糖鎖ブログ

糖鎖ショップ(糖鎖サプリメント ダイナトーサを販売中)店長の健康談話。糖鎖の事もぼちぼちと。

〜オキシトシン神経の機能不全とその治療可能性〜



社会性の不調を伴う発達障害は、数百種類による遺伝的なリスク要因と、母胎内における環境要因とが複雑に交絡して発症に至ると考えられています。そのため、脳の中でどのような神経細胞が機能低下して社会性の不調に至るのかよく分かっていません。

今度、理化学研究所の研究チームは、社会性コミュニケーションの不調を示すモデルマウスにおいて、社会性をつかさどるオキシトシン神経細胞の一群が選択的に機能不全を起こしていることを明らかにしました(2024年10月11日リリース)。

同研究チームは、環境要因(薬物服用)による社会性不調モデルマウスにおいて、組織学的な観察と網羅的な遺伝子発現パターン解析を用いて、機能低下した神経細胞を探索しました。

その結果、社会性行動の制御に重要なオキシトシン神経細胞の一群が遺伝子発現パターンの顕著な異常を示し、オキシトシンを合成できない状態に陥っていることが分かりました。この機能不全は、オキシトシン神経細胞を一過的に興奮させることで持続的に回復し、社会性行動も改善することが判明しました。

本研究成果は、自閉スペクトラム症など社会性の不調を伴う発達障害の理解に新たな概念を提供し、将来的な治療標的の設定に貢献するものです。

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〜遺伝子伝播により獲得された病原性と治療・予防への意義〜



ティザレラ菌は健康な人の糞便中にも存在する常在細菌ですが、ティザレラ菌B株は、他の細菌から「水平遺伝子伝播」によって驚くほど多くの遺伝子を取り込んだ“異型”細菌株と考えられていました。

今度、理化学研究所(理研)と国立精神・神経医療研究センター(NCNP)の共同研究グループは、中枢神経系の自己免疫疾患である多発性硬化症(MS)の重症患者の腸内細菌叢から、メタゲノム解析を用いることで、MSの進行や難治化に関連する腸内細菌(ティザレラ菌)を同定し、その中に神経炎症を悪化させる機能があり、特殊なゲノムを持つ株(B株)が存在することを発見しました(2024年9月28日リリース)。

今回、調べた範囲では、糞便中でティザレラ菌が増える疾患はMSに限られ、この腸内細菌を標的とする薬剤開発はMSの進行を予防する根本的な戦略につながる可能性があります。

今回の発見は、詳細な臨床情報がひもづいた患者サンプルを基に、理研が持つ高度な細菌叢解析技術とNCNPが持つ確かな実験的検証技術の組み合せに加え、正確な全ゲノム配列を決定できる「ロングリードシークエンス」という最新技術の導入により実現しました。

本研究は、日本でも年々増加傾向にあり、難病にも指定されているMSの新たな治療法の開発や創薬につながる成果として期待されます。

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〜腸内環境の制御による腸内細菌科細菌の抑制〜



近年、抗菌薬が効かない多剤耐性菌による感染症が、世界中で大きな問題となっています。特に多剤耐性菌の重症感染症を引き起こすことが知られている「クレブシエラ」や「大腸菌」などの菌は、腸内に住み着いて増えることが、感染症発症のリスクとなります。また、これらの菌は発症性腸疾患を悪化させることも知られています。

一方で、腸内には、病原菌や耐性菌を抑える「良い菌」も存在します。最近の研究では、便移植という方法を使って、これらの良い菌を腸に移すことで、クレブシエラや大腸菌を減らすことができると報告されています。しかし、便移植は使用する便によって効果が異なり、安全性の問題もあるため、まだ広く使われる治療法にはなっていません。

今度、慶應義塾大学医学部の本田賢也教授を中心とする共同研究グループは、健常者の腸内常在細菌の中から、腸管内でクレブシエラや大腸菌の抑制に重要な働きをしている18種類の菌を同定しました(2024年9月27日リリース)。

この18種類の菌を混ぜ合わせて一緒に投与することで、腸管内のクレブシエラや大腸菌を1000分の1以下に減少させる効果があることがマウス実験で確認されました。

さらに、これらの18種類の菌はクレブシエラの主要なエネルギー源であるグルコン酸をより多く消費し、その結果としてクレブシエラの増殖を抑制していることを突き止めました。

今回の成果は、現在世界中で問題となっているクレブシエラや大腸菌による薬剤耐性菌対策や、クレブシエラや大腸菌によって悪化した炎症性腸疾患の治療としても期待されます。

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〜治療法の開発による健康寿命の延伸に期待〜



歳をとると、骨格筋はなぜ萎縮するのでしょうか?筋の柔軟性もなぜ低下するのでしょうか?効果的な予防法や治療法は何でしょうか?簡単そうに聞こえても答えのは容易ではありません。

酸化ストレス軽減や適度な運動というこれまでの一般的な健康科学的施策に加えて、筋肉の加齢変化を引き起こす根本的な仕組みに基づいた画期的な方法の開発が望まれていました。

九州大学大学院農学研究院の辰巳隆一教授、鈴木貴弘准教授、中島崇助教、中村真子教授らの共同研究グループは、筋幹細胞(衛星細胞と呼ばれる“眠れる筋組織幹細胞”)の活性化因子HGF(肝細胞増殖因子)がニトロ化されると生理活性を失うことを見出し、この現象が加齢に伴い進行・蓄積することによって筋委縮が進行するという新しい学説を本年1月に発表しました(2023年11月にプレスリリース)。

今度、この研究成果に基づいて、HGFのニトロ化・不活化を抑制するモノクローナル抗体(1C10)の作出を目指しこれに成功しました。

1C10抗体は、ニトロ化されるチロシン残基の極近傍に結合することで、HGFのニトロ化を抑制する特殊な抗体です。抗体が結合した状態でも細胞膜受容体との結合性は保持され、筋幹細胞の活性化とこれに続く増殖・分化などの生理活性を損うことはありません。

また、抗体のFab領域(抗体分子の「Y」の上半分の「V」の部分)がニトロ化抑制効果を発揮することも明らかにしました。

これらの研究成果はヒト・ネコ・イヌなどのHGFに広く適用可能です。ヒトや伴侶動物の加齢性筋萎縮に対する抗体医薬への応用が期待され、健康寿命の延伸に大きく貢献すると期待されます。

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我々は、左右の足を交互に前に出して歩きます。この左右交互の関係性が崩れてしまうと歩行機能の低下を招くため、左右の足はきっちりと交互に前に出すように比較的厳密に制御されていると予想されていましたが、歩行における複雑な身体運動のために、その実態は未解明でした。

今度、大阪大学大学院基礎工学研究科の青井信也教授、海洋研究開発機構の荒井貴光研究員、京都大学大学院情報研究科の青柳富誌生教授らの研究グループは、左右の足を協調的に動かす肢間協調の制御様式を位相縮約理論に基づく位相振動子を用いてモデル化し、健常者の歩行中の計測データを用いたベイズ推定により推定しました(2024年9月20日リリース)。

その結果、これまでの予想に反して、左右の足の交互運動は、左右交互の関係から少しくらい外れても、元に戻そうとするような制御は働いておらず、この関係性は必ずしも厳密には制御されていないことを世界で初めて明らかにしました。

歩行中の左右の足の協調性は加齢や脳疾患によって減退してしまい、歩行機能の低下を招いてしまいます。

本研究成果により明らかにした肢間協調の制御様式が加齢や脳疾患によってどのように変化するかを今後調べることで、歩行機能が低下する原因の究明や、新たなリハビリ手法・歩行支援装置の開発などにつながると期待されます。

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〜薬に強い菌は「見た目」が違う!〜



これまで、抗菌薬に曝露された細菌はその形態が変化することが知られていましたが、抗菌薬がない状態の薬剤耐性細菌の形態はあまり研究されていませんでした。

今度、大阪大学大学院薬学研究科の大学院生池邉美季さん(博士後期課程)、大阪大学産業科学研究所西野美都子准教授、西野邦彦教授らの研究グループは、鳥取大学工学部青木工太准教授、理化学研究所古澤力チームリーダーとの共同研究で、バイオインフォマティクス解析により細菌の形態変化と薬剤耐性の関連性を世界で初めて明らかにしました(2024年9月19日リリース)。

同研究グループは、10種類の抗生物質に対して耐性を持つ大腸菌株の形態を調査し、薬剤のない状態における顕微鏡下での観察結果を、バイオインフォマティクスの手法を用いて分類しました。

その結果、耐性菌は、感受性のある(薬剤が有効な)親株とは異なる形態を示し、特にキノロン系とβ−ラタム系抗菌薬に耐性を持つ菌でその違いが顕著でした。

さらに、クラスター分析を行うと、耐性菌はより太く短い細胞が多いことが判明し、形態と遺伝子発現が関連していることが示唆されました。

また、本研究では、菌の形態(輪郭)の違いによる新たな深層学習法を用いて、耐性菌の分類を高精度で行うことに成功しました。

これにより、抗生物質がない状態でも細菌が薬剤に対し耐性を示すかどうかを、その形から推定できることが期待されます。

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糖尿病は、認知症の危険因子とされています。糖尿病が認知症を引き起こす原因として、動脈硬化性病変、微小血管症、糖毒性およびインスリン異常といった多様なメカニズムが提唱されていますが、その詳細は十分に明らかになっていません。

今度、金沢大学、九州大学、岩手医科大学、慶應義塾大学、愛媛大学および熊本大学の共同研究グループは、健康長寿社会の実現を目指した大規模認知症コホート研究(JPSC−AD研究)のデータを用いて、糖尿病診断の有無にかかわらず、高血糖の状態またはインスリンの分泌能が低下した状態は、記憶に関連する海馬亜領域の体積の減少と関連することを初めて明らかにしました(2024年9月19日リリース)。

本研究結果により、糖尿病と診断されていない人においても、高血糖やインスリン分泌能が低下した状態は記憶力などの認知機能の低下を引き起こす要因の一つとなるおそれがあり、血糖の状態を良好に保つこと、インスリン分泌を保持することが、海馬体積を保ち、認知機能低下を予防できる可能性が示唆されました。

今後、縦断分析を行うことで糖代謝異常がアルツハイマー病を引き起こす詳細なメカニズムを明らかにし、個々の認知症発症リスクに応じた予防・治療法の確立が期待されます。

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歯周病はう蝕(むし歯)と並んで歯科の二大疾患と言われ、歯を失う大きな原因の1つです。その歯周病を引き起こす病因の1つとされるのがプラーク細菌です。

今度、東北大学大学院歯学研究科の高橋信博教授、鷲尾純平准教授、安彦友希助教、樋口真由大学院生らの研究グループは、緑茶のカテキン成分の一種であるエピガロカテキン−3−ガレート(EGCG)が主要な歯周病関連細菌の代謝を抑制することで、増殖抑制と死滅を誘導することを明らかにしました(2024年8月21日リリース)。

さらに、これらの歯周病関連細菌はう蝕関連細菌よりもEGCGに対する感受性が高く、低濃度のEGCGでも効果があることが分かりました。

本成果は、歯周病予防および良好な口腔環境維持のための新規開発に貢献できる可能性があり、さらに詳細な研究や臨床研究を通じてその実現が期待されます。

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