糖鎖ブログ

生体内の老化細胞を除去する新規治療ワクチン

〜糖尿病モデルマウスで治療効果を確認〜


老化T細胞は加齢とともに増加して、色々な病気の進展に関与することが分かっています。マウスに高脂肪食を負荷して肥満にさせると内臓脂肪で老化T細胞(PD-1陽性/CD153陽性細胞)が増えてきます。

今度、大阪大学大学院医学系研究科の中神啓徳寄附講座教授、吉田翔太医員、楽木宏実教授、森下竜一寄附講座教授らの研究グループは、老化T細胞の除去を目的(CD153を標的)としたペプチドワクチンを作製し、糖尿病モデルマウスに投与したところ、老化T細胞の増加が抑えられることが分かりました。同時にこの老化T細胞数を減少させたマウスは、糖尿病が改善していることが分かりました(2020年5月22日リリース)。

老化細胞は加齢に伴う色々な病気の原因となっていることが報告されていますが、本研究はワクチンによって老化細胞の数を減らすことに成功した世界初の報告となります。


(参)老化細胞:分裂を停止して増殖しない状態にあり、細胞老化(Senescence)と言われています。近年、この老化細胞から炎症性サイトカインが多量に分泌され、周辺の細胞に悪影響を及ぼし細胞老化を促進している現象が報告されています。




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慢性腎臓病の発症を抑える仕組みを解明

〜既存の白血病治療薬で腎障害悪化が抑制可能に〜


尿中に大量のタンパク質が漏れるネフローゼ症候群をきたす代表的な疾患である巣状分節性糸球体硬化症は、指定難病の対象となっている疾患です。治療にはステロイド剤や免疫抑制薬が用いられていますが、難治性で、患者さんの約4割が、発症後から15年程度で末期腎不全に至ることが知られています。

主として、糸球体上皮細胞の傷害が、巣状分節性糸球体硬化症の発症・進展の鍵を握ると考えられていますが、これまで発症メカニズムは十分に理解されていませんでした。

今度、筑波大学医学医療系の高橋智教授、山縣邦弘教授、臼井俊明講師、森戸直記講師、昭和大学医学部の佐藤芳憲講師、関西医科大学内科学の塚口裕康講師らの共同研究グループは、巣状分節性糸球体硬化症の発症メカニズムにおいて、糸球体上皮細胞内で転写因子MafBが、尿タンパク濾出を防ぐ濾過障壁(スリット膜)を構成するタンパク質の遺伝子を含む、複数の遺伝子発現を制御していることを明らかにしました(2020年5月22日リリース)。

同研究グループは、巣状分節性糸球体硬化症患者さんの腎生検標本において、糸球体上皮細胞でMafBが低下していることを見出しました。マウスの実験でも、糸球体上皮細胞のMafBを欠損させると、タンパク尿が漏出し、巣状分節性糸球体硬化症を発症することが確認されました。

また、遺伝子操作や既存の白血病治療薬(オールトランスレチノイン酸)投与により、糸球体上皮細胞にMafBを過剰発現させたマウスでは、腎障害悪化やタンパク尿が軽減することを発見しました。

これらの結果は、巣状分節性糸球体硬化症の新しい治療法開発につながるものと期待されます。



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近赤外線を用いた新規がん治療法の光化学反応過程を解明

〜近赤外線が届きにくい深部がんへの適用に期待〜


米国国立がん研究所の小林久隆主任研究員らにより見出された新しいがん治療法である光免疫療法は、がん細胞以外に対してほとんど毒性を示さないため、副作用の極めて小さい治療法です。

さらに、がん免疫を合理的に活性化させる効果があることも発見されており、転移したがんへも有効であるなど、今後のがん治療を大きく変える可能性がある治療法として注目されています。

今度、北海道大学大学院理学研究院の小林正人講師、武次徹也教授らの研究グループは、同大学大学院薬学研究院の高倉栄男講師、小川美香子教授らと共同で、近赤外線を用いた新規がん治療法である光免疫療法で利用されるIR700という薬剤の光化学的反応過程を解明しました(2020年5月26日リリース)。

光免疫療法では、IR700を抗体に結合させた薬剤を用い、これをがん細胞に結合させます。これに近赤外線を照射すると、IR700に付随する水溶性の軸配位子が切断されて薬剤の凝集が起こり、薬剤が結合したがん細胞のみを殺すことができます。

同研究グループは、この近赤外線の役割を量子化学計算というコンピュータシュミレーションを用いて明らかにしました。

その結果、IR700の軸配位子切断は周辺にある水分子との反応(加水分解)により起こること、そして近赤外線は薬剤に電子を注入して「ラジカルアニオン」という状態を作り出すことのみに関与していることを突き止め、IR700分子を用いた実験によって光化学反応過程が正しいことを証明しました。

本研究で見出したメカニズムを踏まえることで、近赤外線が届きにくい生体深部のがんにもIR700を用いたがん治療が可能となるものと期待されます。



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生活習慣病に睡眠時無呼吸症候群がひそむことを解明

〜アジア最大資料数のながはまコホートより〜


睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、心血管障害や糖尿病などの代謝障害の発生とも関連するため、近年多くの注目を集めています。

今度、京都大学大学院医学研究科の松本健客員研究員、同附属ゲノム医学センターの松田文彦教授、同呼吸管理睡眠制御学の陳和夫特定教授らは、ながはまコホート事業において、肥満と生活習慣病がどのようにSASと関連するかをアジア最大(世界第2の規模)の7713人の参加者において検討しました(2020年5月19日リリース)。

睡眠時無呼吸の程度は、正常範囲内が41%、軽症が47%、中等症が10%でしたが、高齢・肥満になるほど高くなりました。

また、肥満がなくても生活習慣病があると中等症以上のSASの頻度が上昇しました(高血圧でありで2.3倍、糖尿病でありで1.5倍、脂質異常症ありで1.5倍、メタボリック症候群ありで2.2倍)。[肥満も生活習慣病もない人]<[生活習慣病だけの人]<[肥満だけある人]<[肥満も生活習慣病もある人]の順に、治療が必要となるSASの頻度が高くなりました。

これまで肥満がとりわけSASとの関連において注目されていましたが、肥満がなくても生活習慣病があれば中等症以上のSASに注意する必要があることがわかりました。



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ヒト脳の新しい加齢バイオマーカーを発見

〜脳萎縮のメカニズム解明へ向けて〜


ヒトの脳は年齢とともに体積(容積)が減少し、これを萎縮といいます。多くの場合、年齢相応の脳の働きは維持されるので、軽い萎縮は疾患ではなく正常な加齢変化と考えられます。一方で、アルツハイマー型認知症などの疾患では、異常な速さで、脳の特有の領域で萎縮が起こります。

しかし、老化であれ疾患であれ、脳が萎縮する仕組みは共通していて、脳の実質を構成する神経細胞やグリア細胞が死滅する神経変性が主な原因とされています。

今度、理化学研究所生命機能科学研究センターの麻生俊彦副チームリーダー、京都大学大学院医学研究科の上田敬太講師、村井俊哉教授、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科の杉原玄一准教授らの共同研究グループは、磁気共鳴画像法(MRI法)の新しい手法を用いて、ヒト脳の「静脈排出」パターンが加齢とともに変化することを発見し、加齢や脳損傷に伴う静脈排出不全が「脳室の拡大」を引き起こすメカニズムを初めて提示しました(2020年5月15日リリース)。

同共同研究グループは、脳血管障害を検出するためのMRI法(ラグマッピング法)を、脳の表面や深部における静脈の血液の流れの検出に応用しました。約300名の被験者を対象に、従来法では観察が困難だった脳の静脈排出を詳細に解析した結果、そのパターンが、加齢や脳損傷の影響を受けて変化することを突き止めました。この変化は脳室の拡大に先行して現れたことから、静脈排出異常が脳室拡大の原因であることが示唆されました。

本研究成果は、脳の静脈排出パターンを加齢バイオマーカーとすることで、脳萎縮の指標となる脳室拡大の原因究明や老化予防の新しいアプローチへの展開、さらには高齢者に特有の脳室が異常に拡大する疾患「特発性正常圧水頭症」の解明への手がかりとなると期待できます。



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脳腫瘍のがん幹細胞が自らを犠牲にして再発に向かわせる新たな仕組みを発見

〜がん幹細胞の特殊な細胞死を標的とした治療法開発に期待〜


膠芽腫は極めて予後の悪い難治性の脳腫瘍であり、根治を目指した病態解明と新規治療法の開発が求められています。

一方、がん幹細胞は浸潤・転移、術中診断・放射線化学療法への抵抗性など、あらゆるがんの悪性形質に関与する重要な治療標的として、その臨床的重要性が確立されていますが、その制御によるがんの根治は未だ達成されていません。

がん幹細胞を取り巻く微小環境(ニッチ)は内皮細胞などの血管構成細胞や、マクロファージなどの免疫細胞から構成され、がん幹細胞の生存・維持に深く関与することから、理論上がん幹細胞の枯渇をもたらす治療標的として高い関心を集めています。

これまでにも多くの研究者がニッチの多様な構成要素を明らかにしてきましたが、一方でそれらのニッチ要素がどのように形成・維持されるかについては未だ不明な点が多く、ニッチの包括的な理解が十分に進んでいませんでした。

今度、東京医科歯科大学難治疾患研究所の椨康一助教、田賀哲也教授らの研究グループは、悪性腫瘍に生じる新しいプログラム細胞死を同定し、がん幹細胞の死産物が腫瘍促進性のマクロファージを誘導するという新たながん再発の仕組みを発見しました(2020年5月13日リリース)。

今後、本研究で明らかにしたがん幹細胞の特殊な細胞死の様式と腫瘍促進・再発の仕組みを標的とする膠芽腫の根治療法開発への応用が期待されます。



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糖尿病や肥満でがんが発生する仕組みをハエで解明

〜新たながん予防法や治療法への期待〜


私たちの体の中に生まれた「がんのもと」になる異常細胞は「細胞競合」と呼ばれる細胞間の相互作用によって周りの正常細胞により除去されます。これによって、がんが未然に防がれていると考えられています。

糖尿病の患者さんや肥満の人はがんになりやすいことが知られていますが、その仕組みはよくわかっていません。これらの人の多くは、血中のインスリン量が増える「高インスリン血症」になっています。

今度、京都大学大学院生命科学研究科の井垣達吏教授、佐奈喜祐哉同博士過程学生らの研究グループは、ショウジョウバエを用いて細胞競合のメカニズムを探索する過程で、高インスリン血症のハエでは細胞競合がうまく働かず、がん化が起こることを発見しました(2020年5月11日リリース)。

具体的には、がんのもとになる異常細胞(極性が崩壊した細胞)は、通常は周りの正常細胞と比べてタンパク質合成能力が劣っており、これにより細胞競合が起こって正常細胞により除去されます。

しかし、高インスリン血症の状態では、異常細胞のタンパク質合成能力が正常細胞よりも高くなり、正常細胞によって排除されなくなって腫瘍化することがわかりました。

高インスリン血症により細胞競合が破綻したハエに糖尿病治療薬「メトホルミン」を投与すると、細胞競合が復活して異常細胞が排除されがん化が抑制されることがわかりました。

今回、見出した細胞競合の制御機構を標的とした、新たながん予防や治療法の開発が期待されます。


(参)細胞競合:生体内において適応度(生存能力や増殖能力)の異なる細胞が近接すると、適応度の高い細胞が生き残り、低い細胞が排除される現象



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血液脳関門を透過するジペプチドの摂取は記憶障害の改善に有効

〜急性アルツハイマー病モデルマウスにて初めて実証〜


九州大学大学院農学研究院の田中充助教および松井利郎教授らの研究グループは、福岡大学薬学部道具伸也准教授等との共同研究により、血液脳関門を透過し、脳組織へと到達するジペプチドの摂取が、急性アルツハイマー病モデルマウスでの記憶障害を改善することを世界で初めて明らかにしました(2020年5月1日リリース)。

アミロイドβの注入により誘導した急性記憶障害モデルマウスにジペプチドを毎日投与すると、短期記憶および長期記憶障害が有意に改善されることを明らかにしました。

今回の知見は、ジペプチドが記憶や学習を司る海馬や大脳皮質に蓄積することを明らかにした同研究グループらの報告(2019/4/5九大プレスリリース)を動物行動レベルで発展的に実証したものであり、ペプチド摂取が脳認知機能に有効であることを示す初めての成果です。

本成果は、加齢や老化による脳機能低下を食べ物で予防・改善できる可能性を示しており、新たな機能性食品の開発が大いに期待されます。


(参)ジペプチド:アミノ酸2分子がペプチド結合しているペプチド



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