〜骨粗鬆症予防法の発展に貢献〜


高血圧は、生活習慣病の一つとされ、通院者が最も多い疾患と報告されています。また、高血圧が糖尿病を悪化させる事や腎障害、狭心症、眼底網膜病変、動脈硬化など、様々な合併症を起こす事も報告されています。

今度、東北大学大学院歯学研究科のAdya Pramusita大学院生、北浦英樹准教授および溝口到教授の研究グループは、塩分摂取により高血圧が誘導されるモデルマウスを作成し、高血圧誘導時に、骨粗鬆症が誘発される事を発見しました(2022年4月14日リリース)。

さらに、そのメカニズムは、高血圧誘導時、炎症を増大させる事が知られているTNF-αが増加し、TNF-αが骨を吸収する細胞である破骨細胞の形成に必要不可欠なRANKLを増加する事で破骨細胞が増加し、骨の吸収が増加する事を解明しました。

本研究成果により、塩分による高血圧時に誘導される骨粗鬆症の抑制はTNF-αを阻害する事で可能となる事が示唆されました。

(参)RANKL
破骨細胞に必須のサイトカインで、これが増加すると破骨細胞が形成され、骨の吸収が増加します。