいている構図も考え抜かれてます。太平洋戦争後に接収した米軍も、これを見て感動を覚えたとか。ただ老朽化が進んでおり、ヒビが入り始めているとのことで、少し心配です。

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 2階の広間の内と外から見ると、こんな感じ。国指定の重要文化財だそうですが、内部のホールや会議室がいまだ現役で使われているのも驚きです。いいなぁ横浜(笑)

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 で、山手の西洋館。ざっと紹介します。上の写真から2枚ずつで「横浜市イギリス館」に「山手111番館」、そして「山手234番館」。残りの6枚が「ベーリック・ホール」です。

 いやぁ、手抜きの紹介でしたが(苦笑)、横浜は皆、本当に美しいですね。でも、やはり一番美しいのは、氷川丸の機関室でした。あの機関室には1日中いても退屈しない気がしました。

 ご一緒したまっちさん、はんぞうさん、えいじさん、ワンチャン、ありがとうございました。

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2014年09月15日

日曜日、房総の道の真実と梨の美味さを知る

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 昨日の日曜日は、楽しみにしていた講演会に行ってきました。白井市郷土資料館の「開館20周年記念企画展」の関連の催しで、歴史民俗博物館の元教授、山本光正先生が「房総の街道」をテーマにお話をされました。

 私以外にも歴史好きの自転車仲間、たすけさん、ABianchさん、いくさん、愚兵衛さん、Bさんが参加しました。それにしても、この講演、メッチャ面白かったです。山本先生のべらんめえ調の話術も素晴らしかったのですが、内容も“目から鱗”の話ばかり。

 大名の参勤交代の道は幕府が決めており、大名によっては地元民も通らないような酷い道を通らなければならない。江戸時代は東海道などの主要街道を除いて特定の名前も起点も終点もなく、同じ道でも地域ごとに違う名称で呼んでいた。今“正式名称”となっている街道名は、明治時代以降に付けられたものである。などなど、いやぁ、面白い。

 中でも興味深かったのは、江戸時代の農民は通説ほど貧しくなかったという話。特に房総は江戸への物資の供給基地だったので、小作民もそうした物資を運ぶことで現金収入があった。頑張る人はお金を貯めて馬を買い、さらに豊かになったそうです。

 実は、この話を聴いて、長年の疑問が氷解しました。東葛地域には小金牧と呼ぶ幕府の牧場があり、近隣の農民は牧場の管理を手伝う代わりに、馬を安く払い下げてもらっていたのです。ただ、地主ならともかく小作民は馬を飼ってどうするのだろうと思っていたのですが、これですっきり解決です(笑)

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 講演の後、たすけさんのお誘いで、たすけさんが懇意にされている高橋果樹園さんへ。以前もお訪ねしたことがありますが、今回は梨を安く購入させていただきました。右が豊水、左が秋月です。

 購入したのは豊水、秋月は小振りのものをおまけしてもらいました。高橋果樹園さん、感謝感謝です。しかも、たすけさんが自ら購入した秋月のいくつかを、その小振りの秋月と交換しくれました。実は、この日は折り畳み自転車のPacific-18に乗っていたのですが、たすけさんの自動車で自転車ごと運んでもらいました。たすけさんにも本当に感謝、感謝です。

 ちなみに豊水、秋月とも、とても糖度が高くおいしい! しばらくは楽しみが続きます(笑)

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 これはおまけ。この日の朝、住処の近くで木の実をついばむシジュウカラを撮りました。なかなかよく解像しています。それにしても、すっかり秋ですね。

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2014年09月09日

買うつもりのないレンズ、気がつけばこの手に(苦笑)

 少し前のことですが、BORG開発者の中川師匠のブログを見ると、「B品」のバーゲン情報が載っていました。B品とは展示デモ用や社内テスト用に使ったものとのこと。「おっ、67FLが2万円も安い」ということで、何も考えずに注文してしまいました(苦笑)

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 67FLとは、口径67mmのフローライト(蛍石)レンズです。実は私、このバーゲン情報を見るまでは、この67FLを買う気は全くありませんでした。f=300mmと野鳥撮影用には若干短い。それにBORGのレンズは既にいっぱい持っており、さすがにこれ以上は要りません。

 なのに買ってしまった。さすがに注文した後、正気に返ってちょっと後悔しました(苦笑)。でも、届いたブツをオリンパスのOM-Dに取り付けてみると、メッチャかっこいいではないですか! ニタニタ眺めながら酒を飲んでいるだけで、元が取れたような気分になりました(笑)

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 で、この前の土曜日に試し撮り。まずは手賀沼のコブハクチョウの若鳥です。300mmでF4.5という明るいレンズですから、ピントが恐ろしく薄い。この若鳥の首の羽毛はよく解像していますが、少し奥にある頭部はボケています。

 マニュアルフォーカスで撮るには、なかなか手ごわそうなレンズです。ちなみにこの67FLをマイクロフォーサーズ規格のOM-Dに取り付けると600mm相当の望遠レンズになります。

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 さて、良い被写体になる珍しい野鳥はいないかと探したのですが、見つけられなかったので、トビモノで誤魔化しました(苦笑)

 でも、おかげであることに気づきました。ピントが薄いと、逆にピントのヤマがつかみやすいのです。 だからと言って、正確にピントを合わせられるかというと、それはまた別の話ですが。

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 こういう写真を撮ると、やはりフローライトレンズは良いなと思います。全く収差の無い、ヌケのよい写真が撮れますね。それにしてもBORGのレンズは8本目。もういいかげんにしなさい、です(苦笑)

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2014年09月03日

伊能図とミニパナマ運河を見学、うんちく満載です(笑)

P8312144 この前の日曜日は最近恒例の小径車による都内ポタ。この日に訪れたのは、中央区の浜町公園内の総合スポーツセンターで開催されていた「完全復元伊能図全国巡回フロア展」と、“東京のミニパナマ運河”と呼ばれる「扇橋閘門」の一般公開です。

 巡回フロア展は伊能忠敬の日本地図(伊能図)を畳約250枚大で再現するもので、名前の通り全国巡回展示されていますが、今回は浜町での展示。そして扇橋閘門は“水の階段”。水位に差のある水路を閘門(こうもん)の開閉で船を通れるようにするパナマ運河と同じ仕組みが見学できました。

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 ご一緒したのは、はんぞうさん、えいじさん、ワンチャン。詳しくは書きませんが、今回は行き返りの道中で様々な方々や事件に遭遇しました。特に帰り道で出会ったコワイお兄さんたちはマジで怖かった(苦笑)

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 まず午前中に訪れた巡回フロア展。体育館のフロアに復元した伊能図のパネルを敷き詰められており、周りの壁には解説のパネルが展示されていました。いやぁ、それにしても伊能図の精度は凄い。250枚もの地図を敷き詰めて日本全体を表示しても、寸分の狂いも無いといった感じです。

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 で、やはり自分の住んでいるところを、まずはチェックしますよね。私の住んでいる処は、昔風に言えば下総国葛飾郡名都借村。探してみると、ありません(苦笑)。そうか、伊能忠敬や弟子たちは、海岸線や主要な街道沿いを測量しただけですものね。でも、水戸街道も無い。下総国はほとんど真っ白です。

 ただ、その下総国も海岸線の村々は記述されています。「舟橋(船橋)」や「稲毛」といった文字が読み取れます。それに「利根川」の記述も。利根川は以前、江戸湾(東京湾)に注いでいましたが、徳川家康によって銚子方面に流れるように付け替えられました。でも、江戸時代には江戸湾に注ぐいろいろな川が「利根川」と呼ばれていたみたいです。

 この伊能図を見た時は、この「利根川」は今の中川か荒川かな、と思ったのですが、改めて見ると今の江戸川の位置ですね。そう言えば、小林一茶の句「利根川は寝ても見ゆるぞ夏木立」の「利根川」は江戸川だと言われていますから、この伊能図の「利根川」も江戸川の可能性が高いです。

 伊能図では「利根川」の西に「浮田」の地名があります。今の江戸川区宇喜田町のことならば、この「利根川」はやはり今の江戸川です。では、今の荒川や中川はどれかと言うと、「浮田」の西側の「中川」でしょう。北西から江戸湾に流れ込む本流が今の荒川、その本流に北から流れ込む支流が中川。そう見ると、今の川筋とそっくりですね。

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 それでは私の故郷、河内国讃良郡甲可村は伊能図に載っているか、と探しましたが、やはり全く載っていませんでした(苦笑)。気を取り直して、近畿地方を眺めていると・・・淀川の上流、瀬田川辺りの様子が今と全く違いますね。全く知らなかったので、ちょっと驚きました。

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 この伊能図でも、やはり富士山は別格でした(笑)

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 そして、これが午後に訪れた東京のミニパナマ運河、扇橋閘門です。ちょうど、この日は一般公開日。さらにラッキーなことに、ゴムボートが通りかかったために閘門のメカを間近で見学することができました。

 冒頭の動画のように、まず「後扉」が閉まります。そして、ジャグジーバスのように水が注入され水位が上がります。次に「前扉」が開閉し、ゴムボートは去っていきました。まさにパナマ運河と同じ“水の階段”です。

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 なぜ平べったい都内で、こんな面倒くさいことをするかと言うと、江東区や江戸川区などの低地を水害から守るためとのこと。

 この水路は小名木川と言いますが、実は江戸時代に造られた運河です。この小名木川は今、隅田川と旧中川を東西に結ぶ水路となっていますが、一番下の写真のように隅田川と旧中川では水位に差があります。

 しかも、昔から船が行き来していたため、防災と船の往来の確保の両立のため扇橋閘門が造られたようです。ちなみに船の通行料は無料だそうです。いやぁ、知らなかった。

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 さて、この日の昼食は、扇橋閘門の近くの「上むら」という蕎麦屋さん。日曜日は都内は良さげな店が軒並み閉まっており、なかなか昼食の場所が見つからない昼食難民状態でした(苦笑)

 で、ようやく見つかったのが、この店です。私が注文したのは、もりとミニあさり丼のセット。あさり丼はタマネギも入った少し不思議な味、蕎麦は普通の蕎麦屋の味でした。

 ただ、気になったのはメニューにあった「クリームシチューうどん」。もう気になって気になってしょうがないので、皆さんと涼しくなったら食べに来ることで話がまとまりました(笑)

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 ところで、この日は折り畳み自転車のPacific-18を使いましたが、タイヤをこれまで履いていたシュワルベの「KOJAK」から、同じくシュワルベの「MARATHON RACER」に替えました。

 KOJAKは、細身のかっこいいスポーツタイヤで気に入っていたのですが、路面のガラスなどの異物に弱い。もうパンクしまくりでした(苦笑)。遂に耐えられなくなって、パンクしないと評判のMARATHON RACERに替えた次第。

 MARATHON RACERは少し太いタイヤなので、自転車のシルエットがデブになりましたが、乗った感覚はKOJAKとあまり変わりません。なんだ、最初からこれにすればよかった(笑)

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