完全買い上げ契約野菜を販売
エフアールフーズ
(転載)2002114
『カジュアル衣料の専門店「ユニクロ」を展開する㈱ファーストリテイリング(柳井正社長)の小子会、㈱エフアールフーズ(柚木(ゆのき)治社長)が、さきごろ都内の廃校で記者発表兼試食会を開き、11月半ばから始まる食品事業の概要を明らかにした。

完全買い上げ契約を結んだ全国500余りの「農業家」が提供する野菜(年間約60品目)、果物(30品目)、たまご、米(すべて無洗米)、牛乳などを「SKIP(スキップ)」というブランドで販売する。ユニクロと同様、生産から販売までを一貫して手がける。初年度は売上目標16億円を目指す。

余分な水と肥料を極力抑え、自然本来の持つ力を引き出すという永田照喜治さん提唱の「永田農法」で生産。時間をたっぷりかけてつくるこの農法は、糖度の高いトマトなどで有名だ。野菜によっては除草剤を使わないと決めたものもある。おいしさに加えて、栽培履歴の公開、重要と思われる50種余の残留農薬検査(抜き取り検査)の実施など、安全性にもこだわり、〝品質に見合った安定した価格〟で届ける。通常のスーパーの野菜よりは多少高くなるが、「日本人の舌なら野菜の本当のおいしさをわかってもらえる」(柚木社長)。品質を優先し、その上で、物流をシンプルにするなどコストを極力下げる努力を続ける。「日本の野菜が世界一おいしい」といわれるようにすることが夢だ。

販売の柱となるのは会員制の定期購入クラブ「SKIPクラブ」。隔週ごとに「おまかせ」で旬の野菜や果物の詰め合わせが届く(送料200円)。家族の人数に応じて3つのコースから選べる。牛乳、たまご、米、ジュースなどはオプションで追加できる(初回会員数は1万5千人限定)。

インターネット通販の「SKIPストア」も1115日からスタートする。単品まとめ売りのほか、「じゃが・たま・にんじんセット」「きのこセット」「サラダセット」などいろいろなセットがある。このほかトラックによる移動販売で全国をまわる。将来的は店舗展開も考える。

ファーストリテイリングの柳井社長も校庭で会見し「おいしい野菜のニーズは必ずある」と話す。食の現状について、つくる人、売る人、食べる人が品質に無関心すぎること、青果の価格が一定でないなど、品質に対する価格が保証されていないことが問題だとし、「つくる人も利益が出せて、食べる人も納得して買えるような流通のしくみが必要。消費者に最も近いところに立ち、100%お客様を見ながら商品をつくるというユニクロのノウハウを活かしたい」と豊富を語った』