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記憶の存続時間をがん遺伝子が調節する

記憶の存続は、数秒で忘れてしまうものから数十年にわたって憶えているものまで、非常に大きなばらつきがあります。記憶が定着するためには、記憶の長期化というプロセスが重要です。

アルツハイマー型認知症などの記憶障害は、記憶の長期化にまず問題が生じることが多く、この仕組みを理解することは喫緊の課題です。

ショウジョウバエはたった1分間の学習で餌の匂いを数日間にわたって記憶することが知られており、記憶の長期化の仕組みを研究する上で良いモデルです。

今度、東北大学生命科学研究科の市之瀬敏晴助教、谷本拓教授らの研究グループは、MAPKというがん遺伝子の働きが、記憶の長期化されるときに促進されることを発見しました(2020年3月18日リリース)。

さらに、ドーパミンという脳内分泌物質が、そのスイッチを入れる役割を果たしていることを突き止めました。

MAPKや、ドーパミンを受け取る遺伝子が抑制されたハエは、記憶を長期化することができませんでした。

今回の発見は、神経細胞でのMAPKの働きと、その制御機構を明らかにしたといえます。


(参)MAPK(分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ)は細胞増殖など様々な細胞機能を調節し、がん遺伝子としても知られています。



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