土壌分析(7)武田健

『新しい土壌診断と施肥設計―畜産堆肥で高品質持続的農業』武田健(著)
 この本は土壌分析に基づいてどのような施肥設計をするかを わかりやすくかいている。

第1章 持続的農業の時代の土づくり
 持続的な農業をする上で 化学肥料、農薬の低減はきわめて重要である。しかし、堆肥を使いながら化学肥料を使用すると言う組み合わせに対する明確な方法が提示されていない。
 土づくりと施肥設計と施肥改善は一体である。施肥した肥料がムダなく吸収される事で、土壌残留養分を蓄積しない栽培が求められている。あくまでも、使える堆肥を作ることがポイントだ。
持続性とは農地の生産力の持続性、営農環境の持続性、生産物の品質の持続性をいう。経営の収益の向上と環境の持続性にあり、農業経営することだ。

ポイントは改善と成果が明瞭な数字で見える技術の確立
●土の重さ→仮比重;三相分布
●養分保持力 CEC
●塩基飽和度
●塩基バランス
●C/N比

第2章 土づくり施肥改善の新しい基礎
1 土壌診断の活用。土壌の物理性の改善。
土の仮比重は 0.97〜1.0を目標にする。;物理性。
C/N比 15〜20の堆肥(仮比重0.2)で 改善する。;物理性と生物性。
炭素は、微生物のエサとなる。炭素不足で病害虫害は頻繁に起こる。
●耕地のC/N比は 10を目標とする。
養分保持能力を高める→ゼオライトの投入;化学性。
塩基飽和度(CEC)と塩基バランス;化学性。
CECは、胃袋の大きさ。CECの20%は、窒素成分を保持できる。

CECが20meq/100gとしたら、20×0.2×14=56kg/10a。これを10cmを使用したとする。
トマトで換算すると56kgの窒素利用率70%。そしてトマト1kg作るのに窒素5キロいる。
56kg×0.7 ÷5= 7.8トンとれる。
三相分布 固相:空相:液相=4:3:3 
ミミズの最適 C/N比は 15〜20。
 土壌分析は、土の評価の上で重要な作業だ。数字で見えるところを把握しながら、数字で表せないところまで見抜くことが必要となる。
#武田健

 記:
2014/07/21

農産物の鮮度保持

中国は 国も広いので、
まだまだ 解決すべきことが多くある。

『農産物の鮮度保持』漆崎末夫(著)
 ポストハーベストを学びはじめる。どうも、ポストハーベストをきちんと学ばないと農業技術の画竜点睛を欠くということだろう 。この分野でも結構おもしろいことが転がっている。日本は流通システムがしっかりしているので、ポストハーベストはあまり問題とならない。完熟にしたトマトでもきちんと運ぶ能力があるのがすごい。

 ポストハーベストのキイワードは、水分、エチレン、呼吸の3つになる。
漆崎末夫は言う「野菜を長持ちさせるには、まず野菜はできるだけ乾燥させないことです。農産物は収穫直後よりどんどん水分を失っていきます。水分を失うとエチレンという植物の老化を早める植物ホルモンが生じてきます。このホルモンは呼吸を増大させるので、これによって養分が消耗します。呼吸によって水分もさらに失われ、こうした悪循環が繰り返されるのです。そしてついには抵抗力を失って腐敗にいたります。」

収穫物から水分がうばわれて乾燥する。
⇒収穫物のおかれている環境の湿度が重要。
⇒水分が蒸散するのは温度が関与する。
⇒高温が水分蒸散を進める。しかし、低温が嫌いな作物もある。
⇒フィルムは乾燥を防ぎ呼吸をおさえる。

水分が失われるとエチレンが発生する。
⇒ エチレンを吸着させる技術が効果がある。
⇒通気性の悪いフィルムはエチレンガスがたまる。 
エチレンによって呼吸が激しくなる。
⇒発熱する。

 巻末の対談がおもしろい。具体的に何が問題なのかがよく見える。エチレンがエチレンオキシドになって殺菌効果がある。植物はなぜエチレンをだすのだろうか。終末のため息か。
遠赤外線効果とは。ふーむ。問題意識が明らかになっているのがいい。 
 鮮度保持技術の向上が、現在の多様な野菜などを新鮮に食べることができる。
#漆崎末夫

記:2014/05/21

自然農法の野菜つくり

自然農法 記;2011/07/09

自然農法は 自然に任せる 自然の摂理で・・・・
という・・・・
しかし、農業 そして 農耕とは 『作物を栽培』することである。

オカルト農法探検隊 後藤芳宏は言う
『作物を栽培するということは自然まかせに
放任することではありません。
人間が人為的に、作物体内の養分を、食用部分に
より多く蓄積させるために 手を加える行為であると定義できます、
さらに 農業経営は趣味の園芸ではなく経済行為ですので、
投下する労力と費用は最小化すべきである』

泥団子をこねる 福岡正信は言う
『そう、自然農法というのは、まさに「生き方」の問題なんですよ。
この農園を自分が苦労して作ったと思えば、
全部収穫しなきゃ損だと思うのが当然かもしれませんが、
実際にこの農園を作ったのは「自然自身」であって、
決して僕じゃない。それに、やせ我慢でいうわけじゃありませんが、
これは「人間のため」にだけ作った農園でもないんですよ。

自然農法は収量が問題だという人がいますが、
ごらんのように決してそんなことはありません。

見れば見るほどたくさんの実がついているのが分かるでしょ。
スモモもあれば、キウイフルーツ、ハヤトウリもなっている。
果物が三重に、立体的に茂り実っているんです

はっきりと確認したわけじゃありませんが、
全部で三十種類くらいはあるでしょうね。

でも同じスモモでも、いろんな種類のスモモがこの山にはあるわけでして、
一つの種類が、平均してさらに五種類くらいづつ育っています。
ですから、掛け算すれば百五十種類くらいはある計算になるでしょうか。

その約百五十種類くらいの果物が、次から次へと実っていく。
この山は全部で四ヘクタールほどあるんですが、
とても全部など収穫しきれません。
実った果物のほんの一部を、「天の恵み」として
いただいているにすぎないんです』

自然農法は 『生き方』であり・・・それは 
栽培という 農業とは かけ離れた存在である。

そういう生き方を望むものは そう生きたら よいだけのことだ。
めざす農法ではない。

(コメント)
因幡の酔いウサギ   2010年05月31日
昔々、若いころに福岡さんを愛媛県に訪ねたことがありました。
 
裏山にはだれでも自由に泊まれる小屋があり、ヤギや鶏が走り回っていました。
道べりには大根が播いてあり、雑草とともにいろんな野菜が生えています。
岩山にはメタセコイアが植えてあって、その根が50年後には岩を砕いて、
植物が育つようになるとのこと・・。
若いころにはまったく理解できない、変なおじさんではありました。

いま評判の「奇跡のリンゴ」の著者も福岡さんの書を読んだと書いてありました。
それは農法ではなくて、まさに「生き方」だと今では理解できます。
多くの人に影響を与えた人ですが、今でも進行形なんですねー。

自然農法の野菜つくり―無農薬・無化学肥料の実際
【レビュー】記;2013年2月12日
安全でおいしい農産物を食べたい という当たり前の願いは、
現実の農業では、きわめてむつかしいことかもしれない。

無農薬・無化学肥料で栽培できたら、なんといいことか。
そのような農法を取り組んでいる人たちが、この本では紹介されている。
無農薬・無化学肥料の栽培を「自然農法」とよんでいる。

慣行農法から自然農法に移行する場合には、
自然農法を小面積で行い、徐々に広げていく方法(水平的移行)と
使っていた農薬と化学肥料を徐々に減らしていく方法(垂直移行)がある。
後者の方が、むつかしい・・・という。
減らしていく過程で、何度も「決断」することになるからだ。

どのように移行していくかは、あくまでも戦術の問題なので、
やはり、なぜ無農薬・無化学肥料ができるのか?

植物は、大自然の摂理のもとで健全な生育をするもの、
肥料や農薬がなければ、作物が育たないという考えは、
人間の思い上がりであり、「現代の迷信」である・・・という。

化学肥料や農薬は、土を痛めつけてきた。
とりわけ、土の中にある有効な微生物を少なくし、殺してしまうことだった。
土の力を発揮するには、肥料や農薬による汚染をとり除くことだ。
という。

土を生き物としてとらえ、土を育てることが大切である。
土がよければ、作物のできはいいし、土がわるければ、作物もできない。
土の中にいる有効な微生物を育てることによって、土を豊かにする。
自然農法では、「土を乾かさず、固めず、温める」ことがポイント

自然農法は、
良質な堆肥を投入する。緑肥を栽培し、土壌にすきこみ、敷き草を使用する。

栽培する品目・・・品種を選択する。
 耐病性、耐虫性、小肥で確収のあるものを選ぶ。
 これまでの育種は、農薬を使い、多肥によって収量があがるものであるが、それを見直す必要がある。また、促成栽培などは、植物に負担がかかるので、そのような栽培はしない。

輪作による栽培体系
 マメ科植物は、空気中のチッソを固定するので、とてもいい。
 イネ科植物・・麦は、畑を休めることなく、冬も栽培できる。
 その輪作体制を組むことが・・・自然農法には不可欠。
 
栽培実例がだされているが、農家の観察力がかなりいる。
また、マニュアルがつくりにくい栽培である感じがした。

ただ、やはり、慣行法と比べて、収量が少ないことが大きな問題であり、慣行法の収量に近づくことが目標のような気もする。

「良質な堆肥」を確保することは、
現在の畜産の現状からいえば、かなり厳しい。
薬漬け畜産の方法は、堆肥にまで、その薬品(抗生物質など)が流入するからだ。

理想・・・そして現実。
その隔たりがかなり大きいことは、はっきりしているが、
こうやって、取り組むパイオニアがいることは、すごいことだ。

#ブックカバーチャレンジ
『自然農法の野菜つくり―無農薬・無化学肥料の実際』自然農法国際研究開発センター

 自然農法センターは、化学肥料や合成農薬に頼らずに、自然界の仕組み(土の偉力)を最大限に活用する「自然農法」とよんでいる。自然に農業をするといえば、何もしない放任のような栽培法のように見えるが、そうではない。自然に任せ、自然の摂理で、栽培することだ。人間が人為的に、作物体内の養分を、食用部分により多く蓄積させるために手を加える行為であると定義できる。

福岡正信は言う「そう、自然農法というのは、まさに「生き方」の問題なんですよ。この農園を自分が苦労して作ったと思えば、全部収穫しなきゃ損だと思うのが当然かもしれませんが、
実際にこの農園を作ったのは「自然自身」であって、決して僕じゃない。それに、やせ我慢でいうわけじゃありませんが、これは「人間のため」にだけ作った農園でもないんですよ。」という。

農業者は、農作物を作るというが、植物は勝手に生育しているのであり、それを見守っているという状況だ。つまり、作れていないのだ。作れるほど、人間は偉大でもない。そして、自然農法は、ただ化学肥料や農薬を使わないというルールのもとに、農業をする人だ。つまり、この本は「自然農法の野菜つくり」ではなく「自然農法の野菜のでき方」というべきかもしれない。
慣行農法から自然農法に移行する場合には、自然農法を小面積で行い、徐々に広げていく方法(水平的移行)と使っていた農薬と化学肥料を徐々に減らしていく方法(垂直移行)がある。
後者の方が、むつかしいという。減らしていく過程で、何度も「決断」することになるからだ。
どのように移行していくかは、あくまでもやり方の問題である。
やはり、なぜ無農薬・無化学肥料ができるのか?

植物は、大自然の摂理のもとで健全な生育をするもの、肥料や農薬がなければ、作物が育たないという考えは、人間の思い上がりであり、「現代の迷信」であるという。
化学肥料や農薬は、土を痛めつけてきた。とりわけ、土の中にある有効な微生物を少なくし、殺してしまうことだった。土の力を発揮するには、肥料や農薬による汚染をとり除くことだ。という。
土を生き物としてとらえ、土を育てることが大切である。土がよければ、作物のできはいいし、土がわるければ、作物もできない。土の中にいる有効な微生物を育てることによって、土を豊かにする。
自然農法では、「土を乾かさず、固めず、温める」ことがポイント。自然農法は、微生物の働きを重視する。有効微生物をどう増やすかに力を注ぐ。

自然農法は、良質な堆肥を投入する。緑肥を栽培し、土壌にすきこみ、敷き草を使用する。
栽培する品種を選択することが重要だ。耐病性、耐虫性、小肥で確実に収穫できるものを選ぶ。
これまでの育種は、農薬を使い、多肥によって収量があがるものを選抜してきた。種子自体が、その状況に慣らされている。それを見直す必要がある。また、促成栽培などは、植物に負担がかかるので、そのような栽培はしない。

輪作による栽培体系を取り入れる。マメ科植物は、空気中のチッソを固定するので、とてもいい。
麦は、畑を休めることなく、冬も栽培できる。その輪作体制を組むことが自然農法には不可欠。
栽培実例がだされているが、農家の観察力がかなりいる。また、マニュアルがつくりにくい栽培である。ただ、やはり、慣行法と比べて、収量が少ないことが大きな問題であり、慣行法の収量に近づくことが目標にしているが、その発想はやめたほうがいい。効率性というのを無視したのが自然農法だから。「良質な堆肥」を確保することは、現在の畜産の現状からいえば、かなり厳しい。
薬漬け畜産の方法は、堆肥にまで、その薬品(抗生物質など)が流入するからだ。つまり、循環を考えると畜産から始めないと自然農法は完成しない。

理想そして現実。その隔たりがかなり大きいことは、はっきりしているが、こうやって取り組むパイオニアがいることは、農業の奥深さを感じさせる。自然農法を通じて、自分自身を生かす道を探る。

記:2021/01/21

ふしぎの植物学

『ふしぎの植物学』田中修(著) 中公新書 を読み終わる。

葉っぱの機能 
をインターネットで調べていたら 田中修さんが面白いことを言っていた。
『葉っぱ』への集中力が あったので、読みたかった。

この本を読んで わかりやすく説明しようとする姿勢がよく見えて
あらためて 植物のふしぎな生き方を知ることができた。

『葉っぱの機能は 
1 夜と昼の時間のながさを感知している。
2 光合成をして ブドウ糖やでんぷんをつくり 栄養補給している
3 蒸散をして 体温調節をする。』
という ことを 物語風にして 説明していた。

目次を見ると その全景がわかる。
1 何を食べているのか
2 ストレスと闘う
3 からだを守る
4 季節を先取りする
5 生殖に工夫を凝らす

植物に 動物と同じように五感があるように工夫して書かれている。
この本を読みながら インスピレーションが沸き ブログにアップした。
テオフラストスとアリストテレス
なぜ水は上がるのか?
植物と動物の分岐とは?
イネの根の構造
ソメイヨシノの危機

この本は 植物がじっとして動かないように見えるが
植物が 地球上に誕生して以来の 歴史的な視点で見ることによって
植物の 環境に 適応してきた姿が 今ここにあることを
実感させられる。

なぜ春に花が咲くのか? 
というテーマも重要なテーマであり、
この本が出版された 2003年には 
フロリゲンはまだ見つかっていなかったが、
現在では 開花を促進する 遺伝子は見つかって 
フロリゲンの姿も 徐々に明らかにされつつある。

科学の進歩は早いが この本は そのたどってきた道をきちんと見るうえでも
好著であることは確かである。

ただ 平易に説明しようとして 少ししたたらずのところもある。
根の役割を水分を吸収するだけに限定しているところなど。
また 殺虫成分を含む遺伝子組み換え植物について
取り上げているが その説明があまりなされていなかったり、
CO2が増えることによって 植物はどうなるのかについても
植物は憂えているだろう としているだけである。

植物を見ながら 植物の立場で説明しようとする手法が
うまく編集できていないような気もする。
しかし、読むに値する本であろう。

記:2009/02/05

『ふしぎの植物学』田中修(著)
 この本を読んで植物をわかりやすく説明しようとする姿勢がよく見え、あらためて植物の不思議な生き方を知ることができた。
「葉っぱの機能は 
1 夜と昼の時間のながさを感知している。
2 光合成をして、ブドウ糖やでんぷんをつくり栄養補給している。
3 蒸散をして体温調節をする。」
ということを物語風にして説明していた。
 目次を見るとその全景がわかる。
1 何を食べているのか。
2 ストレスと闘う。
3 からだを守る。
4 季節を先取りする。
5 生殖に工夫を凝らす。
 植物に動物と同じように五感があるように工夫して書かれている。この本を読みながら植物に対して色々なインスピレーションが沸いた。
 この本は植物がじっとして動かないように見えるが、植物が地球上に誕生して以来の歴史的な視点で見ることによって
植物の環境に適応してきた姿が今ここにあることを実感させられる。

 世界で最も背の高い木は
アメリカ・カルフォルニアのレッドウッド国立公園にいる。
ジャイアントレッドウッドといいセコイアの仲間で、その中で一番高い木が高さ115.55mで、世界一高い木である。
固有名詞がハイペリオンという。そのセコイア国立公園には体積の大きなレッドウッドがある。
 日本で一番高い樹木は福島県杉沢の大杉で、約68メートルあるという。推定樹齢が1000年にもなる。

 根が水を吸い上げる、葉が蒸散するというだけで水が100メートル近く吸い上げられるのはなぜか?
毛細管現象だけでは証明できない。
 田中修は言う
「導管の下端は根につながっており、上端は葉の気孔である。そのため葉から水が蒸散すると水が出ていき、切れ目なく強く結びついている水は、出ていく水に引っ張られて、下から上に移動する。すなわち先端の葉から水が蒸散すれば、水が上がってくる。」切れ目なく強く結びついている水の中に働くチカラが「凝集力」
「ファンデルワールス力は、電荷を持たない中性の原子、分子間などで主となって働く凝集力の総称」
「分子または原子が、結合されている状態をいう。この分子または原子間に働く引力を凝集力という。」
 水分子と水分子が つながった状態になっているということだ。それが、木の中であるとできるということになる。

 イネとコムギでは根の構造が違う。
水田は植物にとって効率的である。温度変化が少ない。肥料が満遍なく供給される。陸のように水分不足に悩まなくていい。しかし、小麦を植えてみたらかれてしまった。
それはイネの根の構造による。イネの根の断面図を見ると空気が通る穴(通気組織)があり、それに葉から空気を送っている。そのために水田の中でも根は酸素欠乏にならない。根が、水田の環境に適応している。小麦には通気組織がない。

 なぜ春に花が咲くのか? というテーマも重要なテーマであり、この本が出版された2003年にはフロリゲンはまだ見つかっていなかった。現在では開花を促進する遺伝子は見つかってフロリゲンの姿も徐々に明らかにされつつある。

科学の進歩は早いがこの本はそのたどってきた道をきちんと見るうえでも好著であることは確かである。
 ただ平易に説明しようとして、少し舌たらずのところもある。根の役割を水分を吸収するだけに限定しているところなどは気にかかる。また殺虫成分を含む遺伝子組み換え植物について、取り上げているが その説明があまりなされていなかったり、CO2が増えることによって 植物はどうなるのかについても、植物は憂えているだろうとしているだけである。植物を見ながら植物の立場で説明しようとする手法がうまく説明できていないような気もする。まだ、植物についてわかっていないところがある。農業をする上では、読むに値する本であろう。
#田中修

地球人は水から滅びる

『地球人は水から滅びる』福岡克也(著) 
 水の問題をあまり真剣に考えていなかった。今は水の問題を考える時期にきているかもしれない。水をもっと総合的に考える。「石油危機の時代より、水の危機の時代がおとずれる。」と本書はいう。「水の恵みがあって、人々の生活は安定した。そこで初めて、文明を開花させることが可能となった。川は、人類文明の育ての母であった。」
「水と土と空気、それにコーディネーターとしての緑の4つが、もっとも基本的な意味では、地球のバランスを構成してきたのである。」

酸素20.95% 窒素98.08% 炭酸ガス 0.0353%。

地球における生命の誕生は、炭酸ガスを固定化し、酸素にかえてきた歴史である。
「川の味とは、森の味である。」 
「上善は水のごとし、水は万物を利して争わず」老子

「赤潮とは、産業及び生活排水により、窒素やリンなどの栄養塩の海水中含有量が増加、いわゆる富栄養化状態の中で、
植物プランクトンなど微小生物が異常繁殖して、そのため海水の色が変わる現象のこと。」

陸地の総面積 130億ha 森林 40億ha 遊牧地36億ha。日本は、68%森林 2526万ha。 
水の保有量 約2400億トン/年間。
小河内ダムの容量 2億2千万トン 日本のダム全体は、200億トン。
年間降水量40%蒸発 44%が海へ 水道水が、16%。 

森林のコストについて
「森林があることによるダム建設資金の節約代が、約5兆円、森林が、なければ起こる洪水などの災害被害10数兆円、
酸素発生料8兆円、森林浴に入る人々が払ってもよいと思っている金額の総計10兆円、
野生生物の品種保存、餌のサービスなど3兆円」

日本人はどれだけの水がいるのか。生活用水 水の量。 

1965年 1人 169L。
1985年    325L  137億m3。

水不足という問題は、なぜおこるのか。水道がかび臭いということは、夏場におこりやすい。
水温が上昇し、プランクトンが異常増殖する。
プランクトンの1種アナベナが発生し、いやなにおいの発生の元となっている。

ジオスミンなどの物質が、異臭の原因。→活性炭やオゾンを使った特殊な処理をする。
高度浄水施設の整備がはかられている。

全国総合水資源計画;ウオータープランが始められている。
水であるがゆえに、様々な物質が溶けだし、「公害」となる。
東京都府中市 トリクロロエチレンという物質が地下水に浸透。

ダイオキシン(2.3.7.8四塩化ダイオキシン)。
紙パルプ工場が、塩素を使ってパルプを漂白する過程で、ダイオキシン類が発生する。

トリハロメタン。原水がアンモニア、マンガン、有機物などに汚れていて、それを除去するための前塩素処理することによって、塩素と原水中の有機物とが反応して、トリハロメタン類が生成される。
 
ミネラルウオーター。
食品衛生法では、加熱殺菌85℃、30分が日本では、義務づけられていた。フランスでは、加熱殺菌すると人工的に手を加えたことになり、100%天然といえないとしている。
このことが、ミネラルウオーターから、様々な問題が起こる要因となっている。

今後おこる問題点
1、水資源の不足。
2、水質の悪化;生活排水、産業廃水の大量排出。水は溶かす能力を持っている。
3、酸性雨による「環境破壊」。生物のライフサイクルの崩壊と貴重生物の絶滅。
4、地球の温暖化による海水面の上昇。
5、陸地の砂漠化。

確かに、水は重要だよね。溶かす能力があることが、いろんなものを抱え込む。トリチウムって、重水素なんだけど。それだけが、一人歩きする。それにしても、自然に囲まれた田舎の水は美味しい。

記:1996/03/23    

ジャガイモの来た道

『ジャガイモの来た道』山本紀夫(著)
 ジャガイモに関心を持っていた。
私はジャガイモが好きで、ジャガイモという不思議な食物がどのような 歴史と物語があるのか。
カレーを作りながら、ジャガイモの魅力を語りたいと思っていた。

 ジャガイモの歴史
本書は ジャガイモのルーツを探り、ニンゲンとジャガイモの関係を掘り下げていく。
ジャガイモのミステリーを解くようでおもしろい。

 ジャガイモは 紀元前5000年に 栽培化が始まったという。ニンゲンは7000年近く、ジャガイモに付き合っている。自生地はアンデス山脈 標高3800mのティティカカ湖の周辺。
そういうところでニンゲンが生活するというのがすごいのである。

 野生ジャガイモにはソラニンがあり有毒植物だった。アンデスのヒトは、有毒の野生ジャガイモを食べる方法をみつけ、そして野生ジャガイモの無毒化、巨大化を目標にした。
著者は穀物だけが、文明を作るのではなく、ジャガイモ文明もあってしかるべきだという。
 ソラニンのある野生ジャガイモをアンデスの気候を生かして、ソラニンを抜き、さらに貯蔵性を高めるという。このジャガイモの物語を知って、日本ではフグを食べる歴史があり、フグの毒にあたらない工夫をしてきたことを思い出した。
 沖縄のソテツ味噌を思い出した。
「ソテツの実を割り、でんぷん質を含む種子周辺部分を取り出し、洗浄・乾燥させた後、これを砕き、さらに乾燥させ、でんぷんを作る。これに米を加えて発酵させることにより、麹が作られる。
出来上がった麹に塩・大豆など(サツマイモを入れる場合も)を入れ、内側に焼酎を塗った瓶の中で3か月ほど熟成させる」
ソテツの種子には、アゾキシメタンを含む配糖体・サイカシン(Cycasin)を含み有毒である。
これを水にきちんとさらして でんぷん を取り出す。

「水にさらす時間が不十分で毒物が残留していたり、長期間食したため体内に毒素が蓄積されるケースが
多く報告されている。あくまで他の食料が乏しい時の救飢食として利用されているので、素人が安易に試すのは避けるべきである」
 ソテツの実を無毒化した育種をしていないのはソテツの育種は難しいのだろうなぁ。

『ジャガイモの来た道』はいろんなことを思い出すことができる。
雲南にいた時、チベット料理でジャガイモが美味しかった。その地域にあった作物が作られるということがわかるがアンデスの山からチベットの山にどのようなルートで伝わったのだろうか?
ということを 考えていた。
#山本紀夫 #ジャガイモ

記:2009/06/14

根物語 高橋英一

『根物語』 高橋英一(著)

 題名が、よい。寝物語を連想させる。アレ、違った。一瞬妄想に陥った。土の中にいる根を物語にしようとする試みは大切だ。
 根を歴史的に、解明しながら、根の役割と窒素固定について、詳しく説明する。根は、植物に最初からあったわけではなく、海から陸上に上がって行く過程で、発達して行った。

根の役割は植物を地盤に固着させること。水と栄養分をもたらすこと。

水分解型の光合成能をもつシアノバクテリア。糖を酸素ガスで、炭酸ガスと水にまで分解する好気性菌。
DNAを特別なたんぱく質で包み、高温酸性の条件にたえられる細菌の三者連合が、植物細胞となった。

14億年前 真核生物の誕生。植物細胞は、海藻として進化。
藻類の発生する酸素ガスが、地上に蓄積され、紫外線などを遮った。

4.4億~4.1億年前 シルル紀   植物は、不透水層を発達させた。
植物が上陸。葉、茎、根ができた。陸地は、表面の三分の一を占めていた。
4億~3.5億年前  古代デボン紀   シダ植物が根を持った。
日の当たる乾燥した場所に進出できた。
3.5億~2.8億年前  石炭紀   高温多湿。水蒸気や炭酸ガスが多く、シダ植物の大繁殖をした。
2.8億~2.3億年前   二畳紀   造山活動の結果、乾燥した場所ができた。
2.3億~1.9億年前   三畳紀   砂漠が生まれた。植物は種子をつくる。
1.9億~1.4億年前   ジュラ紀   裸子植物が生まれた。
1.4億~0.65億年前  白亜紀   被子植物が生まれた。
被子植物は、25万種をこえる。被子植物は、深く根を下ろす。乾燥地帯でも生育する。
やはり、根は地球に根を張り、ひたすら進化し続けたのである。
#高橋英一 #根

記:2013/04/29

森を守れが森を殺す

『森を守れが森を殺す』 田中淳夫(著)
 森について、理解してみたいとおもって手に取った本である。
森と農耕は深い関係にある。
そのために森が森たるべきためには、森はどうすればいいのか?
森は地球の「肺」と言われている。炭酸ガスを吸って酸素を供給しているといわれている。
実際は夜は呼吸しているので、プラスマイナスゼロである。
つまり植物は成長しているときだけ、炭酸ガスを消費する。
だから森は酸素の供給源にならない。でも、炭酸ガスを吸収して、自分の体を作っている。
結果として、森は森なのだ。

田中淳夫
 森林ジャーナリスト

記:2010/05/24

トウモロコシ(9)

トウモロコシの祖先
トウモロコシの祖先を特定化する難題は、2000年代になってから急展開したというからつい最近のことになる。
遺伝子の分析と澱粉粒子の分析という新しい科学的な手法が開発され、考古学に応用されるようになって急展開した。
澱粉粒子の分析は、
それ以前の考古学が乾燥した地層で化石化した植物の残存物を発見しこの地層の年代を測定することによって栽培されていた年代を割り出していたのに対して、
石の表面に付着した澱粉から植物を割り出すのでゴミ捨て場として使用された洞窟近くの沼に沈殿した残留物からも植物を特定化できるという。
アメリカ大陸の古代文化には、コロンブス達がやってくるまで鉄の時代がなかった。
武器としての矢じりは石であり料理で使う包丁も石で、トウモロコシは硬い皮を叩いて磨り潰しこれを食していたようなので石の表面には澱粉が付着する。
澱粉は熱にさらされない限り種特有の形態を持つので、種の特定化が可能だという。

この澱粉粒子分析を使いトウモロコシの祖先である野生のテオシント(Zea mays subsp. parviglumis)の考古学的な証拠を発見したのがテンプル大学人類学の女子卒業生だったDolores R. Piperno(1949- 、現スミソニアン国立自然史博物館)だった。
異分野からのチャレンジャーがトウモロコシの祖先を見つける
(写真)  Dolores R. Piperno(ドロレス・ピペルノ)
(出典)スミソニアン国立自然史博物館

ピペルノは、1971年にニュージャージ州カムデンにあるRutgers Universityを医療技師の学士で卒業し、フィラデルフィアにある病院の血液センターの研究技師として血液検査の技術開発も含めて5年間勤め、1976年にフィラデルフィアのテンプル大学で子供の頃から興味を持っていた人類学コースで大学院に再入学した。
この大学でパナマ共和国の熱帯雨林考古学を研究していたRanere, Anthony の研究室に入ったことから熱帯での栽培植物の考古学という道に踏み込むことになる。
大学から考古学に入ったならば、新しい考古学の技術開発に踏み込むこともなかっただろうが、実験・検査、顕微鏡の活用という医学的スキルを身につけたピペルノは、高温多湿で植物を腐敗させ痕跡をとどめない熱帯地方で、植物の種類を特定化する科学的なアプローチを開発していくことになる。
博士過程で取り組んだのは、植物の細胞に含まれるガラスの元ともなる珪素であり、腐敗しても残るので熱帯での栽培植物の考古学に利用できないかを研究した。
特にイネ科の植物は (トウモロコシもイネ科の植物だが) 珪酸を含むので、この形態などから種を見分けることが出来るという。
1988年にピペルノは植物珪酸体分析を用いた考古学の「Phytolith Analysis: An Archaeological and Geological Perspective」という最初の本を出版した。そして、この年にスミソニアン協会が生涯スタッフという地位を提供するまでになった。
1990年代の後半からは、珪酸体分析が出来ない植物のために澱粉粒子分析という新しい方法を模索し始めた。
この1990年代後半には、ウィスコンシン大学のJohn Doebleyが遺伝子の分析から、『メキシコの熱帯の中央バルサ川流域がトウモロコシ栽培の発祥地で、そこに生息していた野生のテオシント(Zea mays subsp. parviglumis)が現在のトウモロコシの祖先である。』
と発表していたが、栽培されていたという考古学的な証拠はまだ見つかっていなかった。
バルサ流域にあるXihuatoxtla Shelter(キシュアトキツラ洞窟)
2000年に入ってピペルノと彼女のチームは、バルサ川流域の遺跡と3つの湖沼でサンプルを集めそれらを分析したところ、
1万4千年前にはバルサ流域に人類が生活した痕跡が見つかり、
氷河期が終わる1万年前ころから温暖になりつつある熱帯低地ではこの環境変化への対応が進み、
8千年前にはトウモロコシとカボチャが人間の手により栽培されていた証拠を湖の沈殿物から発見し、
7千年前には焼き畑農業がされていたことがわかった。
これは素晴らしい発見であり、これまでの知見を覆すものでもあった。
何しろ熱帯低地で農業がかなり早い時期に始まっていたということすら想像していなかったのだから。

2005年からテンプル大学のRanere, Anthonyをリーダーとする大掛かりな調査が始まり、ピペルノもメンバーとして加わった。他のメンバーとしては、スミソニアン熱帯研究所のIrene Hols、テンプル大学のRuth Dickau、英国のエクセター大学José Iriarteなどであり、
資金は、全米科学財団、米国地理学会、ウェンナー・グレン基金、スミソニアン国立自然史博物館、スミソニアン熱帯研究所、テンプル大学教養学部などが拠出した。
この調査では、中央バルサ川流域の人が住んでいた痕跡がある15の洞窟のうち4つを掘り、そのうちの一つであるXihuatoxtla Shelter(キシュアトキツラ洞窟)から8700年前にトウモロコシとカボチャが栽培されていた証拠を発見した。
この事実は2009年に発表されたのでつい最近のことであり、まだ紆余曲折はありそうだが、
1. 現在のトウモロコシの祖先は、バルサ・テオシント(学名:Zea mays subsp. parviglumis)であり、(遺伝子分析からJohn Doebleyが結論付ける)
2. 人間の手による栽培はメキシコのゲレーロ州バルサ川流域で少なくとも8700年前に始まった。(Anthony Ranere、Dolores R. Pipernoチームの調査)
3. そしてこの野生種バルサ・テオシントを最初に採取して命名したIltis & Doebley

この人達のリレーによってここまで明らかになった。
イルチス、ドエブリー、ピペルノは畑違いから情熱を持ってひたすら邁進した。このパッションに敬服し、徹しきった生き方に共鳴する。彼らがいたからこそ、長い間謎だった“トウモロコシの祖先”がやっとわかるようになった。
(写真)  Xihuatoxtla Shelter(キシュアトキツラ洞窟)
(出典) the National Academy of Sciences
ところで、キシュアトキツラ洞窟について触れると、写真のようにヒトがかがまないと入れないような洞窟で、広さは75㎡で、今で言うと3LDKぐらいのスペースだろう。
この地面を掘ると、5つの時代の層が見つかり、遊牧民がキャンプ地として使っていたと考えられていたが、そこから出土した物を調べると、叩いたり磨り潰すのに使用した石(調理道具)からトウモロコシやカボチャの澱粉が付着しているのが見つけられた。
放射性炭素年代測定法で最も古いE層の年代を調べると8990年前以前であり、人間の手によって既にトウモロコシの栽培が始まっていたことがわかった。
アメリカ大陸での農業の歴史は、氷河期が終わる1万年前頃から始まっていたようであり、温暖化で絶滅したマンモスなどの大型哺乳類を追いかける遊牧狩猟生活から、小動物・木の実・エビ・貝などの狩猟採取生活に移行し、トウモロコシ・カボチャなどの栽培も加わっていた。
(写真) Xihuatoxtla Shelter(キシュアトキツラ洞窟)から出土したもの
(出典) the National Academy of Sciences

1 A層(1240-1000前)陶器や土器の破片、黒曜石刃断片、多少の現代の瓶ガラス 
2 B層(2980-2780前)、陶器や土器の破片、黒曜石刃断片、ナイフ、チョッパー(刻み用)ひき臼
3 C層(5590-5320前)、陶磁器作り以前の時代で、こて(穴をあける)ナイフ、ハンド石ミリング石をはがして薄片にしたもの
4 D層(8990-8610前)チョッパー(なた、肉きり包丁)、こて、彫刻用の石、ナイフ、両面調整石器、ミリング石(たたき、粉引き)、ハンド石 
5 E層E(8990前)茎、ギザギザが入った石、槍の穂先、南京かんなのような石、先が尖った彫刻用の石、ハンド石
(出典) the National Academy of Sciences
トウモロコシ栽培のきっかけは、あくまでも推測だが、山火事がありその跡にポップコーンが散乱し、食べてみたらなんら問題がなかった。
野生のテオシントが群生しているところでポップコーンを見つけたので、この雑草を育て、その中で多くの実をつけるテオシント(突然変異種)を選んで育てるようになり、これが今日のトウモロコシになったのかもわからない。
野生のバルサ・テオシントは、実が少なく殻は固いのでちょっと手が出にくい。
ポップコーンが美味しかったので、固い殻を叩き割り、磨り潰して、料理することに気づいたのだろう。

No9:トウモロコシの起源、その2
2011-12-23 
遺伝学の手法を使ったドエブリーがトウモロコシの祖先を絞り込む
メキシコ、グアテマラ、ニカラグアに生息する5つの野生種テオシントがトウモロコシの起源に関係したことが明らかになり、その中ではバルサバレー(Balsas River Valley)で発見された野生種のバルサ・テオシント(学名:Zea mays subsp. parviglumis)が最もトウモロコシに近いということがわかった。
この野生種のバルサ・テオシントを発見したのは、ウイスコンシン・マディソン大学の植物学教授イルチスとこの大学で博士課程を受けていたドエブリーで、1977年9月22日のことだった。
1980年に博士課程を終了したドエブリーは、ノースカロライナ州立大学に移り、遺伝学者メジャー・グッドマン(Major Goodman)の指導の下で野生種のテオシントとトウモロコシの進化の関係を調査・研究した。どんな方法で調べたかは後で説明することにして、誰もが想像もしなかった結果を発見した。
それは、 『バルサ・テオシント(学名:Zea mays subsp. parviglumis)が遺伝的にトウモロコシ(Zea mays subsp. mays)と最も近い。』 ということだった。
言い換えると、現代のトウモロコシの祖先は、バルサ川流域を原産地とする野生のテオシント、パヴィルミス(学名がZea mays subsp. Parviglumis)であり、古代の遊牧民がこの種を栽培し始めて今日の洗練したトウモロコシに至った。ということになる。
見た目の形態が大きく異なるパヴィルミスとトウモロコシなので“信じられない”というのが当然で、ドエブリーの遺伝子学からの主張が正しいのならば、「古代の遊牧民がパヴィルミスを栽培した」という痕跡がどこかにあるはずだ。
ドエブリーが主張した時期に考古学的にわかっていたことは、メキシコシティの南東部にあるテワカンバレーにあるコスカトラン洞窟(Coxcatlan Cave)で8千年前(紀元前5960年頃)に栽培された植物(トウモロコシ、ヒョウタン、スカッシュ、豆)の痕跡を見つけ、さらにテワカンバレーから160km南東に行ったところにオアハカバレーにあるギラ・ナキツ(Guilá Naquitz)洞窟で、テワカンバレーで発見したトウモロコシよりも700年も古いトウモロコシを発掘した。
このトウモロコシは、メキシカーナ(学名:Zea mays subsp. Mexicana)のようであり、この種が現在のトウモロコシの祖先に近い種とみなされていた。
パヴィルミスとメキシカーナ2種の気候的・地理的な位置関係を表したものが下記の地図になる。
メキシカーナは、寒冷な熱帯高地で生育しテワカンバレーはこの気候帯にあり、パヴィルミスは暑い熱帯低地で生育しバルサスバレーはここにある。
1970年代までは、化石などの保存状態が良い亜熱帯の乾燥した地域か寒冷な熱帯高地での考古学発掘しかされていなかったので熱帯低地は手がついていなかった。
それにしても、この2種は近いところで生育し交雑した可能性もある。

(地図)パヴィルミスとメキシカーナの地理的分布
(出典) McClung de Tapia (1992) and Matsuoka et al. (2002).

遺伝子の簡単な歴史
遺伝子の概念は、現在のチェコのブルノの司祭だったメンデル(Gregor Johann Mendel、1822-1884)によって1865年に発見された。えんどう豆の交配を繰り返し、背の高さなどの表現形質が異なるものに注目し、必ず背が高く育つ種子と、必ず背が低く育つ種子を選別し、これらを交配させてみると必ず背が高く育った。これを優性の法則というが、親から子に伝わる遺伝的な粒子があることを確信した。
後にこの粒子をウィリアム・ベイトソン(William Bateson, 1861-1926)によって1905年に遺伝子と名づけられたが、それまではこのメンデルの法則は忘れられていた。
遺伝子学が大きく進んだのは、1953年のジェームス・ワトソン(James Dewey Watson, 1928- )とフランシス・クリック(Francis Harry Compton Crick, 1916-2004)によってDNAの二重らせん構造モデルが発表されてからで、1966年にはDNAの暗号解読が完了した。

ドエブリーの手法
ノースカロライナ州立大学でのドエブリーの研究は、野生種のテオシントがトウモロコシに進化していく過程を調べるために異系酵素(allozymes)を使って調査した。
この異系酵素(一種の遺伝子マーカー)は、進化の履歴と生物の異なる種の関係を測定する時に使われる生物学的な酵素で、この酵素のアミノ酸配列を比較することによって親子などの関係がわかるという。
一種の遺伝子マーカーとして酵素のアミノ酸配列を使用したというが、遺伝子マーカーは一般的にはDNA型鑑定として知られている。
いまではサスペンスドラマを見ると犯罪捜査の必需品であり、タバコの吸い口についた唾液、血痕、髪の毛などからDNAの配列を調べ、犯人が残した遺留品に付着した血痕などのDNAと比較して同一か否かを完璧ではないが100%に近い確率で判定できる。
また親子の関係を調べるのにも使われていて、生物個体の遺伝的性質と系統(個人の特定、親子関係、親族関係、祖先など)の目印になるという。
(写真)(a)トウモロコシ(Zea mays subsp. mays)(b)パヴィルミス(Zea mays subsp. parviglumis)
(出典) ゲノムの変化からみた トウモロコシの栽培化と育種by山崎将紀
ドエブリー以前の種の同定は、雄しべ・雌しべ、花びらの数・形、茎・葉などの生え方など外観でわかる形態などによっていたので、野生種のパヴィルミスはとても現在のトウモロコシの祖先とは考えることすら出来なかった。
パヴィルミス(Zea mays subsp. Parviglumis)がトウモロコシの祖先だとする遺伝子学からの結論が正しいのならば、古代の遊牧民により栽培され食された痕跡がどこかにあるはずで、この発見と年代の測定により証明することが出来ることになる。

今から12,000年前までにベーリング海峡を渡ったモンゴロイドはアメリカ大陸に渡り、1,000年をかけて南アメリカの南端まで移動をしたという。

ベーリング海峡を超えたモンゴロイドは、気候の温暖化に伴い氷河が溶け水没したベーリング海峡を逆戻りすることが出来ず、マンモスなどの大型哺乳動物を求めてアメリカ大陸を南下したようだが、10,000年前頃に起きた寒冷化で多くの哺乳動物が死滅し狩猟・採取生活から狩猟・採取・農業生活に転換せざるを得なくなる。
一説によると、マンモス・象とマンモスに似ているマストドン・馬・ジャイアントビーバー・ナマケモノなど7割の大型哺乳動物が絶滅したというから原アメリカ人にとっても生存の危機が生じ、生き残るための知恵を働かさなければならなかった。

ここからが現在の企業戦略とか組織論に相通じる資源獲得の最適化が現実の歴史として現れ、マンモスという巨大な資源を獲得するための大組織では維持できないので少ない資源をスピードよく獲得する最適化が図られるようになる。

(写真)メキシコ・ゲレーロ州Teloloapanバルサス川付近の丘陵

(出典) University of Wisconsin-Madison

この10,000年前の頃の初期には、バンドと呼ばれる少人数のグループで遊牧(nomad,ノマド)をしながら寒冷化から生き残った小動物の狩り、野生植物の採取、釣り、海老などの甲殻類の採取をしていたが、時間が経過するに従い洞窟などを季節的なキャンプ地として使い、その周辺でカボチャ、スカッシュ、アボカド、トウガラシ、アマランス、そして初期のトウモロコシ等の栽培をするようになった。

キャンプ地での季節的な定住生活による原始的な農業の始まりは、少人数のバンドでの遊牧生活以上の食糧獲得が出来たのだろう。徐々に大人数のバンドとなり、5,000-3,000年前の時期になると人々は集まって定住するようになり、村と村長(ムラオサ)が登場する。

小動物の狩り、エビなどの甲殻類の採取は依然として重要な食料調達ではあるが、村の生活は農業によって維持されるようになり、トウモロコシ、豆、カボチャが重要な食糧となる。
村を維持するということは、食糧の生産だけでなく貯蔵・加工がなされるようになり、食糧獲得だけに労働力を割くのではなく、貯蔵するための容器、食糧を加工する道具などに、さらには、その容器・道具を飾るところまで労働力を割けるほどの食糧生産が出来るようになった。

農業が「定住」と「村」を創った。とよく言われるが、定住化は新たな発見をもたらし、男は狩猟に、女は採取にと分業が始まり、食べ残した物が腐りどぶろくのような酒に出会い、住居外のゴミ捨て場からは芽が出て栽培という可能性に気づき、落雷などでの焼け野原からは新芽が育ち農業の可能性など、長い年月をかけて学習をしていったようだ。ただ、狩猟生活と較べて農業はつらいようだ。狩猟生活の場合は、1日3-4時間の狩という労働時間で残りは遊びが大部分を占める。農業は労働時間が長いのでつらい。

農業の起源は、今から12,000年前頃のイスラエルあたりの西アジア、中国の揚子江中・下流で起こり世界に伝播したと考えられている。
アメリカ大陸に農業が伝播したのはモンゴロイドが持ち込んだか、食糧危機という大問題にぶつかった原アメリカ人が先祖の遺伝子的な記憶から開眼したかどちらかになるが、メキシコあたりの中央アメリカでは今から9,000-10,000年前に農業が始まったという。

トウモロコシになった野生のテオシントは?
トウモロコシの栽培は、いまから7,500-12,000年前に始まったと考えられている。12,000年前となるとアメリカ大陸にモンゴロイドが渡り、寒冷化して大型哺乳類が絶滅に近い状態になった頃にあたる。
この遊牧民達が、メキシコ・グアテマラ・ニカラグアに生えている3-5mもの大型のイネ科の雑草テオシントに目をつけ、季節的に利用するキャンプ地・洞窟などの傍の野原で栽培を始めたのだろうが、トウモロコシの祖先に関する説は幾つもがあり2000年を過ぎるまでトウモロコシの祖先となる野生種に関しては謎だった。
つまりわかっていないことは
① トウモロコシの祖先は絶滅したのではないだろうか?
② 現存しているとしたら可能性のある種を絞りきれる技術がないのでわからない。
③ 幾つかの種間の交雑或いは突然変異でトウモロコシが誕生したとすると実験でこの再現ができない。
④ 最初に何処で、何時頃に栽培されたのかその歴史的な証拠が見つからない。
などだろう。

(写真)トウモロコシ(右)と野生種のテオシント(Zea mays ssp. parviglumis)
 
(出典) University of Wisconsin-Madison

さらに、写真を見てもわかるように現在のトウモロコシと較べて野生種のテオシントであるジーア・パヴィルミスは、あまりにも小さく実は20粒位しかついていず、しかも硬い殻で覆われているのでそのままでは食べることが出来ない。
テオシントとトウモロコシとの間には大きな溝があり、「トウモロコシの祖先はテオシントではなく絶滅した。」という説があるぐらい違いがありすぎるが、原アメリカ人が種の選択と品種改良で長い時間をかけて栽培してきたから今日のトウモロコシになった。
どのくらい長い時間がかかったかといえば、5,000-6,000年もかかったという。
主食となる穀類不在時代が長かったので狩猟採取が中心の独特な文化が形成され、小麦・イネをベースに形成されたメソポタミア・エジプト・インダス・黄河文明とは異なり、石器の後の新石器文明が育たなかった。
わき道にそれてしまったが、それだけトウモロコシの祖先は栽培するのが難しい代物だった。

トウモロコシ起源説の流れ
1930年代初めに、小麦・トウモロコシなどの栽培植物の起源を研究したロシアの植物学者バビロフ(Vavilov, Nikolai Ivanovich 1887 –1943)と遺伝子の役割を発見したアメリカのノーベル賞受賞者ビードル(Beadle ,George Wells 1903 –1989)は、相次いで“トウモロコシの祖先はテオシントである”という「テオシント起源説」を発表した。
このテオシント起源説は方向として正しく、この御宣託がトウモロコシの起源探索ブームを引き起こした。
1930年代の後半にはハーバード大学のマンゲルスドルフ(Mangelsdorf, Paul Christoph 1899-1989)が、「未知の野生種のトウモロコシと近縁のTripsacum属の種との交雑で誕生した。」という説を発表したが、この説は後に遺伝学的な知見から否定された。

(図)テワカンバレーとオアハカバレーの位置
 
(出典)PNAS(Proceedings of the National Academy of Sciences)

1950年から1070年代までは、「トウモロコシの栽培は、メキシコのオアハカとハリスコの間の高地の盆地で始まった。」という仮説を検証する考古学的な調査に注目が集まった。

マクネイシ(MacNeish, Richard Stockton 1918-2001)が1961年夏からメキシコシティの南東部にあるテワカンバレーの発掘調査を行い、コスカトラン洞窟(Coxcatlan Cave)で8千年前(紀元前5960年頃)に栽培された植物(トウモロコシ、ヒョウタン、スカッシュ、豆)の痕跡を見つけた。

テワカンバレーから160km南東に行ったところにオアハカバレーがあり、1970年代にはこの盆地にあるギラ・ナキツ(Guilá Naquitz)洞窟の考古学的な調査が始まった。
リーダーは、マクネイシとともにテワカンバレーの調査を行ったミシガン大学のフラナリー(Flannery, Kent V 1934 - )で、テワカンバレーで発見したトウモロコシよりも700年も古いトウモロコシを発掘した。ヒョウタン,カボチャ、豆も発掘しており、最も古い栽培化された植物の痕跡とみなされた。

トウモロコシと書いたが正確には野生種のテオシントで、原アメリカ人による栽培化の痕跡があるという。トウモロコシの祖先、野生のテオシントを探す調査探検も同様に始まり、生涯をトウモロコシの起源探索にささげた米国の植物学者でウイスコンシン・マディソン大学の植物学教授イルチス(Iltis, Hugh Hellmut1925- )、その弟子で遺伝子の研究からトウモロコシの祖先を特定化したドエブリー(Doebley , John F 1952?- )達が1970年代から新種を発見・採取し命名していく。

メキシコ・オアハカバレーは標高1500m前後で、この周辺及び高地で発見された野生種は、Zea mays subsp. mexicana (Schrad.) Iltis (1972)であり、ジーア属メイズの亜種メキシカーナがトウモロコシの祖先に近いのではないかと考えられた。

この頃までは、考古学者・植物学者とも乾燥した高地だけを探索していて、メキシコ・グアテマラ・ニカラグア等の低地の高温多湿地域を探索していなかったので全ての状況を検討したわけではなかった。
局面を展開したのは、1977年にイルチスとドエブリー達がメキシコのゲレーロ州でパヴィルミス(Zea mays subsp. parviglumis Iltis & Doebley, (1980))を発見したときから起きた。

【ジーア属の種――――命名の年代順】
・Zea mays L.(1753)Corn
・Zea perennis (Hitchc.) Reeves & Mangelsd (1942).)Perennial teosinte(多年草)
・Zea mays subsp. mexicana (Schrad.) Iltis (1972).  Mexican teosinte
・Zea luxurians (Durieu & Asch.) R.M.Bird(1978) Guatemalan teosinte
・Zea diploperennis H.H. Iltis, Doebley & R. Guzmán (1979)Diploperennial teosinte(多年草)
・Zea mays subsp. parviglumis Iltis & Doebley, (1980). Corn、Balsas teosinte
・Zea mays subsp. huehuetenangensis (Iltis & Doebley) Doebley, (1990). Huehuetenango teosinte
・Zea nicaraguensis Iltis & B.F.Benz,(2000).  Nicaragua teosinte

(写真)Zea属の種の原産地(黄色のピン)

トウモロコシ(8)

コロンブス探検隊との出会い
1492年10月12日コロンブス(Christopher Columbus、1451年頃-1506年5月20日)探検隊は、2ヶ月航海してカリブ諸島のひとつの島に到着し、この島をサン・サルバドル島と命名した。
ここから旧大陸と新大陸の文化の交換が始まることになる。その代表例がコロンブスたちは梅毒を持ち帰り、旧大陸からはコレラ・ペストなどが持ち込まれることになる。
ヨーロッパ人で初めてトウモロコシに出会ったのは、コロンブス隊が10月28日にキューバ島を発見し、(コロンブスは、大きな陸地なので中国にたどり着いたと死ぬまで思っていたようだが) 奥地を探検するために派遣された二人のスペイン人であり、島に住むアラワック族はこれを“マイス(Mays)”と呼び、「人間ほどの背の高さがあり、腕の太さほどの穂をつけ、えんどう豆ほどの大きな粒をつけていた。」と記述されているのでこの頃には今日のトウモロコシに近い姿となっている。

コロンブス以降にアメリカ大陸に来たヨーロッパ人、例えば、メキシコのアステカ帝国を滅ぼしたコルテス、ペルーのインカ帝国を滅ぼしたピサロなどいたるところでトウモロコシとその多様な調理方法に出会うことになる。
つまり、コロンブスが新大陸を発見した頃には既に南北アメリカにトウモロコシが伝播していたことになる。

メキシコから南北アメリカへの伝播
メキシコ南西部のバルサ川流域で8700年前以前に栽培化されたトウモロコシは、南北アメリカに伝播し、中南米ではカボチャ・インゲン豆・アマランス、南米ではジャガイモ・キノア(チチカカ湖周辺が原産の穀類)などとともに重要な食料として普及し独自の文化を形成していく。
何時頃、何処まで広がったかというと、3200年前頃には南西部の米国、2100年前には東部米国、紀元700年頃にはカナダまで商取引のルートで広がったといわれている。

アメリカ大陸から他の大陸への伝播
中南米原産のタバコ、トウガラシ、ジャガイモ、トマトなどの普及はかなり時間がかかったが、トウモロコシの普及はかなりスピーディだった。1500年にはセビリアで栽培され、1500年代の半ばには地中海に広がり、後半にはイギリス、東ヨーロッパまで栽培が広がった。
また、スペイン・ポルトガルの商人によって1500年代初めにはアフリカ、アジアにも広まり、日本には1579年にポルトガル人が四国にフリント種(硬粒種)をもたらしたという。この説は『本朝世事談綺』(菊岡沾凉作の江戸享保時代の随筆)によるが、『大日本農史』(明治23年編纂)によると後奈良天皇天文四年(1535年)に中国より来るという説もある。
どちらが正しいかわからないが、トウモロコシは100年もかからずに世界を一巡したことになる。

急速に世界に広まった理由としては、トウモロコシの生産性の高さによる。小麦よりも3倍の収穫量があるトウモロコシは、貧困層の食糧として受け入れられただけでなく、増加しつつある人口の胃袋を満たす食料ともなった。
どんな食べ方がされたかというと荒引きされたトウモロコシの粉を熱湯に入れ、かき混ぜながらドロドロの粥として煮て食べたようだが、空腹を少ない食料で満たす代用食として貧しい地域(寒冷地・山間部など)に入っていった。
この食べ方は、いまでは北イタリアの名物料理“ポレンタ(Polenta)”として知られるが、栽培しやすく生産量が多いトウモロコシが小麦粉・キビに取って代わったという。

余談になるが、アメリカ大陸原産の植物は、スペイン・ポルトガルの商人がアフリカ・アジアなどの自国の植民地に普及させ、ヨーロッパでは地中海貿易を通じイタリアに入り定着したものが多い。トウモロコシ、トマト、ズッキーニ、トウガラシ等でありイタリア料理を彩る食材となっている。
何故スペイン料理を彩る食材にならなかったのだろうかという疑問があるが、食の基本は保守的であり、新大陸の怪しげな食材を拒否できるリッチマンと、食べられるのであれば危険をものともしないプアーマンとの違いがあったのだろう。16世紀のイタリアは飢饉が何度も襲い貧しかったことは間違いない。この貧しさが新世界の食物を取り入れ世界に冠たるイタリア料理を作り上げたのだから歴史は面白い。

メキシコ原産ではないという説
コロンブス以前に中国にトウモロコシが伝播、或いは中国原産のトウモロコシがある と主張する意見もある。或いは、インド北東部のアッサム地方、中近東原産という説もあった。
ドゥ・カンドル(August Pyrame de Candolle 1778-1841)の息子アルフォンズ・ドゥ・カンドル(Alphonse de Candolle 1806-1893)の大著『栽培植物の起源』は、トウモロコシについての説明を次のような書き出しで始める。
『トウモロコシは、アメリカの原産物であり、そして新世界の発見後に旧世界に移入されたに過ぎない。』
21世紀の今日でもトウモロコシの原産地に関して異論があるが、19世紀末においてもアルフォンズ・ドゥ・カンドルと異なる意見が多々あった。
その誤解の原因が16世紀の西ヨーロッパでトウモロコシのことを“トルコの麦(Bie de Turquie)”と呼んだことにあると断定している。
丁度、メキシコから中米原産の七面鳥が英語でターキー(Turkey)と呼ばれたようにトルコ原産を意味していず、スペイン・ポルトガルから地中海貿易を経てトルコに入り、ここから西ヨーロッパに広がっていった流れを受けている。

“トルコの麦”という記述を最初にしたのは、フランスの植物学者リュエリウス(Johannes Ruellius1474-1537)であり1536年の出版物に記述しているので、かなり早い時期からこの名前がついていたことになるが、原産地を紛らわしくしたことは否めない。
世界最古の栽培植物といわれるヒョウタンにも、南アフリカ原産というのが定説となっているが、中南米原産という主張もあり、トウモロコシにも同じような主張がありこれはこれで面白い。
人間の手により世界に普及した栽培植物の祖先・原産地を、さかのぼって特定化するのは困難だなということがよくわかった。しかし、遺伝子を調べれば何らかの決着がつく時代になっているので、古の本草書の比較研究だけでは当てにならないので本草書研究者泣かせになってきた。

トウモロコシのトピックス
世界的な人口増加と異常気象による干ばつなどで穀物の値段が上昇傾向にある。下記のグラフを見ても特に米の国際価格上昇が著しい。成長著しいアジアの主食である米なのでこれからも油断は出来ない。
トウモロコシの価格も上昇しておりこれまでの二倍になっている。この理由は再生可能なエネルギーであるバイオマスエタノールの原料としてトウモロコシ・サトウキビなどの需要が増加しているためで、食糧以外にも使われるトウモロコシの潜在的な力が値上がりの要因となっている。
トウモロコシの消費分野を知るとさらに驚く。
人間の食糧として食べられている割合はたったの4%であり、その多くは家畜の飼料(64%)、コーンスターチやコーン油などの加工品(32%)に使われていて、家畜を育て肉類を生産する役割に貢献している。さらには、車などを動かすエネルギーとしての役割も発見され、トウモロコシの潜在力に感心する。

地湧金蓮

2009-10-14 
柏市の図書館の近くに諏訪神社というのがあり、その境内の日陰の崖下にこの花が黄金色で輝くように咲いていた。その横には立て看板があり、 “雲南地湧金蓮、開花中”と大文字で書かれており、注目して欲しいという願望が表示されていた。
花の大きさは30cmの砲弾型で、花弁と思える黄金色のものは花を保護する苞(ほう)であり、隙間にある茶色のゴミのようなものが花で、咲き終わって枯れたもののようだ。
次々とこの苞が開き、花が顔を出す。その期間が長いもので半年も咲き続けるというので、ちょっと信じられない生態を有する。
葉は大きくバナナのようであり、バナナはバショウ科バナナ属の植物だが、「雲南地湧金蓮」は、近縁のムセラ属である。
日本での流通名では、 「耐寒バナナ」とも呼ばれるが、これは正しくない。
ただでさえ、この植物はまだ謎のところがあり、学名が混乱しているようだ。
「雲南地湧金蓮」は、大変珍しい花のようであり世界にこの花の存在が広まったのは、1999年に中国、昆明で開催された『世界園芸博』のようだ。
日本でも1990年に大阪花博が開催されたが、この『昆明世界園芸博』の目玉植物として展示されたという。
日本にはこれ以降に栽培が普及し、耐寒性があり半日陰でも育つので導入が進んだようだが、大形の植物でもあり場所を選ばなければならない。

「雲南地湧金蓮」にまつわる人々
「雲南地湧金蓮」が西欧の歴史に登場するのは、1885年に雲南の1200メートルの高山でフランスから派遣された神父であり植物学者のドゥラヴェー(Delavay、 Abbé) によって採取されたとある。
そして1889年にフランスの植物学者フランシェによって「Musa lasiocarpa Franch」として命名された。(現在はムセラ属であり、ここからこの植物の帰属する分類認識が間違うことになり現在も論争中。)
この植物を採取したドゥラヴェーは、Delavay, Pierre Jean Marie (1834-1895)のようであり、パリ外国宣教会宣教師として1876年に中国に赴任し、広東・香港の領事館に勤めていたハンス, ヘンリー・フレッチャー(Hance、Henry Fletcher 1827-1886)博士のために植物を収集することを行っていた。
1881年にフランスに帰国した際に、この植物の命名者であるフランシェ(Franchet, Adrien René 1834-1900)と出会い、彼のために中国の植物を採取して送ることとなる。
フランシェは、フランス国立自然史博物館館長で、この当時のフランスが派遣したプラントハンターの元締めのような役割を担っており、彼のところには膨大な植物標本などが届いたという。
ドゥラヴェーが中国からフランシェのところに送った植物標本などは、総点数が約20万点もの植物標本を送り、種類は4000種、新種1500点が含まれていたというから、中国の植物を採取した一流のプラントハンターと言ってもよい。
しかし、フランスが派遣した複数人のプラントハンターからフランシェのところに届いた植物標本が膨大だったため、これら全てを整理・分類し体系化づけるのが出来ずに彼が死亡した。
ドゥラヴェーが採取した植物標本のコレクションは陽の目を見ることなく放置され、新種の第一発見者の名誉を得ることもなく1895年に雲南で死亡した。
ドゥラヴェーは、熱心な植物愛好家であり植物学者ではなかったが、雲南省にある子梅山(ツメイシャン)をこよなく愛し、徹底したしらみつぶしの植物調査を行ったという。だからこそ膨大な植物が採取されたのだろう。
歴史に“IF”ということはないが、フランス国立自然史博物館館長フランシェが、中国などに派遣したプラントハンターから送られてきた植物標本・種子・植物などを組織的に収集・分析・活用することを考えたならば、この領域でイギリス・オランダ等を越える情報センターになったろうし、ドゥラヴェーはその中心的伝説のプラントハンターになりえたのだろう。
ドゥラヴェーは残念だったが、“先を見れる”パートナーと出会えたヒトは、幸運に恵まれるということなのだろう。つかめるかどうかは本人次第だが・・・。
        
雲南地湧金蓮(ウンナンチユウキンレン)
・ バショウ科ムセラ属のー10℃までの耐寒性がある亜熱帯性の植物。
・ 学名は、Musella lasiocarpa ( Franch. ) H.W.Li(1978)。中国名が「雲南地湧金蓮」で、地面からわいてきた金色のハスを意味する。日本の流通名として「耐寒バナナ」、英名は Chinese yellow banana。
・ 中国名「雲南地湧金蓮」の由来は、地から湧き出た金の蓮(ハス)の花という意味。
・ 中国雲南省の2500m程度の高山が原産地で、インドシナ半島一体が生息地。
・ 樹高1m、株張り1.5m
・ 開花期は秋からで、一つの花が咲くと上に伸び続けて次々に開花し、1年間近く咲く。花の大きさは30cmで黄金色のハスの花のようだが、黄色の花弁のように見えるのは、実は苞(ホウ)で、本当の花はその間に小さく咲きあまり目立ちません
・ 花がない時期でも明るい緑の葉が美しく、観葉植物として楽しめる。
・ 日向、半日陰でも育ち、地植え、鉢植えで室内でも育てられる。
・ あ
・ 1999年に開催された昆明世界園芸博で目玉商品の一つとして展示されてから日本でも普及し始めた。(大阪で開催された花博1990年)

最初の分類はムサ属
Musa lasiocarpa A. R. Franchet, (1889) 

命名者
フランシェ(Franchet, Adrien René 1834-1900)
フランスの植物学者、国立自然史博物館館長で、アルマン・ダヴィット、ジャン・マリー・ドゥラヴェー、ポール・ギヨム・ファルジュなどのプラントハンターが収集した中国・日本などの植物を研究した。

Li, Hsi Wen (1931-)
Wenは、「雲南地湧金蓮」の分類で論争となっていた“ムサ属(Musa)”と“ムセラ属(Musella)”を1978年に別の独立した属とした。

サツマイモ(31)基腐病

サツマイモ基腐病は2018年末に国内で初めて発生が報告されて以降、サツマイモ(かんしょ)の生産に大きな打撃を与えています。2020年になって被害は拡大しており、10月には新たに福岡県と熊本県、11月には長崎県、12月には高知県、静岡県と発生報告が相次ぎました。
サツマイモ基腐病とはどのような病気なのか、また私たちの生活にどのような影響があるのかを考えてみたいと思います。

*2021年8月5日更新:6月に群馬県と茨城県、7月に東京都、千葉県、岩手県、愛媛県、8月に福井県と埼玉県で特殊報が発表されたため、表を更新しました
1. サツマイモ基腐病とは
サツマイモ基腐病は2018年11月に日本で初めて発生が報告された病害で、糸状菌(Diaporthe destruens、旧名Plenodomus destruens)によって引き起こされます。この病気が発症すると、葉が変色して生育不良になり、根元が黒変して腐敗します。また地下に生育するサツマイモも成り口(蔓とつながっている方)から変色し、カビの臭いがします。この腐敗したサツマイモの表面を拡大して見ると、糸状菌が作り出す黒い粒々が観察されます。
サツマイモ基腐病は約100年前にアメリカで発見され、南北アメリカやアフリカ、ニュージーランドなどで被害が知られていましたが、この10年の間に、アジア地域でも被害が起こっていました。そして2018年11月、沖縄県で初めて発生が報告されました。続けて12月に鹿児島県、翌2019年1月には宮崎県で相次いで報告されました。2020年になり、10月には福岡県と熊本県、11月には長崎県で発生の報告があり、12月には高知県、静岡県で報告されました。
当初は九州・沖縄地方が中心でしたが、四国地方や関東地方でも初めて発見され、本病害は深刻な広がりを見せています。

*特殊報とは、その都道府県で新たな病害虫が見つかったとき、あるいは重要な病害虫に特異な現象が認められる場合に発表されるもので、号数については都道府県ごとに付与されます。
*正確な情報を期しておりますが、抜けや誤りがある可能性がありますので、詳細は発表元の情報をご覧ください。また、宮崎県と鹿児島県では、2020年にも病気の蔓延が確認され、5月には宮崎県、6月には鹿児島県で注意報が出されています(再発の場合は特殊報ではなく、注意報になります)。特殊報や注意報については、後日植物病の防疫に関する記事で少し詳しくご説明したいと思いますので、興味のある方はそちらもご覧ください。 
*注意報とは、警報を発表する程ではないが重要な病害虫が多発することが予想され、早めに防除措置をとる必要があるときに発表されます。特殊報と同様、号数については都道府県ごとに付与されます。*正確な情報を期しておりますが、抜けや誤りがある可能性がありますので、詳細は発表元の情報をご覧ください。

サツマイモ基腐病は排水が良くない場所で発病しやすいと言われています。発病株に形成された胞子が、降雨による飛散や滞水によって周辺株に広がって感染するため、圃場の排水対策が大切となります。2020年に感染が拡大した原因の一つとして、梅雨が記録的な雨量であり、高温多湿の条件となったことが一因ではないかとされています。サツマイモ基腐病に感染した個体を種芋にしてしまうと発病するのはもちろん、収穫後に感染個体の残渣が土壌中に残っていると越冬し、健全な種芋を作付けしても土壌から感染してしまうと考えられています。
サツマイモ基腐病の病気が進行したものに関しては目で見て明らかな病徴が確認できるのですが、初期段階のものは見た目だけでは判断しにくいことがあります。一見健全な個体に見えても、病原菌が潜んでいればそれが圃場に広がってしまうことになるため、早期発見、早期除去が大切になります。
このような病気の広がりを受け、国も支援策を講じています。2018年末に初めて確認され、翌年の2019年に被害が拡大したことより、2020年産のサツマイモへの影響を最小限にするための支援が行われました。しかし2020年もさらに被害が拡大していることを踏まえ、2021年産のサツマイモのための支援が拡充されます。以下は公表されている支援策の一部(出典:農林水産省Webサイト)になります。
・圃場残渣の処理費への支援
・ウイルスフリー苗、種芋の調達支援
・苗、苗床消毒用殺菌剤等への支援
・予防、治療薬剤への支援
・広範囲に被害が発生した地域(被害発生圃場の割合が全体の5割以上の県または市町村)でのサツマイモの継続栽培支援 など
*サツマイモは甘味資源作物として、サトウキビなどと併せて支援が行われています。
*サツマイモはかんしょ(甘藷)とも言われ、同じものを指します。

2. 私たちの生活への影響
毎年秋から冬になると焼き芋のシーズンになり、寒い時期には甘くてほくほくのサツマイモに舌鼓を打つファンも多くいらっしゃるのではないかと思います。また茨城県では干し芋が有名ですし、お土産などでサツマイモのスイーツを送ったりいただいたりした方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。サツマイモの作付面積が大きいのは、以下の県です。

サツマイモの用途としては主に青果用(生鮮食品として流通)、焼酎用、でん粉原料用、加工食品用として使用されます。一口にサツマイモといっても各地で様々な品種が生産され、それぞれ特徴があります。
例えば焼き芋に適した甘みの強いサツマイモの代表的な品種に、九州の種子島で生産が盛んな「安納(あんのう)芋」がありますが、2020年はこの病気の影響で不作となりました。
またお酒が好きな方の中には、芋焼酎が好きな方もいらっしゃると思いますが、この原料となるサツマイモも被害を受けています。焼酎に用いられる品種として代表的なものに黄金千貫(コガネセンガン)がありますが、これも病気が蔓延した地域では収穫量が落ちました。
他にもサツマイモはでん粉原料として使用されています。でん粉が私たちの生活にどう使われているかピンと来ないかもしれませんが、でん粉の構成成分であるブドウ糖を甘みの強い果糖に変換した果糖ブドウ糖液糖(異性化糖)などに加工され、清涼飲料水やお菓子などに使用されています。
このように、サツマイモは私たちの生活にも関わっていますし、サツマイモの生産者も多くいらっしゃいます。冬を過ぎると、また作付けが始まります。植物病は天候にも左右されるため、次の年がどうなるかを予想することは難しいですが、サツマイモ関連食品のファンとしてはサツマイモ基腐病が拡大しないことを強く願っております。

3. 私たちニッポンジーングループができること
2019年3月、東京大学植物病院®はサツマイモ基腐病の検出キットの開発に成功し、ニッポンジーン マテリアルより販売を開始しました。2020年には販売を開始した前年よりも多くお問い合わせをいただいていることからも、本病害の深刻さを感じております。私たちはサツマイモ基腐病の遺伝子診断キットをご提供することで、病気の個体の判別を容易にし、病害拡大の防止、地域のブランドを守ることに貢献して参りたいと思います。 

ミミズのはたらき

ミミズのはたらき    中村好男(著)
【レビュー】記;2013/12/03
ミミズは、大地の腸、地球の〈虫〉、自然の鍬、生態系の技術者、土の健康のバロメーター、地球に最も価値ある動物、土壌圏の技術者、 大地のトラクター、環境保全の立役者、といわれる。
  土の機能は
1 生産機能
2 分解機能
3 自浄調整機能

日本では ミミズ 5種類。
フトミミズ、ツリミミズ、フタツイミミズ、ジュズイミミズ、ムカシフトミミズ。

ミミズは肺などの呼吸器官を持っていない。
粘液で皮膚を湿らせて,その皮膚を通じて酸素と炭酸ガスを交換する。
血液は赤い色をしているが、赤血球ではなく血色素。
光に敏感。目や耳はなく神経は頭部に集中して小さな脳がある。
感触毛があり、危険を察知して,食べるものを選択する。
感光細胞がある。強い光には負の方向がある。
雌雄同体である。
北海道産ミミズは20℃から活発になり、25℃で脱糞し、30℃で死亡する。
体内液にグリセロルを持つ。
背孔から液が30CMの高さにまで放出される。
シマミミズの体液は、溶血、細胞毒性、血液凝集、抗菌の作用がある。
熱冷ましの成分は ルンブロフェブリン。
リン脂質に結合する ライセニン。

発光ヒメミミズもあるが、ホタルと一緒のルシフェリンが関与している。

解毒機能を発達させたミミズもいる。
1 重金属を体後部の皮膚と腸の間,体液内に老廃物の粒として無害な状態にとどめる
2 その粒のある後部を切り離す
3 汚染環境に耐える能力がある。

陸生ミミズは 
堆肥生息型/シマミミズ 堆肥がなければ生きていけない。ヒメミミズ
枯葉生息型/ツリヒメミミズ属、
表層土生息型/コブヒメミミズ属、
下層土生息型/ハタケヒメミミズ属

ヒメミミズ は身体が小さくモグラのエサとして不適なので使える。

ミミズの五大寄与
1 食べる 
一日食べる量は、体重の1.5倍。口から肛門まで3.5時間。
消化吸収効率は 枯葉では全窒素の17%。
根が吸収しにくいリン酸やカリウムかたちに変換する。
ビタミン類を合成する。

2 動き回る
微生物だけの働きでは限界がある。
生命体の死体などが 処理が遅くなる。

3 クソをする
団粒とは単粒が微生物や動物がつくる多糖類(アミノ酸など)で形成される。
⇒水持ちがよく、水はけも良い条件をつくる。
腐食酸の量が増加する。

4 尿をする
窒素分の増加となる。

5 死体となる
良質なタンパク質をあたえる。

土壌の気相が増え,柔らかくなる。物理性の向上
カルシウムや窒素量が高まる 化学性の向上
土壌微生物の多様化 生物性の向上

ミミズが 病気を抑えることになる。
1 ミミズが摂食することで 病原菌が消化もしくは破壊される
2 クソや粘液で病原性を消失する。
3 菌の生息場が改変され増殖力が低下する。
4 キチナーゼが腸内にあり,菌の細胞壁を破壊する。
5 ミミズの分泌する水溶性フェノール酸が抑制効果がある。

シマミミズの好適条件
温度 15℃から20℃
水分 80〜90(最小40 最大95)
酸素濃度 15%以上
二酸化炭素濃度 6%以下
伝導度 eh は マイナス100mv以上
アンモニア濃度 0.5%以下
ph 5〜9
炭素窒素比 1/30

いかに 発熱させないでシマミミズを成育するのか。

良い堆肥とは
安定した構造、均衡のとれた栄養素、多様な生物相、
クソはPHを中性に持っていく。

#ブックカバーチャレンジ
『ミミズのはたらき』中村好男(著) 
雲南で有機農業を始めていた時に、土にもっと有機質を与えるためにどうすればいいかを真剣に考えた。有機堆肥はある程度できるようになった時点で、さらに欲しいのはとしてターゲットにしたのがミミズだった。いろんなところに行って、ミミズをまず取りに行った。ダーウィンはミミズは大地を肥沃な土壌に変えると言った。「ミミズの行為による肥沃土の形成とミミズの習性の観察」と言う本さえ出している。さて、ミミズをどうしたらいいのかと考えて、読んだのがこの本だった。ミミズについて、概括的なことがよくまとめられていた。 
ミミズは、「大地の腸、地球の〈虫〉、自然の鍬、生態系の技術者、土の健康のバロメーター、地球に最も価値ある動物、土壌圏の技術者、 大地のトラクター、環境保全の立役者」といわれる。
  土の機能は ①生産機能 ②分解機能③自浄調整機能である。
日本ではミミズ5種類。フトミミズ、ツリミミズ、フタツイミミズ、ジュズイミミズ、ムカシフトミミズ。
ミミズは肺などの呼吸器官を持っていない。粘液で皮膚を湿らせて,その皮膚を通じて酸素と炭酸ガスを交換する。血液は赤い色をしているが、赤血球ではなく血色素。光に敏感。目や耳はなく神経は頭部に集中して小さな脳がある。感触毛があり、危険を察知して,食べるものを選択する。感光細胞がある。強い光には負の方向がある。雌雄同体である。
北海道産ミミズは20℃から活発になり、25℃で脱糞し、30℃で死亡する。(高温に弱い)体内液にグリセロールを持つ。背孔から液が30cmの高さにまで放出される。シマミミズの体液は、溶血、細胞毒性、血液凝集、抗菌の作用がある。
発光ヒメミミズもあるが、ホタルと一緒のルシフェリンが関与している。
解毒機能を発達させたミミズもいる。①重金属を体後部の皮膚と腸の間,体液内に老廃物の粒として無害な状態にとどめる②その粒のある後部を切り離す③汚染環境に耐える能力がある。 
ミミズの五大寄与①食べる。一日食べる量は、体重の1.5倍。口から肛門まで3.5時間。消化吸収効率は枯葉では全窒素の17%。根が吸収しにくいリン酸やカリウムかたちに変換する。ビタミン類を合成する。
②動き回る。微生物だけの働きでは限界がある。生命体の死体などが処理が遅くなる。
③クソをする。団粒とは単粒が微生物や動物がつくる多糖類(アミノ酸など)で形成される。⇒水持ちがよく、水はけも良い条件をつくる。腐食酸の量が増加する。
④尿をする。窒素分の増加となる。
⑤死体となる。良質なタンパク質をあたえる。
土壌の気相が増え,柔らかくなる。物理性の向上。カルシウムや窒素量が高まる 化学性の向上。土壌微生物の多様化 生物性の向上。
ミミズが 病気を抑えることになる。
1 ミミズが摂食することで 病原菌が消化もしくは破壊される
2 クソや粘液で病原性を消失する。
3 菌の生息場が改変され増殖力が低下する。
4 キチナーゼが腸内にあり,菌の細胞壁を破壊する。
5 ミミズの分泌する水溶性フェノール酸が抑制効果がある。
シマミミズの好適条件 温度15℃から20℃。水分 80〜90%(最小40 最大95)
酸素濃度 15%以上。二酸化炭素濃度 6%以下。伝導度は マイナス100mv以上
いかに 発熱させないでシマミミズを成育するのか。
良い堆肥とは、安定した構造、均衡のとれた栄養素、多様な生物相。
と読みながら、ミミズを数万匹まで増やしたが、効率よく増殖ができずに、途中で諦めて、畑に戻してやった。こっそりと日本のミミズも持ち込んだ。今頃その子孫たちが、雲南で畑を耕していることだろう。 

有機栽培(15)基礎と実際(1)

有機栽培の基礎と実際 小祝政明(著)
【レビュー】記;2012/04/11
有機農業を科学とすると言う主張を持っている小祝政明の本を読んだ。
有機農業を科学にすると言うのはどう言うことなのかを整理することが大切である。


はじめに

『有機のチッソが吸収されていて、それが効率的に作物の身体作りやエネルギー源としてつかわれている。だから有機栽培は品質のよいものが安定してできる。』

から始まる。
たしかに 根から吸収されるチッソは硝酸やアンモニアといった無機のチッソだけでなく、2002年に作物の根が有機物を吸収するという研究発表が、有機農業の実践を裏付ける重要な根拠を与えることとなった。

 それ以前には組織培養では細胞はアミノ酸を直接吸収することは実験的に証明されていた。

作物の仕事は光合成と呼吸であり、炭水化物は光合成の生産物であり、呼吸のエネルギーである。

堆肥は 腐食を増やし、団粒構造を発達させ、水溶性炭水化物がそのまま植物に吸収されると言う役割を果たしている。
 

『有機栽培の収量と品質をよくしたい』と言う背景には・・・

なぜ収量と品質が高まるのか?

作物の身体の中でどんなことが起こっているのか?

作物が生きているとはどういうことか?生きている本質と根拠とはなにか?

では ニンゲンはそれに対して 何ができるのか?

ということを 作物の栽培の関連で紹介することが本書の目的と言う。
 
序章 なぜ 有機栽培で失敗するのか?

有機栽培にある 思いちがいはどこからうまれるのか?
 
思いちがい(1)堆肥を入れていればまちがいない。

(例)高原レタスを有機栽培でつくっていたが、生育が悪く、葉が黄色くなり、株の芯が腐った。ネグサレセンチュウやフザリウム菌が蔓延していた。

原因は 堆肥が未熟だった。対策として拮抗菌(ここでいう、拮抗菌とは何かが説明されなければならない)がよく繁殖して、アミノ酸肥料をまぜた堆肥とを投入し、土壌分析の結果から石灰と苦土をおぎなった。そのことで 収量と品質が向上した。

未熟堆肥の問題もあるが、完熟堆肥で注意しなければならないのは、カリが多いケースがあり、ミネラルバランスとして マグネシウム、カルシウムが多くなければならない。
 
思いちがい(2)ボカシ堆肥をやればいいものがとれる。

(例)微生物資材を使ったボカシ堆肥でキウイフルーツをつくっていたが、3~4年は順調だったが、頭打ちとなった。葉の色が抜けたようになり、果実の生育がよくなかった。相談を受け、土の排水性も保水性もよく、生物性も悪くない。

土壌分析でマグネシウムとカルシウム不足がわかった。水溶性と苦溶性マグネシウム(有機栽培でその資材はどんな資材だろうか?)を使うことで キウイフルーツの木は変化した。

(例)水田転作でナスをつくっていたが、次第に収量が落ち、品質もよくないものになった。土壌分析をするとマグネシウム、カルシウムが不足していた。月1回の土壌分析をして、カルシウムとマグネシウムを補給した。収穫期間が伸び、収量もよくなった。

ボカシ肥料は発酵肥料であり、作物を健康にして、根を活性化する。そのことで、

ミネラルの吸収がさかんとなることでミネラル不足となる。 

●小祝政明の言うミネラル不足とはマグネシウムとカルシウムのことをいっている。
 
思いちがい(3)ボカシ堆肥なら水田でも畑でも同じように使える。

水田はおもに嫌気的な環境に対応した微生物群が生活しているので、好気性菌で発酵したボカシ堆肥ではうまく行かない。

(例)クズダイズ、オカラ、コメヌカを原料としたボカシ肥料を元肥を水田のイネに使ったら、イネの様子がおかしくなった。

『ボカシ堆肥は必ず乳酸菌や酵母で発酵させる。嫌気的な環境でも有機物が腐敗のコースにのらないこと』→具体的にどういうことかがわからない。
 
思いちがい(4)有機なら作物が必要なときに必要な養分を吸収する。

(例)りんごの根は地表から20cmくらいまでに吸収根があり、深い所から動き始め、地温が上がるにつれて地表の根の活動も活発になる。(なぜ深いところから動き始めるのかな?)そのことから春肥では遅すぎる。雪が振る前に施肥(雪前肥)がポイントで、雪解け水が肥料を地下の根に届くようにする。いつでも好きなときに肥料を吸収するわけではない。
 
思いちがい(5)有機だから、収量は低くても仕方がない。

有機栽培で水を切ってチッソを制限することでトマトの糖度アップにつなげようとしている。カルシウム欠乏がおこり、尻ぐされ病となる。水を切ることで、上根が乾燥して痛み、病原菌も進入しやすくなる。アオガレ病が発生する。着果負担による樹勢の低下だけが原因ではない。

『水もチッソも必要量を施して、生育を旺盛にして収量と品質を向上させる。』
 
第1章 有機栽培とは何だろう?

●作物の生長と炭水化物

作物の生長とは ①水と二酸化炭素を吸収して、光のエネルギーを利用して炭水化物を合成すること。②つくられた炭水化物を材料とエネルギー源としてつかって、成長し種子をつくること。

炭水化物はセンイをつくり、強固な植物体をつくり、病害虫の被害を受けなくする。また糖度をあげることができる。炭水化物はチッソと結びつき、アミノ酸となり、タンパク質となり、細胞となる。光合成でつくられた炭水化物を根や果実に運ぶ。アミノ酸を生長点まで運びたんぱく質をつくる。そのエネルギーが炭水化物である。炭水化物は植物をつくる材料であり、エネルギー源となる。

植物は『炭水化物をできるだけたくさんつくり、効率的よく使いたい』と考えるだろう。

作物は吸収した硝酸を亜硝酸、そしてアンモニアに変え、これに光合成でできた炭水化物を結合させてアミノ酸をつくる。それが、作物は有機態チッソを吸収していることがわかり、アミノ酸からペプチド、水溶性の大きなタンパク質まで吸収する。

 ●有機栽培のメリット

アミノ酸を直接吸収することで、タンパク質の生産効率が高い。

アミノ酸を直接吸収することで、炭水化物に余剰が生まれる。(光合成からの炭水化物でアミノ酸をつくる作業にプラスされる。)アミノ酸の余剰ができることで、低温や日照不足などの悪条件にも耐えることができる。またおいしいものができる。

有機態チッソを吸収することで有機農業のばら色の世界を描く。

実際には実証しなければならないことで、有機態チッソが吸収できることで、万能ではないことは明らかなのである。
アミノ酸の味

旨みや酸味;グルタミン酸、アスパラギン酸。

甘み;グリシン、アラニン、スレオニン、プロリン、セリン、グルタミン

苦み;フェニルアラニン、チロシン、アルギニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン,ヒスチジン。
 

第2章 作物の生長と有機栽培

この章は突然読みづらくなる。有機栽培への我田引水的な説明が相次ぐのだ。

1;作物の生長のしくみ

2;製造部(葉緑素)のしくみと有機栽培

3;転流のしくみと有機栽培

4;合成・貯蔵のしくみと有機栽培
 

炭水化物の位置づけとアミノ酸で植物のしくみを語ろうとする。

たしかに 間違っていないが、余りにも視点が狭いような気がする。

有機栽培の堆肥の重要性を語りたいのであるが、炭素を投入することと堆肥を投入することと区別すればいいことだと思う。それをすべて堆肥で説明しようとするから、無理があるんですね。
ただし アミノ酸肥料と言う概念は重要であると思う。

忙しい間でも こうやって しっかりと

まとめていく作業は 必要なことだと 自分に言い聞かせている。

有機栽培は多くは思い込みの技術のなかにあり、科学としての有機栽培が確立されるにはまだ時間がかかるのかもしれない。パチンコで 大当たりしたようにうまく生産物ができた時に、『こうやったから』ということで、それが 技術の中心になってしまうことがある。

農業は 一筋縄で いかないので、どこかで,縁起をかつぐことが 起こってしまう。

それがこの本ではなんとか科学に近づこうと努力しているのが好感が持てるのである。

#ブックカバーチャレンジ
『有機栽培の基礎と実際』 小祝政明(著) 

 小祝政明は、有機農業の論客である。学者と違って、農業の実践者であり、理論構築をする。BLOF理論(Bio Logical Farming:ブロフ生態系調和型農業理論)の提唱者でもある。

小祝政明の始まりである「有機栽培の基礎と実際」を読んでみる。

『有機のチッソが吸収されていて、それが効率的に作物の身体作りやエネルギー源としてつかわれている。だから有機栽培は品質のよいものが安定してできる。』から始まる。

たしかに 根から吸収されるチッソは硝酸やアンモニアといった無機のチッソだけでなく、2002年に作物の根が有機物を吸収するという研究発表が、有機農業の実践を裏付ける重要な根拠を与えることとなった。 作物の仕事は光合成と呼吸であり、炭水化物は光合成の生産物であり、呼吸のエネルギーである。堆肥は 腐食を増やし、団粒構造を発達させ、水溶性炭水化物がそのまま植物に吸収されると言う役割を果たしている。

『有機栽培の収量と品質をよくしたい』と言う背景には、なぜ収量と品質が高まるのか?

作物の身体の中でどんなことが起こっているのか?

作物が生きているとはどういうことか?生きている本質と根拠とはなにか?

では ニンゲンはそれに対して 何ができるのか?

ということを 作物の栽培の関連で紹介することが本書の目的と言う。

 なぜ 有機栽培で失敗するのか?

有機栽培にある 思いちがいはどこからうまれるのか?

 思いちがい①堆肥を入れていればまちがいない。

(例)高原レタスを有機栽培でつくっていたが、生育が悪く、葉が黄色くなり、株の芯が腐った。ネグサレセンチュウやフザリウム菌が蔓延していた。原因は 堆肥が未熟だった。対策として拮抗菌(ここでいう、拮抗菌とは何かが説明されなければならない)がよく繁殖して、アミノ酸肥料をまぜた堆肥とを投入し、土壌分析の結果から石灰と苦土をおぎなった。そのことで 収量と品質が向上した。

未熟堆肥の問題もあるが、完熟堆肥で注意しなければならないのは、カリが多いケースがあり、ミネラルバランスとして マグネシウム、カルシウムが多くなければならない。

 思いちがい②ボカシ堆肥をやればいいものがとれる。

(例)微生物資材を使ったボカシ堆肥でキウイフルーツをつくっていたが、3~4年は順調だったが、頭打ちとなった。葉の色が抜けたようになり、果実の生育がよくなかった。相談を受け、土の排水性も保水性もよく、生物性も悪くない。土壌分析でマグネシウムとカルシウム不足がわかった。水溶性と苦溶性マグネシウム(有機栽培でその資材はどんな資材だろうか?)を使うことで キウイフルーツの木は変化した。

(例)水田転作でナスをつくっていたが、次第に収量が落ち、品質もよくないものになった。土壌分析をするとマグネシウム、カルシウムが不足していた。月1回の土壌分析をして、カルシウムとマグネシウムを補給した。収穫期間が伸び、収量もよくなった。ボカシ肥料は発酵肥料であり、作物を健康にして、根を活性化する。そのことで、

ミネラルの吸収がさかんとなることでミネラル不足となる。 

●小祝政明の言うミネラル不足とはマグネシウムとカルシウムのことをいっている。

 思いちがい③ボカシ堆肥なら水田でも畑でも同じように使える。

水田はおもに嫌気的な環境に対応した微生物群が生活しているので、好気性菌で発酵したボカシ堆肥ではうまく行かない。

(例)クズダイズ、オカラ、コメヌカを原料としたボカシ肥料を元肥を水田のイネに使ったら、イネの様子がおかしくなった。『ボカシ堆肥は必ず乳酸菌や酵母で発酵させる。嫌気的な環境でも有機物が腐敗のコースにのらないこと』

 思いちがい④有機なら作物が必要なときに必要な養分を吸収する。

(例)りんごの根は地表から20cmくらいまでに吸収根があり、深い所から動き始め、地温が上がるにつれて地表の根の活動も活発になる。そのことから春肥では遅すぎる。雪が振る前に施肥(雪前肥)がポイントで、雪解け水が肥料を地下の根に届くようにする。いつでも好きなときに肥料を吸収するわけではない。

 思いちがい⑤有機だから、収量は低くても仕方がない。

有機栽培で水を切ってチッソを制限することでトマトの糖度アップにつなげようとしている。カルシウム欠乏がおこり、尻ぐされ病となる。水を切ることで、上根が乾燥して痛み、病原菌も進入しやすくなる。アオガレ病が発生する。着果負担による樹勢の低下だけが原因ではない。

『水もチッソも必要量を施して、生育を旺盛にして収量と品質を向上させる。』
と 巷の農業伝説を切りまくる。 

 有機栽培とは何だろう?

●作物の生長と炭水化物

作物の生長とは ①水と二酸化炭素を吸収して、光のエネルギーを利用して炭水化物を合成すること。②つくられた炭水化物を材料とエネルギー源としてつかって、成長し種子をつくること。

炭水化物はセンイをつくり、強固な植物体をつくり、病害虫の被害を受けなくする。また糖度をあげることができる。炭水化物はチッソと結びつき、アミノ酸となり、タンパク質となり、細胞となる。光合成でつくられた炭水化物を根や果実に運ぶ。アミノ酸を生長点まで運びたんぱく質をつくる。そのエネルギーが炭水化物である。炭水化物は植物をつくる材料であり、エネルギー源となる。

植物は『炭水化物をできるだけたくさんつくり、効率的よく使いたい』と考えるだろう。

作物は吸収した硝酸を亜硝酸、そしてアンモニアに変え、これに光合成でできた炭水化物を結合させてアミノ酸をつくる。それが、作物は有機態チッソを吸収していることがわかり、アミノ酸からペプチド、水溶性の大きなタンパク質まで吸収する。

 ●有機栽培のメリット

アミノ酸を直接吸収することで、タンパク質の生産効率が高い。

アミノ酸を直接吸収することで、炭水化物に余剰が生まれる。(光合成からの炭水化物でアミノ酸をつくる作業にプラスされる。)アミノ酸の余剰ができることで、低温や日照不足などの悪条件にも耐えることができる。またおいしいものができる。有機態チッソを吸収することで有機農業のばら色の世界を描く。

実際には実証しなければならないことで、有機態チッソが吸収できることで、万能ではないことは明らかなのである。

有機栽培の堆肥の重要性を語りたいのであるが、炭素を投入することと堆肥を投入することと区別すればいいことだと思う。それをすべて堆肥で説明しようとするから、無理があるんですね。

ただしアミノ酸肥料は必要になっている。

有機栽培は多くは思い込みの技術のなかにあり、科学としての有機栽培が確立されるにはまだ時間がかかるのかもしれない。パチンコで 大当たりしたようにうまく生産物ができた時に、『こうやったから』ということで、それが 技術の中心になってしまうことがある。経験が真実を見えなくする。

農業は 一筋縄でいかないので、どこかで,縁起をかつぐことが 起こってしまう。

それがこの本ではなんとか科学に近づこうと努力しているのが好感が持てる。
#小祝政明

有機栽培(17)

政府も消費者も積極的に推進していない
レジス・アルノー : 『フランス・ジャポン・エコー』編集長、仏フィガロ東京特派員 
2019/09/17 
同じ先進国でも有機食品の普及度合いでは、日本と諸外国の差は大きい
日本でも徐々に「オーガニック(有機)」を謳う商品や、有機野菜などを扱うレストランが増えつつある。が、それとは裏腹に日本の有機農業は伸び悩んでいる。農林水産省によると、有機食品市場規模は、2009年から2017年の間に1300億円から1850億円に成長はしている。
だが、この数字からは、日本が有機農業において世界でどれだけ遅れているのかはわからない。
グローバル・オーガニック・トレード・ガイドによると、有機食品が日本の農産物の売上高に占める割合は1.5%で、アメリカ(5.5%)、フランス(7.7%)、ドイツ(10.4%)と比べるとわずかだ。また、有機市場規模(約5.9億ドル)は世界13位で、1人当たりの有機食品購入額(約4.7ドル)は23位と振るわない。購入額で見ると、アメリカ人は日本人の15倍、フランス人は13倍、スイス人に至っては34倍に上る。
世界では10兆円規模の市場
2017年時点では、日本の有機農業の耕作面積はわずか1万ヘクタール(耕作地の0.2%)(国策として有機農業に力を入れているフランスでは200万ヘクタールが有機農業に使われている)。2017年では、日本で作られるコメのわずか0.1%、野菜の0.35%しか「オーガニック」の認証を受けていない。
一方、世界に目を転じると、有機農業市場は伸び盛りで、世界の有機食品市場規模は2018年に初めて1000億ドル(約10兆6000億円)を超え、今後も各地で成長が期待されている。それにもかかわらず、日本はなぜこの分野で後れを取っているのだろうか。
それには、いくつか理由がある。1つは、政府や行政が有機農業に積極的ではないことだ。ある輸入食品業者は「有機農業に理解がある政治家も農村部の有権者が反旗を翻すことをおそれ、公には有機農業推進の意向を示さない」と話す。
農林水産省も有機農業支援に力を入れているとは言いがたい。それは、有機農業先進国のフランスと比べると明らかだ。フランスは2001年に「アジャンス・ビオ」と呼ぶ官民の有機農業振興団体を設立しており、2019年の予算は800万ドルにも上る。同機関は有機農業に転換したい農家に対する資金援助などを行っている。
→次ページフランスでは有機に転換する農家が続出
こうした中、フランスでは有機農業に転換する農家が増え続けており、アジャンス・ビオの調べによると、2018年には過去最高となる5000軒の農家が有機農業に転換し、有機農家の比率は全体の10%に迫るほどになった。とりわけ農作物における有機農業への転換が進んでおり、同機関の調査によると、昨年の耕作面積は前年比31%も増えている。
ロイター通信によると、同機関のトップ、フェリペ・アンリ氏は記者団に対し、「かつて有機に転換するというのはありえない話だったが、今は普通の話になっている」と話している。
こうした動きに伴って、フランス国内における有機食品の売上高も上昇。アジャンス・ビオの調べでは、2017年時点で売上高は83億ユーロ(約9990億円)と前年比18%拡大。スーパーにおける有機食材の売上高は同22%増えており、中でも野菜や果物など食料品の需要が増えている。フランスでは2020年までに給食で使われる食材の2割を有機にする目標を掲げるなど、今後も有機食材の普及が見込まれる。
「有機JASマーク」の現状
これに比べると、日本は大きく遅れているように見える。そもそも日本はアジャンス・ビオのような振興団体がない以前に、認証システムも複雑だ。
目下、日本では農林水産省が「有機JASマーク」の認定を行っている。だが、取得するには年間10万円かかるほか、取得したところでその価値が重宝されるほど日本では消費者間で有機食品に対する認識が広がっていないこともあり、実際に有機作物を栽培する農家でさえ申請することはほとんどないと見られている。
「正式には日本の農家の0.5%が有機農産物を栽培していることになっているが、実際の数字はおそらく2%前後だろう」と、農業ジャーナリストの山田優氏は話す。
また、JASマークのカバー範囲は狭く、農作物と農産加工食品のみが対象となっており、例えば海産物はその対象に含まれていない。ワインなど酒類についての表示は国税庁が行っており、国税庁の「酒類における有機の表示基準」に基づいて有機承認を行っており、使われている原料(ブドウなど)が有機認定を受けていれば、「有機ワイン」などとなるが、有機JASマークを付けることはない。
全国農業協同組合連合会(全農)も、ある単純な理由で有機農業の促進に後ろ向きだ。フランスの経済省の2018年の農業協同組合(JA)に関する記録によると、「JAは肥料市場の70%を管理しており、日本と同じような農業が行われている韓国での価格より20%から30%高い価格で販売している」。
つまり、有機栽培が活性化すれば、JAの「肥料収入」が下がる可能性があるのだ。中には、茨城JAなど有機農業を支援している協同組合もあるが、全農は今のところ改革のアクセル役というよりは、ブレーキ役になっている。
日本の天候条件が有機農業に向いていないという見方もある。確かに日本の自然条件は有機農業に理想的ではないのは事実だろう。しかし、日本でも何万人もの農家が何十年にもわたって有機農業を成功させてきている。「要はやる気の問題だ」と、山田氏は話す。 
実際、日本には現在、その手本となるすばらしい有機農家がいくつもある。1つは、茨城県土浦市に住む久松達央氏が展開する「久松農園」だ。48歳の久松氏は、日本の農業のホープの1人である。6ヘクタールを保有する久松氏は、この畑で季節に応じてトマトやなす、とうもろこし、キャベツや白菜などさまざまな野菜を有機農法で栽培している。

農業は重労働になりがちだが、久松氏は従業員の労働時間の管理にも力を入れており、週5日、1日8時間しか働いていないと主張している。

現在はネットで販売しているほか、東京や茨城などのレストランに野菜を卸しているが、JASマークは取得していないという。「例えば作物のそばで蚊取り線香をたいたら『有機ラベル』は取得できない。これってばかげているでしょう」と同氏は疑問を呈す。

有機普及しないのは消費者の責任も大きい

兵庫県豊岡市にも有機農法で成果を出している農家がある。明治時代までこの地の水田はシベリアから美しいコウノトリが飛来していたが、農家が田畑に農薬を使うようになり、コウノトリのえさであった生物が沼から消えてからというもの、その姿は見られていなかった。

1970年代、当時市役所職員だった男性がこの地域の多くのコメ農家を何とか説得し、化学物質と農薬を取り除いて有機米を育て、田畑の自然の生態系を再構築。農家による30年の努力の後、2002年8月5日にコウノトリが姿を現し、これにほかのコウノトリも続いた。

それ以降、豊岡のコメ農家は平均的なコメ価格の2倍の価格で、「コウノトリ米」として自分たちのコメを販売してきた。有機農法のコメ耕作面積は0.7ヘクタールから400ヘクタールにまで拡大。コウノトリ米は現在、ニューヨークの高級日本食レストランでも使われるようになっている。

こうしたさまざまな取り組みがされているにもかかわらず、日本でなかなか有機食品の普及が進まない最大の理由は消費者にあるかもしれない。多くの人が「形が整った」農産物が、「よい農産物」だと信じているフシがあるからだ。多くはまっすぐなきゅうりや穴のあいていないレタス、つやのあるリンゴを高く評価している。

消費者が「美しい食品」を求めることもあって、「日本の農家は庭師のように農業をやっている。完璧なトマトや完璧なレタスを求めているのだ。環境に対する明確な考えなど持っていない」と、ヨーロッパの農業担当のある外交官は嘆く。「格安商品」に慣れすぎていることもあって、有機食材の価格に対する抵抗感がある消費者も少なくない。
が、農業が衰退する日本にあって、有機農業は今後成長が期待できる分野の1つだ。実際、フランスでは有機農業が拡大するにつれて同分野が新たな職を生んでいる。確かに日本にとって既存の農業のあり方にメスを入れることは容易ではないだろうが、農家、そして消費者の啓蒙活動を進めることが求められる。

ケイ酸肥料

マインマグの特長
3つの特長
マインマグシリーズの特長・用法
ケイ酸1









・特長1 水に溶けて吸収しやすいケイ酸

肥料に含まれるケイ酸が有効に働くかどうかは、水に対する溶解性の大小によって決まります。
ケイ酸は、通常、ケイ素原子Siと酸素原子Oが、3次元に多数連なった大きな分子になって いますが、水に溶けて作物に吸収されるためには、オルトケイ酸(Si(OH)4)と呼ばれる小さな 分子になることが必要です。
マインマグシリーズは、独自の技術によって、ケイ酸が、土壌中で、小さな分子になるように 加工しているため、水に溶けやすく、ケイ酸が良く効きます。
ケイ酸イメージ更新
マインマグシリーズは、独自の技術によって、ケイ酸が土壌中で小さな分子に分解し易くなるよう加工しているため、水に溶けやすく、ケイ酸が良く効きます。
ケイ酸2







 
【水溶性ケイ酸の比較(水-陽イオン交換樹脂法準拠】
加藤法
【マインマグシリーズのケイ酸】
ケイ酸を含む代表的な肥料である「ケイカル」(弱酸性で溶解)や中性付近での水溶性に定評のある「シリカゲル」等と比較して、「マインマグ」のケイ酸は水に対する溶解性が優れている。
マインマグと同様にケイ酸や苦土を含む肥料でも、殆ど溶解しない資材もある。
ケイ酸4









・特長2 良く効く苦土

マインマグの苦土はく溶性なのに良く効きます。
良く効く苦土の特性1

またマインマグの苦土は雨に強く悪天候に負けません。
良く効く苦土の特性2

・特長3 豊富なミネラル

マインマグシリーズは、水に良く溶けるケイ酸に加え、苦土や作物の生育に必要な多種の微量要素を含んでいます。苦土は、葉緑素を構成する元素で、糖や脂質の生産を向上、リン酸の吸収を促進する働きを持ち、苦土が存在することによってケイ酸の効果も高まると言われています。また、農地土壌の現況はリン酸やカリが過剰に蓄積し、塩基バランスの崩れが指摘されており、苦土の施用を必要とする土壌が増えています。更に、鉄、マンガン、ほう素等の微量要素は、葉緑素の形成に関与し、植物体内の様々な生理機能の向上を担っています。
マインマグシリーズは、これらミネラルの相乗効果によって、光合成の増進と共に植物体内の酵素の働きを活性化し、作物の生育促進と品質向上に役立ちます。
 豊富なミネラル 苦土 ケイ酸 鉄 マンガン ほう素 亜鉛 銅 モリブデン
ケイ酸5









 
【マインマグに含まれるミネラル】
マインマグには、主成分の苦土、ケイ酸の他、作物の生育に必要な多種のミネラルを含んでおり、光合成の増進とともに植物体内の酵素の働きを活性化させ、生育促進と品質向上に有効です。
マインマグの特長

永田農法(7)健菜

※永田農法創始者、永田照喜治氏(故人)

 これが農業研究家・永田照喜治氏(故人)の長年にわたる研究の到達点です。たくさん肥料を与えれば確かに収穫量は上がります。でもそのぶん野菜は弱くなり、おいしさも栄養価も激減してしまうのです。
「では考え方を転換し、収穫量を犠牲にしても水や肥料の投与をぎりぎりまで減らしてみてはどうだろう?」
 このアイデアを出発点に、試行錯誤のすえ導き出されたのが永田農法です。
原生種の記憶を甦らせる
 永田氏が栽培指導する際、最初に説明するのは「野菜の原生地の環境に、栽培条件を合わせる」ということです。日本にある野菜のほとんどは、海外から渡ってきたものです。それらは日本の環境に合わせ品種改良を重ねる中で、野菜本来のおいしさや栄養価を少しずつ失っていました。
 これはつまり、日本の環境に無理やり適応させられてきたようなもの。そこで永田氏は「野菜も故郷を恋しがっている」という発想のもと、野菜の原生地の環境を再現する農法を考案しました。
※野菜の栽培条件を原生地の環境に合わせる
※キャベツの原生種「ブラシカルペストリス」
 たとえばジャガイモやトマトの原生地は南米ペルーの山岳地帯、キャベツは地中海沿岸の岩壁など、荒涼とした土地ばかりです。だから、あえて痩せた土地を選び、水や肥料を切り詰めた極限の状態で栽培すると、野菜は太古の記憶をよみがえらせて生き生きと成長し、ビタミンやミネラルが倍増して驚くほどおいしくなります。肥沃な土壌で育てる有機農法とは真逆の発想ですね。
ふつうの野菜とは「根」が違う
※ひび割れるほど乾燥したトマト畑
 永田農法の秘訣は、理想的な「根」を作ることにあります。
たとえばトマトの根。永田農法のトマト畑には、細く白い毛細根が密集して広がっています、まるで根の絨毯を敷き詰めたよう、という表現もオーバーではありません。永田さんの言葉を借りると、これは「うまい根」です。
 「うまい根」は地中の微量要素(ミネラルなど)をぐいぐい集めます。その吸収率は通常の根の数十倍。そのため生産者は地中に隠れた「根」の状態に細心の注意を払うのです。
 不思議なことに、水や肥料を十分に与えると「うまい根」は消え、窒素成分を吸収する「直根」が成長します。直根は野菜を早く、大きくしてくれますが、それでは味がなく、栄養価も高まりません。努力せず養分を吸収する「怠け者の根」というわけです。
 水や肥料を極限まで減らすことで、少ない養分を必死に吸収しようとする。働き者の「根」を育てることが、永田農法の基本であり、極意なのです。
※細く白い根が密集しています

安全は健菜の基本
「安全でおいしい。だから、からだにもよい」
 これは食べ物の基本です。しかし、昨今はその大切な基本が忘れられているのではないでしょうか。
 野菜の場合、残留農薬の問題はもちろんのこと、安全なはずの有機野菜でも、素性の悪い有機肥料の与え過ぎで、硝酸態窒素など発がん性が指摘される、有害成分の生成が懸念されています。この成分はアクやエグミのもとであり、野菜本来のおいしさも大きく損なわれてしまいます。
※サラダで食べてほしいほうれん草
永田農法では、肥料は有機・無機問わず極限まで減らして、水さえも必要最低限しか与えません。少ない養分を、野菜が自らの意思と力で吸収するように促すのです。だから健康に育ち、有害成分の生成も抑えられます。
たとえば永田農法野菜の葉を見ると、緑色が薄いことに気が付きます。これは硝酸態窒素が少なく、野菜が健康に育っている証拠。緑色が濃いと野菜が元気だというのは誤解です。葉の緑は薄い方がいいのです。
※野菜の葉は薄緑色がよい
※からだによいものは、おいしい
 永田農法で栽培された野菜は有害成分が一般の半分以下まで激減する一方で、ビタミンやミネラルなど栄養価は倍増します。たとえば、ふつうは赤ちゃんが吐き出してしまうにんじんも、永田農法のにんじんならポリポリと食べてくれます。
「人の味覚には、自分のからだによいものを『おいしい』と感じる本能がある」
 この永田さんの言葉が、永田農法の大前提になっています。
「永田農法」が有名になるにつれ、実践農家も増えてきましたが、健菜倶楽部の専属農園は全国に約200軒を数える程度です。「おいしい野菜をつくりたい」という気持ちがあっても、「作物の適地」ではない場合や、技術が伴っていないと、本当のおいしさは実現できないからです。
 また健菜の生産者には共通の約束ごとがあります。それは「効率を追わない」ということ。短期間で収量をあげようとすれば、どうしても安全やおいしさが犠牲になります。手間を惜しまず、ゆっくり時間をかけて、本当においしい野菜を育てる。農業のプロ集団、それが健菜の専属農家です。

●永田農法の土
トマトの原産地はアンデス高地の乾燥地帯。
永田農法ではこの生まれ故郷の環境に合わせてやるため30cmの高畝にし、排水性を高めてトマトを育てます。土に関しては長年上手く野菜を育ててきた畑ならそのままで大丈夫ですが、貸し農園で新たに畑を借りた場合などは新たに土を買ってきて混ぜ込むとベストです。
永田農法でよく使われるのは日向土です。
ひゅうが土
日向土は軽石の仲間で、通気性・排水性に優れ、保水性・保肥性に劣るという特徴があります。
永田農法では水と肥料をコントロールしやすくするため、あえて痩せた土のほうが使い勝手が良いです。具体的には畝の下の方に日向土の中粒を、上の方に細粒を混ぜ込みます。
目安は土全体の20%ほどです。
ただ、日向土は決して安くないということは明記しておきます・・・
●畝立て
家庭菜園歴が長ければ畝立てはもう慣れたものかもしれませんが、30cmの高畝となるとなかなか思い通りに作れないかもしれません。
きちんと作るには紐を張った方が良いでしょう。
支柱などに紐を結びつけ、それを畝の左右の端から端まで張ってその中に土を盛っていくという具合。
この時、紐を張る高さを畝の高さの30cmにしておくと分かりやすいです。
なお、30cmの高畝にすると実際に作付けする上部分の面積と、下部分の面積の差が大きくなります。
畝幅70cmでしたら紐を張る間隔(下部分)は90cm程度にしておくと良いでしょう。
以下が永田農法で使う高畝の例です。
永田農法で使う高畝
●マルチ
肥料(以下で紹介)を与えた後はマルチを張ります。
夏場は地温抑制効果のある白黒マルチがベストですが、黒マルチでもシルバーマルチでも構いません。
また、もみ殻くん炭を畝の表面全体に撒いても保温効果や雑草抑制効果があります。
永田農法でトマトを育てるための肥料
永田農法は使用する肥料にも特徴があります。
種類は以下の2つ。
●ケイ酸カルシウム
ケイ酸カルシウムは主に酸度調整に使われますが、ケイ酸とカルシウム(石灰)の他、マグネシウムや鉄、ホウ素などの微量要素も含んでいるのが特徴です。
植え付けの1週間前に畝の表面がうっすらと白くなる程度に全体に散布し、レーキなどですき込みます。
ケイカル散布
なお、このケイカルは必須ではないので、手に入らない場合は有機石灰や苦土石灰などで代用できます。
●液体肥料 住友液肥2号
液体肥料は窒素・リン酸・カリのみが含まれた化学肥料を使います。
有機質肥料は使いません。
有機質肥料は長期間土の中に残留するため肥料を切りたい時に切れないというのと、有機物が分解される過程で発生するメタンガスが根を痛めるというのが使わない理由です。
永田農法のトマト栽培で推奨されている液肥は住友液肥2号(実もの用)。
N:P:K=10:5:8という配合割合です。
これと同程度の割合なら他の液肥を使っても構わないでしょう。
植え付けの1週間前になったら1畳あたり10Lを全体に散布します。
1畳というのはだいたい1.6平米くらいです。
希釈倍率は住友液肥2号なら600倍。
元肥と言えるものはこれだけです。

永田農法のトマト苗の植え方
永田農法ではトマトの品種は特にこだわりません。
一般に売られているものなら何でも良いですが、やはり育てやすいのはミニや中玉です。
●苗の土を洗い流す
苗の植え方も変わっています。
普通はポットから苗を引き抜いて根鉢を崩さないように植えますが、永田農法ではまず苗の土を全て洗い流してしまいます。

 育苗段階で与えられた余分な肥料を洗い流す目的と、ポットの土と畑の土の境目が根の生長を妨げること、また根巻きをほぐすこと、土の性質が異なると障害を起こす場合があるというのが理由です。
液肥(住友液肥なら600倍に薄めたもの)をバケツに入れて洗い流して下さい。
土を洗う
丁寧に根をほぐすようにして土を洗い流します。
●根を切る
そして次も変わっているのですが、根を5cmくらいの長さにハサミで切ってしまいます。
切ることで新しい細かい根が生え水分や養分を吸収しやすくなるのと、古い余分な根は生育の妨げになるからです。
永田農法は根を切る
トマトの根を切る
なお、切ってから植え付けまでに少し時間がかかる場合、新聞紙で根の部分を挟んで水をかけておくと良いでしょう。
●植え付け
ここまで出来たらようやく植え付けです。
マルチに穴を開けたら植え穴を5cmほど掘り、その中心に高さ3cmの小さな山を作ります。
この小山全体に根をまんべんなく広げ、土を被せます。
永田農法の植え付け
●肥料
植え付けたら600倍に薄めた肥料を1株あたり500ml与えます。
●苗の保護
風対策のために仮支柱を立て、苗を誘引します。
永田農法 仮支柱
またトンネル支柱も立て、その上から遮光のためのネット(黒の寒冷紗など)をかけておくとなおよいです。
根を切った苗は乾燥にとても弱いため、直射日光を1週間程度遮っておきましょう。
永田農法 遮光ネット
その後の管理方法
●追肥
植え付け後は1週間に1度、600倍に薄めた液肥を1株あたり500ml与えます。
ただこれはもちろん目安であり、極度に乾燥している場合は適宜水を与え、葉が立っていたり葉の色が薄いなど肥料切れのサインが出ていたらその限りではありません。
このあたりは経験を積んで臨機応変に対応するしかないと思います。
●雨よけ
トマトの雨よけ
ご存知かとは思いますが甘いトマトを作るには水分を切ることが必須。
雨よけを設置します。
ホームセンター等でもトマト用の雨よけセットが売っているのでそれを購入すると良いでしょう。
雨よけについての詳細は以下の記事をご覧ください。
トマトに雨よけをする理由と作り方!台風対策についても紹介
トマトの雨よけついて解説します。まずは雨を遮るとどんな効果があるのかを説明し、続いて作り方とセット商品について紹介。最後に台風(強風)対策まで見ていきます。トマトの雨よけには様々なメリットがあるので、余裕があれば設置してみましょう。
●誘引
株が大きくなってきたら本支柱を立てるか、もしくは雨よけのパイプから紐を吊るしてそこへ誘引して育てる方法もあります。
後者の場合、株が天井まで達したら紐を斜めに伸ばして収穫を伸ばすことができます。
●遮光
トマトは乾燥を好みますが、暑さには弱いです。
最近の日本は特に暑いため、真夏の日中は雨よけの上から遮光ネットをかけて直射日光を遮ってやりましょう。

終わりに
永田農法のトマト栽培について見てきました。
かなり特徴がある栽培方法ですよね。
肥料はケイ酸カルシウムと液体肥料のみを使うところとか、苗の土を洗い流して根を切るところとか、本当にそれで大丈夫なのかと疑いたくもなります。
私は今年、トマト栽培に関して実験をしてみることにしました。
この永田農法と、雨よけした通常の栽培方法、それから雨よけをしない通常の栽培方法と、すべて同じ品種を同じ数だけ育て、トマトの味にどんな違いが出るのかの実験です。
永田農法のトマトが美味しいと実感できれば、他の野菜も永田農法メインで育ててみようと思っています。
今から結果が楽しみです。

2008-04-09
永田農法というノウハウを
共有できるものに
第1条:できるだけ痩せた土が良い
第2条:ケイ酸カルシウムをまく
第3条:液体肥料をつかいます。その1
第3条:液体肥料をつかいます。その2
第4条:苗や種は特別な品種じゃありません
第5条:苗の根を洗います
第6条:苗の根を切ります
第7条:液体肥料は1週間に1度あげる
第8条:環境への負荷が少ない農法です
第9条:プランター栽培は手間もかかります
第10条:永田農法は
次々とおいしい野菜がつくれます
あまり手間をかけたくない人は、何をつくればいい?
ここだけは押さえておきたいトマトづくりのポイント
スパルタしすぎちゃダメですよ
農薬も基準を守れば安心です

永田農法(6)

~トマトの甘さ~
 今回のテーマとなる物は、私たちが普段 口にしている「トマト」です。
永田農法1










輪切りにした写真。左・緑健トマト、右・一般トマト。

 左のトマトがマンガ『美味しんぼ⑦巻』で紹介されている「緑健農法(永田農法)で栽培された石山さんのトマトだ。※注」
 以前より興味を抱いていた緑健トマト。美味しんぼのテレビ再放送をキッカケに通信販売を探してみた。 見た目では明らかな違いがあるが、これは品種の違いであり、栽培の仕方の違いによる物である事を注意してもらいたい。しかし残念ながら、今回使用した一般のトマトには、品種の表記が無く品種は不明のままである。そして、緑健農法トマトとして今回紹介しているトマトの品種は「ファーストトマト」という品種で、さわやかな酸味が特徴のトマトで、 現在よく目にする甘みを前面に押し出した桃太郎やフルーツトマトと違う点にも注目してもらおう。
 今回購入したトマトは、糖度が11度だったらしく(通常のトマトが3~4度、甘めのトマトが5~6度、フルーツトマトでも7~9度)、すいかやメロン並みの甘さがあり、更にはビタミンCが一般のトマトの30倍もあるそうだ。
 栽培には時間が通常のトマトの倍ほどかかり、そちらの面でコストが掛かるらしい。
 今回は、こだわりの果物屋 紅光 より 小箱 2500円(9個入)を購入。緑健農法については、こちらのHPにも詳しく紹介されている。
 両方を輪切りにしたところ。
 驚いたことに、緑健農法トマトではタネの部分が明らかに少なく、実がギッシリ詰まっている。
 緑健農法とは、原産地の気候や風土に合わせた環境を再現して野菜を育てる農法で、トマトの場合はアンデスの 雨が少なく、小石混じりの土などを再現し、雨が当たらないようにビニールハウスの中で栽培する。
緑健農法トマト
 よく見ると、表面にはホコリのような物が窺える。これは極力水分を押さえて栽培しているので、トマトが自ら ウブ毛を生やしてそこから大気の水分を吸収するらしい。これは茎や葉でも同じ事が言え、ウブ毛を生やし茎に止まった虫なども栄養にしてしまうとの事。
<<<追加情報>>>
 今回の特集の編集中に、あの衣類を販売している「ユニクロ」が緑健農法で栽培した野菜を販売する店舗「SKIP」を「松屋銀座」オープンさせた。
もともとは通信販売を展開していたが、直接販売も開始された。私も通販を選ぶ時点でこちらのお店も候補には上がったのだが、紅光は美味しんぼでも紹介された石山さんとの取引があったので迷わずこちらを選択。
試食と感想
 まず、匂いをかいでみた。美味しんぼではリンゴのような香りと紹介されていたが、私にはその様な香りとは思えなかった。しかしトマト独特の 青匂いとは多少違った印象で、独特の青匂さが多少抑えられて、フルーツの甘みを感させるような香りが漂った。
 そして、トマトを一口食べてみると、皮は硬く、実も多少硬い感じだった。正直あまり甘みを感じず騙されたという印象だった。
 しかし、それはファーストトマトの特徴の酸味のようで、確かに口の中には甘みが漂っている。でもそれはトマトの酸味にかき消され、第一印象になってしまったようなのだ。
 そこで、水分の多い種の箇所だけを口の中に入れてみると、ツンとした酸味でトマト独特の酸味があった。そして次に、水分の少ない実の部分を口の中に入れてみ た。すると、予想をはるかに超える甘みが口の中いっぱいに広がった。今まで食べたトマトからは想像できない甘さだった。 その甘さは強烈で、甘ったるいとまで感じさせる味なのだが、その中にトマトの酸味が混じりあい、やはりトマトの味に変わる。
 それにしても、この甘さは何だったのだろうか……。

永田農法(5)

永田照喜治(ながた てるきち、1926年 - 2016年9月1日[1])は、永田農法の創始者。株式会社永田農業研究所代表取締役、株式会社健菜代表取締役会長。株式会社りょくけん代表取締役会長。熊本県天草出身、神戸高等商業学校(現・神戸大学)卒業。
著書
永田農法 おいしさの育て方
食は土にあり―永田農法の原点
美味しさの力―生命あふれる奇跡の食材
永田農法「極上トマト」をベランダで作る
原産地を再現する緑健農法

永田農法
永田農法(ながたのうほう)とは、永田照喜治(1926年 - 2016年 )が創始した農法である。必要最小限の水と肥料で作物を育てることが特色であり[1]、「断食農法」、「スパルタ農法」、「緑健農法」、「ルーツ農法」など様々な呼び名がある。代表的な例としては、衣料品店ユニクロなどを展開するファーストリテイリングの子会社エフアール・フーズがかつてこの農法による農作物を販売していた。 
歴史
永田照喜治は神戸大学経済学部卒業後故郷の天草に戻り、家業の農業に従事。ミカン栽培の経験から、痩せた土で栽培したほうがおいしい作物が取れると考えた。その後、「砂栽培」(砂に液肥を与える栽培法)に触発されて野菜の原産地に近い環境を再現しようと試みる。その後、雑誌に掲載された原産地の野菜の写真を見て自らの考えの正しさを確信した。現在では、日本国内のほかに台湾、中国、フランスなどで導入されている。
方法
ジャガイモ、トマト、ホウレンソウなどの多くの野菜はもともと高原原産であるので高温多湿である日本の気候には本来向かない。そのため、基本的にはビニールハウス内でマルチシートを張って雨風を避け、石交じりの土で作物を乾燥気味に栽培する。肥料および水は、必要最低限の液肥を、葉がしおれた頃合を見て与えるのみである。作物を常に飢餓状態に追い込むことによって、植物が本来持っている力を最大限に引き出せると永田は考えた。その結果、できた作物は通常販売されている野菜よりもはるかに多くの栄養を持つこと、そして野菜特有のアクが少なくなることなどが実証されている[要出典]。また、土中の有機物が少ないので病害虫の被害も少ない[要出典]。
ここで用いる液肥は化学肥料である点が、有機農法とは一線を画している点である(永田は、堆肥の乱用には批判的で ある。もっとも、永田農法で用いる液肥と同程度の成分になるように有機肥料のみを用いれば、さらに同農法は改良されうるであろうという意見もある[誰?])。
トマトや玉ネギ等の野菜栽培で有名な永田農法であるが[要出典]、応用例として、すでに米作への導入が行われている。新潟県中頸城郡吉川町(現上越市吉川区)では、80年代から食米のコシヒカリ、酒米の「五百万石」「山田錦」の永田農法での栽培をスタートさせ、コシヒカリでは魚沼と並ぶ食味を実現させ[要出典]、酒米では糖度が高く[要出典]、雑味の原因となるタンパク質の量が低く[要出典]、心白の大きさや硬度が醸造に最適な品質なものを生産・供給している[要出典]。酒米は新潟県内の複数の有名蔵元に出荷されている他、地元の蔵元「よしかわ杜氏の郷」は「地元産永田農法酒米100%の日本酒」を生産している。
問題点
永田農法では液肥を常に作物が枯れる手前で与える。その頃合が難しく、またハウスやマルチなどの設備が必要となり、商業単位では費用がかさんで野菜の値段が高くなることが問題となる。このため、永田は家庭での栽培のほうを推薦している[要出典]。
ユニクロを展開するファーストリテイリングは、2002年に永田の生産指導のもとで農業に参入したが、黒字化の見通しが立たず販売開始からわずか1年半で撤退を表明している。原因は野菜の販売価格が高かったことと、売れ残りが多かったことだと指摘されている。[2]
[脚注の使い方]
^ 山田玲司『非属の才能』2007年 光文社新書 84頁。
^ 農業が日本を救う 財部誠一 PHP研究所 P86 

トマトが赤くなり、毎日もいで食べています。
永田農法のトマトは、味が濃く、強い香り、そして、甘い、
昔のトマトそのものの味がします。
切ってみると、空洞がなく、実がビッシリとつまって重たい。
水に入れると、ふつうのトマトは浮くが、永田農法トマトは底に沈みます。
栄養的にも、ビタミンCやカルシウムは普通のトマトの数倍
、糖度も2~3倍あると云われる。
できるだけ、痩せた土地で、最低限の水と肥料だけで育てれば
、植物が本来持っている「生命力」が引き出され、味も栄養価も
高くなるというのが永田農法の考えです。
トマトは乾燥しているアンデス地方の原産ですので、雨に弱い。
日本の梅雨期に疫病にかかるので、「雨よけ」が必須です。
今年、4株を覆う小型のビニールテントを2張り設置したのが効果的
で、病気にかからず、順調に育ちました。  
 

永田農法(4)蘇るおいしい野菜

「蘇るおいしい野菜」 飯田辰彦(著)
【レビュー】
今話題の永田農法について、書かれている。
ライターに少なくとも、もう少し、
農業の知識が欲しいが、しかし、
素人がこうやって驚くことに意味があるのかもしれない。

中途半端な有機農法は、環境汚染につながる。
魚粉のはいった餌が、問題だった?
最小限の肥料によって、生育させる。
育苗は、いじめてつくる。

おいしい野菜とは、どうやってできるのか?

【レビュー ブグログ】記;2013年2月12日
話題の永田農法について、書かれている。
ライターに少なくとも、もう少し、農業の知識が欲しいが、
しかし、農業の素人がこうやって単純に驚くことに意味があるのかもしれない。

永田農法は、ユニクロが提携し、そして撤退した。
その原因はなにか、という現代的テーマでもある。
柳井会長に、実際のことを聞きたいものだ。
今後の農業の発展のために。

永田喜代治さんは、農家の中で有名よりも、
企業の中で有名な農家であるに違いない。

おいしい野菜とは、どうやってできるのか?

原産地ににた条件をつくり
育苗は、いじめてつくり、
最小限の肥料で、つくる。結果として糖度の高いものができる。

比重がおもく、そして甘いトマト、それは、人々を驚愕させる。
トマトは、1本の木から1万個以上の実をつけて驚かしたり、
あまりにも甘くて、驚かせたりするスターである。

永田農法は、2個から3個を500円で販売するなど、
高いトマトでも有名である。

トマトは、オランダでは、1ヘクタール100トンもとる。
日本では、1ヘクタール60トンをとれる作物になってきている。
きわめて多収穫だ。

ところが、完熟トマトにすると急激に、収量が落ちていく。
つまり、完熟にする時がつかれるのだ。

永田農法での農業生産のポイントは、収量があまり望めない。
だから高くせざるをえないのだ。
つまり、経営的にかなり厳しい農産物、芸術品をつくっている。
その芸術品を認めてくれることが大切だが。
 
農家は、生産するチカラが1流でも、販売するチカラが、2~3流であるので、毛頭ブランド化できない。
ブランド化にするには、ブランド化を促進する人々がいるのだ。
そういう意味では、永田農法は、企業間やマスコミのチカラで、ブランド化できた。
このような本が出ることが、ブランド化の一歩なのだろう。

1ヘクタール 100トンを収穫できて、永田農法で作ったトマトができれば、それは、トマト温室は、宝の山となるだろう。

確かに、原産地ににた条件にすればいいことはよくわかる。
しかし、原産地のトマトから、いまのトマトまで、
どれだけ育種されてきたのだろうか?

確かに、トマトのDNAは、そう簡単にはかわらない。
しかし、いまのトマトの育種の選抜条件は、
ハウスで行われ、肥料のおおい環境でつくられている。
つまり、トマト自体が進化しているのだ。
それをいじめてつくれば、やはり問題も起こってくるだろう。

原産地ばかりにとらわれる栽培条件は、いまの農業は、危険なのだ。
なぜ、永田農法が、高いトマトで普及をするが、安くなれない。
原因は、どこにあるのか・・その事を考えるだけでも、おもしろい。

ちょっと、書評ではなく、永田農法への考察になってしまった。 

#ブックカバーチャレンジ
「蘇るおいしい野菜」 飯田辰彦(著)
永田照喜治(1926年 - 2016年 )が創始した永田農法。必要最小限の水と肥料で作物を育てる。「断食農法」、「スパルタ農法」、「緑健農法」と言われる。永田喜代治さんは、農家の中で有名よりも、
企業の中で有名な農家であるに違いない。永田農法で作ったトマトは、水に沈むというのが印象に残った。どうやって、水に沈むトマトを作るかということを考えたが、難しくない。水の比重より重いトマトを作ればいいのだ。そのためには、収穫前に水を絞ればいい。
永田農法は、原産地に似た条件をつくり育苗は、いじめてつくり、最小限の肥料で、つくる。結果として糖度の高いものができる。比重がおもく、そして甘いトマト、それは、人々を驚愕させる。トマトは、1本の木から1万個以上の実をつけて驚かしたりするスターである。
永田農法は、2個から3個を500円で販売するなど、高いトマトでも有名である。 永田農法での農業生産のポイントは、収量があまり望めない。だから高くせざるをえないのだ。つまり、経営的にかなり厳しい農産物、芸術品をつくっている。
ユニクロが農業に進出した時に手を組んだのは、驚いた。そして、まもなく撤退した。そりゃ、哲学が違いすぎる。ユニクロは、あくまでも効率を追求し、永田農法は、効率を求めていない。どう美味しい野菜を作るのかを極めているのだ。それを量産することはできない。 
確かに、原産地の南米ペルーのアンデス高地にた雨の少ない乾燥条件にすればいいことはよくわかる。砂や石ころが一杯の栽培条件にする。ただし、化学肥料の液肥を与えることが有機農法と違う。しかし、原産地のトマトから、今のトマトまで、どれだけ育種されてきたのだろうか?
トマトのDNAは、そう簡単にはかわらない。しかし、いまのトマトの育種の選抜条件は、日本という湿潤な気候の中でハウスで行われ、肥料の多い環境でつくられている。つまり、トマト自体が温室慣れして、進化しているのだ。原産地ばかりにとらわれる栽培条件の設定は、いまの農業ではリスクが伴う。それをいじめてつくれば、やはり問題も起こってくるだろう。トマトの品種を選ぶ必要がある。トマトは、8000種以上の品種があり、日本では200種ほど栽培されているという。永田農法に会う品種の選定が必要だ。しかし、それが消費者の望む品種とはいえないと思う。
永田農法と言われているトマトは確かに濃密でずっしりしている。しかし、予想外に味があっさりしているのだ。通常のアクのあるトマトとは違うのだが。なんとなく、そのあっさりさというのが、この栽培の特徴かもしれない。農業は、個人芸であるとつくづく思う。
 

硝酸態窒素(2)

硝酸態窒素 未消化窒素
天気が悪く、ブドウ糖の生産量が少なく、バランス的に肥料 (窒素成分)が多くなった場合は、農作物の中に消化されなかった窒素成分(硝酸態窒素)が残ってしまいます。この未消化窒素が問題の 硝酸態窒素などで病害虫発生の原因となります。
このような硝酸値の高い野菜はまずく・にがく・糖尿病や成人病を 引き起こす原因で危険な食べ物となってしまいます。
安全・安心・おいしい有機農業は ブドウ糖>窒素が絶対条件となります。
ブドウ糖>窒素を作るためには肥料(窒素)としてはアミノ酸の吸収を図り、ブドウ糖を蓄えることが大切となります。肥料の質が問われます。

窒素循環と窒素同化作用
① 窒素(N)は土壌中では微生物による消化作用と植物体内では酵素による還元作用により変化して循環します。一般に野菜は硝酸体窒素(NOx-N)を好んで吸収しますが、アンモニア態窒素(NHA-N)も同時に吸収します。根から吸収されたアンモニアはほとんどが根でアミノ酸に変化しますが硝酸は大部分が硝酸のまま地上部に移行し、主として緑葉で還元されてアミノ酸に変化します。
窒素同化作用とは光合成産物のグルコースがアンモニウムイオン(HN*)と結合し、酵素の作用でアミノ酸を作ることを言います。アミノ酸がいくつも繋がりたんぱく質が作られるときにもグルコースを必要とします。エネルギー源としてのグルコースは窒素同化作用で消耗することになります。
③ アミノ酸はたんぱく質や酵素、核酸など植物の生命活動を支える重要な物質の原料となり、植物は成長します。栄養生長期にはリン酸肥効と窒素効果により窒素化合物(たんぱく質)の蓄積が主となり生殖生長期には炭水化物代謝により糖、デンプンの蓄積が重要になります。グルコースの有効利用が大切です。
④ 営利栽培では十分な窒素源が投与されています。しかし、グルコースは光合成の産物なので、日照不足や生育ステージなどによりその生産が過小になるとたちまち作物は未消化窒素(=硝酸体窒素)過多のなり、徒長しやすくなります。過剰窒素→軟弱体植物→病害虫の発生要因→農薬の大量施用、この悪循環が現実です。有機農業といえども状況は同じです。
⑤ 上記は慣行の栽培技術です。作物の生命力を高めるということは、根圏の微生物活動を活性化して、作物が養分を選択的に吸収する能力を高めることをいいます。徒長は窒素過多を意味し、すでに正常な細胞ではありません。作物の品質とは正常な細胞で出来た植物であるかどうかを吟味すべきです。作物が正常な細胞を形成するにはカルシウムが重要な機能を果たしており、全生育期間にわたって常に供給されることが必要です。カルシウム優先の栽培管理は、根量を増大し、養分吸収能力の向上し、他の養分移行にも生理的にも重要な機能を果たします。


 

日本の野菜(4)

日本の野菜 大久保増太郎(著)

#ブックカバーチャレンジ
『日本の野菜』大久保増太郎(著)
 雲南省から、日本に戻ってきて、驚いたのは野菜の痛み方が早く、激しいのだ。ニンジンなどは、3日もしないうちに黒ずんでくる。収穫されてから、病気にならなくてもいいのにと思うほど。日本の野菜の鮮度保持技術は、進んでいるのにもかかわらず、中国の野菜よりもひどい。
 
 結局は、硝酸態窒素が多すぎるのであろう。窒素肥料過多なのだ。野菜のホンモノは、どうやって見分けるのだろうか?果実ならば甘みや酸味のバランスがあって、美味しいものは食べた瞬間にわかる。しかし、野菜の美味しさとは、なんだろうか。

 私は、葉野菜があまり好きではなかったので、大盛りのキャベツにトンカツが乗っていると、なんで飾りをこんなにつけているのかと驚いてしまう。さらに、キャベツおかわりできますなんぞ書いてあって、飾りにおかわりいるのか?と思ったりしていた。

 流石に、日本の食品産業は頭が良くて、葉野菜は美味しくないでしょ、ドレッシングやマヨネーズをつければ美味しいですよと言って、ごまかされている。つまり、ドレッシングがメインで、野菜は付け足しなのだ。ドレッシングが美味しいの主役となる。葉物野菜を食べるのは、食物繊維で健康にいいとかと言ってアタマで食べさせているのである。しかし、最近は、野菜も機能性と言われてきて、食物繊維だけでなく、抗酸化力の重要性なども言われるようになってきて、カルフルな彩のアンチエイジング野菜も登場する。

『日本の野菜』の著者は、野菜のメッカ 千葉県の農業試験場で、野菜の冷蔵や保存など流通技術の研究をなされてきた。野菜のルーツがきちんとかかれ、そして野菜を美味しく食べるために、生産地から食卓に届くまでにどのように管理するのかがよく書かれている。残念ながら、栽培において美味しく作れないところまでは踏み込んでいない。

 キャベツの先祖は、青汁で有名なケールで、そこから結球性のものが生まれた。カリフラワー、ブロッコリ、コールラビなどは、キャベツの兄弟である。うーん。まぁ。キャベツはお好み焼きで食べるとして、ほかは全部嫌いだ。そういえば、ザーサイもキャベツの仲間だ。キャベツの仲間は、江戸時代にオランダから、長崎にやってきたようだ。不思議なことに、江戸の人たちは、キャベツの仲間を野菜とせずに、正月に飾る観賞用の葉ボタンにしたのだから、その野菜の扱い方が江戸流なのだ。
銀座の煉瓦亭が、肉食を取り入れて、ポークカツレツに千切りキャベツをつけたことで、キャベツの普及が横浜周辺で作られたという。それまでの江戸時代の野菜の食べ方は、ほとんどが煮物であって、大根おろしや薬味でしか野菜は生で食べなかった。サラダというのが登場するのも、ポークカツレツの飾りのキャベツが、サラダに発展する。

 ところで、野菜を保存し流通させるには、野菜の収穫後の呼吸をどうみるかということだった。①収穫直後に呼吸が最大になるのが、キャベツやホウレンソウ、小松菜。②収穫後呼吸は低く、時間が経つと徐々に呼吸量が増えるものが、イチゴ ③収穫後呼吸量は低く、ある時点に呼吸量が急速に上昇し、そして落ちていくものが、トマト・リンゴ・バナナ。そのため、呼吸量を抑えるために低温で管理するという技術が開発され、鮮度保持ができた。しかし、ピーマン、ナス、キューリは、低温5℃では低温障害を受けるので、10℃で管理する。

 サツマイモは秋に収穫されたものを翌年までうまく貯蔵することが必要。それのためにキュアリング貯蔵技術というものが開発された。これは30℃の温度で湿度を95%以上にし120時間保持することで黒斑病の病原菌を抑え表面のコルク層を形成させて保存性を高めた。この技術の開発で長期貯蔵が可能となったそうです。ここの保存技術がさらに開発されて、美味しい焼き芋がドン・キホーテで売られるようになった。
 
 この本で知ったのだが、青菜では ホウレンソウが栄養価など優れていると思い込んでいたことで、
コマツナがあくも少なく、カルシウムなどが多くどちらかといえば コマツナのほうが優れているのである。結局は ポパイと ホウレンソウ つながりで、ホウレンソウのほうが 健康にいいと思い込んでいた。さすがにポパイにコマツナ食べさせるのはないかもと思った。この本を読みながら、鮮度保持技術が おいしい野菜を 演出する可能性がたくさんあることを知った。
そういう技術も含めて、野菜が美味しいと言えるものを作っていくのは大切だね。 
 #大久保増太郎

日本の野菜(3)

On 1999-11-01, in キャベツ, 野菜の話, by yoshino
  キャベツの起源は、紀元前六世紀に地中海に侵入したケルト人が地中海沿岸に自生していた野生種を栽培化したもので、非結球のケールだったとみられる。
  例の「まずい!」で有名な青汁に使われるやつである。
その後、栽培が進められるなかで、葉っぱの数も大きさも大きくなり、結球キャベツもできあがったそうな。
ブロッコリ、カリフラワーなどもキャベツの仲間である。
昔はキャベツのことを「甘藍(かんらん)」と呼んだが、カリフラワーは「花甘藍(はなかんらん)」だった。
  しかし、それとは別に「キャベツ」「カリフラワー」という呼称もちゃんと使っていたわけで、幼い子どもにとっては混乱のモトだった。カリフラワーについてはさらに「ハナヤサイ」という呼び方まであった。
  夕食の支度をしている婆さんに、
  「裏の畑からカンラン採ってこい」
と言われて包丁を渡されるのだが、畑に立ってよくわからない。
  「これはキャベツで、これはハナカンラン、『カンラン』が一緒だから、こっちだな!」
ということで花甘藍を採っていくと、
  「あほ!これは、カリフラワーじゃないか、キャベツだ!」
と怒られた。
  「カンランっていったじゃないか、カリフラワーってなんだ?」
  カリフラワーを食べると、いまだに幼い頃の混乱を思い出す。あんな環境でよく素直な少年に育ったものだ。ところで、カリフラワーだが、食えばうまいのだが、最近の健康ブームとやらでブロッコリに押されているらしい。
  キャベツの仲間といえば、他に、コールラビというカブみたいなのがある。あれはキャベツのいわゆる「芯」だけが肥大したヤツだ。
  キャベツは地中海沿岸が原産だと書いたが、いわゆるキャベツの「結球キャベツ」はヨーロッパに伝搬していく過程でああなったそうだ。一方、地中海東部沿岸の野生種からブロッコリとかカリフラワーができて、地中海北岸で生じたのがコールラビというわけだ(確かではないらしいけど)。
  「キャベツの『芯』好き」というのが確かにいるわけで、そんな偏執的(えきせんとりっく)な人が編み出した新品種だと思っていたら結構古い品種らしい。
  あと、芽キャベツなんかもある。これがキャベツの仲間では最も新しいんだそうだ。それでも、17世紀にはすでに記録に出ているそうで、これだけ世界中に普及しているキャベツだけど、歴史もそれなりにあるわけだ。
   芽キャベツといえば、数年前、イギリスのとある地方で芽キャベツの大規模経営を調査したことがある。
  この「とある地方」というのは「ボストン」のことで、米国のボストンと混乱するが、こっちが先なのだそうだ。ということはヨークがニューヨークになったのだから、米国のボストンは「ニューボストン」というべきじゃなかったのか???
  ここは干拓地で、干拓の時にオランダの技術支援を受けたとやらで、建物などにオランダの影響がある。イギリスのど真ん中にオランダの水車なんかが回っているのを見たらなんか???という感じになるぞ。
  ここでは100ha規模の芽キャベツ農家がわずか数戸で農協をつくり、量販店対応のマーケティングをやっている。どちらかというと販売部門のアウトソーシングという感じだ。案内してくれたのはElgro農協のGhoなんとかさん。ややこしいので「エログロ農協の傲慢さん」と覚えていた(どうでもいいことだけど)。
  芽キャベツの収穫と調製は機械化されていて、トウモロコシみたいにがーとやってしまう。普通のキャベツみたいに、ひとつひとつしゃがんで根切りをして箱詰めするなんてことはしない。
  日本では、キャベツに限らず重量野菜は収穫が大変だということで、農家が高齢化しているような産地は衰退している。国とか農機具メーカーなんかが機械化しようとして開発をすすめているが、まだ普及するには問題があるそうだ。
  しかし、芽キャベツのように機械化できるんだったら特に労働力問題なんかも関係なくなるのだろうか。しかし、そうなると大規模にがーっとやれる米国なんかが結局強くなるんだろう。
  芽キャベツなんてどうせ煮込むんだらから冷凍で十分だし。そういえば、洋食屋とかで付け合わせに芽キャベツが出るが、あれなんかも米国からの輸入か?
  困ったもんだ。
 
On 1999-11-09, in キャベツ, 野菜の話, by yoshino
日本への伝来
 キャベツが日本に伝わったのもかなり古く、江戸時代なのだそうだ。オランダ人が長崎に持ち込んだそうで、非結球のケールだったと考えられている。
  しかし、野菜としては普及しなかったようで、改良されて観賞用として栽培されたらしい。いわゆる葉ボタンだ。
  食べないんだったら「甘藍」じゃなかろう。キャベツは何と呼ばれていたのか?
  調べてみると「オランダナ」または「サンネンナ」だそうだ(『大和本草』1708年)。
  そのまんまや!ちゅうか、あんまりおもしろくないな。
   結球キャベツが本格的に栽培されだしたのは明治になってから。欧米の品種が輸入されるようになったからだそうだ。だから、初めて栽培されたのも、港町の横浜や函館らしい。
   明治の中頃に、銀座に店を開いた洋食店が、ポークカツレツにキャベツの千切りを添えて出したところ好評を博した。その後、豚カツの普及とともに、キャベツは日本では珍しく生食の形で消費を伸ばした、と『日本の野菜』(大久保増太郎、中公新書1995年)にある。
  ちなみにこの洋食店が新聞に出ていた。(私は知らないが)有名な「煉瓦亭」のことなのなのだそうだ。やっぱこんなところのオムライスは近所の飯屋「たまらん」より旨いのだろうか?
   関東の豚肉好きは有名だ。すき焼きも場合によっては豚肉らしい。
  豚カツ屋もたくさんあって、仕事で関東へ行くと昼飯に豚カツ屋へ連れて行かれる。確かにじゅーしーで旨い気がするのだが、
  「できれば、おろしポン酢で食べたい」
が本音だ。
 見回すと、50過ぎのオッサンたちがうれしそうに食べている。肝臓は大丈夫なのだろうか?
  関東の豚カツ屋はキャベツのてんこ盛りだ。「キャベツのお代わり自由」という店も多いらしい。そんなにキャベツが好きなんだろうかと思い、地元の人に聞いてみた。
  「豚カツのキャベツ全部食べる人見ると、どんな人かと思いますね」
と答が返ってきた。
  キャベツも既に「飾り」ということか。
  キャベツが生食の形で消費を伸ばしたというのは、意外と珍しいことだったそうな。
  そもそも日本には、おろし大根や薬味のネギといったごく一部を除いて野菜を生で食べる習慣はなかったそうだ。
  レタスとキュウリにドレッシングをかけて・・・といった生野菜のサラダが普及しだしたのは昭和30年代後半以降のことで、それまではサラダといえばポテトサラダのことだった。蒸かしたジャガイモにニンジンやら混ぜてマヨネーズで味付けしたヤツだ。キャベツは、日本人が生野菜を食い出すはるか60年前から生食されていたことになる。
   それにしても生野菜のサラダってうまいのだろうか。
  どうも、あのドレッシングというのがダメだ。
  私が初めて生野菜のサラダを知ったのは小学校の家庭科の時間だった。野菜に油をかけるのか?と仰天した。
  それまでの常識は、トマトには醤油、キュウリに塩、キャベツは当然ウスターソースだった。サラダというのもあったが、わが家もやはりポテトサラダだった。油なんて、炒めるか揚げるかに使う「熱してナンボ」というものと思っていた。
  理科の実験室と同じ造りの薄暗い家庭科教室で、実験をやる要領で油と酢とコショウを混ぜた。そいつを生野菜にかけて食った時のショックはいまだに憶えている。
  時代から言うと、うちの田舎は約20年遅れていたことになるのか?
  現在、オヤジになって、キュウリに醤油、キャベツにも醤油、当然トマトも醤油だろ、となってしまった。だから、いまだにあの油はダメだ。口の中がべたべたして野菜の味やらなにやらわからない。
  ああいうものをかけて食べるんだから、実は生野菜って旨くはないんじゃないのか?
  O-157が最近問題になって、カイワレが原因だとかなんとか言っている。しかし、あれは大腸菌だ。肉が原因に決まっている。O-157が付着した肉を切った包丁で生野菜を切る。それを数時間放置するとO-157は生野菜に蔓延するらしい。
  野菜は、ちょっと火を加えると格段に旨くなる。温野菜を食べましょうってことだ。
  なんだか「味の素KK」のコマーシャルみたいになってしまった・・・
キャベツの産地

  キャベツというのは、アブラナ科ということからもわかるように、元々は春野菜だ。
  しかし、現在では品種や作型の分化が進み、ほぼ完全に周年化されている。八百屋やスーパーでキャベツを見かけない季節はないはずだ。
  消費量も一年を通じてそれほど差がないので、量的にも同じくらい出荷されている。タマネギやニンジン、ダイコンといった根菜並みだ。野菜の周年化が進んでいるとはいえ、こんなに周年化されている葉物野菜は珍しい。

  作型は、収穫時期で、春キャベツ(4~6月)、夏秋キャベツ(7~10月)、冬キャベツ(11~3月)の3つに分けられる。
  それぞれ産地が分かれていて、うまい具合に棲み分けしている。リレー出荷というわけだ。

  春キャベツというのは、関東以西の西南暖地では最もつくりやすいので、いたるところで栽培できる。しかし、なんせ重量野菜だから送料がかさむ。だから春キャベツの産地は都市に近いところが多い。
  京浜市場向けに、千葉・茨城県、それに神奈川県の生産が多い。意外と東京都もがんばっている。関西向けには兵庫県が主要産地だ。

  ところで、ちょうど今頃出回る「春キャベツ」というのがある。柔らかくてシャキシャキしていて生で食べるのにおいしい。
  しかし、あれはここで言う作型の話とはちょっと違う。春系品種のことを言っている。  キャベツの品種は大きく「春系」と「寒玉」とに分かれ、柔らかい方が春系だ。寒玉は硬いやつで、歩留まりが良くて調理に向く。
  お好み焼きなんかを多食する関西では昔から寒玉が好まれる。関西の串カツ屋では生キャベツが出てきて、オヤジがポリポリ囓っているけれど、あれなんかもおそらく寒玉だ。
  だから、春キャベツの産地でも、寒玉をつくっているところがあるし、冬キャベツの産地でも春系はつくられる。当然、夏秋キャベツの産地でも、両方がつくられている。
「秋なのに『春キャベツ』とはこれいかに!」
なんて言ってはいけない。

  冬キャベツは、最後の結球の段階で寒さに負けたりするらしく、暖かいところの方が有利だ。愛知県の渥美半島あたりが一大産地となっている。この辺りは地理的に東京と大阪の間で、気候もよいので、冬キャベツの生産に向いている。
 
  夏秋キャベツは、気候の制約を受ける作型で、冷涼な気候でないと栽培できない。群馬県の嬬恋村が大きなシェアを持っているが、東北・北海道なども多い。
  もともと夏秋キャベツは岩手の「南部甘藍」が有名だった。戦後急速に拡大し、昭和30年代にピークに達した。
  しかし、群馬の嬬恋村や長野県に押されて衰退した。やはり輸送費がかかるというのが弱みではあったんだが、それだけではなくて、品質にも問題があったのだそうな。長野県などが生食に向く品種を導入して食味がよくなったもので、相変わらずの品種で勝負していた「南部甘藍」はたまらない。市場で値がつかなくなってしまった。
  結局、昭和40年代初めには「南部甘藍」は衰退してしまった。
  以降、長野も白菜やレタスが有利だというので、ここでも夏秋キャベツは縮小し、現在は嬬恋村に集中している。全国の夏秋キャベツの3分の1余り、東京市場の3分の2以上が嬬恋産で占められている。
   
  しかし、最近は水田転作の強化で米があんまりつくれないというので、東北の各県ともキャベツ生産の振興に力を入れている。岩手なんか「南部甘藍」を復活するんだということで、県をあげて生産振興をやっている。
  関東では春系のキャベツの需要が多いと書いたが、東北産地はこれに力を入れている。岩手はすべて春系だ。嬬恋が寒玉に偏り春系が伸びなかったので、春系を欲しがる市場関係者が東北産地をけしかけた。
  品質で破れた岩手が品質で勝負を仕掛けてきている。
  産地間競争を勝ち残った覇者嬬恋村であるが、そんなに安穏とはしておれないようだ。
  夏秋キャベツの産地としては、他に北海道の出荷量も多い。
  キャベツは価格の変動が大きいことでよく問題になる。
  こういったら怒られるかもしれないが、夏秋キャベツの場合、北海道の攪乱が原因となっていることは否めない。大半が道内向け出荷なのだが、個人出荷が多く、おまけに規模も大きいので、前年の価格で作付が大きく変わったりする。
  平成5年に夏秋キャベツの価格は暴騰したが、これは嬬恋の収量が落ちたところに、北海道が前年の安値に引きづられ、ガクンと作付が落ちたことによる。しかし、今度は値がよかったというので、ドカンと作付が増え、それ以後の価格低迷をもたらした。ここ1~2年北海道の出荷がまた少なくなったので、幾分値を戻しているが、これでまた出荷が増えるのか?
  気持ちはわかるが、
  「なんとかしてくれよ、おい」
という感じである。
嬬恋村のキャベツ生産

  キャベツ産地と言えば、嬬恋村。  初めて嬬恋村に行ったのは、もうだいぶ前になる。仕事の途中で立ち寄った。せっかくだからと嬬恋村役場に立ち寄り、村長さんに会った。大人の言い方だと「風格のある方」で、眉毛、耳、顎、お腹、全て立派な方だった。当然キャベツ農家で、嬬恋村農協の組合長を経て村長になられたらしい。だから話すことも全てキャベツ。
「キャベツ一筋ごじゅ~ねん~」
と唸っておられた。

  嬬恋村というのは、開拓地で入植者の村で他県から人が入っているらしく、村の人の風貌も気質も、群馬県とも隣の長野県ともやや違う。

  農協の現組合長もなかなか「風格のある方」だ。農協の会議室には、歴代の組合長の顔写真が並べてあり、会議中にそっちを向くと、うっと思わず息を呑む。名前も同じ名字の人がそこら中にいる。みんな親戚だ。

  酒も強い。私の経験では群馬県の人は田舎の方でもあっさりした人が多いのだが、嬬恋で呑んだときには、あの田舎特有の過剰な接待
 「のみなはれ、ほら、のみなはれ、酒はおしみませんから、とにかくのみなはれ」
に近いプレッシャーを感じた。
  酒好きも多く、ボトル一本一気飲みなんて、それほど自慢でないらしい。

  嬬恋村は浅間山を挟んで軽井沢なんかと接する高原。月々の気温は札幌とほぼ同じで白樺とかあって景色もいいから別荘も多い。冬は万座のスキー場に若者が集まる。いわゆるリゾート地で、プリンスホテルなんかもある。
  しかし、私の目に触れた嬬恋はなんか違う。
  しばらくは、そんな嬬恋村のお話です。
  ここで余談だが、最近群馬県に行くことが多く、群馬県人というのがだんだんわかってきた。
  群馬県人の風貌の大きなひとつの流れとして現首相の小渕さん系の顔がある。あの人も群馬県出身だ。
  私が出会った群馬県人の中で、大半の人が納得してくれそうなサンプルを少なくとも10人は知っている。私はこれを「おぶち顔」と名付けた。
 
  性格は至極あっさりとしていて、田舎の過剰なホスピタリティとかがなく、かといって都会的なビジネスライクな人付き合いという感じでもない。
「せっかくだから飯でも食っていってくださいよ」
と気をつかって、豚カツ屋に入るような気質だ。
初めは気合いが抜けたが、徐々にこれが楽になってきた。ただし、サンプルは全て男である。
  「かかあ天下と空っ風」で有名な群馬県だが、なかなか女性は表に出てこない。仕事の種類も関係あるのだろうが、会議にも酒の席にも女性はいない。
  飲み屋の主人とかに、このことを聞くと、
「もともと群馬県は養蚕、いわゆるおカイコさんが盛んで、女性が経済的に自立できる基盤があったが、養蚕が衰退してそんなこともなくなった」
みたいなことをたいがい言う。
  それにしても、気質みたいなものが、50年やそこらでそんな正反対に変わるものなのだろうか?首は傾くのだった。

  ところで、隣の長野県人。
  性格はまだ研究中だが、顔については、私はあるひとつの確信を持っている。特に女性。
  だけど、それはまたの機会だな。

  嬬恋村の話だった。
 
  嬬恋村のキャベツの作付面積は2,700ha、見渡す限りキャベツ畑である。というかキャベツしかない。
  出荷量は147000トン(平成9年産)、全国の夏秋キャベツの3分の1をこの村だけで供給していることになる。最盛期の8・9月の東京市場のキャベツなんて嬬恋産で8割近くが占められる。
  昭和初年度にはじまったキャベツ栽培は、戦後一直線に増えてきた。
  さすがに連作障害なんかが気になるということで、輪作用に、現在新たに400haの農地が造成されている。
  しかし、どうせこれ全部にキャベツが植えられるんだろう・・・。

  嬬恋村のキャベツ農家は約600戸、一戸平均約5haの作付面積となる。開拓地とはいえ、今の日本の農家の平均経営耕地面積が1.2haだから、かなりでかい。平均でこんな面積だから農家によっては10~20haもざらだ。
 
  ところで、でかい面積を表すのに、よく甲子園球場の何倍とか言う。甲子園球場にも東京ドームにも行ったことのない私みたいなヤツはどうなるんだ? 想像できないんじゃないのか?
  面積なんて、よく区画整理された田圃に田植えなんかやらせたら嫌と言うほどわかる。
    30a区画の田圃にはいずり回って4~5人でまる一日ぶんだ。その70倍が21haだ。
  こっちのほうがずっと直観的だろ!
  てことないよな、きっと。

  とはいっても、一斉に植えて一斉に収穫しても仕方がないので、少しずつ時期をずらしながら栽培が行われている。だいた3月に入ると種まきと育苗がはじまる。
  3月と言っても嬬恋は、スキーができるぐらいだから、それは寒い。だからこの頃の播種・育苗は下界へ降りてやる。渋川あたりの平野部だ。
  キャベツ農家のお母さんたちに、
  「わざわざ遠くまで育苗行くのもたいへんでしょう」
  と聞くと
  「いんや~、梅だとか桜の咲く頃に父ちゃんとドライブみたいで楽しいべ」
  だと、ハイ、ハイ・・・。

  定植は嬬恋の畑の凍土が溶けるのを待って行われる。4月の下旬からだ。
  嬬恋の畑は地表数センチ下が凍っているのだそうだ。
  嬬恋の冬は雪が少ない。雪が少ないので、たまに暖かい日があると溶けてしまう。溶けた雪は畑に浸透し、夜には凍ってしまうのだそうだ。
  嬬恋の人はこのことを「土がしみる」と表現していた。
「今より早くキャベツは出荷できませんか」
という問に
「土がしみてるから、これ以上早くは植えられないべ」
 と返ってきた。
 
  6月末から収穫がぼちぼちはじまり、7月には本格出荷となる。
  キャベツは収穫作業が一番大変だ。朝の3時~4時ぐらいから始めるらしい。
  特に、7月いっぱいは遅い作のキャベツの定植も続くので、一日の労働時間は14~15時間となる。
  根を切り外葉を整え、段ボールに詰めるまでを畑でやる。機械化はされておらず、その間四つん這いだ。
  これが10月いっぱい続くのだ。そりゃ体も壊すだろう。

  ただし、それが終わると翌年3月まで仕事はない。オフだ。
「プロ野球選手みたいだべ」
と農家の若い人が笑っていた。
オフの間、体がなまるので、仕事が始まる前には、隣町の上田(長野県)あたりのフィットネス・クラブに行ったりする人もいるとか。
「自主トレ開始」なのだそうだ。
  一番大変な収穫期にはアルバイトも雇う。学生バイトとかが多いのだそうだ。
  村も農協も斡旋しないので、各農家が募集する。「フロム・エー」といったような求人誌に広告を打つらしい。シーズン前の求人誌には嬬恋の農家、それも小字まで同じ住所で番地だけが違うような広告が一斉に並ぶらしい。
 
  体育会系の学生などはよく頑張るそうだが、なかには甘く考えて来てえらいめに合うバイトも多いのだそうだ。
  「嬬恋リゾート」「高原の夏」「キャベツ畑」しかもお金になる、というので喜んで来たら、毎朝3時に起こされて、畑で四つん這い・・・
  7月頃、嬬恋の早朝のバス停にはリュックを背負った学生がウロウロしているらしい。逃げ出すバイトなのだそうだ・・・。
 
  なかには変なヤツもいるらしい。
  ある農家に求人誌を見たという男が電話をかけてきた。
  「去年は○○さんちでお世話になりました・・・」
  農家にしてみれば「経験者」という言葉に弱いので、雇ってしまった。
  ところが、こいつが働かない。いったい何しに来たんだというぐらい働かない。あんまり働かないので、本人も納得の上で首にした。
  農家にしてみれば、またバイトを探さなければならない。大変だ。
  「まったく!○○さんちではどうしてたんだ!」
  と思い、訊ねてみると、やはり2~3日で首になっていたらしい。そして言われたのが、
    「お宅もひっかかりましたか!」
  だと。
  求人誌を見ては「経験者」を武器にキャベツ農家を渡り歩く札付きの問題男だったらしい。
  件の男、その数日後には××さんちにちゃっかり雇われていたそうな・・・。
  どこの世界にもいるんだ、そんなやつ。
 

  アルバイトを雇うと言っても、住み込みがほとんどだから、結構お互い気を使うらしい。トラブルの半分が人間関係ということだ。
 
    実際にやってみるとわかるのだが、農家の人は馴れているので作業が早い。体力ありそうな学生よりも、とろそうなおばちゃんの方がはるかに早かったりする。一斉にやる作業など、素人が参加すると足引っ張ったりする。
  「なにやってんだべ」
  という顔をされる。顔をされなくても遅れてる方はそんな気がする。労働はしんどいし、スピードについていけないし、気が遠くなる。
  農家は頭数で作業量を決めるから、バイトを1人と考えると、予定の作業が進まず、農家のオヤジはイライラとなる。
  あとはどっちかが切れるだけ×××

  人を使おうと思ったら、的確な指示をして、誉めるべきところは誉め、注意すべきところは注意するというのが基本だが、日頃家族だけで働いている農家には結構これがむずかしい。
  「おら、やるべ」
  ・・・
  「なにやってんだ!はやくやれ」
  ・・・
  「そうじゃねぇ、ササッとやってダダッとやるんだ!」
  ・・・
  「へたくそ、そんなパラパラとやってちゃだめだ!あぁ、どんくさい!」
  こう言われたら
  「ざけんじゃねぇ、くそおやじ!」
  となる。
 
  まだある。
  「へぇ、君も巨人ファンか!」
  「やっぱり、巨人ですよね!」
  「そうだ、野球は巨人、監督は長嶋!」
  「えっ!、長嶋なんかいるから巨人は優勝できないんですよ」
  「何だと、神様、仏様、長嶋様だぞ!」
  「あ~、何にもわかってない(くそオヤジが!)」
  「わかってないのはおまえの方だ(若造のくせに!)」
  ×××、なんていうのもある。

  これをうけて農業改良普及センターがマニュアルをつくった。 
  1.自分と同じ能力は求めないこと。
  2.仕事に対する自信と誇りをもたせること。
  3.アルバイトとの関係はけじめをつけておくこと。
  4.アルバイト間の人間関係には立ち入らない。
  ・・・
 
  人を雇うのも大変だ。
  以前、芽キャベツの機械収穫の話をしたが、普通のキャベツの収穫はまだ機械化が進んでいない。人が四つん這いになって一個一個手作業で収穫していく。
  ただし、開発は進んでいて、販売までされている。

  キャベツの機械化について群馬県庁の技術の人に話を聞いた。機械化に情熱を燃やしている人で、ほんとうによくしゃべる人だった。
  嬬恋でも機械化は進めているのだが、やはり見栄えが悪くなると言うので普及には至っていない。値段も500万円ぐらいするらしい。
  もっと手軽な半自動の機械化というのもある。
  切るのは人間なのだが、座って収穫できる。収穫したキャベツは機械の後ろにコンベアで送り、そこで別の人が箱詰めしていくという、まぁ動く作業場みたいなものだ。
  四つん這いにならないからそのぶんラクだ。しかし、スピードは手作業と変わらないらしい。値段はそれでも100~300万円と、結構する。

  機械化をやるとラクになると考えるが、一概にそうでもない。
  うちの田舎はイ草農家で、多いときは3haぐらいイ草を作付けしていた。これも収穫作業が大変で、梅雨時から始めて、8月上旬まで、雨あるいはカンカン照りの下、苦渋の作業だった。
  そのうち機械化が進んでいったが、しんどかったのは半自動のころ。
  確かに、刈り取る作業はラクになったし、早くなった。しかし、機械の刈り取るイ草を運び、調製作業をやる人はたいへんだった。
  何がたいへんだったかというと、機械のペースでは働かねばならないことだった。まるでチャップリンの映画だった。
  雨で蒸し暑くてぬかるむ田圃のなかを、あるいはじりじり照りつける日差しの中を、黙々と一日中機械についていかなければならない。気を抜くと、どんどん作業はたまっていった。疲労はたまり気は遠のいていった。本当は困ったことなのだが、たまに機械が故障すると内心ホッとしていた。あの作業でおふくろの膝は完全にいかれた。
  私も田舎を脱出し、あんな仕事はやらなくてよくなったので、現在の具体的な様子は知らない。しかし、今ではほぼ全自動化され、イ草の収穫もだいぶラクになったそうだ。しかし、いまだにあのころのしんどさは覚えている。
 
  そんなことをぼーっと考えながら、延々続くキャベツの機械化の説明を聞いていた。
  イ草の機械化が進んだのが20年以上前。
  嬬恋はこれからようやく半自動の時代かぁ。
  機械に座って鼻息荒くキャベツを収穫するオヤジの姿、その後ろであせって作業するおかあちゃんやバイト学生の姿、どうせオヤジは「もっと早く」と機械に求める、そんな様子が想像できる。やはり農業ってしんどい。
 
  説明では、キャベツの機械化の完成は、まだまだ先のことらしい。
 
 
  嬬恋の冬は暇だ。
  暇なので、農家はゴロゴロしているかパチンコか趣味をやるからしい。
  ただし、嬬恋の近くにはスキー場がある。すぐ近くにはパラギスキー場、山の方には万座スキー場がある。スキー場あたりは積雪もあり、気温が低いのでパウダースノーらしい。私はスキーはやらないのでよくわからないが、けっこういいスキー場らしい。
  だからか、嬬恋の人はほとんどの人がスキーができるらしい。農協のいわゆるオッサンがバリバリのスキーヤーだったりする。インストラクタの免許まで持っていて、スキー場でバイトする農家の若いもんも多いそうな。
  夏にキャベツで稼ぎ、冬はスキー場で稼ぎ、ついでにヨメはんも見つけてくるらしい。なんて合理的だと思って感心したが、どうもスキー場で稼いだカネは、日銭なので、対帰りに呑んでしまい、全然残らないらしい。
  ま、それもよかろう、だ。
 
  ただ、最近は、キャベツの相場もそんなに良くないので、それほど余裕かましておれず、冬場の収入を探しているのも事実だ。
  雪の中でもつくれるキャベツがある。サボイキャベツといってイタリアとかで栽培されているのを、宮城県の生産者グループが取り寄せた。
  縮緬のように葉が縮れていて、生食には向かないが、煮込むと繊維質を感じないぐらい柔らかくなり甘いらしい。
  嬬恋もそういうのできないのかと聞くと、やっぱり「土がしみてる」から作れない、
  「ま、冬は休んで夏の疲れを癒すべ」
  で話は終わり。
  もっと相場が下がったらどうすんだろ・・・
 
  環境保全だ、環境負荷だと、農業は「環境」流行りだ。
  ついに嬬恋のキャベツ畑にも「環境」の波が押し寄せてきた。
  だいたい露地野菜というのは連作障害が恐いので、できるだけ水は掃かした方がよい。
  嬬恋の畑は丘陵に沿ってできているのだが、等高線に垂直に畝を立てている。だから雨が降るとそのまんま川に流れ込む。
  このシステムはキャベツにはよいのだが、川にはあまりよろしくない。浅間山の真っ黒な火山灰土が一緒に流れ出す。梅雨時の豪雨の時には、吾妻川がずいぶん下流の方まで真っ黒になる。
  そこにダムができるという。東京をはじめとする関東一円に飲料水を供給するダムで、もうすぐ工事が始まる。
  嬬恋が慌てている。
  「ダムなんて数年で土砂で埋まるんじゃないか」
  「農薬とかが流れ込むとか文句つけられるんじゃないか」
  対策は、畑と川や道との間に草花なんかを植えて土壌の流出を防ぐというもの。グリーンベルトと呼ばれている。
  去年の写真を見せてもらったが、広々しているし、家はないし、電柱もないので実にきれいだ。
  しかし、どうも都会人に媚びてるようで、個人的には「環境」ってあんまり好きじゃないなぁ。
 
  そのグリーンベルトに植える作物のひとつに蕎麦がある。キャベツ畑の地力保持のための輪作にも使われる。
  去年話を聞いた平場の畑作地帯の農協も蕎麦にとりくんでいた。営農課長が一生懸命がんばって、ようやく3haまで増えたんだと喜んでいた。
  しかし、そこは嬬恋だ。
  「去年試しに蕎麦植えてみた」
  「いくらかって?--30haばかし」
  スケールが違う。
 
  味の方はどうだ、というので蕎麦粉を買って帰った。
  石臼で挽いたのだそうだが何の説明もなく、へろへろのビニール袋に入れられ、みやげもん屋にドスンとおいてあった。それにしても商売っ気がない。
  蕎麦打ちの出来はいまいちだったが、蕎麦自身は非常に旨かった。今までいくつか買ってきた蕎麦粉のなかでは群を抜いて旨かった。
  「『環境』もたまにはいいんじゃないか・・・」
  食い気に負ける田舎信者なのだった。
  環境と来たら次は食品安全性だろう。

  昨年の7月にJAS法が改正され、新しい食品表示制度がスタートする。
  まず、全ての飲食料品に品質表示義務が課せられた。キャベツなんかの生鮮食料品には、原産地表示が義務づけられた。「キャベツ」が「嬬恋産キャベツ」になるわけだ。
  また、いままで勝手に表示されていた「有機農産物」がちゃんと第三者機関の認証を受けないと表示できなくなった。
  あと格付けなんかを民間にやらせるみたいな規定が続く。
 
  問題なのは「有機農産物」表示。
  規定がえらい厳しくて、化学肥料も農薬も3年以上使ってない圃場で堆肥を利用してつくられたものにしか表示してはいけないらしい。
  そんなもの、日本にしてはよっぽど条件のいいところか、チョンマゲに作務衣なんか着て
  「う~ん、自然農法」
  と言っているエコロジーおやじぐらいしかできないんじゃないか?
  ということなので、農水省はガイドラインとして「特別栽培農産物」というのも設けた。しかし、「無農薬栽培農産物」「無化学肥料栽培農産物」「減農薬栽培農産物」「減化学肥料栽培農産物」・・・とかよくわからない。
  「無農薬」とかはわかるけど、「減」ってどれだけだ?「慣行栽培の5割以下」らしいが、病害虫とか入ると農薬は平気で2倍ぐらい使うから、2倍の5割だと普通の栽培やってても「減農薬」か?って違うだろ、おい。
 
  嬬恋も去年から始めた。
  さすがに完全無農薬というのは無理だから、減農薬・減化学肥料栽培(通称「減減栽培」)をはじめた。これもいきなり300ha!だ。
  フェロモン剤を使って農薬の使用量を減らすというものらしい。有機質肥料も投入した。しかし、手間はかかるし、小さな虫食いは避けられないし、大変だ。
  「ちゃんと高値がつくんだろうな」
  と生産者に言われ、農協にはプレッシャーだ。
  しかし、だからといってこうした対応は避けられない時代になってしまった。
  今年、嬬恋はこの減減栽培を500haに拡大する。
 
  しかし、スーパーなんかではあんまり理解されんのだろうなぁ
 「おかあさん、このゲンノウヤクってなに?」
 「きやすめよ」
  ・・・
  消費者主導の時代である。

キャベツの価格

スーパーで今キャベツ1個いくらだろうか?
露地野菜というのは価格変動が激しい。生産者の手取りになるともっと不安定になる。なんで露地野菜の価格が不安定かというと、露地野菜は天候の変化を強く受けるからだ。
最近、異常気象と言われる。昔、気象学の先生に、
「気象なんて長い年月で見ると安定なのが珍しいんだから『異常気象』という言葉はヘンだよ」
と言われたことがある。そりゃおっしゃることはわかります。しかし、それでも、長雨やら、台風やら、最近あまりにひどいんじゃないか?去年の台風なんて、ありゃなんじゃ、という感じだ。

一昨年は長雨がひどかった。結局梅雨が明けなかったもんな。あの年は、稲とかでも実が入らなかったり、倒れたり、大変だったのだから、野菜なんてもっとひどかった。白菜の産地(群馬県昭和村)とかが新聞に出ていたが立ち枯れ状態だった。

しかし、露地野菜の価格変動は、もちろんそれだけではない。露地野菜の場合、需要が硬直的なのが決定的に効いている。供給が減っても買う人がいれば、当然価格は高くなるだろ。
どれだけ値段が高くなっても、やっぱみんな野菜は食べるもんな。

昔、うちの中国の留学生がヨメさんを日本に呼んだときのこと。
ちょうど野菜が値上がりしていた年で、白菜が4分の1切れで2~300円していた。
彼女は白菜を手に取り、震えたという。
それは当時中国の月給の半分の値段だったらしい。
結局、買えなかったそうだが、それでも震えに耐えながら買おうかどうか悩んだらしい。
やはり野菜は必需品なのだ。
野菜を食いたいと言えば、昔よく「どんぼーい」に行った。ダイエーがやっているしゃぶしゃぶの店で、食い放題で1,980円、生ビールのみ放題で1,000円、2,980円でしこたま飲み食いできた。特に、野菜がサラダバー形式で、好きな野菜が好きなだけ食えるのがうれしかった。春菊一束380円というようなバカみたいな値段がついた年でも、そこはダイエー、ちゃんと惜しまず出してくれた。我々は「野菜補給」と称して、ずいぶん通ったもんだ。
野菜を食べれば体が浄化されたような気がする。たぶん、健康情報のすりこみだろうが、せっかく気になるんだから、まあそれでよいではないか。
阪神大震災後のダイエーの店舗整理で京都の店はなくなったが、是非復活して欲しい店だ。蘇れ中内功だ!
もっとも、しゃぶしゃぶにキャベツはおいてなかったと思うが・・・
キャベツの値段が極端に下がった年は、圃場廃棄が行われる。圃場廃棄というのはいわゆる畑のキャベツを出荷せずにトラクターで鋤き込んでしまうことで、よくニュースとかで報道される。小学校の社会科の教科書になんかにも出ていたりする。嬬恋村の場合、平成4年600トン、平成8年1,100トン、平成10年600トン、それぞれ廃棄している。
安くても出せばいいじゃないかと疑問に思われるが、出せば出すほど損になるのだ。

嬬恋の場合、現在キャベツ1ケース(10kg)つくる費用は、農家の労賃を入れずに450円かかっている。圃場廃棄をすれば全てこれがパーになる。しかし、収穫して出荷するには手間とお金がかかる。段ボール代、それに鮮度を保持するための予冷費、出荷場までの費用、こうした単価に関係なくかかる出荷経費が合計で100円、市場までの輸送費が140円、それに市場の手数料8.5%、農協と系統団体の手数料が単価の3%取られるから、市場単価が600円のときで手取りは300円以下だ。生産費450円はとうてい賄えない。
赤字を減らすためとはいえ、そのために畑に這いつくばって重労働はできまい。それぐらいなら、せっかくつくったキャベツだけど、出荷量を減らして相場の回復を待った方がいい。なんせ、キャベツの値段はわずかの出荷量の変動で上下するのだ。

キャベツの値段というのは、市場への入荷が1割増えると3割下がると言われている。

計算してみた。

東京都の中央市場の7月、入荷されるキャベツの量は過去11年平均で15,453トン、平均単価は10kg当たり867円だった。ここを基準に見ると、キャベツの入荷量が1%増えたとき、キャベツの単価は3.0673%低下するという計算になる(両対数単回帰、1988~1998年、その他の変数野菜総平均単価、R2=0.8977、t値1%未満有意)。全く通説通りだ。
600円などというおぞましい値段がついた時でも、出荷量を1割減らせば、値段は800円近くまで回復することになる。

夏秋キャベツの場合、だいたい1ケース800円しないとやってられない。1ケース8玉が標準だから、キャベツ1個100円だ。それに八百屋さんやスーパーの経費が要るから、夏秋キャベツの店頭での値段は1個170~180円ぐらいになってしまうだろう。
スーパーで200円以下でキャベツが売られているとき、キャベツ農家の所得は、家族2~3人で6haぐらいキャベツをつくっている場合で300~400万円というところだ。体が曲がるくらい頑張ってそんなものだ。
農業ってそんなに甘くはないのです。 
キャベツのおもひで(エピローグ)

私の学生時代は貧しかった。だから東向きの六畳一間でせっせと自炊していた。自炊といっても朝卵飯、昼出前一丁、夜ククレカレーと言った具合で、カネがなくなると飯ばっかりということもしばしばだった。
実家から米は送ってくれたので毎朝五合の飯を炊いて、それをメインに食えそうなものはなんでも食っていた。ゴマをかけてこれは栄養があるなぁ~と一人感じ入って食ったこともある。大豆はタンパク質だからと具のないみそ汁をどんぶり一杯食べたこともある。そんなんだから野菜は慢性的に不足していた。
そんなときキャベツは重宝した。けっこう日持ちするし、そのままかじるとサラダだし、煮込むと野菜スープ、炒めると野菜炒め、これに卵かなんか落とすと大変リッチな感じがした。キャベツしか入っていなかったが・・・。

一回生のとき体育会の某部に所属していた。この部は宇治で練習していて、練習がオフに入るときにレクレーションとして競馬ならぬ競”人”をやっていた。一回生を走らせて結果を先輩が予想するわけだ。「宇治ステークス」と呼ばれていた。
走るのが主体のこの部にあって私の足は遅いほうだったが、ハングリー精神が買われ、ダークホース(ダークマンか?ちょっといやだな)に指されていた。
「キャベツだけで五合の飯を平らげる男!」
が紹介記事だった。続いて
「最近足を痛めたようだが賞金3000円につられどこまで頑張るかが見物」
とあった。そのとき私につけられていた馬名は、
「キャベツ5合」
だった。
だらだらと続いた「キャベツ特集」でしたが以上で終了します。ご愛読ありがとうございました。

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日本の野菜(2)

日本の野菜 大久保増太郎(著) 

感想 読書記録
著者は千葉県農業試験場にて長年野菜の冷蔵や保存など流通技術の研究を続けてこられ、農産物流通技術研究会などの会長も務められた方です。
野菜の保存などは品目によって大差があり、冷やした方が良いもの、逆に冷やすとダメなものもありますが、この本では野菜の品目別にそういった性質や野菜の成分など、流通販売の方向からの見方で書かれており、意外に知識の行き届かないところだったかもしれません。
野菜は収穫後も呼吸をしており、それにより熟するということもありますが、老化が進むという面もありそうです。
呼吸という面では野菜は大きく3種に分かれ、収穫直後に最も呼吸が旺盛でその後低下するものが最も多く、キャベツホウレンソウなどが属します。
また、収穫直後は呼吸が低く、時間がたつにつれ増加する末期上昇型というものもあり、イチゴがそれに入ります。
三番目は収穫後いったん下がった呼吸がある時点から急速に上昇しその後低下するというもので、トマト・リンゴ・バナナがこれに属するようです。
そこでトマトの保存での鮮度保持のためには、低温で呼吸を抑えできるだけ老化の進行を抑えることがポイントになるそうです。とは言っても凍ってしまうとダメなので零度が貯蔵適温になります。
一方、ピーマンなど熱帯原産の野菜はナスやキュウリと同じく5℃程度でも低温障害を受けて腐ってしまうので、10℃程度が貯蔵適温になります。
呼吸が盛んな野菜は流通中にも温度が上昇してしまい、段ボール箱に詰められて出荷されたサヤインゲンが出荷直後に27℃であったものが翌朝のセリの時には41℃まで上がってしまったことがあるそうです。
サツマイモは秋に収穫されたものを翌年までうまく貯蔵することが必要ですが、それのためにキュアリング貯蔵技術というものが開発されたそうです。これは34℃から36℃(現在は少し下がって30℃)の温度で湿度を95%以上にし120時間保持することで黒斑病の病原菌を抑え表面のコルク層を形成させて保存性を高めたそうで、この技術の開発で長期貯蔵が可能となったそうです。
なお、ジャガイモでも同様の処理が行われますが、その温度は低くソフトな処理になるそうです。また保存温度が低すぎると糖分が増えるのですが、ジャガイモの場合は糖分が過多になるのはかえって品質低下となるために抑える方向で保存するとか。
とろろ芋として食べる山芋にもいろいろあるとは知ってはいましたが、自然薯というヤマノイモとナガイモ、ヤマトイモ(これにも数種あり)とは種が違う別系統の品種だそうです。とろろとして食べる食習慣は最近は減ってきているものの、山掛けや洋風料理にも進出して消費量は増えているそうです。
野菜品目それぞれで保存・流通は検討が重ねられ鮮度保持の技術が開発されてきました。そのおかげで多くの野菜を楽しめるようになってきたのでしょう。

大久保増太郎 (食)【おおくぼますたろう】
農学者。1928年4月27日千葉県在原市出身。1952年東北大学農学部農芸化学科卒、74年農学博士。千葉県立農業試験場技師、千葉県原種農場長、85年千葉県農業大学校学監。聖徳短期大学教授。
著書
『野菜の鮮度保持』編著 養賢堂 1982
『野菜とくだものちょっといい話 暮しのセミナー』誠文堂新光社 1987
『野菜はモーツァルトを聴くとよく育つ 新鮮野菜おもしろ博物学』PHP研究所 1994
『日本の野菜 産地から食卓へ』1995 (中公新書) 

日本の野菜

日本の野菜 大久保増太郎(著)  記;2010/06/12

【レビュー】
おいしい野菜 とは何か?
ということを考えながら・・・
私自身が どちらかといえば 野菜が好きではない
と思い込んでいたフシがあった。
これまで食べてきた・・・野菜を考えれば
数知れないが・・ 記憶というのは 都合よく
細かいディテールをこぼれ落ちさせている。

よく考えてみると 野菜に対しては 保守的・・・
つまり 新しいものを 食べるのが 好きではない
ということだ・・・・。
中国に来て 自分で自炊することによって
珍しい野菜は みても・・・どうやって料理するんだろう
ということが わからなければ 買わないということだ。

中国のように 単純に 油でいためて料理するという料理法は
チカラで 野菜をねじ伏せて 食べているようだ。
大きなタンクの油を1ヶ月 1家族で 1本 食べてしまうとは
恐ろしい・・・スープの中にも 油を入れてしまう。

日本の料理は 素材のよさをどう引き出すか・・・・
ということに チカラを注ぐ。料理方法も多様であり・・・
つかう 鍋なども豊富である。

イタリアの野菜の本を見ていたら・・・
実に豊富に 野菜がある。
そして その食べ方も ナマで食べたり・・・・
素材のよさを引き出す・・・料理法が多い。
野菜に関していうと 日本料理とイタリア料理は
似ているのかもしれない。

私のブログに一番多く登場するのは ジャガイモ であり、
やはり・・・私は ジャガイモ好きなのだろう。

いま 野菜のプロフィールを 整理して
うろたえる紙魚
ブログアップしている。

キャベツ
コマツナ
ホウレンソウ

私は ジャガイモの次は キャベツが好きだ。
それで・・・いろいろ考えてみると キャベツは実にバランスの
とれた野菜であり 生体調節機能 も高い。

ちょっと不思議だったのは 青菜では ホウレンソウが
栄養価など優れていると思い込んでいたことで・・・・
コマツナが あくも少なく、カルシウムなどが多く
どちらかといえば コマツナ のほうが優れているのである。
結局は ポパイと ホウレンソウ つながりで・・・
ホウレンソウのほうが 健康にいいと思い込んでいたことが
大きな要因だった。

野菜の既成概念は 外部によって 作られるものだ。

大久保増太郎の 「日本の野菜」を読みながら・・・
鮮度保持技術が おいしい野菜を 演出する可能性が
たくさんあることを知った・・・

これから ちょっと 時間をかけて
『野菜物語』を組み立てていこうと思う。


有機農業を科学する(1)

無農薬有機栽培は科学になっていないことの限界性
中国の有機農業の向かう方向は・・・
【レビュー】記;2012/02/12
どう有機農業を科学にするのか?
というのに向かい合いながら 本を読み始めた。
有機農業に関して言えば 
じつに さまざまな考え方が存在している。
歴史的な把握や その文脈 を つかむことが必要だろう。

日本有機農業研究会が発行した 『有機農業の技術』は
新しい知見が多くあり どう進めるのか のひとつのイメージができた。

熊澤喜久雄の『これからの有機農業』は 私の植物栄養学の知識が
実に古い知識だったことを 理解させた。

熊澤喜久雄は 植物栄養の歴史から 紐解く。
リービッヒは 『植物を化学で説明できる』と考えた。
化学物質で 植物が 生育可能であることを 明らかにして
最小律を明らかにした。

『最小律とは、植物の養分は適当な割合で供給されることが必要であり、もしある養分が植物の要求に対して相対的に不足すれば、他の養分が十分に供給されたとしても、植物の生育収量はその不足している養分の供給に支配される』
このことで 制限因子が何なのかを 明らかにした。
これを スプリンゲル=リービッヒの最小律とよばれる。
このことから 土壌分析から どんな肥料を追加すべきかなのかができる。
過剰に 対応できるようなる・・・・

植物栄養学として・・・
『植物は有機物を無機化して吸収する』と言う理論が
1850年から60年代に明らかにされた。
それが水耕栽培として 発展することになった。

『植物は有機物は吸収しないか?』ということが 大きなテーマとなった。

確かに アミノ酸散布によって 植物がよくなることは経験的に判り
組織培養に関しては 糖分が吸収されて 従属栄養になることも
実践されていた。

現在では 水溶性の有機物を吸収することが明らかになった。
『たんぱく質、ペプチド、アミノ酸類、核酸、ヌクレチオド類、腐食酸、キノン類、リグニン、セルローズ、ペクチン、でんぷん、糖類、フィチン、脂肪酸類』の水溶性が 吸収される。

熊澤喜久雄はいう
『吸収された有機物はいろいろ変化して作用するが、その中には細胞を活性化させて刺激する』
そして
●根毛の発達を促進する 
●根でサイトカイニンなどのホルモンがつくられる。
そして 地上部へ供給する。
●サイトカイニンは 活性を維持し、老化を防止する。
●合成する能力が向上する。
→食味が向上し、エチレンの発生を抑制する。

熊澤喜久雄の講演録は 植物が 有機物を無機化して 吸収するだけでなく
水溶性の有機物を吸収することがあるというのは おもしろい。

#ブックカバーチャレンジ
「基礎講座 有機農業の技術―土づくり・施肥・育種・病害虫対策」 熊澤喜久雄(著) 日本有機農業研究会
農業を科学することは、必要だ。有機農業は、農薬と化学肥料を使わなければ良いというわけではない。
どう有機農業を科学にするのか?という視点を欠如したら、それは思い込みとなる。農業といえども常に、再現性がなければならない。世界的に見れば有機農業は伸びている。2017年のデータでは、有機食品が日本の農産物の売上高に占める割合は1.5%で、ドイツ(10.4%)、フランス(7.7%)、アメリカ(5.5%)と比べるとわずかだ。日本の有機農業の耕作面積はわずか1万ヘクタール(耕作地の0.2%)である。 
日本の有機農業に関して言えば、じつにさまざまな考え方が存在している。歴史的な把握やその文脈をつかむことが必要だ。この本『有機農業の技術』は必要な知見が多くあり、どう進めるのか具体的である。熊澤喜久雄の『これからの有機農業』は私の植物栄養学の知識が実に古い知識だったことを理解させた。
熊澤喜久雄は、植物栄養の歴史から紐解く。リービッヒは『植物を化学で説明できる』と考えた。
化学物質で植物が生育可能であることを明らかにして養分の最小律を明らかにした。
『最小律とは、植物の養分は適当な割合で供給されることが必要であり、もしある養分が植物の要求に対して相対的に不足すれば、他の養分が十分に供給されたとしても、植物の生育収量はその不足している養分の供給に支配される』
このことで 制限因子が何なのかを明らかにした。これをスプリンゲル=リービッヒの最小律とよばれる。このことから土壌分析からどんな肥料を追加すべきかなのかができる。栄養分の過剰に対応できるようなる。
植物栄養学として『植物は有機物を無機化して吸収する』と言う理論が1850年から60年代に明らかにされた。それが水耕栽培として発展することになった。
『植物は有機物は吸収しないか?』ということがその後の大きな研究課題となった。
確かにアミノ酸散布によって植物がよくなることは経験的にわかっている。
現在では 水溶性の有機物を吸収することが明らかになった。『たんぱく質、ペプチド、アミノ酸類、核酸、ヌクレチオド類、腐食酸、キノン類、リグニン、セルローズ、ペクチン、でんぷん、糖類、フィチン、脂肪酸類』の水溶性が 吸収される。
熊澤喜久雄はいう『吸収された有機物はいろいろ変化して作用するが、その中には細胞を活性化させて刺激する』
有機物は、①根毛の発達を促進する。②根でサイトカイニンなどのホルモンがつくられる。そして 地上部へ供給する。③サイトカイニンは 活性を維持し、老化を防止する。④合成する能力が向上する。→食味が向上する。
熊澤喜久雄は植物が有機物を無機化して吸収するだけでなく水溶性の有機物を吸収することがあるという。有機農法の新しい知見により、有機堆肥を植物系ですることや、動物系にすることも新しい方向性ができる。それにしても、まだわかっていないことが多い。それは、地域によって環境条件が違うことを熟知しなければならない。有機農業を目指す人は、読むべき本である。
 

ゴマの来た道(3)レビュー

ゴマの来た道 小林貞作(著)  記;2014/09/02
【レビュー】
著者の ゴマへの ささげる愛情の強さに感銘する。
ゴマは 香りのよさ、高品質、高栄養である。
香料、医薬用、灯り用、油脂でのミイラ作り。
アフリカのサバンナで生まれ 世界に広がった。
シルクロードより ずっと前に ゴマの道があった。

紀元前3世紀の「神農本草経」にゴマが記載されている。
南朝時代(420−589)の「本草経集註」にも記載されている。
李時珍の「本草綱目」 ゴマの卓効、秘薬。

ゴマは 食べる丸薬であり、不老長寿のクスリだった。
薬食一如。医食同源。

日本では、
殺生肉食の禁令で、ゴマの植物性油脂が利用された。
禅寺に起源を持つ身体にいい精進料理、仏事、懐石(会席)などの料理になった。
ゴマアブラによる 天ぷら。
西洋料理にも サラダ油、香味油、調合油、ドレッシングにゴマが使われる。

油脂は、カロリー値は高い。
炭水化物 1グラム 4.1カロリー。
タンパク質 1グラム 5.5カロリー。
油脂 1グラム 9.3カロリー。

ゴマには 不飽和脂肪酸のリノレン酸が 46% オレイン酸 39% 含まれている。
空気中に放置しておくと固まるのが 乾性油。(アマニ油、ダイズ油)
不乾性油 ラッカセイ油、オリーブ油。
半乾性油 ゴマ油、ナタネ油。

ゴマ1













#ブックカバーチャレンジ
「ゴマの来た道」小林貞作(著)
ゴマは、サントリーのセサミンの宣伝攻撃でかなり注目を浴びている。また、私も油は、金印純正のかどやのごま油を使っている。とにかく、香りがいいのだ。
ゴマには不飽和脂肪酸のリノレン酸が46%、オレイン酸が39%含まれている。健康にいいのだ。
著者のゴマへのささげる愛情の強さに感銘する。ゴマは、熱帯地方原産の植物アフリカのサバンナで生まれ、世界に広がった。そのルートは, 二つの大きな流れに分かれていた。一つは陸路で,エジプトから地中海,中東,インドを経て,中国,日本まで伝えられた。 もう一つは海路で,アフリカ東部からアラビア,インド西岸,東南アジアへと運ばれた。シルクロードよりずっと前に「ゴマの道」があった。ゴマは香料、医薬用、灯り用、油脂のミイラ作りの使用。アラビアンナイトでは、「ひらけゴマ」というフレーズに押し上げられた。ゴマは宝物で、はじける様を呪文にしたと言われる。
エジプトでは、クレオパトラがごま油をボディ・オイルとして使用した。古代インドでは、仏教の教えで肉食が禁じられたため, 高たんぱく質のために胡麻がすりごまやペーストにされて使われた。
中国では、紀元前3世紀の「神農本草経」にゴマが記載されている。南朝時代(420−589)の「本草経集註」にも記載されている。李時珍の「本草綱目」秘薬とされているゴマは 食べる丸薬であり、「気力を増し、脳髄を補い、飢えず、老いず、寿を増す」という不老長寿のクスリだった。薬食一如。医食同源の重要な役割を果たした。胡麻餅, 胡麻煎餅としても食べられていた。
日本では、縄文時代の晩期には,既に関東以西で栽培されていたことが確認されている。 殺生肉食の禁令で、ゴマの植物性油脂が利用された。一般では、ゴマは手に入らずエゴマが使われていたという。
禅寺に起源を持つ身体にいい精進料理、仏事、懐石(会席)などの料理になった。ゴマアブラによる 天ぷら。ゴマカスとは、「胡麻菓子」を語源とする説があり。 江戸時代の「胡麻胴乱(ごまどうらん)」という菓子のことで、中が空洞になっているため、見掛け倒しのたとえに用いられたことによる。少し、ゴマとは関係ないところで不名誉な言葉に使われるが、ゴマは不老長寿の宝として歩んだ歴史がある。

野菜の変化

#ブックカバーチャレンジ
農業ビジネス ベジ 2020Vol28  売れる野菜2020
長く中国に住んで、久しぶりに東京で生活して、一番感心したのは、世界各国の料理が食べられると言うことだ。
中華料理やラーメンや餃子は、中国では味わうことができないほどの多様性を持ち美味しい。実にこだわりがあり、そのこだわりが一つの文化;日本風中華料理を作り上げている。
中国のように単純に油で強火でいためて料理するという料理法は、チカラで野菜をねじ伏せて食べているようだ。大きなタンクの油(20リットル)を1ヶ月1家族で1本食べてしまうとは恐ろしい。スープの中にも 油を入れてしまう。おかげで、中国は大豆に関しては自給率が20%を下回る状況になっている。
イタリア料理、フランス料理にしても、出てくる野菜が多様であり、新鮮なのだ。スーパーに行けば、様々なスプラウトがあり、ブロッコリーのスプラウトはスルフォラファンがあり、その成分は抗がん効果があり、免疫力を高めると言う話である。
そのような世界各国の料理の野菜を支えているのは、やはり日本の優れた農家の技術によってである。随分と日本の野菜事情がわからなくなっていると思って、農業ビジネス Veggie ベジ 売れる野菜2020 を購入した。なるほど、こんな風に変化しているのかと驚いた。
2020年の新品種や新商品を紹介しているのだが、野菜が実にカラフルなのだ。このカラフルさは、食卓の彩りだけでなく、野菜の持つ機能性を重視している消費者の要求にマッチしている。サプリメントを摂るなら、日頃から摂る野菜で撮ればいいと言う風潮もあると思われる。
よく考えて見ると、野菜とはスプラウトやベビーリーフやハーブは生で食べるものは目先が変わっても、取り入れられるが、料理する野菜は食べ方がわからないと購入しないところもある。野菜に対する考え方は、保守的なのだ。東糀谷の古民家カフェヨイチで、ヨルダン料理の講習会に参加して、初めてモロヘイヤの食べ方を知った。野菜とは、やはり、料理法と重ね合わせて普及されるものだと思った。
カラフルな野菜の機能性;抗酸化力は、今後も大きなトレンドになると思った。 

ピーナッツ(12)アレルギー

ピーナッツ アレルギー

ピーナッツアレルギーの原因物質は、ピーナッツに含まれるヒスチジンが微生物によってヒスタミンに変わり、それが気管支を収縮させたり、じんましんを起こします。

ヒスタミン (histamine) は分子式C5H9N3、分子量 111.14 の活性アミンである。1910年に麦角抽出物中の血圧降下物質としてヘンリー・デールとパトリック・プレイフェア・レイドローが発見した。 
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落花生(ピーナッツ)アレルギーの症状と対策|食物アレルギー辞書
2019年12月14日 
落花生(ピーナッツ)はアレルギー症状が重篤になりやすい食品です。少量でもアレルギー反応がでるため、ピーナッツオイルも取り除く必要があります。ピーナッツはさまざまな食品・料理に使用されているため、原材料を十分にチェックするとともに、コンタミネーション(意図しない混入)にも気をつけましょう。
重篤になりやすい「落花生(ピーナッツ)アレルギー」
落花生(ピーナッツ)アレルギーは、そばアレルギーと同様に症状が重篤になりやすい傾向があり、アナフィラキシーショックを引き起こすことがあります。チョコレート菓子をはじめとするさまざまな食品に使用されており、加工食品のアレルギー表示が義務づけられています。
 少ない量でもじんましんや呼吸困難などの症状につながるほか、重篤になると命にかかわる場合もあります。
 食品表示では落花生と表示されていますが、ピーナッツアレルギーと申告する人が多く、ピーナッツで表示を探すと落花生を見落としてしまうことがあるので気をつけましょう。
落花生アレルギーの人が注意すべき料理や食品
チョコレート菓子に使用されることが多い食品です。スナック菓子や和菓子、調味料、ドレッシング、サラダやのトッピング、カレールーなどにも使われる場合があります。原材料を確認する際には「ピーナッツ」の文字でなく「落花生」の文字を探しましょう。
 細かく砕いたりペーストにしたりして、一見わかりづらい形で料理に使われることが多い食品です。一部の地方ではジーマミー(地豆)と呼ばれることもあるため、見逃さないように注意してください。
 なお、落花生を食べる意外に、ピーナッツオイルを塗ったり、豆まきをしたりするだけでもアレルギー反応が起こります。アレルギー反応がある人や周囲の人は、生活全般において使用しないように心がけましょう。
落花生アレルギーとナッツ類アレルギー
ピーナッツは名称から木の実類であるナッツ類(アーモンド、カシューナッツ、くるみ、くりなど)と混同しがちですが、実はマメ科の食品です。
 しかし、ナッツ類アレルギーの場合は落花生にも反応することがあります。落花生やナッツ類のアレルギーの人は、具体的に何に反応するのか検査を受けて把握しておくとよいでしょう。
 落花生アレルギーの人に料理を提供するときの注意点
落花生は(ピーナッツ)は多種多様な食品や料理に使用されているため、原材料の確認や調理環境には細心の注意を払いましょう。ゆでたり揚げたりするよりも、炒る(ローストする)とアレルゲンが強くなり、反応がでやすくなるといわれています。
 また、落花生はナッツ類ではありませんが、ナッツ類として申告する人がいます。アレルギーの聞き取りには注意してください。
<ヒヤリハット事例>
・ジーマミ豆腐に落花生が使用されていることを知らずに食べて発症した
・落花生を使用していないチョコレートであったが、落花生入りチョコレートを製造している生産ラインで製造されており、落花生を使用していないチョコレートに落花生成分が混入していた 

ピーナッツ(11)千葉の落花生

落花生の品種と選び方。ピーナッツの種類は1600以上?
お米にはいろいろな品種がありますが、ピーナッツにも品種があるのはご存知ですか?産地は意識するけれど「落花生の種類」はよくわからないって方が多いと思います。同じ産地でも種類が違うと大きさや味も違ってきます。だから落花生の種類を知っていると自分好みのピーナッツを選べるようになります。種類を意識せずに購入して「なんか思っていたのと違う・・・」と嘆く前に、この機会にピーナッツの種類について知っておきましょう!

千葉県の落花生は5種類
現在千葉県では焙煎落花生向けの品種、千葉半立(ちばはんだち)、中生豊(なかてゆたか)、Qなっつ(きゅーなっつ)。
ゆで落花生向けの品種、郷の香(さとのか)と、おおまさり。
主にこの5種類のピーナッツが育てられています。
焙煎落花生向け品種
千葉県産落花生で一番代表定な食べ方は、殻付きのまま焙煎しただけの素材を味わう食べ方です。外国産ピーナッツは基本的に加工されることが多いですが、千葉県産落花生はそのままでも美味しいのでこの食べ方が主流です。
●千葉半立(ちばはんだち)
とても香ばしく、甘味が強い濃厚な味で落花生王国千葉県を代表する品種。味の評価は高いですが栽培が難しく収穫量も少ないため高価です。国産落花生では最高品種とされています。歴史も古く「千葉県産落花生」ブランドを確立した品種といっても過言ではありません。ただ、少し小粒で殻に黒い斑点模様がつきやすいため見栄えはあまり良くありません。価格が高い・見栄えが良くない・小粒な為あまり詳しくない人は敬遠しがちですが、逆に見た目よりも味にこだわりのある通の方ほど選ばれる品種です。
落花生1

































 
●中手豊(なかてゆたか)
千葉県の落花生試験所で品種改良され生まれた品種。千葉半立に比べややあっさりとした味わいの中手豊は、やや大粒で見栄えも良く、殻も白くきれいに育ちやすいので贈り物に大変喜ばれます。 収穫量も千葉半立に比べ2割くらい多いため、千葉県産の落花生でも低価格。 味が良く、器量良く、お求め安い、三拍子揃った落花生の優等生。一般的に千葉県産落花生とだけ表記されている商品はこの中手豊の場合が多いです。千葉半立よりも1ヶ月ほど早く収穫されるので、いち早く新豆を味わう事ができます。
落花生2



 















●Qなっつ(きゅーなっつ)
2018年にデビューした新品種。「Pナッツを超すQナッツ。(アルファベット順でPの次はQ)」の名のとおり、今までに無いくらいの分かりやすい甘みが特徴です。前述の中手豊に似てあっさりとしていて、やや大粒で見栄えも良く、殻も白くきれいに育ちやすいので贈り物に大変喜ばれます。中手豊よりも病気に強いため収穫量が安定するようになりました。
落花生3

























千葉半立、中手豊、Qなっつを見分ける方法は?
市場に流通している国産の焙煎落花生はほとんどこの3種類です。落花生の品種の見分け方は色を見る事!。殻を割って渋皮を剥いて、その渋皮の裏を見てください。茶色なら千葉半立、白色なら中手豊かQなっつです。ただ、中手豊とQなっつを見分けるのは難しいです。
業界裏話
スーパーに行ったとき皆さんはどのように野菜を選んでいますか?
おそらく、大きくて発色がよく綺麗な物を選ぶのではないでしょうか。
けれどピーナッツは大粒で殻のとても綺麗な物を選ぶと失敗する確率が高いのです。
なぜなら、ピーナッツは大きく育ちすぎると大味になり風味が損なわれてしまいます。特に中手豊は収穫が遅れた時、その影響が大きいです。ピーナッツの場合、大きさは品種に合った適度な大きさが一番いいのです。
そしてピーナッツの殻の色。実は綺麗なものが美味しいとは限りません。綺麗すぎるものは収穫時期が早すぎる場合があります。早すぎると綺麗に上がりやすいのですが殻が若干柔らかくて味が若干薄い傾向があります。ただ、殻の色については少し複雑で、黒い斑点がついているほうが美味しいというわけでもありません。
そして品種の違い、一番美味しいとされる千葉半立は小粒で黒い斑点模様が付きやすく見栄えは一見立派ではない。つまり、「落花生の品質は殻の色だけでは判断しきれない」のです。
ゆで落花生向け品種
茹で落花生は8月末ぐらいのとても早い時期に収穫されます。焙煎する落花生は掘ってから畑の上で2週間ほど乾燥させますが、茹で落花生は掘ってすぐ茹でます。落花生を早掘りし、かつ乾燥の工程がいらないので新豆が早くに食べられます。焙煎用落花生とは調理方法も保管方法も大分異なっています。
●郷の香(さとのか)
ゆで落花生用に中手豊を親に品種改良され誕生した割と新しい品種です。
郷の香は多く収穫でき、見た目も殻も白く綺麗、皮が薄く渋味が少ないのでゆで落花生として多く栽培されています。一般的に茹で落花生といえばこの品種を指すことが多いです。
●おおまさり
最大の特徴は大きさ。中手豊の約2倍くらいの大きさがあるピーナッツ。従来の品種よりも、甘みがあっておいしく、柔らかくとってもまろやかなので茹で落花生に向いています。「大きなきな莢(さや)で食味が勝る」ことから「おおまさり」という名前に。アメリカのジェンキンスさんが発見・命名したジャンボ・ジェンキンスという落花生を親に品種改良され平成21年に完成した新しいピーナッツ。
業界裏話
【1】実は茹で落花生という商品は最近になって普及したようです。茹でて食べるという行為は落花生産地では行われていましたがそれを商品化して茹で落花生という人気ジャンルができたのは割と最近(おそらく平成初期頃)。昔はそのような商品はほとんど見かけなかったようです。ゆで落花生は水分を多分に含み腐りやすいので、冷蔵宅配とパッキング技術の進歩がそれを可能にしたと思われます。
【2】おおまさりは千葉県が品種改良に10年以上かけ、平成21年に一般栽培が開始された品種。粒が本当に大きいのでお客様の反応がよく、さらに美味しいという渾身の落花生です。その分製品に求められる基準がかなり高く、「大きくないとおおまさりじゃない!」と大きく育てなかったおおまさりは(といっても一般的な落花生と比べれば十分大きい落花生は)選別で取りのぞく事が求められています。また掘り取った後も1、2日以内に茹で加工しないと、さやの色が黒く変色し商品価値が落ちてしまうため扱いがとても難しい品種です。
ピーナッツは全部で1600種類以上?
千葉県ではこれら5種類のピーナッツが育てられていますが、世界に目を向けるとピーナッツは中国、インド、ナイジェリア、アメリカ合衆国、インドネシア、南アフリカなどで広く栽培されています。多くの国で多くの種類があり目的によって利用されるピーナッツも様々。
ピーナッツには多くの品種の他に「タイプ」による分類があります。大きさや生育特性(草型や分枝習性)などで分けることができ、大きく分けるとバージニア、スパニッシュ、バレンシアの3つのタイプに分けられます。
バージニアタイプは大粒で千葉県で栽培されているの品種はほとんどこのタイプです。日本の落花生は味が良いので、主に殻付きやバターピーナッツなど加工で大きく形を変えない状態で消費されています。それゆえ大粒の品種が需要・供給が高いので、日本で生産されている品種はほぼ全てこのタイプに分類されます。
バレンシアタイプ、スパニッシュタイプは小粒でお菓子やピーナッツバターやオイルに利用されています。こちらのタイプは現在日本ではほとんど栽培されておらずアメリカや中国、南アフリカなどからの輸入品です。
千葉県ではこれら1,600もの品種を千葉県農林総合研究センター(日本国内で唯一の落花生研究専門公的機関)で保管、そこから選ばれた品種をもとに日々品種改良を行っています。経験だけではなく、日々美味しい落花生の研究が行われているからこそ千葉県の落花生は美味しいのですね。
落花生の等級
落花生の種類はは品種だけではなく、実の太さによって等級があります。太い順に一等、二等、三等、四等、五等とランクが分かれていて、等級で価格や用途がかなり変わってきます。一等~二等は実が大きく味もしっかりしているので、さや付き落花生や塩味つき落花生など実の原型を残した加工品などに利用されます。お店によっては”特選”と表記して一般の方に分かり安く表記しているお店もあります。五等に行くにつれて細くなり、細い実はカリカリッとした食感がバターピーナッツなどと相性抜群です。細い実は価格が安くピーナッツオイルなど形が変わる商品にも利用されます。この等級を分けるには機械と手作業の選別作業が複数回必要でとても大変です。
[まとめ] 落花生選びには何が重要?
つまり、千葉県産ピーナッツを選ぶときは「品種と等級」が大事!
「とにかく一番美味しいものが食べたい!」なら、千葉半立。
「千葉県産でお手ごろな殻付き落花生がいい!」なら、中手豊、郷の香。
「お酒に合うカリカリッとした食感のピーナッツがいい!」なら、の細実バターピーナッツ。
「落花生料理を見栄えもよく飾りたい!」なら、超大粒のおおまさり、もしくはやや大粒の中手豊。
「とりあえず安いのがいい!」なら中手豊の細実タイプ。
など、落花生を選ぶときは「品種と等級」で選ぶと自分の好みの落花生を選ぶことが出来ますよ。 

ピーナッツ(10)遠州半立ち

NutsによるNutsのための物語
文= 川内イオ 写真= 川内イオ
未知の細道 No.93 |25 June 2017
#5 遠州小落花を求めて
遠州小落花の若芽。鮮やかな葉の緑からみずみずしさが伝わってくる
 電撃に打たれたように、「これしかない!」と直感した杉山さんは、すぐに動き始めた。まずは上司に「故郷でピーナツバターを作ることにしたから、仕事を辞める」と宣言し、唖然とされながらも半年後に辞めることを決めた。
 その間に、日本に一時帰国して世界一を取った落花生、遠州で古くから栽培されていた在来種の「遠州半立ち」(通称・遠州小落花)の種を探した。
 すると、意外なことに遠州小落花を栽培している農家が存在しなかった。なぜ? と疑問を抱きながら、1904年の万博に出品した当時の資料を求めて立図書館や郷土資料館を訪ね、文献を漁って組合で品評会に出品していたことと、組合のメンバーを突き止めた。
 そのメンバーをリストアップして、当時のメンバーの子孫を探し出した。ひとりひとり当たっていくと、ある人が「当時の畑をそのままにしてあるから、毎年自生してるよ」と教えてくれた。手に汗を握ってその畑にいくと、雑草が生い茂る耕作放棄地で、土のなかになっている小ぶりの落花生が見つかった。それこそが、遠州小落花だった。
 許可を得てすべての種を持ち帰った杉山さんはすぐに、栽培してくれる協力者を探した。しかし、アメリカで会計士をしているという男から、種にするとたったお茶缶一杯分の遠州小落花を育ててほしいと頼まれて受け入れる農家などそうはいない。
「もともと農業をするつもりはなかった」という杉山さんは、100年以上も放置されながらひっそりと命をつないでいた種を手にして腹をくくった。「自分で作るしかない」。30歳の決断だった。

自然の肥料を与えて肥沃になった農地は、厚手の絨毯のようにフカフカ
 アメリカに帰って周りの友達に話をすると、100人中100人が「勝算ない」と呆れるか、笑った。馬鹿にされればされるほど、やる気がわいてきた。
「世界でも、自分で豆を作って焙煎して、挽きたてのものを瓶に詰めて売ってる人って多分いないでしょう? それがいいなって思ったし、それをサポートしてくれる世界一の遠州小落花っていう存在がある。アメリカっていう大きなマーケットもある。だから、これが絶対にダメになるはずない、失敗するはずがない!って思っていましたね(笑)」
 2013年の初夏、会社を辞めて浜松に戻った杉山さんは、近所の人から借りた60坪の農地で種をまいた。農業の知識など皆無だったから、youtubeや書籍を参考に見よう見まねでスタートしたが、絶対に譲れないこだわりがあった。
 目指したのは完全無農薬、完全無添加のピーナッツバターを作ること。ナチュラル思考というわけではなく、アメリカ式に合理的に良い豆を作るためにどうするか、を考えた末にたどり着いた答えだった。
 浜松は11月頃に「遠州のからっ風」という強風が吹く。その風に当てて天日干しをするためには、時期を合わせて収穫しなくてはならないのだが、化学肥料を与えると成長が早まるためにタイミングがずれる。早く収穫して保管しておくと、傷んでしまうのだ。
 また、浜松は砂の多い地盤のため、化学肥料をあげたとしても土にとどまらずにすり抜けてしまう。それなら「土をしっかり作って、その土を活かして栽培しよう」というのが答えだった。 

#7 雑草との終わりなき格闘


一株、一株丁寧に健康状態を確かめつつ、雑草を抜く
 それでは、どう土を作るのか。参考にしたのは、化学肥料などない1904年に世界一に輝いた当時の生産者の手法だった。
「お米の農家さんからワラと米ぬかをもらってきて、浜名湖からモクという海草と牡蠣殻をいただいてくる。モクヤはミネラルとマグネシウムが豊富で、昔は肥料になっていたんです。これを海草、わら、米ぬか、海草、わら、米ぬか、って積み上げていって、寝かすんですよ。それを何回かかき回して攪拌することによって、米ぬかの菌で発酵していく。それを畑に入れてあげるんです」
 肥料を手づくりするだけでなく、農地に種を蒔いた後も手間暇のかかる道を選んだ。
 落花生の産地では、一般的に芽の周囲にビニールを張り巡らせている。そうすると地面の温度が上がって発芽も早くなるし、雑草も生えないという一石二鳥の方法だ。
 しかし、落花生の実がなる段階になるとビニールを破いで外すか、そのまま土のなかに埋めて放置するという手法がとられている。杉山さんは「破けばゴミになるし、放置すれば環境に悪いから」とビニールを敷かないことにした。
 その結果、自然の肥料で肥えた土地に生えてくる無限の雑草との格闘が始まった。杉山さんの仕事時間は、朝6時から12時までと、15時から19時まで。夏の間、この計10時間をずっと草抜きに費やしてきた。夏場の草抜きを想像し、思わず「はあ」とため息を漏らすと、杉山さんは笑った。
遠州小落花の収穫時期は秋
「多分、素人だからできたんだと思うんですよ。いろいろ知りすぎちゃってると、常識に縛られるし。確かに手間はかかりますよ。でも、はじめに簡単な方法を覚えちゃうとそれにしがみつくでしょ。最初に自分の体をしっかり使って、難しいこと、大変なことはやっておけば、だんだん慣れてきて、そのうち苦じゃなくなると思ってます」

土の世界

土の世界 2013/12/04記 

醸は 日単位
嬢は 年単位
壌は 数百年単位

『植物は、みずから動いて食糧を手に入れることはできないから、根を土の中にのばして養分を探して吸収するが、動物の消化器官に相当するものをもっていない。動物の消化酵素に相当する働きを土壌中の微生物が果たしており、植物と協力体制が成立しているのである。したがって、多くの生命活動が活発に行われうる場所こそが、肥沃な土壌と呼ばれるにふさわしい場所である。』 

土のプロフィールが大切である。
水田の土のプロフィールには、耕盤と言われるものがある。

今から2万年前には、海面の高さが現在の海面の高さより約100メートル低く、その後徐々に海面が上昇して、約6千年前に,ほとんど今の海面の高さになった。
川の下流部に広がる平野は,約6千年前に,川が運んで来た砂や粘度が堆積したものである。

2ミクロン以下 粘土 クレイ
20ミクロン以下 微砂 シルト
200ミクロン以下 細砂 
2ミリメートル以下 粗砂

ネバネバ 粘土質
ザラザラ 乾いた砂
サラサラ 砂が少ないと
ジャリジャリ 湿った状態で砂が多い 
土壌学で言う コンシステンシー。
粘着性、可塑性(凝集性)の程度と種類、変形や破壊に対する抵抗性、

雨降って地固まる
『粘土を比較的たくさん含む土で家の土台を作った場合,雨が降って孔隙がつまり,その後の乾燥に伴って地面が絞め固まる。』 

日本の土は 褐色森林土 山地が61%もある。
温暖多雨なので 酸性を示す。
赤色土 酸化鉄が多い
黄色土 年代は比較的新しい 粘土が多く緻密で養分は乏しく酸性。
黒ボク土 火山の多いところに多い。火山灰を母材とする。
灰色 水田として利用されて来た。
褐色低地土 風化した三価の鉄のために褐色になる。
土の色は 腐食と鉄化合物の色で構成される。

ポドソル土壌 豊かな森に貧しい土壌
チェルノーゼム土壌 世界の穀物をつくる。
ラトソル土壌 太陽に焼かれ大量の雨水で洗い流される。
泥炭土壌 有機物の供給が分解量をうわまる
砂漠 乾燥した土、塩類集積土壌 

岩は数億年前のものから,土になっていく。
土とは 有機物と無機物が混合したものだ。
火山灰は 手頃な土
鹿沼土 は 約3万年前に群馬県の赤城山から噴出した軽石。
富士砂は 1707年に 富士山の寄生火山の宝永山から吹き出した軽石。
粒子が細かく,気泡がたくさん含まれているので,表面積が非常に大きい。
火山灰が1人前の土になるには数百年から数千年が必要。
花崗岩が 風化するのに 100万年かかる。 

粘土鉱物の変化
スメクタイト カオリナイト ギブサイト

『植物は土に根を張って自分の身体を支えると同時に,土から養分を吸い上げて生きている。つまり土は植物の住と食をまかなっている。』

土壌がカチオンをくっつけられる量をカチオン交換容量(CEC)
アニオン(マイナスイオン)をくっつけられる量をアニオン交換容量(AEC) 

ドクチャエフ
『土は水、空気および種々の生きている生物と死んだ生物によってつくられる。』

窒素は 地球表面積の空気 約78%を占めている。この量は39億トンと試算される。
生物的な窒素固定量は4.5%になる。

農薬を微生物が分解する。それはさまざまな分解する代謝経路を持っているからだ。

『団粒構造ができるためには、粘土粒子のファンデルワールス力、根が吸水により土をからめて脱水する作用、土壌中の有機物に含まれている多糖類やリグニン様物質など高分子化合物が土壌粒子をつなぎ合わせる作用、微生物屋根の分泌するネバネバしたガム状物質や糸状菌菌糸が土を絡める作用などがかかわっている。土壌が団粒化すると数ミリメートルから数ナノメートルまで様々な大きさの間隙ができる。』 

田んぼの土
土に水を張ることで,土の中の酸素が微生物に食い尽くされる。
土が酸欠状態になる。
土壌のPHが 自動的に中性付近に調整される。
鉄と結びついていたリン酸が溶け出す。
作物が利用しやすいようになる。
雑草を抑制する効果もある。
連作障害が起こりにくい。

畑は水田に比べて生産力が低い。
灌漑水による養分の天然供給が多い。
酸素が多いので土壌有機物の分解消耗が激しい。
土壌中の窒素が減少しやすい。
物理性が悪化しやすい。
窒素が硝酸イオンになりやすく,流亡しやすい。
塩基類が溶脱しやすく酸性化しやすい。
連作障害が起こりやすい。
堆肥投入のメリット
1 土壌粒子の団粒化を促進し 空気や水が通りやすくなる
2 養分の保持力を高める
3 微生物が繁殖し,病原菌が抑制される
4 養分の供給

アルミニウムは 根から吸収されたアルミニウムが細胞の核や細胞にあるリンと結合して働きを弱める DNAのリンと結合して細胞分裂を阻害する。
地上部の窒素含量を低下させる。
お茶は アルミニウムイオンに対して強い。
問題土壌
パーティソル 粘土含量が40%〜80%。綿花栽培に使われる。
泥炭土
酸性硫酸塩土壌 PHが4以下になる。
塩類土、アルカリ土、汚染土
重金属とは 比重が、4以上あるもの。
塩類土は、メソポタミア文明が滅びた要因でもある。

『砂漠化とは土地が持っている生物生産の力が減少したり,破壊されたりして、最後には砂漠になっていくこと』
毎年 6万平方キロの土地が砂漠化していく 酸性雨とは PH4以下の雨のことを言う。
42億ヘクタール 高生産性農業  世界の陸地面積の25% 
33億ヘクタール 土の世界が 
多面的な確度から検討されているのは 全体像を知る上で 重要である。

#ブックカバーチャレンジ 
私は、農業に憧れた。大学も農学部をめざした。父親は「大学に行って百姓になるのか?」と言って怒った。大学を卒業して、醸造の世界に入ったが、やはり農業がしたかった。そして、農業を始めるのだが、菓子屋のせがれが、土を触ったこともなく、よく考えれば、小学校の4年生の時に園芸係をやらされて、アサガオを育だてたことが楽しかったから農業につながったのだ。たわいのない話だ。しかし、農業はやはり楽しい。「面白すぎるぜ 農業」なんて言っていた。育てている植物が話ができるならいいと思ったが、「お前なんかに育てられるか?下手くそ!」と言われるのがオチだと思った。到底 植物とは会話できないのだ。
それならば、植物と話をする前に、「土」と話をしようと考えて、土の本を読んだ。
「土の世界―大地からのメッセージ」が、土を考える視点を与えてくれた。『植物は土に根を張って自分の身体を支えると同時に,土から養分を吸い上げて生きている。つまり土は植物の住と食をまかなっている。』土の定義がはっきりした。『土は水、空気および種々の生きている生物と死んだ生物によってつくられる。』つまり、いい土ほど微生物がいるのだ。団粒構造は微生物が作ることを理解した。土に必要な微生物とは、EM菌や様々な菌を試した。その時の微生物のお師匠さんが日比野進さんだった。嫌気性微生物の活用がもっとも効果的で、雲南では、嫌気性菌の有機土壌肥料を1000トン以上作った。連作障害は劇的に変化した。

タマキクラゲ

タマキクラゲ
玉川では、サクラの落枝から発生しているのをよく見かける。
冬の寒さも緩み、春に向かって徐々に暖かくなっていくころ、ひと雨降った翌日に玉川の丘を歩いていると、細い枯れ枝に干しブドウのようなものが鈴なりになっているのを見つけることができる。
タマキクラゲの子実体(胞子が作られる構造体)は、シイタケのような、いわゆる「きのこ型」ではなく、丸いクッションのような形をしている。内部はゼラチン質で、指でつまむと、何とも言えない、柔らかい感触がする。このように一般的なきのこのイメージとかけ離れているため、これがきのこだと知らない人も少なくないだろう。
雨が降った後は水分を吸って大きく膨らんでいるが、乾燥するととても小さく硬くなる。春から秋にかけて広葉樹の比較的細い枯れ枝に、所狭しと発生する。まだ緑の葉が広がる前の、春先のほうが見つけやすいかもしれない。
中華料理に入っているキクラゲと名前は似ているが、近縁でなく、子実体の構造も大きく異なる。とはいえ、タマキクラゲもキクラゲと同様に食用菌で、さっと茹でて酢の物にしたり、わさび醤油で食べたりすると、ぷりぷりした食感を楽しむことができる。
(農学部准教授 石﨑孝之)
キノコ03




 上から、見たタマキクラゲ

キノコ04




 断面

タマキクラゲ(珠木耳)
学名:Exidia uvapassa
ヒメキクラゲ科
春から秋、落葉広葉樹の枯れ枝上に群生する。子実体はゼラチン質で、類球形~平板状(乾燥状態によって異なる)、大きさは1~2cm程度で、隣同士が接しても融合することはない。色は淡褐色~赤褐色。上表面は微細なイボで覆われる。食用。日本、韓国に分布する 

タマキクラゲ(珠木耳、学名:Exidia uvapassa)は、シロキクラゲ目ヒメキクラゲ科のキノコ。日本、韓国に分布する。
春から秋にブナ科の落葉樹の枯れ木に発生する。子実体はゼラチン質で球形、類球形など多様な形状をとる。色は赤褐色、灰褐色、黄褐色など。乾燥すると縮み、黒褐色の膜状または小塊になる。胞子は無色で腎臓型。
子実体は無味無臭で、茹でて食用にできる。

:菌界 Fungi
:担子菌門 Basidiomycota
:異型担子菌綱Heterobasidiomycetes
:シロキクラゲ目Tremellales
:ヒメキクラゲ科Exidiaceae
:ヒメキクラゲ属 Exidia
:タマキクラゲ E. uvapassa
学名
Exidia uvapassa

ヒメキクラゲ(姫木耳、学名:Exidia glandulosa)は、シロキクラゲ目ヒメキクラゲ科のキノコ。
世界中に分布し、枯れ木上に発生する。子実体はゼラチン質で不定形。色は灰褐色、黒褐色、黒色。表面には多数の突起がある。胞子は腎臓形で無色。

シロキクラゲ目
シロキクラゲ目(シロキクラゲもく、学名: Tremellales)は、担子菌門に属する目の一つ。
シロキクラゲ目は、菌類や樹木、植物上に生えるキノコの集合である。キクラゲ目等に似ているが、担子器そのものが縦に四分され、それぞれから長い柄を出してその先に担子胞子を形成する点で、はっきりと区別される。
主なものに共通する特徴として、軟質でゴムのような子実体を形成するという特徴がある。この子実体は乾いていくと白色または褐色に変色し、艶が無い皮革状に変化する。いったん乾いた子実体は回復しないように思われやすいが、水を含むと軟質な子実体に戻り、数時間で胞子を放出し始める。子実層には歯牙状の突起があり、ハリタケ属に似ている。保水力が高いのは、ムコ多糖などの多糖類や食物繊維が多く含まれるためで、これらの成分からこの目(もく)のキノコは美容などのために良いとされる。

キクラゲ(2)

キクラゲ
Sequence analyses of the 28S rRNA gene D1/D2 region suggests 
Dacrymyces (Heterobasidiomycetes, Dacrymycetales) is polyphyletic
博士論文につながるアカキクラゲ研究第1弾.
アカキクラゲ類(用語解説1)は担子菌類の中でも進化史の初期に出現した木材腐朽菌と考えられており,木材分解者の進化を考える上で注目に値するグループである.
本菌群の多様性や生態を解明することから,木材腐朽菌の進化と陸上生態系の発達史に関する理解を深めることができると考えている.
本研究では核rRNA遺伝子を用いた分子系統解析により,アカキクラゲ目内の系統関係を推定した.結果,目内の高次の系統関係を解くことはできなかったが,主要な属である Dacrymyces が多系統群(系統的に雑多な群)である可能性が示された.これにより,アカキクラゲ目内の科や属レベルの分類は再考を迫られる.
従来,アカキクラゲ目の科・属レベルの分類では担子器果(きのこ)の形態が重視されてきたが,この分類基準では系統を反映した分類体系を構築できていない.この結果を受けて,アカキクラゲ類の属分類における新たな分類基準について議論した.
図.アカキクラゲ目の最尤系統樹 

【用語解説1】アカキクラゲ類
 キクラゲ類に似たゼラチン質の子実体を形成するが,キクラゲ類とは系統的に異なる担子菌類.その多くは木材を分解して生活しており,オレンジや黄色の美しいきのこを形成する.
アカキクラゲ類は森林生態系における重要な分解者であり,木材を分解する担子菌類の進化を考える上で注目されるグループである.しかし,本菌群の多様性や生態についてはまだよくわかっておらず,特に日本では70年以上前になされた研究以降まとまった報告がない.

キノコ(2)

 菌類は腐生型の栄養摂取を行う生物として地球上に登場し、進化の過程で後から樹木の根との共生(菌根共生)生活の手段を獲得したと言われています。きのこには分類上、「しいたけ」や「きくらげ」などのように担子器と呼ばれる器官に胞子を形成する「担子菌類」と、トリュフやアミガサタケのように子のうと呼ばれる細長い袋の中に胞子を作る「子のう菌類」との2つの大きなグループがあり、ともに共通の先祖から4億年ほど前に別れたのではないかと言われています。しかし、その形態は極めてバラエティーに富んだ形に進化しており、担子菌類に属するきのこの形には、傘と柄を持つ典型的なきのこ形(マツタケ)のものから、棍棒状(スリコギタケ)、サンゴ状(ホウキタケ)、耳たぶ状(キクラゲ)、球状(ショウロ)など様々な形態に進化していることが知られています。
きのこがこのように多様な形を成している理由としては、子孫繁栄のための胞子をできるだけたくさん作り出すために、それぞれ特有の形に進化したものだと言われており、これまではきのこ全体の形や傘の形状の特徴などに因んでグループ分けすることで、きのこの分類が行われてきました。しかし、近年になってきのこの遺伝子が調べられるようになった結果、外観の形がまったく異なっているにも拘らず遺伝子が極めて近い関係にあるきのこの存在が徐々に解明されるようになり、これまでの形態特性に基づいた分類法が見直されるようになっています。最近のDNA鑑定の結果によれば、形の単純なものから複雑なものへと時系列的に進化している訳ではなく、それぞれのグループの中で独立して独自の形態に進化していったと言われています。 
「きのこ形」でない「きくらげ」などに代表されるきのこは、しいたけなどのように「ヒダ」のあるきのことは異なり、菌傘裏面のシワ状の凹凸表面部分に胞子を直接形成しますが、あまり遠くまで胞子を飛ばすことはできません。キクラゲ類の胞子を形成する「担子器」は「多室担子器」と呼ばれ、しいたけなどの「単室担子器」と比べ構造的には原始的な形で、子のう菌類から担子菌類への進化の中間形状だと言われています。また、ショウロなどの地下生菌は、土の中で生息することから風や空を飛ぶ虫などは当てにできないため、自力で胞子を散布することを断念し、特有の匂いを発することでダンゴムシのような地下棲動物の力を借りて上手に胞子を拡散できるように進化したと言われています。 
最近の分子生物学的手法による研究においては、これまで考えられていた殻皮に包まれたきのことしてグループ化されていたショウロ属やホコリタケ属などの地下生菌類の分類群である「腹菌類」は、イグチ目やハラタケ目などのきのこが地中に潜った結果であることが解明されたため、DNAによる新分類大系においては、完全にグループが消滅してしまったのです。すなわち、きのこ達は球形や不規則な塊形に姿を変え、「腹菌型」へ向けて進化している事実が解明されたのです。昨今の異常気象が恒常化しつつある地球の気候環境下において、きのこ達は地下生菌に姿を変え、地球上の最後の生物として生き残るための手段として、乾燥化や気温などの激変に 対応できるように環境変化の極力少ない地下を選択し、地中生活のための準備として、人類よりも一足先に進化を成し遂げようとしているのかもしれません。
キノコ01

 

 






















キノコ02 

キノコ

キノコ
キノコ mushroom は真菌(菌類) fungus(pl. fungi)の一種であり、学術用語 mycological term ではなく、肉眼で認められる大きさの子実体 fruit‐body を生ずる糸状菌 filamentous fungi の集団とされている。
糸状菌は菌糸を構成菌とするものである。食用になるものを食用キノコ mushroom(=edible mushroom) 、毒があって食べられないものを毒キノコ toadstool(inedible mushroom , poisonous mushroom)と呼んでいる。キノコに入らない糸状菌がカビmold であり、生活史の一定期間において栄養体が単細胞である真菌類が酵母 yeast である。
キノコは世界に約150万種あると推定され、菌類学者により、約8万種が確認されているといわれている。日本では約1万種(日本産きのこ目録2016では約6800種)ほどが知られているが、学名がつけられていないものや和名がつけられていないものも多い。
学名のわかっているものは約4800種であり、このうち和名がつけられているものは約3500種である。キノコに似た子実体を生じ、キノコと同じように扱われる変形菌類(粘菌類)は菌類ではなく、アメーボソア/アメーバ動物門に分類される。
キノコの構成菌類は子嚢菌類 ascomycetes と坦子菌類 bacidimycetes であり、ほとんどが坦子菌類である。
坦子菌類を構成菌類とする地衣は担子地衣 basidiolichens という。坦子地衣の中にはきのこの子実体をもつものもあり、 mushroom-fruited lichens という。チャサカズキタケ Lichenomphalia umbellifera やアオウロコダケ Lichenomphalia hudsoniana はその例である。
旧分類では坦子菌類は単室の坦子器をもつ真正坦子菌類(綱)と多室の坦子器をもつ異坦子菌類(綱)Heterobasidiomycetes に大別される。最も多いのは真正坦子菌類(綱) Homobasidiomycetes であり、子実層が裸実(全裸実又は半裸実) gymnocarpic の帽菌類(Hymenomycetes)と子実層が被実 angiocarpic の腹菌類(Gasteromycetidae)に分類される。
子嚢菌類は成熟すると子嚢が消失する①不整子嚢菌類(綱) Plectomycetes 、子嚢盤をもつ②盤菌類(綱) Discomycetes、子嚢殻をもつ③核菌類(綱)Pyrenomycetes に分類される。
 
新しい分類では坦子菌類はハラタケ亜門 (①ハラタケ綱、②シロキクラゲ菌綱、③アカキクラゲ菌綱)、子嚢菌類はチャワンタケ亜門(①ユーロチウム菌綱、②ズキンタケ綱、③チャワンタケ綱、④フンタマカビ綱)に分類されている。
a 坦子菌門 Basidiomycota
 ハラタケ亜門 Agaricomycotina
①ハラタケ綱 Agaricomycetes
 ●ハラタケ亜綱(Agaricomycetidae)
  イグチ目(Boletales)  イグチ科 Boletaceae、イドタケ科 Coniophoraceae、
  ヒダハタケ科 Paxillaceae、ショウロ科 Rhizopogonaceae、ヌメリイグチ科 Suillaceae、
  イチョウタケ科 Tapinellaceae
  ニセショウロ亜目 ツチグリ科 Astraeaceae、クチベニタケ科 Calostomataceae、
  クリイロイグチ科 Gyroporaceae、コツブタケ科 Pisolithaceae、
  ニセショウロ科 Sclerodermataceae
  ハラタケ目(Agaricales)(旧チャダイゴケ目、ホコリタケ目を含む)、アテリア目(Atheliales)、
  アミロコルティシウム目(Amylocorticiales)、ジャアピア目(Jaapiales)
●スッポンタケ亜綱(Phallomycetidae) 
  ヒメツチグリ目(Geastrales)、ラッパタケ目(Gomphales)、ヒステランギウム目(Hysterangiales)、
  スッポンタケ目(Phallales)
●所属不明(incertae sedis)
  キクラゲ目(Auriculariales)、アンズタケ目(Cantharellales)、コウヤクタケ目(Corticiales)、
  キカイガラタケ目(Gloeophyllales)、タバコウロコタケ目(Hymenochaetales)、
  サルノコシカケ目(Polyporales)、ベニタケ目 (Russulales) ロウタケ目 (Sebacinales)、
  イボタケ目 (Thelephorales)、トレキスポラ目 (Trechisporales)、
②シロキクラゲ菌綱(Tremellomycetes)
  シストフィロバシディウム目 (Cystofilobasidiales)、フィロバシディウム (Filobasidiales)、
  シロキクラゲ目 (Tremellales)、ニカワツノタケ目 (Holtermanniales) 
③アカキクラゲ菌綱(Dacrymycetes)
  アカキクラゲ目(Dacrymycetales)
※旧分類の腹菌類、異坦子菌類はハラタケ亜門に入れられた。
旧分類の腹菌類  ニセショウロ目→イグチ目、ケシボウズ目→イグチ目、
メラノガステル目→ イグチ目 ヒダハタケ科、チャダイゴケ目→ハラタケ目、
ホコリタケ目→ハラタケ目、スッポンタケ目→ハラタケ亜綱
ヒメノガステル目→イグチ目
旧分類の異坦子菌類 シロクラゲ目→シロキクラゲ菌綱、キクラゲ目→所属不明、
          アカキクラゲ目→アカキクラゲ菌綱
b 子嚢菌門
  チャワンタケ亜門(Pezizomycotina) 
  ①ユーロチウム菌綱(Eurotiomycetes)
  ●ユーロチウム菌亜綱(Eurotiomycetidae)ユーロチウム目(Eurotiales)、ホネタケ目(Onygenales)
  ②ズキンタケ綱(Leotiomycetes)ビョウタケ目(Helotiales)
  ③チャワンタケ綱(Pezizomycetes)チャワンタケ目(Pezizales)
  ④フンタマカビ綱(Sordariomycetes)
  ●ボタンタケ亜綱(Hypocreomycetidae)ボタンタケ目(Hypocreales) 
  ●クロサイワイタケ亜綱(Xylariomycetidae) クロサイワイタケ目(Xylariales)
※旧分類の真正子嚢菌綱(Euascomycota)はチャワンタケ亜門(Pezizomycotina)と同一である。
旧分類の不整子嚢菌類  ユーロチウム目→ユーロチウム菌綱、ツチダンゴ目→ユーロチウム目
旧分類の盤菌類 ズキンタケ目、チャワンタケ目(アミガサタケ、チャワンタケ)、
塊菌目→チャワンタケ目のフクロシトネタケ科 Discinaceae
旧分類の核菌類 バッカクキン目(冬虫夏草)→ボタンタケ目、肉座菌目→ボタンタケ目、
        クロサイワイタケ目→フンタマカビ綱、クロサイワイタケ亜綱 

霊芝(2)

霊芝(レイシ、Ganoderma lucidum (Leyss. ex. Fr.) Karst)はマンネンタケ科の一年生のキノコで、形態は系統により様々に変化する。肉質はコルク質様で表面はニスがかけられた様な光沢がある。別名万年茸(マンネンタケ)、霊芝草(れいしそう)。薬用植物。

霊芝は一般的にマンネンタケ科の万年茸(マンネンタケ)を指し、他に門出茸、仙草、吉祥茸、霊芝草、赤芝などの呼称で呼ばれている。古名には、三秀[1]、芝[2]がある。色の異なる紫芝、黒芝、青芝、白芝、黄芝もあるが、紫芝は近縁種のGanoderma japonicum (Fr.) Lloyd とされ、他の4色は2種のいずれかに属することが多い。
成長し乾燥させたものを霊芝として用いるが、子実体は木質で直接の食用には適さず、適当な大きさに切り、熱水で煎じて抽出液を服用するほか、薬用酒とする。後漢時代(25-220)にまとめられた『神農本草経』に命を養う延命の霊薬として記載されて以来、中国ではさまざまな目的で薬用に用いられてきた。日本でも民間で同様に用いられてきたが、伝統的な漢方には霊芝を含む処方はない。子実体はさまざまな多糖類(β-グルカンなど)やテルペノイドを含む。他のきのこのβ-グルカン同様、抗腫瘍作用の報告は多いが、ほとんどは試験管や動物実験で、ヒトでの臨床報告は限られている。

成長
成長途中の子実体、先端に成長点がある
シイタケ等のスポンジ質なキノコでは子実体は膨張するように成長(肥大)するため、周囲の木などの異物を取り込んで成長することはなく、異物を避けて肥大していくが、本種やサルノコシカケの様にリグニンやセルロースを多く含み成長後にコルク質で樹木の様に硬化する種類のキノコでは、原基形成の時点では担子胞子の元は形成されておらず、成長点が先端あるいは辺縁部にあるため、周囲にある木などの異物を取り込んで成長することがある。
 
人とのかかわり
今日では栽培法が確立されており、民間薬あるいは健康食品としてさまざまな目的に用いられる。飾り物としても利用されてきた。古代中国では霊芝の効能が特に誇大に信じられ、発見者はこれを採取して皇帝に献上することが義務付けられていた。また、官吏などへの賄賂としても使われてきたという。傘の形成されていない子実体が珍重されている場合もあるが、単純に成長途中の個体を採集しているだけで、自然界においては珍しいものではない。なお本種は堅くて噛みきれないため、直接の食用には適さない。
 
安全性
『神農本草経』では上品に分類され、無毒で長期連用でき、命を養うとされている。これまでの臨床報告でも、適切に経口で摂取するなら安全性は高いことが示唆されているが、3-6ヶ月の長期間服用により、めまい、口・喉の渇き、鼻水、鼻血、かゆみ、胃のむかつき、血便などの副作用が報告されている[3]。妊娠中、授乳中の安全性については十分なデータがないので使用を避けることが推奨される[3]。
マウスによる動物実験では、
LD50 (半数致死量)
レイシの浸出液投与:マウス経口22 g/kg、マウス腹腔内38.3±1.04 g/kg [3]。
医薬品等との相互作用[編集]
霊芝は抗血液凝固作用をもつので、理論的には抗血小板・抗血液凝固作用のあるハーブや医薬品を用いている人では出血傾向が高まることがある。血圧低下作用のあるハーブや医薬品とともに用いると、その作用を強め低血圧を引き起こすことがある[3]。

成分
β-D-グルカンなどの多糖類、ガノデリン酸などのトリテルペン類[4]。
霊芝の有用性[編集]
「免疫力を高める」「高血圧・低血圧を改善する」「ガンを予防および抑制」など様々な効能を謳った健康補助食品が販売されているがヒトでの有効性については信頼性のおける十分なデータが見当たらない[3]。しかし、中国や日本では霊芝には幅広い薬能があるものと信じられ、さまざまな目的に用いられてきた。その効能を裏付けようとさまざまな基礎研究が世界で行われており、培養細胞や実験動物を用いた研究では抗癌作用、免疫賦活作用、血小板抗凝固作用などが報告されている[要出典]。
日本においては臨床試験は進んでいないが、中国では各種の霊芝製剤が作られており、認証を得るためにもヒトへの臨床試験が行われ、効果が確認されている。たとえば、不眠に対しては、顆粒剤を4週間服用させたところ、96%に改善効果が見られ、これにともなって食欲、記憶の向上や疲労感、動悸、軟便などの軽減がみられた[5]。神経衰弱に対しては、錠剤を2週間服用させたところ、88%に改善効果がみられた[6]。慢性気管支炎に対しては、1~2週間の服用で咳、痰の改善がみられ、特に喘息には大きな改善効果がみられた[7]。また、霊芝内服液をマウスに与えてCoγ放射線治療の副作用低減効果を調べた研究[8]では、五色霊芝内服液を服用させたグループでは、対照グループに見られた脱毛や死亡がなく、脾臓リンパ球転化とインターロイキン-2分泌促進作用が認められ、白血球の減少も少なく、かつ回復も早かったとの報告がある。

鹿角霊芝収穫前(鹿角霊芝の特殊空調栽培)
栽培[編集]
栽培特性[9]
菌糸体の生育温度範囲は10~40℃、約30℃でよく成長、子実体の発生は20~30℃、最適温度は25~28℃。
広葉樹のクヌギ、コナラ等を使用し「原木栽培」と「菌床栽培」が行われる。原木栽培の場合、「殺菌」を行う場合と「非殺菌」の場合があり、天然環境または空調管理されたで、天然の周期にあわせ収穫が行われる。 菌床栽培の場合、「瓶」または「袋」、「平箱」に菌床を詰めて行う。殺菌、接種後、空調管理した施設で約2ヶ月培養した後、小砂利や鹿沼土を菌床面に覆土し子実体の発生を促す。時に、空調管理を行わず、自然にまかせる方法もある。
中国では主に赤芝が人工栽培されており、流通しているもののほとんどはすでに人工栽培となっている。信州、恵州、南韓、泰山1号、大別山霊芝などの品種があり、南韓は発育が早く、年に3回収穫できるため、普及している。中国では子実体の発生温度を24~30℃とし、発生後の温度が20℃以下や33℃以上になると硬化したり死亡したりするとしている[10]。湿度は85~90%が適し、高すぎるとカビが発生する。菌糸体の生育に光は不要であるが、子実体は十分な光がないと分化せず、奇形となる。中国では、クヌギの葉、大豆の茎、クワの枝、トウモロコシコブミールなどを炭素、窒素源として培養されている。
なお、この種の原木栽培に使用された原木はスポンジ状に柔らかくなるため、柔らかい朽木への産卵を好むクワガタムシの採卵に向く。業界では「霊芝材」などと呼ばれ市販されている。

霊芝(1)

マンネンタケ科レイシ種のキノコの中国名で、数千年前から地球上に生息しているといわれています。学名はGanoderma lucidum(ガノデルマ・ルシダム)。   
中国では「芝」は「キノコ」を表し、「霊妙不可思議なキノコ」や「霊験あらたかな キノコ」との意味で名付けられました。   
中国の古書「神農本草経」(500年頃)では天然物365種類を上品・中品・下品に分類 していますが、霊芝は「健康を増進し、いくら摂取しても害がない」とされる上品に 入っています。   
日本では「日本書紀」(720年)や「本草和名」(918年)に記されており、芝草、仙草、吉祥茸、幸茸といろいろな呼び名があります。
 
2. 霊芝にはどんな種類があるのですか?
漢方薬の原典である「神農本草経」や「本草綱目」(約400年前)によれば、霊芝には6種類あるとされていますが、生育地域は熱帯から高山まで幅広くその姿・形も多岐に亘っており、比較的、人の目に触れる機会の多かったものが赤・黒・紫・黄・青・ 白の6種類だったのではないでしょうか。
 
3. 霊芝は安全なものですか?
「神農本草経」で上品に分類されていることからも判るように、数千年の食経験によってその安全性が認められている食品です。 
米国ハ-ブ製品協会の「ボタニカル・セイフティ-・ハンドブック」では約650種 類のハ-ブを安全性に基づいて分類していますが、霊芝はクラス1(適切に使用される場合、安全に摂取することができる)として食用安全性が高い評価を得ています。
 
4. 天然物と栽培物の違いは何ですか?
霊芝は一年生なので、有用成分が多い時期に収穫しないと、風雨に晒されて成分が 消失してしまいます。 
天然物を発見するのは非常に困難で最適な収穫時期を逃してしまい、品質の安定性や収穫量の安定性から見れば栽培物が優れています。 
日本で確立された霊芝の人工栽培技術が世界に広まって、霊芝の普及に大きく貢献したのです。
 
5. 霊芝はいつ飲むのが効果的でしょうか?また飲み方は?
薬のように食後や食間等の決められた飲み方はありません。健康補助食品としてお召し上がりください。   
できるだけ多量の水またはお湯とともにお召し上がりください。
 
6. 霊芝の有用性は何ですか?
昔から中国や日本では、霊芝に幅広い薬能があると信じられ様々な目的に用いられてきました。 
培養細胞や動物実験では抗癌作用、免疫賦活作用、血小板凝固作用等が報告されていますが、ヒトでの臨床試験はまだ限られています。

9. 霊芝の医薬品はありますか?
日本では霊芝は食品扱いですので医薬品はありませんし、漢方薬にも霊芝が配合された処方はありません。   
海外では医薬品に相当する国もあります。
 

11. 霊芝はどこで栽培しているのですか?
2010年秋の収穫時点での会員の栽培地は北海道、青森県、秋田県、群馬県、 神奈川県、長野県で、全ての地区がハウス内での栽培を行っています。 

種無しアボガド

2017.12.24 
 日本でも女子を中心に大人気のアボカドですが、実の真ん中にどっしり構える大きな種が玉にキズ。切るときに失敗し、ヒヤっとした経験を持つ女子も多いのではないでしょうか。
アボガド1 














アボカド そんな中、待ちに待った種なしアボカドが英国に上陸。お寿司やサラダ、サンドウィッチ、トルティーヤ・チップスに付けるディップなど、日本人に負けず劣らずアボカド中毒のアメリカ人が嫉妬に狂っているようです。
エイプリル・フール?夢の現実?種なしで皮も食べられられる!
この種なし品種、南米やヨーロッパの一部の地域では以前から存在。
アボガド2













 

種無しアボカド パリやニューヨークなどの高級レストランでは食材として使用するところもあったようなのですが、イギリスや北米に住む一般の人々にはその存在さえ知られていませんでした。
そのため、今年7月の時点でたまたま見つけた種なしアボカドの写真をSNSに載せたユーザーのもとには、「どうせフェイクだろ!」「フォトショップ加工しているのでは?」と疑う声が多く寄せられたと『デイリー・メール Daily Mail』が記事にしていました。

英国上陸で嫉妬に狂うアメリカ人!?
それから数カ月後、イギリスのスーパーマーケット・チェーン「マークス&スペンサー」がスペイン産の種なしアボカドを12月のみの期間限定で販売すると発表。
すると、『ニューヨークポストNew York Post』『ロサンゼルス・タイムス Los Angeles Times』やNBCの情報番組『トゥデイ Today』など北米がメディアもこぞってこのニュースを紹介する大騒ぎに。
「夢が現実に!」「エイプリル・フールじゃありません」という驚きの声と共に、「アメリカ人はクリスマスにイギリス行きを計画すべし」「我々は(怪我しないように)ナイフ技術を磨けばいいだけさ」と自虐的なコメントを掲載したメディアもありました。

アボカドペースト フードマガジン『デリッシュ Delish』によると、種無しアボカドの長さは7センチほどで、形状はどちらかというとキュウリやズッキーニに近いとのこと。種がなく調理しやすいだけでなく、皮もそのまま食べられるというからますます魅力的です!
発売していない北米でも今から話題沸騰の種無し品種、日本に入ってくる日も近そうです。

魔女の雑草

「魔女の雑草」退治へ アフリカ食糧問題解決に新手法
12/14
トウモロコシなどの農作物に大被害をもたらす寄生植物ストライガ(土屋雄一朗・名古屋大特任准教授提供)
 アフリカでトウモロコシなどの農作物を枯らす大きな被害が出ている寄生植物「ストライガ」の駆除方法を、名古屋大などの研究チームが開発した。被害額は年間1兆円を超えているとされ、食糧問題解決への貢献が期待される。米科学誌サイエンス電子版に14日、論文が掲載された。
 ストライガはアフリカのサハラ砂漠以南を中心に分布。ピンク色の美しい花を咲かせるが、トウモロコシなどの根に取り付いて寄生し、栄養や水分を横取りして枯らすため「魔女の雑草」と恐れられている。
 種子は風に乗って広がり、日本の国土の約1・3倍に当たる5000万ヘクタールもの耕作地が汚染されている。約0・2ミリと微細なため除去は不可能で、熱に強く除草剤も効かない。
 種子は土壌中で数十年にわたって休眠状態となり、イネ科植物の根から出る植物ホルモンに触れると目を覚まし、発芽して寄生。ただ、発芽から4日程度までに寄生できないと枯れてしまう。
 この性質に着目した研究チームは、ストライガだけが反応する人工のホルモンを開発し、種子をまいた植木鉢に散布。寄生する植物がない状態で強制的に発芽させ、枯死させる「自殺発芽」に成功した。ほぼ全ての種子が自殺発芽し、この土にトウモロコシを植えると、ストライガの寄生は起こらず健全に生育した。
 人工ホルモンの製造費は耕作地1ヘクタール当たり約40円と安価で、他の植物や土壌中の有用菌には悪影響がないことを確認した。チームは来年、アフリカの実験農場で有効性の実証実験を行う計画だ。
 ストライガの被害は主にアフリカと中東で、日本では起きていない。だが土屋雄一朗・名古屋大特任准教授は「日本に侵入する可能性はゼロではない。被害に備えるためにも、新しい駆除方法を早く実用化したい」と話している。
ストライガ1












ストライガ2












ストライガ3






ストライガ5















ストライガ6 

シラン(4)

シラン

シランの有効成分 
ビベンジル (英語:Bibenzyl、1,2-ジフェニルエタン)はエタンの2つの炭素原子にそれぞれフェニル基を結合させた芳香族化合物である。
 
自然界での存在
ビベンジルはジヒドロスチルベノイド(英語版)やイソキノリンアルカロイドのような天然物の主要部分を構成する物質である
関連項目
ベンジル
ベンゾイン 

シランの有効成分 Phenanthrenes フェナントレン

フェナントレン(phenanthrene)とは、分子式 C14H10、分子量 178.23 で、3つのベンゼン環が結合した多環芳香族炭化水素である。常温常圧では無色または淡黄色で無臭の固体で、青い蛍光を放つ。フェナントレンという名前は、フェニル基のついたアントラセンから来ている。
4位と5位の炭素が窒素に置き換わった物質がフェナントロリンである。
水への溶解度は0.00011g/100mlであり、全く溶けないと言ってよい。融点付近で引火の危険性がある。たばこから出るタール(英語版)に含まれており刺激性があるほか、皮膚に炎症を引き起こす恐れがある。異性体に直線型をしたアントラセンがある。天然に存在する誘導体としては、モルヒネやコデイン、アリストロキア酸などがある。

化学的性質
フェナントレンは水にほとんど溶けないが、トルエンや四塩化炭素、エーテルやクロロホルム、酢酸やベンゼンといった比較的極性の低い有機溶媒には溶けやすい。
古典的な合成法としては、バーダン・セングプタ(Bardhan–Sengupta)のフェナントレン合成がある。
バーダン・セングプタのフェナントレン合成
バーダン・セングプタのフェナントレン合成
 
これはベンゼンの一つの水素をシクロヘキサノール基で置換した化合物を、五酸化二リンを使ってヒドロキシ基をすでに完成している芳香環上の水素と反応させて真ん中の環を完成させるという反応が用いられる。この反応は芳香族求電子置換反応である。その後セレンを用いて芳香環でない二つの環を脱水素化して芳香環にすることでフェナントレンを合成する。セレンが関わる六員環の芳香族化(英語版)の反応機構については詳しくはわかっていないが、この反応ではセレン化水素が生成する。
また、ビベンジル、スチルベンなどから合成されるある種のジアリールエテンから光化学的に得られる。
フェナントレンはアントラセンと同じく、9・10位の反応性が高い。以下にフェナントレンの主要な反応を示す。
クロム酸によって酸化され、フェナントレンキノンが生成する反応。
水素ガスとラネー合金によって還元され、9,10-ジヒドロフェナントレン(英語版)が生成する反応[4]。
臭素と反応して求電子ハロゲン化反応(英語版)が起こり、9-ブロモフェナントレンが生成する反応[5]。
硫酸と反応して芳香族スルホン化(英語版)が起こり、2-フェナントレンスルホン酸および3-フェナントレンスルホン酸が生成する反応[6]。
オゾン酸化が起こり、ジフェニルアルデヒドが生成する反応[7]。
標準的な存在形態
フェナントレンは芳香環が直線状に並んだ異性体のアントラセンよりも安定である。この理由はエリック・クラーによって1964年に確立されたクラー則(Clar's rule)によって説明されてきた。新しい理論では4位と5位の炭素に結合する水素-水素結合(英語版)の安定化によって安定になっていると説明されている。
自然界における存在
ラバト石はフェナントレンを含む天然の鉱物である[8]。いくつかの石炭を燃やした鉱山から少量発見されている。また、ラバト石は有機鉱物のあるグループを指すこともある。
2014年2月、NASAは宇宙に存在する多環芳香族炭化水素(PAHs)の追跡結果のデータベースを大幅に拡張したことを発表した。科学者たちによれば、宇宙に存在する炭素の20%以上が多環芳香族炭化水素であると考えられており、生命の起源の出発点となる物質(英語版)であった可能性がある。PAHはビッグバンの後数十億年で作られ始め、宇宙の全体に広がっていることから、星形成や太陽系外惑星と結びつけられやすい。

シラン(3)

シラン

わが国の関東以西、中国、台湾に分布する多年草で、 5~6月頃に茎頂に紅紫色の花を数個つけます。野生のものは環境省のレッドリストで準絶滅危惧のカテゴリーに分類されています。ラン科植物の中では最も栽培容易なものの一つです。和名は花の色に由来し、紫色の蘭(らん)ということから、紫蘭(しらん)と呼ばれています。地下に形成される球茎は直径4cm程度の白色多肉で、やや扁平な球形をしています。その 球茎を蒸乾あるいは熱湯に浸して乾燥したものが生薬の「白及(ビャクキュウ)」で、粘液質のブレティラグルコマンナン(bletillamannan)などを含み、収斂性止血、排膿作用を期待して創傷、火傷などに外用します。

シラン
本州中南部から四国・九州・沖縄および中国に分布し、湿地や崖上などに生える多年草です。他の野生のランに比べ、栽培も容易で一般家庭でも庭植えにして楽しむことができます。
草丈は40cm-70cm程で、茎は下部が細くなっており、葉鞘に包まれています。赤紫色の花茎が立ち上がり、その先に紫色の蕾数個をつけ、下から順に咲かせます。
名の由来は美しい紫の花色からと思われますが、白花種のシランもあります。小ぶりな花ですが群生する様は見事です。
花期は4月-5月です。
冬には地上部が枯れ、地下で春を待ちます。

■□■ ビャクキュウ ■□■
シランの根は扁圧した球形の偽鱗茎(*1)が一年に一つずつ数珠繋ぎに増えていきます。
この偽鱗茎を秋に掘り起こし、蒸す、または湯通しした後に外皮を剥いで天日に干したものを生薬として用います。
生薬名をビャクキュウ(*2)といい、止血、排膿、消炎などに用いられます。
粘液質のブレティラグルコマンナン、およびでんぷんを含み、胃潰瘍や肺結核の喀血、吐血、鼻血の他、外傷の切り傷、火傷、あかぎれなどに利用されます。
*1:偽鱗茎:横に這う地下茎が養分を溜め込み、塊(=塊茎)となるもの。
 鱗茎(短縮した茎に養分を溜め込み、貯蔵した部分。チューリップの球根など)とよく似ているため、「“偽”鱗茎」と呼ばれます。
*2:ビャクキュウ:白及

参考:『改訂原色牧野和漢薬草大図鑑』(北隆館)
『原色日本薬用植物図鑑』(保育社)

紫蘭咲いていささか紅き石の隅
目に見えて涼し夏さりけり 北原白秋

君知るや 薬草園に 紫蘭あり 高浜虚子

シラン
関東以西の西日本、朝鮮、中国、台湾などに分布するラン科の多年草シラン(Bletilla striata)の球形を用いる。日本には奈良時代に渡来したとされる。
紫蘭の名のとおり紅紫色の花が咲き、観賞にも栽培されているが、白い花のシロバナシランというのもある。花は蘭茶として飲まれることもある。地下にはカタツムリのような偏圧球形の数個連なっている。この球形を蒸したり、湯通しした後で乾燥する。
成分には多糖類で粘液質のブレティラグルコマンナンやデンプンが含まれ、止血、抗潰瘍、抗菌作用などが報告されている。この粘液は陶磁器の絵つけや七宝などの工業用の糊としても用いられている。
白芨は収斂止血の要薬とされ、古くから肺癆などで喀血するときに用いられている。最近の中国では肺結核や硅肺の治癒を促進する補肺作用もあると考えられている。肺結核や気管支拡張症などには白芨を粉末にして単独で用いることが多い。煎じると効力が落ちるという説もある。
肺結核には枇杷葉・節藕・阿膠などと配合する(白芨枇杷丸)。胃潰瘍の出血には烏賊骨と配合する(烏白散)。また腫れ物や外傷には粉末を単独、あるいは石膏などと併せて外用する。裂肛や皮膚皸裂には粉末を胡麻油などと混ぜて用いる。 

シラン(2)

シラン

ウィキペディアでは
シラン(紫蘭、学名: Bletilla striata Reichb. fil.)は、ラン科シラン属の宿根草。地生ランで、日向の草原などに自生する。
形態・生態
地下にある偽球茎は丸くて平らで、前年以前の古い偽球茎がいくつもつながっている。
葉は、最も新しい偽球茎から根出状に3枚から5枚程度出て、幅の広い長楕円形で、薄いが堅く、表面にはたくさんの縦筋が並んでいる。
花期は4月から5月。花は紫紅色で、30から50cm程度の花茎の先に数個つく。花弁は細長く、あまり開ききらないような感じに咲く。観賞用に、花の色が白色のもの、斑入りのもの、淡色花、花弁が唇弁化した「三蝶咲き」などがある。 
分布
日本、台湾、中国原産。野生のものは準絶滅危惧種。しかし栽培品として広く普及しており、種子が飛散して栽培逸出することもあるため、野生状態のものも本来の自生個体かどうか判別は難しい。
保全状況評価
準絶滅危惧(NT)(環境省レッドリスト)

人間との関わり
半日陰から日向まで適応する。このような木陰や大木の根元などにしばしば植えられる。
ラン科植物には珍しく、日向の畑土でも栽培可能なので、観賞用として庭に植えられる。極めて丈夫な植物で、半日陰から日向まで適応し、乾燥にも過湿にもよく耐え、栽培しやすい。
ラン科植物の種子は一般的に特別な条件が無いと発芽しないものが多いが、本種の種子はラン科としては異例に発芽しやすく、普通に鉢に播くだけで苗を得られる場合がある。無菌播種であれば水に糖類を添加しただけの単純な培養液上でもほぼ100%近い発芽率を示し、苗の育成も容易なので、しばしば無菌播種の練習に使用される。
偽球茎は白及(びゃくきゅう)と呼ばれ、漢方薬として止血や痛み止め、慢性胃炎に用いられる。
しばしば英語圏では「死人の指」と呼ばれると言及されるが、それは英語の long purple のことで、実際にはエゾミソハギ Lythrum salicaria を指している。これはシェイクスピアの著名な戯曲『ハムレット』に登場する台詞を明治時代に翻訳した際の誤訳に基づくものと考えられる。
シラン属
※この節の出典は『中国植物志 第18卷』による。
Bletilla formosana (Hayata) Schltr. シノニム:B. yunnanensis、B. szetchuanica
中国名:小白笈、台湾白笈
和名(園芸商品名):雲南小白笈(ウンナンショウビャクキュウ)、白花小白笈(シロバナショウビャクキュウ)、アマナラン
中国大陸〜台湾に分布。文献上は八重山諸島に分布記録があるが、近年は自生が確認されておらず絶滅、あるいは記録間違いの可能性がある。
草姿はシランに類似するが、やや小型。側花弁・愕片は白色から淡桃色。唇弁は中央が黄色く、赤褐色の斑紋がある。シランと比較すると、やや耐寒性の劣る個体が多い。
Bletilla ochracea Schltr.
中国名:黄花白笈
和名(園芸商品名):黄花小白笈(キバナショウビャクキュウ)
中国大陸に分布。
側花弁・愕片は淡黄色。唇弁は中央が黄色く、赤褐色の斑紋がある。
Bletilla sinensis (Rolfe) Schltr.
中国名:华白及
和名:(なし)
中国雲南省からタイ、ミャンマーの山地に分布する小型種。
耐暑性に欠けるため、日本国内での栽培例は稀。
Bletilla ochracea
中国大陸産シランと B. formosana および B. ochracea は、混生する地域では相互に浸透交雑がみられ、それぞれの種の間に連続した中間型が出現する。さらに栽培下では台湾産の B. formosana や日本産のシランとも容易に交雑する。これらの種間ではどのような組み合わせでも種子の稔性は良好で、なおかつ雑種後代でも稔性の低下はみられない。
シラン属は種子発芽率が高いため、栽培下において昆虫などにより交雑した種子が飛散すると、雑種個体が自然実生として発芽・生長してくる事も稀ではない。それらが園芸的に優れた個体であった場合は両親不詳のまま「姫シラン」等の商品名で増殖流通されることもあり、近年では純血種ではなく交雑種と思われる個体が「シラン」という商品名で純血種と区別されずに園芸流通している場合もある。
現在のところ、交雑個体が野生逸出した事例は報告されていない。しかし交雑種の流通量が年々増加しつつあることから、野生個体群がみられる地域では、栽培品から花粉や種子が運ばれて遺伝子汚染をひきおこす危険性について考慮が必要である。
園芸流通品にはさまざまな変異個体と、それらの交雑種も混在しているため写真のみで正確に種名同定をすることは難しいが、インターネット上では明らかに品種違い、種名違いと思われる画像[4]も散見される。参考資料として引用する場合には注意を要する。

シラン

シラン

日本、中国原産で草原の地上に自生するラン科の多年草。5月頃に、紫紅色の花が花茎の先に数個つきます。花弁6枚のうち1枚は変形した唇弁花、花色は白、淡紅、黄や青色など、葉は大きめのササの葉状で縦に平行している葉脈が目立ち、斑入りなど観賞用に品種改良されています。栽培も盛んで、庭や公園に植えられ、群生している様は見事です。地下に円い塊茎がつながっていて、この乾燥物は白及(びゃっきゅう)と呼ばれる生薬です。
【学名】Bletilla striata 生薬名:白芨(びゅくきゅう)
【別名】紅蘭(ベニラン)、シュラン
【成分】多糖類(グルコマンナン)、トリテルペノイドなど
【薬用効果】白及は肺、胃、肝経に働き、止血作用があり、肺胃損傷による喀血、嘔血など多くの出血に有効です。また、消腫作用もあり、皮膚化膿症に内服、あるいは外用します。一日量は乾燥物3~9を煎服し、粉末を服用するなら1回に1~3g、外用には適量を使用します。粘液質は皮膚や粘膜の保護作用があり、民間療法でもやけど、ヒビ、アカギレに効果があるとされ、粉末を油、水で練って利用します。
【余談】シランに含まれる粘液質は薬用の他、陶磁器用の絵付けの糊料に、また、馬の毒草中毒の解毒に利用されるそうです。そのうえ、野生のランとしては寒さに強く、栽培も容易で園芸用として人々に愛されてきました。この花柄は花茎と180度もねじれてその先に花弁が付き、花の色が白でも青でも「紫蘭」と呼ばれます。「この花の名前なんて言うの?」「知らん」なんて冗談が言いたくなるほど、面白い花なのです。

便秘果

腊肠树 
腊肠树(学名:Cassia fistula L.):落叶乔木,高可达15米;枝细长;树皮灰色,老时粗糙,暗褐色。叶长30-40厘米,小叶对生,薄革质,阔卵形,卵形或长圆形,边全缘,幼嫩时两面被微柔毛,老时无毛;叶脉纤细,两面均明显。总状花序长达30厘米或更长,疏散,下垂;花与叶同时开放,直径约4厘米;花瓣黄色,倒卵形,近等大,具明显的脉。荚果圆柱形,长30-60厘米,黑褐色,不开裂,有槽纹;种子40-100颗,横隔膜所分开。花期6-8月;果期10月。
中国南部和西南部各省区均有栽培。原产印度、缅甸和斯里兰卡。该种是南方常见的庭园观赏树木,树皮有单宁,可做红色染料。根、树皮、果瓤和种子还可入药作缓泻剂。木材坚重,耐朽力强,光泽美丽,可作支柱、桥梁、车辆、农具等用材。腊肠树是泰国的国花。

ナンバンサイカチ
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : マメ類 fabids
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
亜科 : ジャケツイバラ亜科 Caesalpinioideae
: カワラケツメイ連 Cassieae
: ナンバンサイカチ属 Cassia
: ナンバンサイカチ C.fistula
学名
Cassia fistula L. [1]
シノニム
Bactyrilobium fistula (L.) Willd.
Cassia bonplandiana DC.
Cassia excelsa Kunth
Cassia fistuloides Collad.
Cassia rhombifolia Roxb.
Cathartocarpus excelsus G. Don
Cathartocarpus fistula (L.) Pers.
Cathartocarpus fistuloides (Collad.) G. Don
Cathartocarpus rhombifolius (Roxb.) G. Don [1]
英名
Golden shower
ナンバンサイカチ(南蛮皀莢、学名:Cassia fistula、英:Golden shower)は、インド、スリランカ、ミャンマーが原産のマメ科の落葉樹で、黄色い5弁の花を付ける。満開の時期には、まるで黄色いシャワーを浴びているようなところから、ゴールデン・シャワーまたはゴールデンシャワー・ツリーの別名を持つ。果実は薬用とされ、樹皮からはタンニンが採取される。日本では沖縄以外では開花しない[2]。タイの国花[3]。
概要
モンスーン地帯に生え、樹上は約10-20mほどになる。樹皮は、黒色で平滑。葉は、偶数羽状複葉で卵形から卵状長楕円形の小葉は、4〜8対で、葉腋から大きな総状花序が鮮やかな黄色で下垂し、芳香を持つ。熱帯アジアに多く見られる。日本には1930年代に沖縄に渡来。沖縄では6月の終わり頃に咲き、夏の訪れを告げる花とされる。

カットメロンからの感染症

メロンでリステリア菌感染、3人死亡 オーストラリア
2018年3月4日 
【AFP=時事】オーストラリアで、メロンが感染源とみられるリステリア症でこれまでに3人が死亡した。保健当局は感染リスクが高い人々がカット済みメロンを購入した場合には処分するよう促している。
 リステリア菌は様々な食品から検出される細菌。これを摂取することによって引き起こされるリステリア症は悪寒や発熱、筋肉痛といったインフルエンザに類似した症状を発症する。汚染された食品を摂取してから発症するまでには最長で6週間かかる場合もある。
 ほとんどの場合はリステリア菌を摂取しても感染症にかかることはないが、高齢者や妊婦、糖尿病やがんなど重い疾患がある人たちには深刻な健康リスクとなる。

 豪保健当局がリステリア症への警戒を呼び掛けたのは先月だが、以来、少なくとも15人の感染が報告されている。ニューサウスウェールズ(New South Wales)州保健当局の感染症担当医による声明によると、15人は全員高齢者で大半が基礎疾患を持つ人たちだった。声明は感染リスクが高い人々に向けて3月1日より前に購入した「ロックメロン」は処分するよう呼びかけている。

 3日までの1週間にニューサウスウェールズ州で2人、ビクトリア(Victoria)州で1人、計3人がリステリア症で死亡した。感染源はニューサウスウェールズ州内の農場とみられる。

ブンコワン(4)

FRUITS 
Almost all over the world already know Yam bean (Pachyrhizus erosus). Yam bean (Pachyrhizus erosus) is a plant that is utilized as a root tuber vegetable or fruit, which are popular and growing in many countries of Central America, South Asia, the Caribbean, South America.
Tubers of Yam bean (Pachyrhizus erosus) are crisp and refreshing, because it is rich in moisture content. These plants form a tuber root (cormus) round or rounded with the weight can reach 5 kg. Tuber skin Yam bean (Pachyrhizus erosus), a thin, pale yellow and the inside is white with fresh fluids somewhat sweet.
Although edible, won't be matter part Yam bean (Pachyrhizus erosus) another highly toxic because it contains rotenone. Mainly found on the tops of leaves, stems and seeds, but the lower content of rotenone is at the root.
Yam bean peeled before consumption is safe from this organic poison to humans. This poison often used to kill insects or fish, mainly taken from the seeds of the seeds. Although toxic, Yam bean seed can also be used as medicinal ingredients. The seeds are crushed and mixed with sulfur used to cure a type of Mange.

Nutritional value per 100 g (3.5 oz)
Energy                                    159 Kj (38 kcal)
Carboh ydrates                        8.82 g                
Sugars                                     1.8 g
Dietary fiber                           4.9 g
Fat                                           0.09 g
Protein                                    0.72 g
Vitamins
Thiamine (B1)                  0.02 mg (2%)
Riboflavin (B2)                 0.029 mg (2%)
Niacin (B3)                      0.2 mg (1%)
Pantothenic acid (B5)      0.135 mg (3%)
Vitamin B6                       0.042 mg (3%)
Folate B9                        12 μg (3%)
Choline                            13.6 mg (3%)
Vitamin C                         20.2 mg (24%)

Minerals
Calsium                           12 mg (1%)
Iron                                  0.6 mg (5%)
Magnesium                     12 mg (3%)
Manganese                     0.06 mg (3%)
Phosphorus                     18 mg (3%)
Potassium                       150 mg (3%)
Sodium                            4 mg (0%)
Zinc                                 0.16 mg (2%)

Benefits of Yam bean (Pachyrhizus erosus):
1. Treat kidney stones and gall
Potassium and phosphorus contained in the Yam bean (Pachyrhizus erosus) is a very good substance for the body especially for kidneys and bile.
2. Lower the blood cholesterol Level
The chemical substances contained in the Yam bean (Pachyrhizus erosus) has benefits that are very well able to control blood cholesterol levels. That is exactly what substances cause the Yam bean (Pachyrhizus erosus) capable of controlling blood cholesterol levels.
3. Facilitate digestion
Yam bean (Pachyrhizus erosus) is one of the best sources of fiber vegetable bulbs, as well as the best source of oligofructose Inulins, namely dietary fiber is dissolved. Tubers of Yam bean (Pachyrhizus erosus) provides 4.9 mg, or 13% fiber. Inulins is a zero CARB calories, taste is sweet and not metabolized in the human body.
4. Treat thrush
Vitamin C in Yam bean (Pachyrhizus erosus) can help the healing process thrush. Benefits of vitamin C in the Yam bean (Pachyrhizus erosus) serves as the Antioxidant could certainly assist you in your healing process. The cause of the occurrence of aphthous ulcers occurs due to lack of vitamin c.
5. Maintain immune system
In the Yam bean (Pachyrhizus erosus) there are some phytonutrients found in Yam bean (Pachyrhizus erosus) can improve and maintain the immune system, so that spared from the attacks of various infections and diseases caused by viruses, bacteria and other harmful microorganisms.
6. Make healthy skin
Vitamin B1, vitamin C, and various essential minerals in the Yam bean (Pachyrhizus erosus) can make your skin more healthy and fresh. Consumption of Yam bean (Pachyrhizus erosus) no fresh milk or sweeteners are added on a regular basis to get the fresh natural radiant skin.

How to select and storage
Select the Yam bean (Pachyrhizus erosus) and a good, firm, round, medium-sized. Avoid bulbs Yam bean (Pachyrhizus erosus) that wrinkles, or with cuts on the surface of skin, cracked or bruised. Yam bean (Pachyrhizus erosus) with excellent storage, and keep well stored in a cool, dry, dark place for about 3-4 weeks. The cold temperatures below 10 ° C will make changes in color and texture.
In addition, a long storage will convert starch Yam bean (Pachyrhizus erosus) into sugars, so will change it into a food that is not suitable for a diet low in sugar. If the Yam bean (Pachyrhizus erosus) had been cut or peeled, then it should be stored in the refrigerator.

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ブンコワン(3)

Yam Bean
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Open this image in pop-up window Image: Fruit and leaves 69KB
General Information
COMMON NAMES: Yam Bean, Yambean, Jicama ["hee-cama"], Mexican Turnip, Mexican Potato, Jerusalem Artichoke, Sagott, Chopsui Potato
GLOBAL DISTRIBUTION: NATIVE Mexico - n.C.America; EXOTIC circumtropical (incl. Fiji - Socities, Hawai‘i)
COOK ISLANDS STATUS: Introduced - Recent (c.1990), not naturalised; S.Group only (MT only, formerly RR); Land, lowlands, horticulture
SIGNIFICANCE LIST: Food (root 0); Poisonous (leaves, mature seeds)

KEY FEATURES: Perennial vine to 5m with edible tuber to 30cmØ. Leaves alternate, with 3 large wide-oval to rhomboid leaflets (to 20x20cm). Flowers pea-like, w. blue to purple petals. Pod to 15x2cm, c.12 pale brown to black seeds.
Enlarged Image of 'Pachyrhizus erosus QQ'
Cook Islands Distribution
View Distribution Map View Distribution Map
Southern Group: Present    Makatea: Present

Scientific Taxonomy
Pachyrhizus erosus QQ Linnaeus
Query: tentative ID of a Mitiaro plant (G McC)

SYNONYMS: Dolichos erosus [O]; Pachyrrhizus erosus [alternate spelling]; Pachyrhizus angulatus; Pachyrhizus palmatilobus

TAXONOMY: PLANTAE; ANTHOPHYTA (=Angiospermae); MAGNOLIOPSIDA (=Dicotyledones); ROSIDAE; Fabales (Legumes); FABACEAE
More Information
SIGNIFICANCE NOTES -
POSITIVE SIGNIFICANCE: Food (root 0). Comments: Elsewhere, rarely in the Cook Islands. Root has crisp white flesh (10% starch), eaten raw or cooked with eggs or meat; young pod has irritant hairs but is eaten as a cooked vegetable.
NEGATIVE SIGNIFICANCE: Poisonous (leaves, mature seeds). Comments: Leaves and mature seeds are poisonous to people and stock.

IDENTIFICATION: Perennial climbing-sprawling vine to 5m. ROOT tuberous, turnip-shaped, to 30cmØ. STEM hairy. LEAVES alternate, compound, 3-leaflets; LEAFLETS short haris; wide-oval to rhomboid to 20x20cm, often toothed or lobed. FLOWERS long cluster to 70cm; pea-like, to 2cm, petals blue to purple, standard white w/wo basal green blotch. FRUIT flat pod, straight or curved, to 15x2cm, up to 12 seeds. SEEDS flattened round to square; pale brown to black, 10x10x4mm.

ヒカマ03






ヒカマ04 

ブンコワン(2)

ヒカマ (別名:ヤムビーン、スペイン語:Jícama、ナワトル語:Xīcamatl)はメキシコ原産のマメ科の多年生草本で、先住民族の伝統的な野菜である。若い株の塊茎状の根が食用に供される。和名は地表部が同じマメ科のクズ(葛)に似ており、地下の芋を食用にすることからクズイモ(葛芋)の名が当てられている。熱帯アジアなどにも伝播して普及し、日本でも沖縄などで栽培されることがあるものの、日本の食品市場では極めて稀にしか流通しない。


: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 単子葉植物綱 Magnoliopsida|
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
: クズイモ属 Pachyrhizus
: ヒカマ Pachyrhizus erosus
概要
蔓は支柱を与えると4-5mまで伸び、その塊茎は最大で20kg近くまで成長することがあるが、フィリピンで23kgの個体が見付かったことがある[1]。
塊茎の表皮は黄色から茶色を帯びており、ややザラザラしている。生食時の食感は梨や生のジャガイモに似ている。でんぷんのような甘い香りがあり、リンゴやマメも連想させる。
葉や蔓などの塊茎部以外の部分、特に種子には多くのロテノンが含まれている。塊茎にも多少は含まれるが、ロテノンは消化器官からは吸収されにくいので人が死に至ることは稀である。ただし、中毒を起こしたケースもしばしば報告されている。尚、ロテノンは魚や昆虫には猛毒[2]。
栄養価
塊茎の90%近くが水分で、炭水化物と食物繊維を多く含む。タンパク質と脂質はごくわずかである。爽やかな甘味はイヌリンによるもの。
メキシコでの調理例
メキシコでは他の野菜や果物と共に使用する野菜として非常にポピュラーであり、サラダに入れて食されるが、炒め物やスープに使用されることもある。また、健康的なおつまみとして、カットしてサルサに浸けて食される。
塩、ライムジュース、チレ(唐辛子)パウダーをかけて食べるのも一般的である。醤油、ゴマ油、レモンジュース、生姜、玉葱、パクチーなどとも良くあう[3]。
アジアでの普及
現在では中央アメリカ諸国、中国、インドネシア、ベトナム、フィリピンをはじめ東南アジア全域でも広く栽培されている。
特にインドネシアではバンクアン (bengkuang)と呼び、スマトラ島やジャワ島では非常に一般的に利用されている。
その他のアジア諸国でも独自の呼び名を持ち、庶民の野菜として広く定着している。中国語圏では豆薯 (とうちょ)となる。
ヤムイモとの混同
米国などいくつかの国々ではヤムもしくはヤムビーンと呼ぶことが多い。その為、熱帯地方で食用に栽培されるヤマノイモ科の芋一般を指すヤムイモと混同されることがあるが、ヒカマは双子葉植物のマメ目、ヤムイモは単子葉植物のユリ目で分類学上、全く異なる植物である。更に北米ではヒルガオ科のサツマイモをヤムと呼ぶこともあり、ますますややこしい状況になっている。近年、日本でも種子が入手できるようになり、原産地メキシコと同じヒカマの名称が使われている。
保存
12℃から16℃程度の乾燥した環境で1-2ヶ月間保存することができる。低温ではダメージを受ける。

クズイモ
Pachyrhizus erosus

Pachyrhizus erosus

中央アメリカが原産です。現在では、熱帯地方で広く栽培されています。蔓性で、葉は3出複葉です。花は白色から紫色の蝶形花で、総状花序に咲かせます。塊根は大きく球形または細長で、直径は40センチほど、重さは15キログラム以上になります。塊根の肉色は白く、生食されたり調理して利用されます。
マメ科クズイモ属の多年草で、学名は Pachyrhizus erosus。
英名は Yam bean。
ヒカマ02

















The yam bean (Pachyrhizus erosus) belongs to Fabaceae (the Pea family). It is a perennial herb that is native to Central America. Nowadays, it is caltivated widely in the tropical areas. This herb is a vine with trifoliate leaves. The flowers are white to purple, papilionacenous and bloom in the racemes. The tuber is large, spherical or elongated, about 40 cm diameter and up to 15 kg weight. The white flesh of tuber can be eaten cooked or raw.
ベトナム・ハノイ市にて、2010年09月02日撮影。(photo by Jon Suehiro)
 

ブンコアン

ブンコアン(BENGKOANG)で美白!インドネシアコスメのホワイトニング効果ナンバー1!
2015/03/10
ブンコアン(BENGKOANG)って何か知っていますか??
ダウンロード (2)
日本名:クズイモ、英名:ヤムビーン。一般的な名称として「ヒーカマ」とも呼ばれているマメ科の植物「ブンコアン(インドネシア語)」は、中央アメリカ原産ですが、熱帯地方で広く栽培されています。
この魂根は食べることができ、ほんのり甘く、シャリシャリとした食感で、例えるならじゃがいもとリンゴの中間のような味。水分が多いので、熱帯圏では喉の乾きを潤すために、そのまま生で食べるのが主流です。
このブンコアンの魂根は食用だけでなく、インドネシアでは100年以上も前から、ジャワ王家の女性たちの間でスキンケアに使われてきました。日焼け後の火照った肌を優しく沈静化させるために使ったのが始まりですが、現在では、ブンコアンの持つ美白効果が最も注目されています。
スパだけでなく、スーパーなどでも買えるフェイシャル用プロダクトにもよく登場するところからも、インドネシアの美白人気の高さが伺えます。

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