2012年02月10日
補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する糖鎖
細胞膜の表面に発現するタンパク質や脂質に結合している糖鎖が注目されていますが、特にN−アセチルノイラミン酸(シアル酸)という単糖を含む糖脂質はガングリオシドと呼ばれ、脳神経系の組織にきわめて多く存在しています。
当初、ガングリオシドは脳神経系の発達に大切な分子と考えられていましたが、近年の研究により脳神経系の維持や損傷時の修復に必要な分子と考えられ、その欠損状態はアルツハイマー病などの神経変性を起こす以下のプロセスも名古屋大学古川鋼一教授らの研究グループによって分かっています。
糖鎖の異常→細胞膜(脂質ラフト)の異常→制御不能な補体の活性化→炎症→神経変性→アルツハイマー病など発症
つまり、ガングリオシド欠損による細胞膜の構造異常が脂質ラフトの異常を招き、補体制御因子の機能異常が発生し、その結果、補体の活性化、炎症反応そして神経変性に至ったことが判明しています。
なお、補体は自然免疫系のなかの重要なシステムの1つで多くの場合、抗体と協同して生体防御に働きますが、単独でも病原体や異物の除去において有効な役割を果たしています。補体因子の多くは肝臓で作られますが、脳神経系組織においても独自に生成され機能しています。
補体系は脳の発生過程で不要物質の除去をしますが、一方でアルツハイマー病など多くの神経変性疾患において補体系の活性化がアミロイドβの形成など炎症と変性の原因となり補体阻害剤がアルツハイマー病の病変を緩和することも確認されています。
以上のようにガングリオシド欠損が神経変性をもたらすメカニズムの解明において、アルツハイマー病のような変性疾患のプロセスと重なる「炎症から変性」という現象が見えたことは大きな成果といえます。
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つまり、ガングリオシド欠損による細胞膜の構造異常が脂質ラフトの異常を招き、補体制御因子の機能異常が発生し、その結果、補体の活性化、炎症反応そして神経変性に至ったことが判明しています。
なお、補体は自然免疫系のなかの重要なシステムの1つで多くの場合、抗体と協同して生体防御に働きますが、単独でも病原体や異物の除去において有効な役割を果たしています。補体因子の多くは肝臓で作られますが、脳神経系組織においても独自に生成され機能しています。
補体系は脳の発生過程で不要物質の除去をしますが、一方でアルツハイマー病など多くの神経変性疾患において補体系の活性化がアミロイドβの形成など炎症と変性の原因となり補体阻害剤がアルツハイマー病の病変を緩和することも確認されています。
以上のようにガングリオシド欠損が神経変性をもたらすメカニズムの解明において、アルツハイマー病のような変性疾患のプロセスと重なる「炎症から変性」という現象が見えたことは大きな成果といえます。
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