骨粗鬆症は近年の超高齢社会の到来を受けて、患者数は増大の一途をたどっており、今では国内に約1,300万人もの患者さんがいると推定されています。

加齢や閉経など、さまざま要因で発症することが知られており、喫煙もその原因の1つと考えられていましたが、そのメカニズムは不明でした。また、喫煙は骨折治癒を遅延させることも知られていましたが、その原因は不明でした。

今度、慶応義塾大学医学部整形外科教室の宮本健史らは、自律神経である迷走神経が骨量を減らす作用があること、またタバコの成分であるニコチンが骨量を減らす作用を有することを、マウスを用いた実験によって世界で初めて明らかにしました(2017年3月28日リリース)。

このことは、骨粗鬆症患者数および骨粗鬆症を基礎疾患とした骨折患者さんが増大し続けている今日、骨を骨折から守るための骨マネージメントにとって重要な発見と考えられます。