2007年09月08日

3年ぶりに利根川河川敷の大水没、調節池にも水が入りました

利根川水没1利根川水没2

 今日、3年ぶりに利根川の河川敷の大水没を見ました。場所は利根川サイクリングロード柏区間です。3年前と言えば、私がブログを書き始めた頃、次から次へと台風が襲った年でした。東葛人的サイトの「東葛を走ろう」のコーナーの写真は、2004年10月10日、台風が通過した翌日の利根川の大水没です。今回の大水没は、その時よりもすごいです。それだけ台風9号の猛威がすさまじかったのでしょう。

 この台風9号の被害は甚大です。千葉県では、収穫期を迎えていた梨が強風にあおられて落下するなど、農業だけで億単位の被害が出たと言いいます。先週末、たすけさんお薦めの梨園さんで、豊水を購入、その常識ハズレの美味さに感動していただけに、梨の落下の話を聞くと心が痛みます。ですから「すごい」なんて言葉を軽々に使ってはいけないのでしょう。それにしても、利根川の広大な河川敷が水没している光景を目のあたりにすると、自然の力のすさまじさを感じます。

江戸川1江戸川2

 今日はロードレーサーで江戸川、利根運河、利根川、手賀沼と回りました。まずは江戸川ですが、この前の台風が通過した7月とは様相が違いました。前回は河川敷の水没は免れたのですが、今回は完全に水没。江戸川は増水に“弱く”、簡単に水没しますが、どうも今回は違います。今までに見たことがない水量で、サイクリングロードに上がった瞬間、目にとまった光景に驚いてしまいました。

利根運河1利根運河2

 利根運河も今日はすごいです。今までに見たことのない水量です。利根運河北岸で利根運河水辺公園へ向かう道は一部水没していました。よく見ると、水没した道の手前も白く汚れています。一番水量があった時は、こまで水が来ていたのでしょう。ちょっと危険ですね。あと浮き橋はお約束のこの状態(笑)。いつも運河は水溜り状態ですが、今日の増水で舟が通行していた往年の運河の雰囲気が甦りました。

利根運河3

 さて、利根運河の東端まで来ました。あれぇー、なんか変だ。そうなんです。台風などの増水時にはいつも開いている、利根運河と利根川を分ける水門が閉じているのです。「へんだなぁ」と思いましたが、水門の脇を通り抜け、利根川側に回り込んだ時、その謎が解けました。

利根運河4利根運河5

 水門の向こうは、これまでの見慣れた景色とは全く違う別世界でした。水がすぐ近くまで押し寄せており、利根川の河川敷は完璧に水没していました。2004年の大水没の時も、ここまで増水してはいませんでした。そもそも水門も開いていました。でも、今回は水門を大きく開くと、利根運河に利根川の水が大量に流れ込み危険ですね。こりゃ、すごいことになっている、そんな風景でした。

利根川1利根川2

 で、利根川サイクリングロード柏区間です。こんな利根川、初めて見ました。河川敷がすべて水没していました。利根川の河川敷にはゴルフ場をはじめ、採砂場、モトクロスコースなどがありましたが、すべて水没してしまいました。利根川自体が川幅が広いうえ、河川敷も相当の広さがありますから、ものすごい川幅の“大河”が出現しました。

利根川3利根川4

 そして新大利根橋です。左の写真の辺りは、立派なサッカー場があったはずですが、今は完全に利根川の一部です。新大利根橋から利根川を眺めると、すごい川幅。橋の下では水が渦を巻いており、ゴーという音が聞こえてます。茨城県側をどんな様子だろうと思い、橋を渡ってみると意外な光景が広がっていました。

利根川5利根川6 なんと、茨城県側では調節池に水が入っていたのです。利根川下流の治水の要は調節池です。利根川の南側、つまり東葛地域には柏市と我孫子市をまたぐ形で、田中調節池があります。池と言っても、普段は水がなく、農地として利用されています。そして、いざという時に、ここに水を入れ、利根川決壊という最悪の事態を避けるのです。水が入ると農作物はダメになりますが、その条件で国から農家へ払い下げられたそうで、いわば、この調節池が治水の最後の砦というわけです。

 この調節池は茨城県側にもあります。東葛地域の田中調節池に相対しているのが、稲戸井調節池です。そして今回、この稲戸井調節池に水が入り、本当に“池”になってしまいました。よく見ると利根川と調節池を分ける水門が開いています(左の写真)。右の写真で言うと、真ん中の土手を挟み、右側が利根川&河川敷、そして左側が稲戸井調節池です。

 この稲戸井調節池には農地はないみたいです。つまり、まず稲戸井調節池に水を入れてしのぎ、どうしようもなくなったら、農地がある田中調節池にも水を入れる算段のようです。うーん、うまく考え抜かれていますね。利根川が決壊すると、流山市名都借の谷津にある私の家は完璧に水没しますし、首都圏は壊滅的打撃を受けるそうです。利根川は治水はとてつもなく重要ですが、この調節池のシステムの治水の妙には脱帽です。

利根川7

 では、田中調節池側はどうかと言えば、新大利根橋の上から見る限り平和そのものです。どうやら水が入るのは免れたようです。田中調節池の農地は、東葛地域有数の豊かさですから、大きな被害がなくてよかったですね。

手賀沼1手賀沼2

 この後、布施弁天ルートで手賀沼へ向かいました。利根川の状況を見た後で、手賀沼を見ると不思議です。いつもより少し水かさが高いかなという程度で、いつものような穏やかな手賀沼の水面が広がっています。当然、今は利根川の水を注ぎ込む北千葉導水路からの注水もなし。本当に静かな手賀沼でした。改めて治水の妙を感じました。

toukatsujin at 21:31│Comments(14)TrackBack(1) ポタリング 

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1. 台風一過。自然の猛威と自然との戦いを実感しましたっ!  [ Be-all and End-all ]   2007年09月09日 00:38
台風9号、久々に関東地方を直撃してくれました。左の写真、直撃直前の木曜日に撮影しました。僕が休日に使っている時計はカシオのPROTREKというアウトドア仕様のもので、気圧が測定できます。(気分を変えたいだけで、使いこなせていないのですが(苦笑)。)台風のときの気圧...

この記事へのコメント

1. Posted by アイバ   2007年09月08日 21:43
治水は本当に凄いことだと改めて思いますね。

流山に住んでいた小学生の頃、社会科で江戸川が人工の河川だということは習って知っていました。

最近になって川沿いのサイクリングロードを走るようになって治水事業の歴史にも興味が出て少し調べてみると、利根川東遷事業という大規模な治水事業があったんですね。江戸川の開削はその一部に過ぎませんでした。

こんな工事を江戸時代に完成させていたことに驚きます。
2. Posted by kashiwan   2007年09月08日 21:54
東葛人さん、こんばんは。
やはり「巡回」に行かれたのですね!私が金曜の通勤時に見た江戸川が「大雨後の通常の水没」に見えたので、利根川がこれほどまでに水没しているとは思いもよりませんでした。
さすがに流域面積日本一の川の河川敷が水没すると外国の大河のようです。
しかし東葛地域の農作物の被害は気になりますね。田中調整池の稲が水没しなかったのは不幸中の幸いでした。
3. Posted by 東葛人   2007年09月08日 22:00
アイバさん、こんばんわ
本当にそうですね。
水を治めることは国を治めること、まさにその通りだと思います。
利根川東遷は江戸時代の驚くべき事業ですよね。
ただ今でも、利根川は元の場所に戻ろうとするようです。
利根川が決壊すると、水は江戸川をも乗り越え、都内の綾瀬あたりまで水浸しという話を聞いたことがあります。
坂東太郎=利根川を治めるのは、たやすいことではありませんね。
4. Posted by 東葛人   2007年09月08日 22:58
kashiwanさん、こんばんわ
ええ巡回に行きました。
利根川はまさに大河状態でした。
おそらく台風直後よりも、1日後の方が上流に降った雨水を集めたのでしょう。
ものすごい水量でした。
台風では鎌ケ谷や松戸などで、梨の被害が大きかったと、ニュースで流れていました。
天災とはいえ、せつないですね。
5. Posted by アイバ   2007年09月08日 23:05
こちらに出水対策状況が出ています。
http://www.ktr.mlit.go.jp/tonege/kako/saigai/h19/tyhoon09/06.htm
確かに8日になって水位が上がってますね。

インターネットでこんな状況がすぐに見えるようになっているのは、素晴しいことですね。
6. Posted by 東葛人   2007年09月08日 23:32
アイバさん、情報ありがとうございます
ホントだ、写真で見ると6日や7日に見えていた河川敷が8日には水没していますね。
これでは利根運河が危険になるので、利根川と隔てる水門は開けられませんよね。
危険を事前に察知できるので、こうしたサイトの情報は本当にありがたいです。
7. Posted by IKAWA   2007年09月09日 00:57
東葛人さん、こんばんは。

ネタがかぶるのを覚悟で(笑)私も「巡回」してきました。それで同じく治水の重要さをあらためて実感しました。(で、TBです。)堤防まで達する利根川の水量には、利根運河東端から見ただけですが本当に驚きました。ここはアマゾン川かって思いました。どれだけ上流では雨が降ったのでしょう。田圃の水没を目にしたものの、恐れたほど被害がなかったのは何よりです。

ところで、冒頭の写真、「道楽」の新機軸ですね。パノラマ写真みたいです。
8. Posted by 東葛人   2007年09月09日 08:55
IKAWAさん、おはようございます
ネタはかぶっても、それぞれの人の心のフィルターを通すと別の記事になります。
いろんな人が同じネタ、テーマで記事を書き、読み比べができるのが、ブログの興味深いところですね。
利根川は上流の水系で洪水警報なんかが出ていたようです。
その水が昨日、下流に押し寄せたのでしょう。

冒頭の写真はうまくパノラマ風になりました。
ただ、最初アップした際にはサムネールの指定をミスって、皆さんに大容量の画像を読み込まさせてしまいました。
ブラウザの稼働がおかしかったとしたら、そのせいです。
すみません。
9. Posted by はんぞう   2007年09月09日 20:49
東葛人さん、こんばんは。

IKAWAさんのブログにも書き込みしましたが、今日は来る野田100kmの練習をかねて遠出しました。
利根川の栄橋から北側の道(小貝川)を経て取手に行く予定でしたが、なんとサイクリングロードが水没していました。ほんとにビックリです。
このロードは水没し易いようなのですが(以前に水没跡らしき物を見たので)、実際にその先から水の中に埋まっていると感慨ひとしおした。

10. Posted by 東葛人   2007年09月09日 22:09
はんぞうさん、こんばんわ
おっしゃっているのは、芸大下の利根川河川敷の道ですか。
あそこなら完璧に水没するでしょうね。
それとも小貝川のサイクリングロード・・・。
それなら、ちょっと怖いです(笑)
それはそうと、野田100km楽しんできてください。
私は機を逸したので、また機会があれば参加したいと思います。
11. Posted by EAST   2007年09月10日 02:59
私も今日(9日)「巡回」してみました。1日たっていたので東葛人さんの見たころとは、運河も利根川もだいぶ水が引いていましたが、それでも江戸川は大水没でした。周りの関係者には大変なことと思うのですが、自然の猛威というものは、ついつい見に行きたくなるものです。
12. Posted by 東葛人   2007年09月10日 09:16
EASTさん、おはようございます
私も日曜日、再び利根川方面を走って、この川の能力の高さにビックリしました。
江戸川は大水没のままでしたか。
江戸川は利根川から分流する川なのに、そんなに違いがあるとは、ちょっと不思議ですね。
ほかから流れ込む水の量が多いのでしょうか。
13. Posted by はんぞう   2007年09月10日 20:57
東葛人さん、こんばんは。

そうです、小貝川の戸田井橋から、利根川CRへ向かう道です。芸大下の利根川河川敷の道だと思います。
そうですか、あそこは水没常連地域でしたか。

普段デジカメ持ち歩かないので写真アップ出来ません。
模型のためにも一台追加しようと思ってます。

14. Posted by 東葛人   2007年09月11日 09:30
はんぞうさん、おはようございます
やはり芸大下の道でしたか。
あそこは河川敷を走る道なので、今回のような大水没では完全に水の下になってしまいます。
水が引いた後は、どんな状況なのでしょうね。
デジカメは持ち歩いた方が楽しいですが、私の場合、撮り出すとあれもこれもとなってしまうので、撮影枚数を減らすことが課題です(苦笑)

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