学名 Carica papaya (ラテン語)
別 名 チチウリ(乳瓜)、モクカ(木瓜)、パパヤ
英 名 common papaw, melon tree, papaya
原産地 メキシコ、西インド諸島、ブラジルにかけての熱帯アメリカ
生産地 ブラジル、メキシコ、ペルー、ベネズエラ、アメリカ(ハワイ、フロリダ、カリフォルニア)、インド、インドネシア、マレーシア、台湾ほか熱帯、亜熱帯で栽培されており、日本でも沖縄で栽培されている。
形 態 高さ2~10mになる常緑の低木。
植物体のほとんどの部分に傷をつけると、白色の乳液を出します。別名チチウリの「チチ(乳)」はこの乳液に由来します。
葉は大きく掌状葉、花は白く小さく、通常雌雄異株。
果実は、開花後4~5ヶ月後には成熟します。果実は倒卵形または長楕円形、球形で、長さ20~40cm、幅10~20cm、重さ200g~4kg、品種によって大きさには差が出ます。
果皮はロウ質で最初は緑ですが、成熟すると黄色・橙色・赤色になります。
果肉は橙黄色または淡い紅橙色で、多汁。中央部は空洞になっており数百から千個の小さな黒い種子が入っています。
特 徴 パパイヤはその実に、老化したり傷つき活性の衰えた体内たんぱく質を分解する酵素(プロテアーゼ)と脂肪を分解する酵素(リパーゼ)、糖質を分解する酵素(アミラーゼ)を保有する数少ない植物のひとつです。それらの酵素は新陳代謝をうながします。
利 用 普通は成熟した果実を生食します。果実を縦に切り、種子や筋を取り除いて食します。
酸味がないので、酸味を加えるためにレモンやライムの絞り汁をかけることが多く、その他ジュースやアイスクリーム、ジャムなどに加工されます。
パパイヤの乳液にはパパインと呼ばれるたんぱく質分解酵素が含まれているため、生肉と果肉を一緒に料理すると、肉が柔らかくなることが知られています。 肉をパパイヤの葉で包んでも同様の効果があります。
未熟果は野菜のように利用し、千切りにして油でいためて食べます。ブラジルの日系人は漬物にすることもあるそうです。
台湾の高砂族という高地民族はパパイヤを上手に使います。青い果実の皮を干して山に行くときに携帯し、虫さされのときやすり傷、切り傷、打撲、またヘビに噛まれたときなどの利用します。
パパイヤに湿布・解毒・抗炎症剤としての効能があることを経験から知っているのでしょう。
引用出典:土橋豊 『熱帯の有用果実』