有機栽培とは有機農業は自然環境の保全、人間や食品の安全性にとって大事だが。(転載)
【有機栽培米】・・・化学的な農薬、肥料、土壌改良剤を3年以上使用しない水田で栽培された米。(3年未満6ヶ月以上のものは転換期間中有機栽培米と表示)という位置付けが農水産省により98年に行われた。
JAS法に基づく有機栽培米の表示は2001年4月より実施。
化学は駄目だということなのだが、「農薬や化学肥料を使わない農業、それが有機農業であるという単純な解釈をしていると、今日の社会のいろいろな矛盾を見逃すことになる」と警告するのは日本有機農業研究会。安全と美味しいは、本当は難しい話なのである。
作家であり栄養士でもある丸元淑生氏は「百姓になりたい今関知良著」の後書きに、無農薬・有機(無科学肥料)農業についてこう書いている。
「有機農業は栄養学の立場からいえば、作物が台地から吸い上げた30近い必須ミネラルを全部大地に戻してあげる農業である。植物にとっての必須ミネラルは動物にとっても必須ミネラルなので、われわれがそれらを過不足なく適量摂るには、有機農業による作物を食べなくてはならない。
しかし、化学肥料は数種類の必須ミネラルを大地に戻すだけなので、その農業による作物は、われわれを養えないだけでなく、作物自体も養うことができない。だから、弱い作物になり、虫に対する抵抗力もなくなるため、科学肥料による農業は、必然的に農薬(殺虫剤)なしではやっていけない農業になる。
無農薬農業は、ただ農薬を使っていないという消極的なものではなく、われわれを養ってくれる十分な栄養を持った強い作物を作り出す農業なのである。」
否定はしないがこんな例もすでに出ていると注意するのは、「美味しさの力」の著者である永田農法の農業者・永田照喜治氏。
「害虫や余分な雑草を除去するために農薬は使われます。しかし、その害は農薬を散布する人にも現れるし、食べ物のなかにも残留し、食べた人にも悪影響を及ぼすので使わないにこしたことはありません。生産する人にとっては難しいでしょうが、農薬はできれば使わずにが原則です。
化学肥料(無機質肥料)を使わないはつまり、有機質肥料を使えということですが、これがまた難しい。確かに有機質は自然界のサイクルにのっとる上で有意義だし、エコシステム(秩序)を保つので、何となく美味しいなと、変に納得させるものを持っているのですが。
しかも有機質肥料は自然のサイクルだから害がないと思うでしょうが、そうはいかない。オーガニック先進国では、未完熟(発酵や分解などがすんでいない)肥料は、発ガン物質である硝酸塩を発生させるなどの理由で使用が禁止されている。また、過剰にやり過ぎた有機肥料は田畑から流失し、河川を汚し藻を大量に繁殖させて魚の生態系に悪影響を与えている国がすでにもうある......とも。
安全は難しいでしょう。単純な質問をひとつ。化学肥料や農薬が使われる前の農業は、有機栽培であったといっていいのでしょうか。それは安全だったのでしょうか』