2007年04月28日

観光事業論�機‖茖害�

　今回は、第２章「観光の様々な効果」です。いよいよ本格的な内容に入るので専門用語も出てきます。プリントの穴埋め部分を中心におぼえていきましょう。
　人間への効果については、前回の観光と心理や行動についてを効果という観点で考えている部分が多いので、確認も含めて理解しておくと良いと思います。
　企業への効果については、授業のプリントで確認してくれれば十分です。
　職業分類については、これから就職を考えていく皆さんには役立つと思います。まだまだ視野も狭いので、色々な仕事があること、その中で観光はどういう位置づけにあるかを考えて欲しいのです。以下を参考に。
　・職業分類とは（独立行政法人　労働政策研究・研修機構）
　・日本標準産業分類（総務省）
　・私のしごと館　（映像資料もあるし、理解しやすいサイトです）

　さて、今回のメインは観光が地域に与える効果のなかの経済的効果です。
　いろいろな事象を説明するときに統計資料というのは有効です。数字は、説得力があります。例えば、「観光が経済に影響を与えている」と言われれば、そのこと自体は理解できるのでしょうが、やはり数字の裏付けを知ると納得できますし、そのデータを知っておくといろいろと使えるものです。また、統計から色々なことが分かります。男性より女性のほうが余暇活動には満足している。旅行へも出かけている。そして、「なぜだろう？」と考えてみることも大切です。そういうことが学問でもあります。
　観光についてもいろいろな統計、データの出所がありますが、基本は国土交通省の「観光白書」です。すでに紹介していますが、このサイトはbookmarkしておきましょう。そして関連するテーマがあればチェックすることをおすすめします。
　・観光白書（国土交通省）

　観光と経済の関係はまだまだ掘り下げられるのですが、まずは観光が経済に大きな効果をもたらしているという意味を理解することが今回のポイントです。
　そして、最後に「地産地消」の話をしました。皆さんのミニッツカードをみるとこの話題は結構興味深かったようです。
　ちょっと「観光」視点は薄いサイトですが、考え方自体は理解できると思います。
　さて、事例として配布したプリントは北海道真狩村にあるレストラン「マッカリーナ」です。まずは、以下で基本的な理解を。
　・真狩村　・マッカリーナ　
　・真狩の観光施設

　コメントを見ると「細川たかしの歌う銅像」も受けていました。
　リクエストにお答えして、こんな個人サイトをご覧ください。
　　
　補足ですが、「まっかり」という村名、面白いですよね。
　調べると、「「真狩」とはアイヌ語で「羊蹄山（マクカリヌプリ）を取り巻く川」を意味する「マクカリペッ」より転訛したもの。」（ウィキペディアより）とあります。
　北海道の地名は、難読なものが多いですが、それはアイヌ語から来ていることが理由でもあります。こんなサイトを学んでみませんか。北海道の地名が読めると北海道の旅がまた楽しくなります。
　・北海道の市町村別地名と由来

　さて、質問コーナーです。
Ｑ１　神奈川県の地産地消の現状は？
Ａ１　こんなサイトを見て下さい。
・神奈川県地産地消ネットワーク
観光としての事例はなかなかみあたりません。関東農政局のサイトを見ても、神奈川の事例はないですね。

Ｑ２　観光のサービスは商品として扱いにくいというのはどういう意味ですか。
Ａ２　これは製造される形のある商品（財）ではないために、実際に手に取ってみたり、試すことが出来ないと言うことです。詳しくは後日取り上げます。
Ｑ３　クーポンなので安くなるホテルやレストランがあるが、あの分は誰が負担するんですか。
Ａ３　基本的にはホテルやレストランです。いわゆる割引を宣伝することで誘客するためです。客単価は少し下がりますが、集客力が高まることで、全体の利益はあがると考えられるためです。さらにリクルートのHotpepperなんかは、冊子としても無料ですよね。あれは掲載店が広告料を払うというしくみです。ある意味では、広告料と考えてもいいかもしれませんね。

　ＧＷ期間中でも5/1（火）は授業があります。でも、ぜひ、色々なところに出かけてみて下さい。それも観光の勉強です。
2007年04月24日

ホスピタリティ人材育成論　第３回

　今回は、前回の話の続きで「観光とバリアフリー」という新しいテーマとそれに関わる人材問題について考えました。
　本当は、前回の話し程度で終わらせるつもりでしたが、ミニッツカードで皆さんの関心が高かったので、人材問題と関連させて取り上げました。
　今回はビデオも含めて、事例をたくさん紹介しましたので、以下をじっくりと見て、授業を思い出してください。
・国土交通省バリアフリー・ユニバーサルデザイン
・日本旅行（赤いうさぎ）
・バリアフリープラザ（ＪＴＢ）
・プライオリティゲスト・サポート（ＪＡＬ）　追加
・スカイ・アシスタント（ＡＮＡ）
・ＮＰＯ法人伊勢志摩バリアフリーツアーセンター
・ＮＰＯ法人バリアフリーネットワーク会議（沖縄）
・誰でも美ら海NET
・沖縄都市モノレールで交通バリアフリー教室
・あ・える倶楽部

　ユニバーサルツーリズムの意識の高まりは、人材育成への関心も高めています。
・駿台トラベル＆ホテル専門学校　ユニバーサルツーリズムコース
・松本大学観光ホスピタリティ学科
・トラベルヘルパー（あ・える倶楽部）

　
　皆さん、今回は多くの人が、ミニッツカードにいろいろと書き込みもしてくれました。バリアフリーツアーの問題への気づきと関心の高さを感じます。
　まだまだ興味深い事例はありますが、ここまで。その他配布した資料を参考に勉強を深めてください。

　最後にＱ＆Ａです。
Ｑ１　横浜の観光地としてのバリアフリー問題はどうなっているのでしょうか。
Ａ１　私も詳しくないのですが、以下のサイトを見てください。一応バリアフリー対応情報はありますが、あまり進んでいないようですね。興味がある人は研究してみることをおすすめします。
・横浜市交通バリアフリー構想
・観光スポットのバリアフリー対応
Ｑ２　「チェアウォーカー」のような雑誌は、他にもありますか。
Ａ２　すべてがわかるはずはないですが、いろいろなマップなどはあちこちの自治体が作っているようです。このような雑誌１や雑誌２も出ていますし、いろいろな媒体で取り組みが増えているようには思います。
2007年04月21日

観光地理学�機‖茖臆鵝�

　今回は、第２回。「観光対象」と「観光地の分類」を説明して、魅力のある観光地とは何かを考えました。授業中に説明したとおり、分類の方法はいろいろあります。「見ることが目的となる観光地」と「活動が目的となるレクリエーション地」という区分も取り上げました。そして、観光における楽しみ方が多様化するにともない、その分類も変わっていくのが当然です。その意味では、完全な分類は難しいのです。
　そこで、もっともオーソドックスなものを紹介しておきましたので、今後さまざまな観光対象や観光地の例を考えるにあたり、意識してみると理解しやすいと思います。観光事業論でも、もう一度出てきます。
　とにかく、観光の魅力は観光対象（資源・施設）にあるといっても過言ではありません。そこへの意識を持てるようになることが今回の目的です。
　また、観光資源でもあるさまざまな資源を評価するという意味から、「文化財」「国立公園」「ラムサール条約」「世界遺産条約」を取り上げました。
　・文化財保護法
　細かい法律は難しいですね。ここでは、細かい条文をおぼえるのではなく、これらの資源保護の重要性と観光との関わりを理解してください。以下を見てその分類などをまとめておきましょう。観光対象の分類と通ずるものがありますね。
　・文化財とは？（奈良県）

　また自然観光資源でもある国立公園制度と分類を理解しておきましょう。
　・環境省事務局地方環境事務所
　国立公園、国定公園、自然公園などの区分と、日本にある２８の国立公園の概況は見ておきたいものです。「こんなに国立公園があるとは思わなかった。」というコメントもありました。

　また、釧路湿原などをはじめとする湿原に対する意識もずいぶんと変わってきました。
　ラムサール条約は大きな理由でしょう。現在1580ケ所が登録されていますが、日本も2006年1月現在で、33ｹ所が登録されています。
　・ラムサール条約を活用しよう

　そして世界遺産です。皆さんのコメントカードを見ても、とても興味があるようでした。
　・ユネスコ世界遺産
　世界遺産の意義、区分、そして世界中にある多くの世界遺産を学ぶことはなかなか大変です。今回の話がきっかけになって、詳しく勉強するのもいいでしょう。卒論のテーマなどに深めることができる魅力的なテーマでもあります。
　色々なサイトがありますが、まずはユネスコのサイトです。ビジュアル素材も多く、わかりやすいのでじっくりと見てください。
　・日本にあるユネスコ世界遺産
　また、個人が作るサイトも充実しています。自分で色々と探してみましょう。
　・世界遺産資料館

　なお、「負の遺産」などについては、以下でちょっと補足しておきます。板書の時に「負の世界遺産」と書いていたようですが、「世界」は削除してください。また、授業中ふれた５ヶ所ですが、質問がありましたので、お答えすると、
　アウシュヴィッツ＝ビルケナウ強制収容所、原爆ドーム、トリニダード、奴隷貿易の拠点であったゴレ島、マンデラ大統領が幽閉された島、ロベン島などです。さらに、タリバン政権によって破壊されたバーミヤン遺跡も負の遺産と見なしてはどうかという声もあるようです。ただ、繰り返しますが、正式な分類ではありませんので、明確な選定はできないようで、諸説あるようです。
　・負の遺産と世界遺産条約の挑戦

　また、身近な事例として暫定リストにある鎌倉も知っておきましょう。
　・「武家の古都・鎌倉」の世界遺産登録を目指して
　世界中のすべてを覚えるのは難しいですが、「日本の13ｹ所はおぼえたい」というコメントもありました。確認しておきましょう。
　・日本の世界遺産

　最後に提示した旅行地理ですが、今回は北海道。毎回少しずつおぼえていきましょう。
　最後に、沖縄の資源を私の撮影した写真とともにいろいろと紹介しました。さまざまな視点から観光の魅力である観光資源・施設を見ていきましょう。

　色々と画像やインターネットサイトを見ると、疑似体験になって、勉強になりますよね。
　世界遺産については、以下のDVDをちょっとだけ見ました。もっと見たいという越えもありますが、時間が...。興味がある方は、どうぞ。
　・ベストオブ世界遺産　10周年記念スペシャル

　質問編です。
Ｑ１　ＵＳＪはレクリエーション施設ですか、複合型観光資源ですか。
Ａ１　レクリエーション施設です。ただし、ユニバーサルシティには商業施設やホテル、港などもあり、こちらもTDRのようにひとつの町を形成しているとも考えられます。そうすると複合的な性質を持っているとはいえます。白黒はっきり出来ないので、すっきりしないと思いますが。

　実際に旅をしたいという気持ちも出てくるようです。でも、それが大事なことだと思います。興味を持って、観光地を見つめてください。
　写真は、お見せした沖縄の１枚。今帰仁城跡です。

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観光事業論�機‖�2回

　観光事業論第2回です。昨年は、連続して授業を行っていたので、内容はほぼ同じでしたし、回数も同じでした。今年は、火曜と土曜日。同じ内容を扱っているつもりですが、微妙に話していることには漏れが出てくるかもしれません。その意味からも、このブログがフォローになればと思います。

　さて、今回は、教科書の１章でした。まだ持参している人が少ないようです。この教科書は観光の基礎基本が詰まっていますので、早めに購入してください。
　さて、今回は、前回のイントロダクションと関係することも多かったと思います。観光は身近な出来事で難しく考える必要はありません。ただ、「観光学」として学ぶ場合には、いろいろな角度から見ることが必要です。その一例として、「人はなぜ観光（旅）をするのか？」を観光の心理の面から考えてみました。
　本学で詳しく「観光心理」を取り上げる授業はないのですが、観光を理解する上では欠かせない視点です。それに、観光の科学を考える上では、初学者にとってはなるほどと思える理論も多くあります。
　皆さんのコメントを見ると非常に興味があるみたいですね。そんな方には以下の本がおすすめです。
・観光とサービスの心理学（前田勇著）学文社

　さて、最初の事例として取り上げたのは、旅行雑誌「じゃらん」から取り上げた「流氷と知床２泊３日の旅行事例」です。
紹介したのは以下のサイトでした。
・ＪＲ北海道「流氷特急オホーツク」他
・網走観光情報・流氷を見る
・流氷観光インデックス
・知床ファンタジア２００８
・その他　オーロラファンタジア情報　その１　その２　その３
・釧路和商市場
・勝手丼　食べ歩き

　具体例をビジュアルで考えることは皆さんのコメントを見ると好評ですが、ぜひこのサイトも利用して、理解を深めてください。
　和商市場の「勝手丼」も興味があるようですね。グルメは旅の楽しみです。また、その発祥のエピソードなど知ることもいいと思います。

　そして、具体的には観光の仕事に色々あることを考えました。あまり適切なサイトはないのですが、以下はわかりやすいです。
・観光の仕事を知ろう（トラベルジャーナル旅行専門学校）より以上のように、どうしても、わかりやすい仕事の関心が集まりますが、皆さんは、観光に関する「見えない仕事」にも目を向けないといけません。
　「もっといろいろな仕事を教えてほしい」というコメントもありました。こちらは、後期にさまざまなビジネスを取り上げますので、そこで取り上げていきます。ホテル、旅行だけでなく、要望の高い航空関係、テーマパークも取り上げます。

　また、観光を「旅行前・旅行中・旅行後」という時間系列で分類し、それぞれの段階での観光行動とビジネスを考えてみました。「旅行中」以外への注目は、皆さんには新たな発見であったようです。
　「ホスト・ゲストの理論」、観光学の定義と学際的学問としての広がりなど内容は盛りだくさんでした。完全な理解はすぐには出来ないと思いますが、頭の片隅に忘れずにいてください。学習が進むうちに、「なるほど」という気づきが生まれる感じでもいいと思います。
　
　最後に、「よき観光事業者となる前に良き観光者に」という言葉に賛同する感想を多くもらいました。同時に、具体的にどうするべきかというコメントもありました。この変異興味がある方は、来年、ホスピタリティ人材育成論を履修してみてください。

　そして、観光学を学ぶことを楽しむと同時に、新しい学問を切り開くことに誇りとやり甲斐を感じて欲しいものです。

　最後に質問とコメントです。
Ｑ１　「ホテリエ」とはどういう仕事ですか。
Ａ１　基本的には「ホテルマン」という言葉と同じ意味です。本来ホテルの経営者や投資家などを指す言葉でしたが、最近は、ホテルで働くすべての人を指す言葉として使われているようです。
Ｑ２　写真などで取り上げる事例は試験に出ますか？
Ａ２　授業で取り上げている以上は、出ないとはいえません。でも、すべての事例や資源を完全に覚えるのも難しいですよね。あくまでも理解の助けになればというのが基本的なスタンスです。試験については、試験前にいろいろとお話しするつもりです。
Ｑ３　北海道ツアーのベストな時期と最安値を教えてください。
Ａ３　四季それぞれ魅力があるのでベストは難しいですが、やはり７−８月が一番とは言われます。料金は旅行時期や宿泊ホテルなどでも違ってきますので一概には言えません。本当に安くいくなら、２泊３日で、２万程度のものは見つかります。（閑散期ですし、何もつかないので、現地でいろいろかかりますけど）自分でパンフレットを見てみましょう。
Ｑ４　個人旅行と団体旅行の緊張感と開放感ですが、どうしても逆に思えます。例外とかはないのですか。
Ａ４　例外はもちろんあります。あくまでも一般的傾向です。ただ、この理論自体は少し前のもので、その後人々の旅行経験も変わってきているので、確かに逆に感じられるケースはあると思います。ここでは、いろいろな形態で心理も変わるということに気づいていただくことが第一です。

　他にもいろいろ質問がありました。授業中に説明済みのことは省略します。また、とてもいい質問がまだまだありますが、後日確実に授業で扱うことは、しばらくお待ちください。
　ブログを見ながら、各自で勉強を深めてください。
2007年04月17日

ホスピタリティ人材育成論　第2回

　第2回目は「教育機関における観光ホスピタリティ教育」について取り上げました。
詳しい話は授業とプリントを良く見ておいてください。
　「観光教育と教育観光」そして「観光基礎教育と観光実務教育」については、ちょっと混同しやすいですね。しっかりと確認しておきましょう。
　授業中に紹介した話題は以下の通りです。
　日本と海外の観光教育の現状については、国土交通省の報告書が詳しいです。エッセンスは授業で取り上げていますが、興味がある人は見てみましょう。
　・国道交通省の観光政策−人材育成−高等教育機関の調査結果
　また、授業中は見れませんでしたが、以下のＪＨＲＳの高校の観光教育研究会サイトでは、観光教育の歴史を簡単に説明しています。参考にどうぞ。
　・JHRS　観光教育推進研究会
　日本の観光教育の歴史は、富士屋ホテルの歴史では1930年のトレーニングスクールに注目。また、学校としては、ＹＭＣＡ専門学校で始まりました。大学では立教大学社会学部観光学科です。
　本学も2番目の歴史があり、1990年頃までの長い間は2大学にしか観光関連学科はなかったのです。皆さんも始めて知ったようで「ちょっと誇らしい」という感想がいくつかありました。そうです、頑張ってください。　
　また海外の大学も実践的な教育を展開しています。
　特にアメリカの名門大学であるコーネル大学は世界的に有名です。
　・コーネル大学　ホテル経営学部
　日本語のページもあるので、探して見ましょう。
　英語ですので、学内にあるスタットラーホテルをリンクしておきます。
　また、スイスのローザンヌホテルスクールも有名です。

「高校の観光教育はどのようなことを学んでいるのか」という質問が複数ありました。実務教育ではないのですが、基礎教育の事例が載っていますので、ご覧ください。
　専門的な教育を行っているところは以下をご覧ください。
　・沖縄県具志川商業高校
　・沖縄県浦添商業高校（シラバスが詳しいです）
　・北海道ニセコ高校（国内半年、海外3ｹ月のホテル研修を実施）
　
　今日のＱ＆Ａです。
Ｑ１　観光の大学が増えてくると就職も難しくなりますか。
Ａ１　観光に関する仕事も増えていますし、プロフェッショナルが少ないことが問題になっています。知識と技術をしっかりと見につければ、チャンスはあるでしょう。Ｑ２　観光学科は、就職に有利ですか。
Ａ２　日本では、医者や薬剤師など国家資格に関わらないと、必ずしもどこの学部が有利とは言い切れない面はあります。大学間のレベルもあるので、一概には言えませんが、同じ大学内で見ると、観光系の学科の学生は明るく、コミュニケーションもあるほうなので、観光業界に限らず比較的就職で健闘しているといわれます。
Ｑ３　「教育観光」と「観光基礎教育」の違いがわかりません。
Ａ３　混同しやすいのは授業でも説明したとおりです。「教育観光」は「教育（＝人間形成）のために観光を利用する」という立場で、「観光教育」ではなく、「観光の発展」を意識してはいません。一方、「観光基礎教育」は、「観光者教育」や「住民教育」など、ビジネスのためだけではなく、幅広い観光の基礎教育で、観光の広がりを意識した「観光教育」です。
Ｑ４　なぜ最近、観光の大学が増えているのですか。
Ａ４　インバウンド政策など、国も海外からの観光客誘致などで経済や文化の発展を意識してきました。つまり、国（政府）や地域（自治体）が、具体的に観光振興に取り組み始め、大学にも人材育成として教育の取り組みを求めてきているのです。

　最後になりますが、「観光と環境」や「観光と福祉」など、新たなテーマが生まれてくると、観光教育もひりがりを見せます。皆さん、新しいテーマにも興味があるようです。いろいろと勉強していきましょう。
　
2007年04月14日

観光地理学��

　昨年は２コマあった観光地理学ですが、私の授業時間の関係で、今年度は土曜日１コマです。同じ時間に外部講師の話を聞く魅力的な授業もあるので心配していましたが、５０名弱の履修がありそうです。

　今回は第１回目でした。１時間目の観光事業論と連続で履修している人も多いようです。土曜日に授業に来ている皆さんですので、意欲的なのか？授業もやりやすかったです。皆さん、割りと反応も良いですし。
　さて、今回はイントロダクションということで、「観光（学）」「地理（学）」について大まかに理解してもらいました。
　それぞれ奥が深いのですが、学ぶにあたって押さえて欲しい最小限の話しにしました。
　特に、「地理学」については、詳しく扱えませんので、以下のサイトを流し読みしておくといいかもしれません。
　・ウィキペディア「地理学」
　この「ウィキペディア」という辞書は、参加者が作り上げるものですが、結構便利ですよ。これをきっかけに色々と調べてみましょう。
　もちろん、出来れば「地理学入門」の本などを読むといいんですが。
　授業では、教科書は使用しませんが、最初に以下の参考図書は紹介しておきます。持っておいてもいい本ばかりです。
　・観光読本第２版　東洋経済新報社
　・旅に出たくなる地図（日本編）　帝国書院　
　さて、この授業では、いわゆる「どこにどのような観光名所があるか」というような「旅行地理」のみを扱うものではありません。しかし、毎時間、補足的には取りあげますので、関係する資格取得を目指すのもいいでしょう。
　以下は、JTB系列の出版社ですが、観光学や観光地理、旅行業の仕事に関する本を多数出しています。
　・JHRS（ジェイティービー能力開発）
　ここで、「旅行地理検定」などがあります。今日、試しに４級を配布してみました。インターネット受験も出来るので、トライしてみませんか。難関の旅行業務取扱管理者試験の地理分野の準備としても最適です。
　そして、国家資格である「旅行業務取扱管理者」については、同じくJHRSを見てみましょう。わかりやすく説明がされています。
　・旅行業務取扱管理者を目指す人に
　どんな勉強をしたらよいかという質問もありましたが、３つが考えられます。
　�‘罰悄丙て颪任垢�、不可能ではないです）
　��大学の講座を履修（大学で講座の募集をするので受けてみる。専門学校に行くよ
　　り、おそらく手軽です。5/8まで、地域産業研究所で受付中です。）
　�３阿寮賁膤惺擦泙燭歪命�教育などを利用する。（結構高いです）
　とりあえず、以下のサイトを見て下さい。やる気がある人は、相談にのります。
　・総合旅行業務取扱管理者（日本旅行業協会）
　・国内旅行業務取扱管理者（全国旅行業協会）

　また、以下のサイトも紹介しました。チャレンジするのもいいですね。
　・京都・観光文化検定　・かながわ検定
　このような「ご当地検定」は全国に広がりつつあるようです。
　
　　さて、ミニッツカードからは、質問と感想を紹介します。
Ｑ１　海外の観光地理はやらないのですか。
Ａ１　話には出てきますが、基本的には前期に国内地理、後期の海外地理を取り上げます。ただし、メインは「観光地の魅力、資源・施設の考察」です。
Ｑ２　ディズニーランドを取り上げてください。
Ａ２　観光事業論と観光地理学では、テーマパークビジネスとして少し取り上げます。私のゼミでは２年次のメインテーマですが。でも、夜景や映画、都市観光など面白いテーマはたくさんありますよ。視野を広げてみてください。
Ｃ１　都道府県が出来なくてショックだった。頑張る！
（最初に取り組んだミニチェックは、皆さんなかなか厳しい結果でした。でも、どこに何があるかという地理的感覚はとても重要です。いろいろな観光資源や観光地と一緒におぼえましょう）
Ｃ２　たくさんの写真を見て、説明が聞けて楽しかったし、理解できた。
（今日はダイジェストですが、いろいろと見ながら学んでいきましょう。魅力的だなあ、行きたいなあ、と思うことも大事なんですよ。そうやって頭に、心に刻んでください）
Ｃ３　ただ、地名などを暗記するのではなく、観光地や観光資源について考察できるので良かった。
（はい。おぼえるだけなら、独学で出来ますよ。学問ですから、背景や取り組みなど考察していきましょう。）
Ｃ４　ぜひ、紹介された資格を取りたい。
（頑張ってください！）

　今日はいろいろな写真をダイジェストでご覧いただきました。今後も随時紹介したいと思います。１年間でいろいろな観光地、観光資源・施設に触れてみてください。そして、いろいろと考えてほしいと思っています。

観光事業論�機‖�1回

　今年度は火曜日と土曜日に授業があります。同じ内容ですので、各回の後の授業後にブログを書くことにします。基本的に土曜日かと思います。
　昨年度は2時間目にも授業があったので120名程度の履修者でしたが、今回は2回とも１時間目なので、少し減りそうです。とりあえず、１回目の合計は、79名でしたので、大体100名ぐらいと予想しています。
　第１回目は、「観光とは何か」について、色々と出題し、皆さんに考えてもらいながら、ガイダンス的な授業をしました。
　「観光とは何か」については、うまくいえないものの多くの人がなんとなくわかっているものです。それが大事なんですよ。その「観光」をいろいろな角度から見ることで、違った面が見えてくるのです。その結果、事業としての広がりや奥深さが出てくるのです。
　さて、今回紹介したサイトです。
　以下の国土交通省のサイトには、観光の取り組みやデータが詳しく載っています。過去の概要も載っています。時々チェックするのに便利です。
　・観光白書（国土交通省）
　ぜひ平成18年度全文を見てみましょう。
　「あてずっぽＱＵＩＺ」は結構楽しかったようで、好評でした。自分で考えてみて、答えを確認する。そんな姿勢が勉強には効果的です。この授業では、考える機会も出来る限り設定します。
　また、観光情報の話で、るるぶをとりあげました。色々な地域の観光情報誌が出ていますね。
　・るるぶcom　
　・JTBパブリッシング
　最近は、雑誌などとは別にインターネットをうまく活用すればかなりの情報が入手できます。
　さて、今日の話とも関係ありますが、「もえるるぶ東京案内2006」は皆さんにかなりウケていましたね。細かい話は割愛しますが、大事なことは、切り口を変えると、こんな面白い楽しみ方が生まれるということです。

　最後になりますが、教科書・参考図書を紹介します。
＜教科書＞大学の書店で買えます。必ず購入してください。羽田先生監修、私も書いています。
　・観光学基礎（第２版）　JHRS
＜参考図書＞　以下は参考図書です。興味があれば見てください。amazonで買えます。
　・観光事業論講義　くんぷる　（私も書いています）
　・観光学辞典　同文館　（少し古いですが、詳しい用語辞典です）
　・観光学がわかる　AERAMOOK　朝日新聞社　（読みやすいですが、在庫はないみたいです。図書館にあります。）

　最後にミニッツカードを書いてもらいました。今日出てきた質問は、これから取り上げることばかりです。この語の授業をお楽しみに。
　それでも、いくつかはお答えします。
Ｑ１　プリントの穴埋め「広い意味での観光の意味」を書いてほしかった。
Ａ１　ここは、上の「狭い意味」と同じく「楽しみのための旅行」がはいります。
Ｑ２　平成15年の海外旅行者が極点に落ちているのはなぜですか。
Ａ２　この年は、ＳＡＲＳによる影響といわれています。2001年アメリカ同時多発テロもそうですが、観光と安全は深い関係があるんですね。
Ｑ３　「北海道は農業ではなくて観光だ」の意味がわかりませんでした。
Ａ３　北海道は農業生産額が大きく、日本の農業の中心的役割を担っています。その北海道においても、観光は農業以上の消費額があるといわれています。つまり、農業以上に経済的に影響力があるのです。　
　
　ビジュアルを使った授業や、自分で考えたり、回りの意見を聞くような授業は皆さんの感想を見る限りよかったみたいです。
　お世辞はあるにしても（笑）、楽しく興味深い授業、期待できる授業、頑張りたい授業、という声が多かったのは嬉しいですね。励みになります。
　「観光とは何か」を明らかにする、観光学は、れっきとした学問です。でも、観光そのものは楽しいものです。
　「観光の面白さに気づいた」「奥の深さがわかった」という感想はうれしいですね。大いに楽しく学びたいものです。

　観光を専攻する皆さんには、ぜひ楽しみながらもきちんとした理論と実践を学んでほしいと思います。授業できっかけを作り、自分でもどんどん本を読んだり、情報に触れたりしながら、観光の知識を身につけてほしいものです。
　１年間、がんばって行きましょう。
2007年04月11日

ホスピタリティ人材育成論　第１回

　まずは、この授業は教室が変更になりました。２３１教室→７２４教室です。
　私の授業法で必要な液晶プロジェクターなどの利用のためです。ただ、今回すでに座席はいっぱいになりました。今後、座りきらないような状況になるともう１度変更の可能性もあります。掲示板、ブログに注目して下さい。

　さて、今回は１回目なので講義の概要も含めたイントロダクションとしました。皆さんのお持ちの古いシラバスでは、この授業の詳細が掲載されていないようです。本日説明はしましたが、次回プリントでお渡しします。
　この授業の目標は、科目名にあるとおり「ホスピタリティビジネス分野の人材育成について学ぶこと」です。サービスを主とするホスピタリティビジネスですから、人材の重要性は言うまでもないことです。「人材が人財である」などといわれますが、具体的にはどのような人材が必要で、そのためにはどのような育成が必要かとなると難しいです。
　次回以降、まずは、教育機関の現状や企業の現状を例に理論的に考えていきます。そして、具体例をあげながら考えていきたいと思います。
　人材育成や教育を考える場合には、「どのような人材を育成するべきか」ということが最も重要でしょう。
　そこで、第１回目は「企業が求める人材像」を、皆さんに身近な、大学生の就職採用という観点で考えてみました。授業中、説明したとおり、採用時点で求められる人材像とその後の人材像はもちろん変わっていきます。ですが、まずは「人材とは何か」「なぜ企業や組織において人材問題は重要か」を考えてみたいと思います。
　圧倒的に「コミュニケーション能力」が求められていること、そして「基礎学力」や「個性」などがあまり重要視されていないことに驚かれたようです。
　
　「基礎学力がなければ、最初の筆記試験で落とされますよね？」というコメントがありましたが、「その通り！」です。当然、ある程度の学力は必要です。程度問題ではありますので。

　さて、今回は以下のサイトを紹介しました。
・コミュニケーション能力チェック（Direct　Communication）　
　楽しんで試してみて下さい。
・ＪＨＲＳ（ＪＴＢ能力開発）　旅行業を中心に、観光業に必要な知識・技能などのキャリア養成のための取り組みをしているＪＴＢグループの教育関連企業です。私も関わっている教育機関への働きかけもあります。

　皆さんの疑問（コメント）を紹介します。
Ｃ１：これから就職のことなどを考えなくてはいけないので、自分にどんな能力が必要か考える機会になった。
Ｃ２：企業に入る前もだが、入った後も自分自身で力を伸ばすことが大切だと思った。
Ｃ３：企業が求める能力など考えたことがなかったので、良い機会になった。努力しなくては。

Ｑ１：ＪＴＢ関連企業って、どのくらいあるのでしょうか。
Ａ１：観光事業論でも学んでいますが、以下のサイトを見て下さい。すごいですねえ。
・ＪＴＢグループ
Ｑ２：ホスピタリティビジネスにおける職人技って、何でしょう。
Ａ２：コックの料理技術やホテルマンのサービスなどには数多くあります。後日取り上げます。お待ち下さい。
Ｑ３：暗黙知と形式知がよくわからなかった。
Ａ３：これも難しいですよね。今日は軽く触れたので、後日授業で取り上げます。

　予想以上に履修者がいましたので、意見交換や発表などどこまで出来るか分かりませんが、聞くだけではないスタイルの授業を目指したいと思っています。半期ですが、頑張りましょう。
2007年04月10日

観光関連の授業ブログを開設しました

　皆さん、こんにちは。2007年度の宍戸担当の授業ブログを開設しました。
　授業の連絡、復習、発展学習にぜひ役立ててください。
　残念ながら授業に出席できなかった回も活用できますね。そして、観光への興味を高め、教員と学生のコミュニケーションの場となれば嬉しいです。
　この授業ブログでは、以下の授業とそれに関わって観光のトピックスを書いていきます。ぜひ、定期的に見てください。
　・観光事業論�機Ν供柄宛經�：火曜1講目・土曜1講目）
　・観光地理学�機Ν供柄宛經�：土曜２講目）
　・ホスピタリティ人材育成論（前期：火曜2講目）

　また、宍戸担当の新演習�気諒臀犬砲弔い討發完篤發靴泙后８Φ羲爾肇璽潺屮蹈阿魯璽濱犬砲里澹�開します。
　基本的には、授業日または翌日にアップしますが、忙しいと少し遅れる場合もありますので、ご了解ください。
　それでは、1年間楽しく、そしてしっかりと学んでいきましょう。
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