「がん 生と死の謎に挑む」立花隆(著)  記;2018/11/09

【レビュー】
がんについての深い考察が、実に参考となった。
本には二つある。がんをどう治すのか?とがんとは何か?が、そしてこの本は後者に傾注している。
がんとは、そもそも何か?
がんは、なぜ起こるのか?
がんは、なぜ生じるのか?何が生み出すのか?
がんの発生メカニズムとは何か?
がんを、何が進行&成長させるのか?
がんとは、どんな病気なのか?がんの病気の本質論。
がんとは、治る病気なのか?
がんになって、どのような生き方を選択するのか?
を様々な&独特の角度から、追求する。

がんとどう向き合うか?
それは、がんと闘うのではなく、がんと共存するという立場からの
問いかけとなっている。つまり、がんとほどほどの関係を保つ。
がんに勝つ&克服&征圧することは、できるのか?
何を持って、がんに勝ったと言えるのか?
がんを根絶することができるのか?
がんは、日本人では二人に一人がかかり、三人に一人が死ぬ。
がんは、自分自身を攻撃する。
がんの世界標準の治療法とは何か?

1995年頃、近藤誠から、がんと闘うなというような主張も出てきた。

人類はがんを克服できるのか?
がん戦争 100年の苦闘。生命の進化ががんを生んだ。生と死を超えて。

がんとは、細胞の病気である。細胞は全てがん化する可能性を持っている。
正常細胞が狂い出して、無限の増殖能をもつがん細胞になってしまう。
死なないで増え続けて、細胞が集積して、コブのようなかたまりになり、それが腫瘍である。
→正常細胞が狂い出すという表現は正しいのだろうか?
→異常増殖をしたら、正常にストップさせる機能があるのに、それが壊れて暴走する。
良性腫瘍と悪性腫瘍は、区別がつけにくい。専門家しかわからない。
→なぜ?
がんとは、遺伝子の病気である。
がんの要因は、コピーミスであり、そのコピーミスを修正する機能を超えた場合に、コピーミスが蓄積されていくことにある。
がんという病気は、本質的にその人の遺伝子に蓄積した変異の積み重ねがもたらすものである。つまり、一人一人違い、がんには個性がある。つまり、個人の生活と歴史の積み重ねを反映している。
そして、その変異は、個々の変異があり、その変異が結びついていく。変異の多さと変異の結びつきの複雑さが個性を作る。

がんには ①異常増殖力と②浸潤能力と③サバイバル機能としての転移能力がある。
がんは、ホメオスタシスが維持されない状態を作り出す。

がんの原因物質。
放射能、宇宙線などの物理的要因。
染色体異常。エピジェネティクス説。
フリーラジカル説。がん幹細胞説。
コールタール、魚の焼け焦げ、タバコ、アスベスト、農薬、
防腐剤などの食品添加物、ダイオキシンなどの大気汚染物質、環境汚染物質。突然変異誘発物質。
ウイルス説。それなりであり、当たらずともとうからず。
長寿になって、老化によることが要因。年寄りは、がんにならざるを得ない。
がんの発生。プロモーション 育成。プログレッション(悪性化の進行)

抗がん剤は、殺細胞剤と分子標的薬がある
抗がん剤は、がんだけに特定的に効くわけではない。
抗がん剤は、禿げる。それは、毛髪は分裂活性が強いからだ。
抗がん剤は、吐き気を催す。胃腸などの消化器の粘膜部分が新陳代謝が激しいからだ。
がんとは、細胞分裂システムが狂うことにある。
抗がん剤は、免疫力を低下させる。
抗がん剤は、延命効果があったのか?短縮効果だけなのか?
延命効果は、ほぼ2ケ月程度。
抗がん剤に対して、がんは薬剤耐性を獲得する。そして、効かなくする。それは、遺伝子が本質的に変異を起こす能力を持っている。変異を残す能力とは、生命体の本質である。
→がんも生命体なのである。生命体と同じ機能を果たす。

がんに対する作用の仕方。鍵と鍵穴が一対一ではないときに副作用が起こる。
分子標的剤のアストラゼネカのイレッサ。
2002年に承認されて、その年に百八十人が死んだ。

がんに対しての選択肢が増えた。
何を基準にして、がん治療をするのかは、患者が決めることである。
あらゆる手法を使って、延命することもありうる。
痛みを止めるならば、モルヒネ療法もある。
緩和ケアーは、がんが発見されてから行われるべきことだ。
そして、QOLを充実させるという方法もある。
「がんになったからといって、自分の人生が終わるわけではない。
人間は、必ず 100% 死ぬわけだから」
がんに負けても、人生で勝つことができる。
「生きていなければ、わからない価値がある」
がんにかかって、良い可能性と悪い可能性のどちらをえらぶのか?
限りある命。そして、支えてくれる人たち。最後にありがとうと言える人生。
生命は、連続体であり、連環体である。

がんに向き合うことで、
がんに対しての医学の限界がある。
がんには、医師がもう何もやることがないというときがある。
がん難民となることもある。
がんに対しての、代替え療法もある。多くは、化学的なエピデンスがない。
あれが効く、これが効くという話がある。
がんには、スピリチュアルペインがあり、魂の救済が必要なときもある。
がんが生きている世界のイメージができるのか?
右往左往することではなく、自若で生きることができればいい。

参考図書
永田親義 がんはなぜ生じるか?
ワインバーぐ がん研究レース。
杉村隆 がんよ驕るなかれ。
近藤誠 患者よ、がんと闘うな。 

#ブックカバーチャレンジ
「がん 生と死の謎に挑む」立花隆(著)  立花隆は、膀胱がんが見つかり、手術した。そして、がんに向き合うことが始まった。この本は、がんとは何か?とがんの治療に関しての状況を探り、どう治すか?を問う。立花隆の本は昔よく読んだが、久しぶりに読んで、相変わらずだなぁと思った。
がんとは、何か?なぜ起こるのか?なぜ生じるのか?がんの発生メカニズムとは何か?何が進行&成長させるのか?どんな病気なのか?がんの病気の本質論を問う。そして、がんとは、治る病気なのか?
がんになって、どのような生き方を選択するのか?を追求する。 
がんとは、細胞の病気である。細胞は全てがん化する可能性を持っている。正常細胞が狂い出して、無限の増殖能をもつがん細胞になってしまう。増え続けて、細胞が集積して、コブのようなかたまりになりそれが腫瘍である。
がんとは、遺伝子の病気である。がんの要因は、コピーミスであり、そのコピーミスを修正する機能を超えた場合に、コピーミスが蓄積されていくことにある。がんという病気は、本質的にその人の遺伝子に蓄積した変異の積み重ねがもたらすものである。つまり、一人一人違い、がんには個性がある。つまり、個人の生活と歴史の積み重ねを反映している。その変異は、個々の変異があり、その変異が結びついていく。変異の多さと変異の結びつきの複雑さが個性を作る。
がんには ①異常増殖力と②浸潤能力と③サバイバル機能としての転移能力がある。 がんの原因物質は、様々あり、そして、長生きすることでがんにかかることになった。
抗がん剤は、殺細胞剤と分子標的薬がある。がんだけに特定的に効くわけではない。
抗がん剤は、禿げる。それは、毛髪は分裂活性が強いからだ。抗がん剤は、吐き気を催す。胃腸などの消化器の粘膜部分が新陳代謝が激しいからだ。抗がん剤は、免疫力を低下させる。抗がん剤に対して、がんは薬剤耐性を獲得する。そして、効かなくする。それは、遺伝子が本質的に変異を起こす能力を持っている。変異を残す能力とは、生命体の本質である。つまり、がんも生命体なのである。生命体と同じ機能を果たす。立花隆は「抗がん剤で治るなんて、実際にはありゃせんのですよ」と言う。
がんに対しての選択肢が増えた。何を基準にして、がん治療をするのかは、患者が決めることである。
あらゆる手法を使って、延命することもありうる。痛みを止めるならば、モルヒネ療法もある。緩和ケアーは、がんが発見されてから行われるべきことだ。そして、QOLを充実させるという方法もある。
「がんになったからといって、自分の人生が終わるわけではない。人間は、必ず100%死ぬわけだから」がんに負けても、人生で勝つことができる。「生きていなければ、わからない価値がある」 
だから、がんになったからといって、右往左往することではなく、自若で生きることができればいい。限りある命。そして、支えてくれる人たち。最後にありがとうと言える人生をおくることだ。