糖鎖ブログ

膵臓がん幹細胞の生存・転移に重要な仕組みを攻撃する化合物の発見

〜緑茶カテキンの研究から生まれた成果〜


膵臓がんは、現在、最も治療の困難ながんの一つと言われており、その5年生存率はわずか5%程度と非常に低いのが現状です。近年、その原因としてがん幹細胞と呼ばれる細胞集団の機能が注目されていますが、がん幹細胞機能を阻害する有効な手法はいまだに確立されておりません。

今度、九州大学大学院農学部研究院の立花宏文主幹教授らの研究グループは、東京工業大学田中浩士准教授の研究グループと共同で、膵臓がん幹細胞の機能を阻害する化合物を発見しました(2017年5月17日リリース)。

同研究グループは先行研究においてcGMPという分子が膵臓がんのがん幹細胞機能に重要な役割を担っていることを見出しました。

そこで、がん細胞にcGMP産生を誘導する緑茶の主要成分EGCGと、cGMPを分解する酵素として知られている PDE3阻害剤を膵臓がん細胞に作用させたところ、がん幹細胞機能の指標であるスフェロイド形成能が抑制されました。

また、膵臓がん移植マウスモデルにおいて腫瘍成長ならびに肝臓への転移が劇的に抑制されることを見出しました。さらに、EGCG誘導体の中からスフェロイド形成阻害活性に基づくスクリーニングを行い、膵臓がん幹細胞機能を強力に阻害する化合物を発見しました。

本研究により、緑茶カテキンEGCGの作用増強が膵臓がん幹細胞機能の阻害に有効である可能性が示されました。さらに、本研究で発見した化合物は、膵臓がんに対する新たな治療薬となることが期待されます。


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グリア細胞が脳を外傷から保護するメカニズムの解明

外傷性脳損傷(TBI)は、外傷による死亡原因の30%を占め、患者数は米国で約530万人、EUで約770万人と推定されています。また、一命をとりとめた場合にも、様々な脳機能障害、例えば認知機能障害、精神障害などの原因となる事が報告されており、大きな社会問題となっています。

脳には、電気的興奮性により素早い情報発信・処理を行う「神経細胞」の他に「グリア細胞」と呼ばれる細胞群が存在します。グリア細胞は「ミクログリア」「アストロサイト」等の複数のグリア細胞から構成されていますが、最近の研究では、これらグリア細胞もまた、脳の情報処理・発信に関係していることが明らかにされています。

TBIによる神経傷害は(1)物理的傷害による直接作用〈一次的な傷害〉(2)神経炎症などによる傷害〈二次的な傷害〉 によって誘導されると考えられています。TBIによる二次性の神経傷害が問題となっていますが、その詳細な分子メカニズムはこれまで不明のままです。

今度、山梨大学医学部の小泉修一教授及び篠崎陽一講師の研究チームは、慶應義塾大学医学部の田中謙二准教授、生理学研究所の池中一裕教授のチームと共同で、マウスを使った実験によって脳内のグリア細胞がTBIから脳を保護する仕組みを明らかにしました(2017年5月10日リリース)。

先ず「ミクログリア」がTBIを感知し、その情報を「アストロサイト」に伝えることで、脳を保護するメカニズムが働きます。また、これらは異なるグリア細胞間での協調的な脳保護作用の分子メカニズムとして「グリア伝達物質受容体」の発現低下が必須であることを発見しました。 


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卵子の成熟を助ける新しい分子を発見

〜不妊症の原因・病態解明、アンチエイジングの手がかりとなることに期待〜


生殖は、生物あ存続する上で最も重要な機構であり、複数の器官が連携して複雑なシステムを構築しています。その中で、卵巣は性周期を司る重要な組織で、ホルモン分泌などを通して周期的に卵子(卵胞)を受精可能な状態に成熟させ排卵しています。

卵巣の働きが良好でないと、卵子の未成熟、排卵障害、生理周期異常などを引き起こし、不妊に至るケースもあります。

今度、九州大学大学院歯学研究院の松田美穂講師と平田雅人主幹教授の研究グループは、自ら発見した分子であるPRIPが、卵巣における卵胞成熟過程に作用することを明らかにしました(2017年5月11日リリース)。

この分子を持たないマウスでは、出産回数が少なく、一度の出産仔数も少なく、調べると性周期が乱れ排卵数が減少していました。このマウスの卵巣では、卵胞の成熟が進んでいないために成熟した卵子の数が少なく、排卵数も少なくなっていることが分かりました。

つまり、卵子の成熟にはPRIPが必要であるということです。その分子メカニズムの一端も明らかにしました。また、このマウスは人の不妊症の原因の一つである多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に似た特徴を示しました。

今回の報告は、未だ不明な点が多い生殖機構の基盤研究に進展をもたらすとともに、妊娠・出産を妨げる疾患の原因・病態の解明につながることが期待されます。また、卵巣機能が良好であり続ければ、老化を遅らせることにも寄与するので、アンチエイジングへの手がかりの一つとなる可能性があります。


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分子標的薬開発のための糖鎖欠損細胞株の確立

近年の医療では、がんをはじめとする疾患の原因や性質の異なる患者さんに、最も適切な治療が行われています。疾患の原因となる分子のみに作用する薬は分子標的薬と呼ばれ、近年の医療品開発においては、抗体医薬をはじめとする分子標的薬の開発が活発に進められています。

抗体医薬の開発においては、創薬の標的となる分子を同定することが極めて重要ですが、新規の標的分子の発見および解析は、いまだに困難であることが現状です。

これまで標的分子の探索においては、タンパク質の本体に焦点が当てられてきましたが、生体の膜タンパク質や分泌タンパク質のほとんどは多様な糖鎖によって修飾された糖タンパク質であり、糖タンパク質に対する分子標的薬の開発が望まれています。

今度、東北大学大学院医学系研究科の加藤幸成准教授の研究グループは、分子標的薬の開発などライフサイエンス研究における糖鎖機能解析に有用な様々な糖鎖欠損細胞株の開発に成功しました(2017年5月8日リリース)。

糖鎖欠損細胞株の開発により、東北大学で開発中の抗糖ペプチド抗体(GpMab)やがん特異的抗体(CasMab)のエピトープ解析にも威力を発揮します。


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制御性T細胞と骨髄環境の相互作用で免疫システムを維持する

制御性T細胞(Treg)は様々な免疫反応をコントロールしており、リウマチ等の自己免疫疾患や骨髄移植後の拒絶反応などの免疫反応に関与していることが知られています。しかし、骨髄内での免疫細胞の産生に関与しているかは明らかになっていません。

今度、筑波大学医学医療系の千葉滋教授、錦井秀和国際テニュアトラック助教らの研究グループは、米国スタンフォード大学との共同研究により、制御性T細胞が骨髄環境から分泌されるホルモンの一種(サイトカイン)の合成をコントロールすることにより免疫システムを維持している仕組みを明らかにしました(2017年5月9日リリース)。

本研究では、Tregを薬剤選択的に除去できるマウスを用いて骨髄移植実験を行うことで、抗体産生により病原体を排除する役割を担うBリンパ球の産生が著しく抑えられていることがわかりました。

このことから、免疫システムの維持にはTregと骨を構成する細胞との相互作用が必要であるということが明らかになりました。

今後、骨髄移植後の免疫不全症等に対する新しい治療法につながる発展が期待されます。


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心臓の秘められた再生能力を発見

〜新たな心不全再生治療法開発の可能性〜


これまで哺乳類の心筋細胞は、生直後に増殖能を失うものと考えられており、大人の哺乳類の心臓では、心筋細胞の増殖が、傷害を受けた心臓の再生・修復に寄与することはないものと考えられていました。

今度、大阪大学大学院薬学研究科の藤尾慈教授らの研究グループは、マウスの心筋炎モデルを用いて解析し、大人のマウスの心臓においても、心筋炎が自然治癒する過程で心筋細胞が増殖することを世界で初めて明らかにしました(2017年5月3日リリース)。

同研究グループは、増殖する心筋細胞は、もともと心筋炎発症前から存在していた心筋細胞であり、その増殖にはシグナル伝達分子であるSTAT3分子の活性化が必須であることを発見しました。

これにより、心筋細胞が心筋炎病態下で増殖するメカニズムをさらに詳細に検討すれば、人為的に心筋細胞を増殖させる技術を開発できる可能性が期待されます。


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脂肪酸のバランスの異常が糖尿病を引き起こす

糖尿病の大部分を占める2型糖尿病の発症と進展には、肥満などによるインスリン抵抗性(インスリンが効きにくい状態)と、それに対する膵臓のβ細胞の代償性インスリン分泌の破綻(膵β細胞機能不全)が関与すると考えられています。さらに、2型糖尿病ではでは膵β細胞量が減少することが報告されていますが、その病態や発症機序は未だ不明な点が多く残されています。

肥満に伴う脂肪酸代謝異常や臓器における脂肪酸の過剰蓄積が糖尿病を引き起こすことは「脂肪毒性」という概念として提唱されていますが、脂肪毒性における脂肪酸の質(種類や組成)の意義は十分に解明されていません。

今度、筑波大学医学医療系の島野仁教授、松坂賢准教授らの研究グループは、肥満に伴う糖尿病の発症に脂肪酸伸長酵素EIov16を介した脂肪酸バランスの変化が関与していることを発見し、EIov16を阻害することで脂肪酸バランスを改善し、糖尿病の発症を抑制できることを明らかにしました(2017年5月2日リリース)。

本研究グループは、パルミチン酸からステアリン酸への伸長を触媒する酵素EIov16に着目し、糖尿病モデルマウスでこの酵素を欠損させると、インスリンを産生する膵臓のβ細胞の量とインスリン分泌が増加し、糖尿病発症・進展が抑制されることを明らかにしました。

本研究成果から、EIov16の阻害や脂肪酸バランスの管理が、糖尿病の治療標的として有用であると考えられます。


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腸管免疫を利用したスギ花粉症に対する新しい免疫療法

日本人の30%以上が罹患しているといわれるスギ花粉症は、いまや国民病とも一部で呼ばれていますが、これまで短期間で治す体質改善治療(免疫療法)はありませんでした。

2010年から、九州大学医学研究院の中川尚志教授、九州大学病院の村上大輔助教、澤津橋基弘講師らの研究グループは、カプセルを飲んで腸管免疫を利用した新しい免疫療法の研究及び治験を行ってきました。

今度、安全性も確認され、鼻症状、目の症状を軽減するだけでなく、治療のための薬物を減らす効果が確認されました(2017年5月1日リリース)。

カプセルの中には、スギ抗原と多糖体の一種であるガラクトマンナンとの複合体が含有されており、これを花粉が飛散する前と飛散中の約2ヶ月の間毎日服用する方法です。

このスギ抗原ーガラクトマンナン複合体を用いた腸管免疫を利用した免疫療法は、従来の免疫療法では実現できなかった短期間で治療効果が期待できる新しい免疫療法です。

最新の研究(論文)では、標準的治療に比べて約6割、抗アレルギー薬を減らす効果が認められました。


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