ホルモン

オーキシン(9)

植物と重力
Q:植物は重力を正しく感知して根を下方向に伸ばしているみたいですが、どのようにして重力を感知しているのでしょうか?
よくオーキシン感受性変異株が重力屈性に異常をきたすことから、オーキシンが何らかの重力を感知するための機能に関与していることは理解しているつもりですが、私にはそのメカニズムを想像することがとても困難です。
野生株と変異株での器官レベルでの動態の違いなどにふれながら教えてください。
さらに加えて空気中の器官すなわち茎についても同様に、どのように重力を感知しているかを知りたいと思います。

A;重力屈性の反応を少し分けて考えると、
1.重力の方向に対して自分の体がど う傾いているかを感じとり、
2.その刺激を細胞内や細胞間で伝えやすいものに変換し伝達して、
3.器官の上下で細胞の伸長速度に差が生じ、器官が屈曲 します。

おたずねの‘重力の感知’については、1.に当てはまります。
多くの植物種 が、特殊な細胞の中に、
重力方向に沈降する比較的大きなアミロプラストと呼ばれるオルガネラを持ちます。
アミロプラストとは色素体の一分化形態で、葉緑体の仲間です。
これは、デンプンを蓄積して比重が大きくなっており、植物体が傾くと
重力の方向へと細胞の中で沈降(移動)します。
このアミロプラス トが平衡石として働き、重力を感受していると考えられています。
アミロプラ ストを含む細胞(平衡細胞)は、根では先端部の根冠に、
茎では主にデンプン鞘と呼ばれる組織にあります。

オーキシンは主に3.の反応に関わっていると考えられています。
オーキシン は植物体内で様々な働きをする植物ホルモンですが、
重力屈性においては主に 細胞伸長に関わります。
重力の刺激を受けた器官において、重力側のオーキシン濃度が高まり、
反対側との間に濃度差が生じます。
根では濃度が高くなった側で細胞伸長が抑制されるため、重力方向への屈曲が起こります。
逆に茎や胚 軸といった地上部の器官では、
オーキシン濃度の高い側で細胞伸長が促進され るため、
重力とは逆の方向に屈曲が起こります。

'器官レベルでの動態’については、
どういうことを意図されているか把握で きてないかもしれませんが...
変異体を用いた遺伝学的な研究は、
おもにモデル植物であるシロイヌナズナを中心に行われています。
重力屈性変異体の多くは、根、胚軸、茎のどれか、
も しくは根と胚軸、胚軸と茎といった器官特異的な重力屈性異常を示します。
ア ミロプラストを平衡石として利用する点は、根でも地上部でも共通しています
が、重力屈性反応の遺伝学的な背景は各器官で多少異なると思われます。
 

オーキシン(8)能動輸送

中沢信午はいう
『オーキシンは、茎の頂端付近で、生じ、茎の内部を
根の先端へ向けて、一方通行により移動していく。
当然、根のほうへ より多く蓄積する。
そして、そのことが、また茎の基端に根を生ずる原因ともなる。

このオーキシンの移動速度は、トウモロコシの茎では
1時間に15ミリ、ひまわりの茎では7ミリと測定されている。

なぜそうなるかについては
有力な解説としては、オーキシンが各細胞の内部で頂端から
基端へ向けて一極集中式に集まる事実を重要視する。
これは オーキシンが マイナスの電気を帯びているのに対して、
細胞の基端部がプラスに荷電しているからであると理解する。

そして基端に集まったオーキシンは隣接する細胞の中へ
物理的に拡散して入り込む。
次にその細胞内でまた基端に向けて移動する。
かくして、次々と、より根に近いほうへ移動することになる。

この移動の特色は、オーキシンが濃度の低から高へ向けて移動し、
蓄積するにある。
このように、拡散と逆に、集中する方向への移動を特に 能動輸送という。

植物ホルモンの歴史

1880年 チャールズ・ダーウィンとフランシス・ダーウィン
屈光性を発見

1909年 フィティング
ラン花粉の抽出液が子房を肥大。
植物ホルモンの発見

1910年ごろ ボイセン・イエンセン 
雲母片を用いて屈光性を調べる

1919年 パール 
子葉鞘の先端部を切り,ずらせてのせると屈性を示すことを発見

1920年 ガーナーとアラード
光周性の発見

1926年 黒沢英一
ジベレリンの発見

1928年 ウェント
植物成長ホルモンが寒天中に移行することを発見

1933年 ケーゲル
人尿中よりオーキシン分離

1934年 ゲイン
エチレンに果実の成熟を促進する作用を発見

1938年 薮田・住木
ジベレリン結晶化

1955年 スコーグ
カイネチンの発見

1963年 アンディコットと大熊 
アブシシン酸の単離

オーキシン(7)

D 成長と運動のしくみ

発展 植物細胞の伸長と肥大

植物の茎や根が細長く伸びるのは,細胞が細長く伸長するからである。その仕組みを考えてみよう。茎や根の先端では頂端分裂組織で細胞が増殖し,分裂した細胞が縦方向に10倍以上も伸長する。このとき,分裂したばかりの若い細胞は細胞壁が薄くて柔らかく,柔軟な細胞壁で取り囲まれている。通常この細胞壁には分裂面と平行な方向にセルロースの微小繊維が張り巡らされていて,細胞壁は分裂面と平行な方向には伸びにくい性質がある。これにはジベレリンという植物ホルモンが関係している。この細胞では,分裂面と垂直な方向には伸びやすいため,細胞は垂直方向により大きく伸長する。オーキシンはこの伸長成長を促進する。一方,植物ホルモンのエチレンなどが作用すると,セルロースの微小繊維が無方向に張り巡らされるために,細胞は等方向に肥大する。このため,エチレンは伸長成長を抑制し,茎を肥大させる。セルロース微小繊維の方向は,細胞内の表層にある微小管と呼ばれるタンパク質の繊維が張り巡らされている方向と同じであることから,微小管が張り巡らされる方向が伸長成長の方向に関係していると考えられている。

 細胞が伸長する場合でも肥大する場合でも,細胞の容積が増大する。植物細胞の成長に伴う細胞容積の増大は,主に吸水によって液胞が増大することによる。吸水成長は,細胞壁が柔らかさを保ちながら伸展することによって起こる。細胞内外の浸透圧差によって細胞壁にかかる圧力(膨圧)が生じ,細胞壁が徐々に進展することによって吸水が起こり細胞容積が増大する。細胞の齢が進んで,細胞壁が堅くなると伸長成長は起こらない。オーキシンやジベレリンは細胞壁の伸展性を高く保つことによって伸長成長を促すと考えられている。

◆植物の草丈の調節
ダイコンやレタスなどの植物は,春になると急速に茎を伸ばして草丈が高くなり花を付ける。これらの植物は冬季には,茎が短く葉がバラの花びらのように積み重なっているのでロゼット植物とよばれる。ロゼット植物が春になって茎を伸ばす現象は抽臺(ちゅうだい)と呼ばれる。抽臺はジベレリンという植物ホルモンによって引き起こされる。春になって気温が上昇し日長が長くなるとこれらの植物ではジベレリンが合成され,ジベレリンが茎の伸長を促進する。春が来る前に,レタスにジベレリンを与えると抽臺する。
《茎の伸長成長とジベレリン》 ロゼット植物とは対照的に,多くの植物は夏期に茎を伸ばして成長する。ヘチマやヤブガラシなどの蔓植物は特に伸長が速い。このような茎の伸長にはジベレリンが必要である。メンデルが遺伝子の研究に用いたエンドウの草丈が高いか低いかという対立形質は,ジベレリンの合成遺伝子の支配であることが分かっている。通常,他の遺伝子が健全であれば,ジベレリンの合成能力が茎の長さを決める要因となっている。したがって,草丈の高いエンドウに,ジベレリンの合成を阻害する薬品を与えると草丈を低くすることができ,同時にジベレリンを与えることによって草丈を高く戻すことができる。

◆膨圧運動
オジギソウの葉に手を触れると葉が下降する。この運動は膨圧運動と呼ばれる反応で,刺激の方向とは関係なく起こる傾性(接触傾性)の例である。この反応は,葉の付け根にある葉枕(ようちん)と呼ばれる膨らんだ部分の細胞の膨圧が変化することによって起こる。葉枕の下部の細胞から上部の細胞にカリウムイオンが移動し,それによって水が下部から上部へ移動することによって上側の細胞が膨らみ下側が萎むので葉が下降する。このように細胞の浸透圧の変化とそれに伴う膨圧変化によって起こる運動を膨圧運動と呼ぶ。

◆気孔の開閉

気孔の開閉も膨圧運動によって孔辺細胞が膨らんだり縮んだりすることによって起こる。孔辺細胞は内側(気孔を取り囲む側)の細胞壁が外側より厚くなっていて吸水によって細胞が膨らむと外側に湾曲するため気孔が開き,細胞が萎むと扁平になって気孔が閉じる。吸水は,孔辺細胞が周辺からカリウムイオンを取り込むことによって浸透圧が上昇し,それに伴って吸水が起こることが主な原因である。孔辺細胞のカリウムの取り込みは,細胞膜にあるカリウムチャンネルというタンパク質によって行われ,その働きはアブシシン酸という植物ホルモンによって抑制される。水分が不足すると植物は気孔を閉じて気孔からの蒸散を防ぐが,アブシジン酸はその信号を送る働きをしている。水分の不足は根で感知され,根から葉へアブシジン酸が送られて気孔が閉じると考えられている。一方,気孔の開口は,二酸化炭素濃度の低下や光によって誘導される。この反応は,光合成のための調節と考えられる。

◆花や果実の成長と老化
《果実の成長》花が受粉すると子房が発達して果実として成長する。子房の成長は受粉によって発生した種子から分泌されるオーキシンやジベレリンよって調節されている。受粉せずに子房が発達すると種なしの果実ができる。受粉の前にブドウの房をジベレリンで処理すると種なしブドウができる。開花の前にジベレリン処理をして子房の発達を促し開花の後に再度ジベレリン処理して花軸の伸長と子房の成長を促し種なしブドウがつくられている。
《果実の成熟》果実は成長が終わるとやがて成熟して柔らかくなる。この過程には,気体の植物ホルモンであるエチレンが働いている。赤く熟れたリンゴと未熟な青いバナナを同じ容器に入れておく実験によって確かめることができる。この実験から,同じ容器に入っているリンゴが一つ熟して腐り始めると一斉に熟して腐り始める理由が分かる。花が老化してしなびる過程にもエチレンが作用する。反対にサイトカイニンという植物ホルモンは老化を抑制するので,切り花などを長持ちさせるために,エチレンの発生を抑制する薬品やサイトカイニンの作用をもつ薬品が利用される。

◆落葉・落果
葉や果実が老化すると落葉・落果が起こる。落葉・落果・落枝など,植物の器官が植物体から落ちることを器官脱離という。このとき,葉柄や果柄の付け根には離層と呼ばれる細胞層がつくられる。離層には,分離が起こる線に沿って小さな細胞が並んでおり,細胞間の接着を緩める酵素がつくられて細胞間の接着が引き離されて葉や果実の植物体からの離脱が起こる。この過程にもいくつかの植物ホルモンが関与している。細胞間の接着を緩める酵素はエチレンが誘導する。当初,ワタの果実を落果させる物質として発見され,器官脱離(アブシージョン)物質という意味で命名されたホルモン・アブシジン酸はエチレンを誘導することによって器官脱離を起こすことが分かった。アブシジン酸は,種子や芽の休眠を起こす物質として発見されたドルミンと同じ物質であったので,アブシジン酸の主要な働きは休眠誘導であると考えられている。

オーキシン(6)

重力屈性のしくみ

 図は根端部におけるIAAの移動とこれを司るIAA排出タンパク質PINの分布を示す。

若い芽や葉で合成され下方に運ばれてきたIAAは根では中心柱の中を下方に移動する。根端に達したIAAは,根冠にある平行細胞に入り,ここで横方向に排出され,根の外側の細胞(表皮と皮層)を通って上部へ移動する。これらの移動方向はPIN1~PIN4タンパク質が図に示す位置に配置されてIAAを排出することによる。根の重力刺激が根冠細胞で感受されることは,古く1872年のツィーシールスキーの実験で知られているが,根冠細胞中の平衡細胞が重力刺激を感受する細胞である。平衡細胞はアミロプラストと呼ばれるデンプン粒を含んでいて,根端が水平になると,これが重力によって下方に沈降する。この刺激によってPIN3が不等(下方)に分布し,IAAが下方に移動する。その結果,根の下側に沿ってIAA濃度が上昇し,上側より多くのIAAが下部の伸長帯へが移動する。根の伸長帯では,オーキシン濃度が高いほど伸長が抑制されるため根は下側に曲がる。茎では,茎の内皮細胞のアミロプラストが重力で沈降し,内皮細胞の下側にPIN3が分布して,IAAが下側に移動する。その結果,横になった茎の下側のIAA濃度が上昇する。茎ではIAAが不足しており,濃度の上昇が伸長を促進するので,茎の下側の細胞の伸長が促進され,茎は上に曲がる。


 



◆光屈性とオーキシン
 

オーキシンの移動が光屈性現象の原因と考えられている。茎の陰側へオーキシンが移動し,光側と陰側のオーキシンの不均等分布が起こり,陰側での成長を促進することが屈曲の原因と考えられている。陰側へのオーキシンの移動の仕組みは不明であるが,細胞膜にあるオーキシンを輸送するタンパク質の働きが注目されている。従来,光によるオーキシンの不均等分布の機構については,①IAAの陰側への移動,②光側での光によるIAAの分解または不活性化の両説があったが,現在は①説が定説となっている。ダイコンの胚軸などで,成長を抑制するある種の物質が光側でつくられるため光側の成長が抑制されることが光屈性の原因であるという考えも提出されている。

 

オーキシン(5)

◎実験 アズキの芽生え茎切片からの発根オーキシンの分布と移動

実験方法

8cmに成長したアズキの芽生えを用意し,それぞれの処理に10本~20本用いる。

1)Aで切除して,直径2cm程度のバイアル瓶に水を入れて立て,一週間後に観察。

2)上部をB,C,D,Eで取り除いたものと,発根を比較する。

3)オーキシンなど発根剤濃度をテストするときは,AEで切除した短い茎を使用する。



IAAは遊離型あるいは結合型(アミノ酸や糖などと結合したIAA)として存在するが,とくに種子では結合型が多い。結合型IAAはオーキシンの貯蔵型であると考えられる。植物ホルモンとしての作用を示すのは遊離型IAAであり,結合型IAAはオーキシン作用を示さず,糖やアミノ酸から遊離するとオーキシン作用を示す。IAAの多くは茎の先端で合成されていると考えられていてIAAの含量は茎の先端ほど高い。ただし,発芽したばかりの芽生えでは,種子のなかに貯されていた結合型IAAが先端に運ばれて遊離型となる。生長が進むと葉や根でもIAAは合成されるようになる。

 茎の先端で合成されたIAAは基部方向に求基的に運ばれ,さらに根の先端部に向かって求頂的に移動する。このような極性移動はIAAの特徴で,他の植物ホルモンには見られない。根の先端(根端)への移動は中心柱を通って行われるが,根端に達したIAAは皮層組織を通って基部方向へ移動する。また葉で合成されたIAAは同化産物と同じように師管を通り,根で合成されたIAAは道管中を蒸散流によって上昇することが報告されている。


オーキシンの極性移動のしくみ

オーキシン(IAA)は細胞から細胞へ決まった方向に移動する。そして,移動の方向が重力や光の刺激で制御されている。IAAを細胞に取り込むタンパク質と細胞の外に排出するタンパク質があってそれらが細胞の上側と下側多く分布すると,IAAは上から下の細胞へ次々と輸送される。図に示すように,IAAを取り込むタンパク質は,AUX1とよばれ,細胞膜の外側・細胞壁空間にあるIAAを細胞中に取り込む。細胞質に入ったIAAは,原形質流動などで細胞の中を移動し,細胞膜の内側に埋め込まれている排出タンパク質によって細胞の外へ出る。排出作用はPINMDR1という2種類のタンパク質の共同作業と考えられている。このうちPINタンパクは,重力や光の刺激に応じて細胞内での分布が変わるタンパク質であり,これが重力屈性や光屈性の際のIAA輸送に関与していると考えられている。


 

オーキシン(4)

C オーキシン

◆オーキシン

前述のように,オーキシンは,ウェント(1928)のエンバク(マカラスムギ)の屈光性の研究から発見された物質で,成長素・成長ホルモンともよばれた。オーキシンの語源は,ギリシャ語のauxieで「成長」を意味する。この物質の化学的本体について多くの研究がなされ,オーキシンa,オーキシンb,ヘテロオーキシンなどが発見されたが,自然の植物体に存在して働いているのは,ヘテロオーキシン(インドール-3-酢酸)であることがわかった。下記の図に示すように,インドール-3-酢酸(IAA)は,比較的簡単な構造の化合物で,植物体内でトリプトファン(アミノ酸の一種)から合成される。オーキシンaとオーキシンbについては,現在の最新技術で,その化合物の性質が再調査され,オーキシンの作用を示さないことが日本の研究者によって証明されている。

 その後,24D(24-ジクロロフェノオキシ酢酸)NAA(1-ナフタレン酢酸)などオーキシンと同じ作用を示す物質が合成され,これらを総称してオーキシンとよぶようになった。しかし,単にオーキシンという場合には,IAAをさすことが多い。現在では,4-クロロインドール-3-酢酸も天然オーキシンとして同定されている。


◆オーキシンと屈性

 ツィーシールスキー(読み物参照)やダーウィンの研究で始まった屈性現象には,オーキシンが中心的な役割をはたしていることがその後の数多くの研究によって明らかになった。植物が横たえられると,茎は上に,根は下に曲がって伸長する。その理由を考えてみよう。

 垂直に立っている植物では,頂芽で合成されたオーキシンが茎の上から下へ移動する(極性移動参照)。茎が横たえられると,オーキシンは重力の方向に運ばれて茎の下側に集まってくる。その結果,茎の上側のオーキシン濃度が低くなり,下側の濃度が高くなる。通常,茎の成長にはオーキシンが不足していて,オーキシン濃度が上昇すると成長が促進される。茎の下側のオーキシン濃度が上昇すると,成長速度が上側より大きくなるため茎は上に曲がる。

 一方,根の成長は,オーキシン濃度が茎より低いところで制御されており,茎の成長を促進する濃度では根の成長は抑制される。根のグラフの頂点より右側に示されるように,根では,オーキシン濃度が高い部分の成長は,低い部分より抑制される。したがって,下側で増加したオーキシンによって,根の下側の成長が抑制されるので下に曲がる。微量のオーキシンの定量と放射性同位元素で標識したオーキシンの移動を調べることによって,オーキシンは根の中心部(中心柱)を通って下降し,根端部に達した後,根端から外側の細胞(表皮と皮層)に入って上昇することが分かった。

 近年,オーキシンの移動を司る輸送タンパク質の局在やオーキシンによって誘導される遺伝子の発現状態を比較することによって,この移動様式が支持されている。

このことから,19世紀にツィーシールスキーが発見した根端の役割が理解できる。根端の細胞が重力刺激を感受し,オーキシンの移動が制御されて根の重力屈性が起こる。重力を感受する仕組みの全容はまだ明らかではないが,最初に重力を感じるのは根端の中心部にある平衡細胞(コルメラ細胞)に含まれるアミロプラストと呼ばれるデンプンの袋である。アミロプラストが重力の方向に沈降することが刺激となって、オーキシンがその方向に移動すると考えられている。このオーキシンの移動にはカルシウムが関与している。


◆頂芽優勢

 茎の先端にある頂芽が盛んに成長しているときは,下方にある側芽の成長は抑制されているが,頂芽が切り取られると,上位の側芽が成長を始める。この現象を頂芽優勢という。しかし頂芽を切り取った跡にオーキシンを与えておくと側芽の成長は抑制されたままとなる。また,頂芽からのオーキシンの移動を阻害する物質を頂芽の下側に塗っておくと,側芽が成長し始める。したがって,頂芽優勢はオーキシンによって引き起こされていることが分かる。頂芽から移動してきたオーキシンは側芽周辺のサイトカイニン合成を抑制して,側芽でのサイトカイニン量を低下させ,側芽の成長を抑制すると考えられている。


◆極性とオーキシンの移動

 植物が成長して茎や枝がつくられると,頂芽から根に向かって細胞の形や性質に勾配が形成される。ヤナギの枝を切り取って湿った容器内につるしておくと,枝の上部からは芽が出て下部からは根が出る。このとき,芽と根の出る位置は決まっていて,枝をつるしておいた方向とは関係がない。枝には上下の方向が決まっていたのである。枝や茎にはこのような方向性を極性という。若い植物の芽生えにも既に極性が形成されており,オーキシンはこの極性にしたがって,子葉鞘や茎の中を上から下へ移動する。このことをオーキシンの極性移動という。オーキシンの極性移動は,放射性同位元素で標識されたオーキシンをつかった実験で確かめることができる。


◆発根の促進

 植物の種子には,受精卵から発生して形成された幼根が備わっている。発芽したばかりの若い植物では,幼根が成長して形成された根系が水と栄養の吸収機能を果たす。しかし,多くの植物は,成長に伴って,地面に近い茎からも根を発生する。幼根が成長した根以外の部分から発生した根を不定根と呼ぶ。すなわち,不定根は,茎など根以外の部分から発生したもので,葉から発生する場合もある。イネ科植物では特に不定根の発達が顕著で,地表に近い茎にある節から多数の不定根が発生して成長を支える。成長したイネ,トウモロコシ,タケなどの地表部を観察すると多数の不定根を観察できる。このような不定根は「冠根」と呼ばれ,植物体の成長に伴って大部分の根の機能を支えるようになる。

 不定根は,植物の栄養繁殖(挿し枝,挿し芽,葉挿しなど)に不可欠な器官である。このため,サクラ,チャ,キクなどで挿し木や挿し芽でクローン繁殖するときには,発根促進剤が用いられることが多い。不定根の発生はオーキシンによって誘導されるため,発根促進剤はオーキシンまたは植物に吸収されてオーキシンに変化するオーキシン前駆体が主成分である。市販の発根促進剤には,オキシベロン(インドール酪酸)(バイエルクロップサイエンス株式会社),ルートン(αーナフチルアセトアミド)(石原産業株式会社)などがある。

オーキシンによる不定根の誘導を実験的に観察することができる。その実験例を図に示す。アズキの茎を様々な濃度の天然オーキシンであるインドール酢酸(IAA),合成オーキシンであるα-ナフタレン酢酸(NAA),細胞内でIAAに変化するインドール酪酸(IBA)の溶液に浸し,5日後に一本あたりに発生した根の数を数えた。グラフは,横軸にこれらのオーキシンの濃度,縦軸に発根数を示したものである。



 

 

 

 

オーキシン(3)

成長の調節
◆植物の反応と調節の概要
生息場所を移動できない植物は,周囲の環境条件に巧みに適応して生きている。種子の休眠と発芽から,成長・老化に至るまで,植物の一生は複雑な調節を受けている。発芽した芽生えは重力を感じ,茎は上方へ根は下方へ成長する。実際,植物を宇宙空間の微少重力環境で育成すると,根は色々な方向に伸びる。植物の成長は,光や水などの環境要因に対して鋭敏な調節が行われている。また,季節の変化に応じて花芽をつけたり落葉したりする。これらの調節には様々な植物ホルモンが重要な役割をはたしている。
A 屈性と傾性
◆屈性と傾性植物の芽生えを横たえておくと,根は重力の方向に,茎はその反対方向へ曲がる。また,芽生えを窓際に置くと茎は光の来る方向に,根は光から遠ざかる方向に曲がる。このように植物が外からの刺激に反応して屈曲する性質を屈性という。刺激の来る方向へ屈曲する場合を正の屈性,遠ざかる方向への屈曲を負の屈性という。刺激の種類には,重力,光,接触,水分などがあり,それぞれ,重力屈性,光屈性,接触屈性,水分屈性という。以前,これらの反応は,屈地性,屈光性などと呼ばれたが,現在は上記のように,刺激の種類+屈性という呼び方に統一された。屈性の他に,植物の器官が刺激の方向とは関係なく一定の方法に曲がる反応がある。これを傾性といい,刺激の種類によって温度傾性や光傾性などがある。タンポポの花弁が光に反応して開閉する性質は光傾性,チューリップの花弁が温度に反応して開閉する性質は温度傾性の例である。屈性や傾性の他にも,植物の器官や細胞は色々な運動をする。
植物の運動をまとめると以下のようになる。
◆植物の運動植物の運動には,その運動をひき起こす仕組みによって成長運動・膨圧運動・乾湿運動などがある※。また,単細胞植物や群体をつくる植物では,変形菌の変形体にみられるアメーバ運動,クラミドモナスやボルボックスにみられるべん毛運動などがある。


※タヌキモの捕虫嚢では,水やイオンの能動輸送によって,捕虫嚢内が陰圧になっている。刺激により入口が開くと水の流れによって虫が入り込む。この場合は細胞そのものの膨圧変化が捕虫運動を行うのではない。

B 屈性のしくみ
◆ダーウィンなどの実験 イネ科のクサヨシ(カナリアソウ)の幼葉鞘を用いた実験は進化論で有名なチャールズ・ダーウィンと,その息子フランシス・ダーウィンが行ったもので,植物の光屈性研究のさきがけとなったものである。この研究は1900年(明治13年)に発表された。

 【植物成長物質・オーキシンの発見】
その後,ボイセン・イエンセンやウェントの実験に用いられたものはエンバク(燕麦)またはマカラスムギ[Avena sativa L.]と呼ばれる植物である。これはカラスムギに起源を持つ栽培種と考えられる。  
これらの実験で用いられた器官は子葉鞘(または幼葉鞘)である。
子葉鞘は第一葉をおおう鞘状の部分で,暗所でよく伸長成長し,中にある未熟な第一葉が土の中から地上に出るまで第一葉を保護しながら成長する器官である。子葉鞘は地上に出ると光が当たるので成長を停止する。子葉鞘は透明なので,子葉鞘を通して第一葉に光が当たり,第一葉が光合成を始め,子葉鞘を突き破って空気中へ出ると葉を広げてさらに成長する。子葉鞘はイネ科植物の薄くて細長い第一葉が土の抵抗を押しのけて地上に出るまでの保護器官(鞘)である。

教科書p.213図12に示すように,子葉鞘の先端部には下部の伸長を促進する物質が含まれ,その物質が下部に移動して下部の細胞を伸長させたり,不等伸長によって屈曲を引き起こすことが,ボイセン・イエンセンやウェントの実験によって明らかになった。子葉鞘の細胞を伸長させる物質は,オーキシン(auxin)と呼ばれた。語源は,ギリシャ語の成長auxie に由来する。 その後,その物質の化学的実体が研究され,オーキシンa,オーキシンb,ヘテロオーキシン(異なるオーキシンという意味)などが発見されたが,自然の植物体に存在して働いているのは,ヘテロオーキシンであることがわかった。後に,ヘテロオーキシンはインドール-3-酢酸(indole-3-acetic acid・IAA) であることが明らかにされた。オーキシンの本体がIAAであることは,ヒトの尿の中にIAAが含まれていて,それがオーキシン作用を示すことが発見されたことによって証明された。一方,当初オーキシンであると考えられたオーキシンa,オーキシンbは,現在の最新技術で,その化合物の性質が再調査され,オーキシンの作用を示さないことが日本の研究者によって証明されている。  

オーキシンのように,植物のある部分でつくられ,からだの他の部分に運ばれ,ごくわずかの量で植物の成長や反応を調節する物質を植物ホルモンという。

読み物 根の重力屈性(ツィーシールスキーの発見)  
根は重力の方向に曲がって成長する。ダーウィンの研究に先立ち,その仕組みの研究を行ったのは,ポーランド生まれの植物学者にツィーシールスキーである(1872年)。根を横たえておくと重力の方向に曲がって成長するが,先端(根端)を切り取ると曲がらなくなることを発見したのである。根をしばらく横たえて重力の刺激を与えてから,根端を切り取った場合は,横たえられていた時の重力の方向に曲がる。このことは,重力の刺激を感じるのは根端で,それに反応して曲がるのは根端より基部の部分(伸長帯)であり,何らかの信号が根端から伸長帯に伝達されることが示された。

オーキシン(2)

合成オーキシンは植物の異常生長を引き起こし枯死させる除草剤として用いられる。
また抗オーキシンはオーキシンの拮抗阻害剤として作用することを知った。
抗オーキシンは除草剤として作用しないのか考察する。

まずオーキシンの生理作用として茎の伸長生長/果実/木部分化/細胞分裂などの促進、根/腋芽の生長阻害が挙げられる。
合成オーキシンは大量に植物に吸収させることにより、特に茎の異常伸長を引き起こし支えきれなくなり倒してしまう。
反対に抗オーキシンはオーキシンの作用する部位に結合し、オーキシンの作用を阻害してしまう。
これは抗オーキシンが大量に吸収されると茎の伸長生長や細胞分裂を阻害するということである。
つまり植物が伸長(生長)しなくなることを意味する。
しかしながら生育環境によっては伸長しなくても生きていくことは可能である。
また拮抗阻害剤という性質から、ある一定以上の高濃度の抗オーキシンが吸収されなくてはオーキシンとの結合部位をめぐる競争に負けてしまう可能性が考えられる。
そのように考えるとすぐに枯死させるのが目的である除草剤としては適さないと考えられる。
 
では抗オーキシンはジベレリンが欠損したときのような働きをするのだろうか?
ジベレリンは茎の伸長生長/葉鞘/葉/細胞分裂/果実/発芽などの促進が作用として挙げられる。
ジベレリンが欠損すると縦方向の伸長が止まりその分横方向に大きくなる。
このことにより1つ1つが収量の多い(倒れにくい)イネができる。
このような作用を抗オーキシンは生じさせないのだろうか?
茎の伸長生長を阻害することにより、重心の低い(倒れにくい)植物を作ることが可能ではある。
しかしその他の部分の生長阻害作用がどのように影響するかは分からない。
低濃度の抗オーキシンを吸収させれば果実や種子といった部分の生長阻害は起こらないかもしれない。
しかしながらその場合、茎も伸長生長してしまう可能性が考えられる。
これを確かめるためには、通常の植物体・抗オーキシンを濃度別に吸収させる植物体・ジベレリン欠損植物体を比べてみる実験が適すると考える。

オーキシン

Q:芽や若い葉に供給される場合には、オーキシンは細胞内を移動する。
篩管を通っての成葉への供給時と比べ、その速度は10分の1以下となる。
何故、両者の間に移動速度での差が見られるのか。

その意味について考えた。移動速度の差についてまず考えられるのは、
(1)移動速度の差そのものに意味がある場合、そして
(2)移動速度の差が副産的なものである場合、の二つである。

(1)については、芽・若い葉と成葉との大きさの差に因るものであると考えられる。オーキシンは高濃度であると生理障害を引き起こす。例えば若い葉と成葉とを比べると、若い葉の方が小さく、それだけ持っている水分量も少ないため、成葉と同速度でオーキシンが供給されると生理障害を引き起こす可能性があるのではないだろうか。
一方(2)については、移動速度そのものについての意味はなく、
①光合成産物の転流との関係、
②移動経路に因るため、などにより生じた差であると考えられる。
可能性としては、(2)の方が高いように思われる。
何故ならば、(1)のようにオーキシン濃度調節をせずとも、供給場所の大きさに応じてオーキシン作用濃度(感受性)を変える(受容体数を変化させる等して)ことが可能であろうし、かつ、移動経路の違いにより移動の極性の有無が生じているからである。

A:着眼点はよいと思います。
ただ、メカニズムに関するHow questionと、生理的な意義に関するWhy questionは、はっきり分けて考えた方が議論がすっきりすると思います。

フロリゲン

フロリゲン

別名:花成ホルモン、開花ホルモン、花咲かホルモン

英語:florigen 

植物の花芽、すなわち展開して花が咲く芽の形成を促進するとされる物質。

フロリゲンは、1937年にはその存在が予言されていたが、それが何の物質であるのかは、70年もの期間にわたり特定されずにいた。2007年に奈良先端科学技術大学院大学の研究チームが「Hd3a遺伝子」から生成されたたんぱく質であることを解明した。

201181日、奈良先端科学技術大学院大学の同じ研究チームが、フロリゲンの受容体を発見すると同時に、開花時期を自在に変えて花を咲かせる技術を開発したと発表、科学誌Nature上で発表した。

フロリゲンによる開花時期操作の実現は、いわゆる「花咲か爺」を現実のものとする、というだけでなく、農産品の安定的生産などに役立つという。

中国語は 成花激素。

外激素 分泌ホルモン

外激素 日本語では 分泌ホルモン

『中文名称:外激素英文名称:ectohormone放到生物体外后起作用的激素,已普遍被信息素一所取代。用学科:昆虫学(一学科);昆虫行与信息化学(二学科)

以上内容由全国科学技词审定委定公布

物可以将激素分泌到体外,使同种属的其他物感受到种外激素。外激素在很多物中存在,从单细物一直到哺乳物。不,外激素是否在人中存在及其重要性,却没有定物可以通外激素来告其他物自己的行和内分泌状,它可以物的社会和性状况信息。

作用

外激素信号作用于其他物后,通常有两:一种是感受物立刻“放”反,比如打架或者交配;另一种是比较长久的效果,比如感受物的生理和内分泌激素水平被改。有些物把外激素撒到自己地界上,告其他是自己的地,人莫入(比如雄老鼠尿里有外激素,撒遍自己“国土”后,其他雄鼠不要来,而迎雌鼠光)。有些物用外激素告诉别人:我的官大(地位高),你不要和我争食物或者异性。有些雄,是在尿液里含外激素,两雄相斗,看撒出来的外激素多而定社会地位,利的一方遇的一方会昂首挺胸,而失动让道。雄性洲大象在幼年时发出的外激素是甜甜的,以告其他成年雄象:我小,不会和你们竞争;成年雄性却一种外激素告其他大象:我成年了,要和雄象分开,而迎雌象。

多雌性物用外激素传递自己特适合受孕的时间。科学家们发现了反映母狗适合受孕的外激素后,把它涂到一只没有情的狗身上,其他公狗就会因被误导而性趣盎然,不管涂了外激素的狗是母的是公的。

分子特性

外激素的化学和分子特性多。外激素分子作用很,只要有很少一点点,就可以被其他物所感知。一个母蛾所含的吸引雄性的外激素,如果全部分泌出来,足吸引10亿个公蛾子。感受外激素的于不同物是不一的。在哺乳类动物中,是在鼻子里面的一个构,和通常的嗅并不相同。嗅的感受胞分布在鼻子里的大部分粘膜上,而外激素的感受胞在鼻中膈区的一小特定粘膜上。嗅和外激素感受的信号由两套分开的神通路一级传送到中。可以用实验手段有选择性地“屏蔽”其中的一个感,而保留另外一个感。科学家找到了一些参与老鼠外激素感感受的分子。利用基因剔除方法,可以去除其中某个参与外激素感的分子。发现,没有外激素感受的雄鼠,不雌雄,不管碰到雌的是雄的,都试图上去交配。而正常的雄鼠碰到雄的要打架,碰到雌的才交配。所以老鼠辨雌雄是靠外激素,而不是靠一般的嗅,也不是靠看异性(视觉)或摸异性(触)。

相关

找外激素分子,除了可以在物中发现一些有趣的象外,有多方面的意。比如,可以利用昆虫的外激素来控制它。事上,于昆虫的外激素人了解得要多一些,而于哺乳物的外激素分子,除了存在于老鼠尿液中的有一些研究外,的来了解得比少。20037月,在法裔美国科学家、哈佛大学的杜蕾克(Dulac)所写的述文章里,还说们对哺乳类动物的外激素分子知之甚少。

昆虫性外激素大多数是小分子的有机化合物,而且常常是几种化合物成的混合物。同一种的昆虫,在不同的季节释放的性外激素,有不同的成和含量。如果不掌握性外激素的律性,就不能诱骗昆虫。另外,每种昆虫都有自己的用通这给研究和来了困。所以,生物虫法目前仍不能代替农药

见举

由昆虫体表分泌到体外的一类挥发性的化学活性物,直接散布于空气中、水中或其他媒介物上,作化学信号影响或控制同种的另一个体生反。昆虫外激素有多种,它的作用也不同。研究最多的性外激素(性信息素),一般雌虫分泌的化学物,引雄虫前来交尾。如:舞毒蛾和蚕蛾的分泌腺在腹部末端、玉米螟在腹部背面第八、九腹。科学家对这类雌虫的分泌物行分离和定,一步行人工合成。我国已合成多种性引诱剂诱杀雄虫或干交尾,达到杀灭害虫的目的。比如,梨小食心虫、苹果小卷叶蛾、棉红铃虫、二化螟等。其他外激素有蜜蜂、白分泌的追踪外激素,其作用是促相互追随,保持群体不失散和迷失方向。聚集外激素的作用是聚集本群昆虫,持群体生存和活。如蜂王分泌蜂王物(或称社会外激素)。告警外激素是受到攻或危险时发放的信息素如蚜虫、等。除此之外,志回巢或食物源的路径等作用的外激素。

ヒドロキシエクジソン 羟基蜕皮酮

20-hydroxyecdysone

(昆虫ホルモン)同義語 20-Hydroxyecdysone Beta-Ecdysone

20-ヒドロキシエクジソン, 20-ヒドロキシエクダイソン

多環式化合物 Polycyclic Compound

ステロイド Steroid

コレスタン Cholestane

コレステン Cholestene

コレステノン Cholestenone

エクジステロイド Ecdysteroid

エクジステロン Ecdysterone

ホルモンおよび関連薬物 Hormones, Hormone Substitutes, and Hormone Antagonists

ホルモン Hormone

無脊椎動物ホルモン Invertebrate Hormone

昆虫ホルモン Insect Hormone

エクジステロイド Ecdysteroid

エクジステロン Ecdysterone

印度神油

印度神油は 百度百科によれば
『印度神油是原本叫佛的香精,由一名佛教有名的和尚精心配制的,目的是为了帮助人们在床笫之>间得到欢愉和满足。后来这个香精的配制秘方流传到了印度教那边并被大量生产,而且被改名为Godoil-two,正品印度神油不会含有任何神油二字。

溯源
本油溯源于印度教HINDUISM,该教于佛教兴盛以后为反对佛教而起的印度宗教之正统派,教中所奉之神有:(开发神),梵天等。教民皆崇拜女神,以为各男神之配偶。因此,印度神油遂成为教中男女间公开秘密之神圣珍品。

名称由来
在印度当地,相是由国王辛一世(JAI SINGH Ⅰ)研究明出的早泄延时喷剂辛一世将捷布王朝迁徙到平原,并且建造全新的皇;又了与周各国交好,迎娶了十多位妻子。了要十多位后辛一世除了制了多性姿的壁画外,并着手研印度神油。

来源
神油原为佛教高僧所制,通称佛露,备为参欢喜神禅之需,殆后秘方辗转为印度教所得,改名神油。佛教自唐代由印经藏传入中国,至今以西藏为佛教之中枢,僧侣称做喇嘛,以黄衣之黄教正宗教派。明永乐间,宗喀巴扬黄教成为教主。

功用
所谓的印度神油,不过是暂时性的局部麻醉剂,涂抹或喷洒在龟头上,目的在去除敏感度,延长性交时间。其实这也不是好办法,因为有时可能造成勃起困难或迟缓。如果为了增加性爱的情趣,而使用一些无害双方身体的辅助品,例如有颗粒或环状的保险套、按摩棒……等,只要双方都喜欢,倒没什么不可以,不过却不要变成非用不可的地步才好。至于一些有害身体的奇技淫巧,恐怕还是少碰为妙,以免得不偿失。

[用法用量]
简单便捷,用者于同床前半小时,将金属外套揭开,以喷孔向茎首作一次均匀喷射,一经喷射,药性立即发挥,保证获得最佳效果。

[注意事项]
本产品不可内服。请置于阴凉干燥处保存。易过敏者慎用。 皮肤破损者勿用。 孕妇及准备受孕的妇女禁用。

[成 分]
人参、麝香、动物鞭等

[其他功能]:除了一般人常用的壮阳功效之外,印度神油也是一种很有效的跌打损伤用药。

“印度神油”外
印度神油,亦曾被二十世纪亚洲女歌手李秋霞引用,成一首成人歌曲。

印度神油湿巾
印度神油湿巾采用印度神油原液、Citionelaoil、泰国欲望草提取物等原料,运用现代生物工程技术精炼而成,是全新一代的产品,同本公司出品,印度孟买尼赫鲁研究院监制。实践证明,应用本品能固本培元,止精固脱、抑制下元、使阴茎粗壮坚实、性爱时间延长、欢爱和谐。并可消毒杀菌预防各种性病。』

Bナイン 丁酰肼

丁酰肼は Bナイン・・・
『文通用名 daminozide
其他名称 二甲基琥珀酰肼、比久,B9调节剂九九五、B995Alar-85
毒性 人畜低毒。大鼠急性口服LD508400mg/kg,兔急性LD501600mg/kg对鸟类鱼类低毒。
85%90%可溶性粉
特点 是一种生抑制,可以抑制内源激素赤霉素的生物合成。从而抑制新枝徒节间,增加叶片厚度及叶素含量,防止落花,促坐果,诱导不定根形成,刺激根系生,提高抗寒力。
适用范 可用于果马铃薯、番茄等作矮化、座果、生根及保鲜剂等。

使用方法
1. 苹果 盛花后3周,用0.1%-0.2%度的液全株1次。采收前45-60天,用0.2%-0.4%度的液体株再1次,能抑制新梢生、着色、防落果、延长贮存等。
2. 葡萄 新梢6-7,用0.1%-0.2%度的液全株1次,可抑制新梢,促坐果。采后在0.1%-0.2%度的液中浸3-5min,可延长贮存期。
3. 成熟前用0.1%-0.2%度的1次,可增色,促早熟。
4. 盛花后两周,采前3周,用0.1%-0.2%液各1次,可防止幼果脱落及采前落果。
5. 马铃 开花初期用0.3%液全株1次,能抑制茎徒,使茎增大。
6. 番茄 1叶片和4叶片,用0.25%液各1次,能抑制茎叶生,促坐果。
7. 花生 扎初期,用0.1%-0.15%液全株1次,使株形矮化、增
8. 甘薯 秧苗移栽前用0.25%液浸几分,促生根,提高成活率。
9. 菊花 移栽后1-2周用0.3%液全株喷雾2-3次,矮化花大。
10. 人参 用0.2%-0.3%液在叶片展开时喷雾1次,促地下部分生
11. 插条 用0.1%-0.5%液浸泡菊花、一品、石竹、茶等插条基部15-20s,能生根,提高插的成活率。

注意事 水肥条件好,使用比久的效果越明,水肥条件重不足使用会重减。』

ブドウとホルクロルフェニュロン

ブドウ「シャインマスカット」無核栽培におけるホルクロルフェニュロン液剤の加用効果
(転載)
『要約
ジベレリン水溶剤を2回処理する「シャインマスカット」の無核栽培において、1回目の処理時にホルクロルフェニュロン液剤2~5ppmを加用すると着粒数が増加する。

ブドウ新品種「シャインマスカット」は外観、食味とも良く、無核栽培が可能な白系の大粒種で、今後の普及が期待されている。ここでは「シャインマスカット」の無核栽培において、高品質安定生産を図るための植物成長調整剤の効率的利用法の開発を目的として、ホルクロルフェニュロン液剤の着粒向上効果を明らかにする。


[成果の内容・特徴]

1回目(満開時~満開3日後)のジベレリン水溶剤処理時にホルクロルフェニュロン液剤2~5ppmを加用すると着粒数が増加する。

加用する濃度による効果の差は小さく、低濃度でも十分な効果が得られる。また、花穂整形で主穂、支梗のどちらを利用した場合でも着粒向上効果が得られる。


[成果の活用面・留意点]

「シャインマスカット」の無核栽培では、ストレプトマイシン液剤1回とジベレリン水溶剤2回の処理で十分な商品性が得られる。ホルクロルフェニュロン液剤の加用は、強樹勢で花振るいが予想される場合や、主穂先端の形態異常により支梗利用が多くなった場合の着粒向上対策として有効と考えられる。
 

ホルクロルフェニュロン液剤を加用した場合、着粒数が多くなり大房となりやすいので、適正な房の大きさや着果量に留意する。また、果皮色や果梗色の進み(黄化)、糖度上昇がやや遅れる傾向があるので、収穫時期にも注意が必要である。
 

本試験は雨除け条件下で実施した。なお、無核化のための植物成長調整剤の使用は、ジベレリン水溶剤の他、開花始期にストレプトマイシン液剤を200ppmで散布した。

本試験は、ブドウ系統適応性検定試験における樹(ウイルス;GRSPaVを保毒)を供試して行った結果である』

ホルクロルフェニュロン

まるで「スイカ地雷」...中国で発生したスイカ爆発事件

(転載)
『調査によると、「ホルクロルフェニュロン」という植物成長促進剤を散布したことが一因となっているようです。

ホルクロルフェニュロンは中国では合法の薬剤で、細胞分離を促し2週間で実を大きくし、20%以上値が高く売れるようになる、と言われていたそうです。

しかし...、スイカはおかしな形状になり、次々と割れてはじけてしまったのだそうです。

スイカ農家の劉明鎖さんの畑では約3ヘクタール分のスイカが台無しに、夜もスイカの爆発する映像を思い出しては眠れないのだとか。

スイカが「ボン!」「ボン!」と次々に爆発するのを目の当たりにしながらも、なすすべなく途方にくれるなんて...、切なすぎます』

ホルクロルフェニュロン(は 日本でも 許可されている

商品名は フルメット液剤

ぶどう、キウイフルーツの果実肥大やメロン類の着果促進をはかる。





膨大素は心配ない

认为膨大素没有危害 “大个”水果放心吃

20010824 子晚

『本报讯 近日南京街不少个头颇大的水果,有家指出是用膨大素催大的,很多市民非常担心种水果的食用安全。者特意就此问题访了省科院的有关家。

 

科院园所的李所诉记者,目前的确有膨大素催大的水果,但也只是葡萄和猴桃两种,并且人体不会有危害。李所长说,目前水果使用的膨大素主要是CPPU和赤霉素两种,其中赤霉素是一种植物生内源激素,植物本身株内就含有,人体自然不会有危害。而CPPU是一种胞分裂素,它会促使胞分裂,从而个体大,一般是在开花使用,经过开花、果等生长过程后早就被分解掉,一般不会残留』

膨大素は 2001年の段階で使われていた・・・

赤霉素とは ジベレリンのこと

CPPU とは 氯(CPPU) (CPPU)   吡苯(KT-30,cppu) 99%

植物生长调节剂

吡苯(KT-30,CPPU) Forchlorfenuron (KT-30,CPPU)    

氟苯氧乙酸   4-Fluorophenoxyacetic acid    

溴苯氧乙酸 4-Bromophenoxyacetic acid   

碘苯氧乙酸 4-Iodophenoxyacetic acid  

6-氨基呤(6-BA)   6-Benzylaminopurine

6-糠氨基 6-Furfurylaminopurine(Kinetin)

β-氧乙酸(BNOA)   β- Naphthoxyacetic acid(BNOA)

异戊 N6-(2-Isopentenyl)-adenine


 又名吡苯

中文名称:N-2--4-基苯-N’-苯基1-(2--4-)-3-苯基

英文名称:ForchlorfenuronCPPUKT-304PU-3

商品名称 吡效隆醇  施它 KT-30 4PU-30 CN-11-3183 NCPU Fulmet

分子式:C12H10CLN3O

分子量:247.68

理化性:白色晶体粉末,有微弱吡味,熔点171℃,溶于水,溶于甲醇、乙醇、丙、二甲基亚砜等有机溶液,常条件下定。

 

检测

是上世80年代由日本首先开,之后引入中国,是经过国家批准的植物生长调节剂,并不属于食品添加。目前膨大在我国使用很广泛。

 

及瓜果作物。

1橙于生理落果期用2毫克/液涂果梗密

猴桃花后20~25天用10~20毫克/液浸幼果。

3、葡萄于花后10~15天用10~20毫克/液浸幼果,可提高坐果率,使果膨大,增加果重。

4、草莓用10毫克/于采摘下的果或浸果,稍干后装盒,可保持草莓果,延长贮存期。

膨大素

膨張促進剤を調べてみた・・・・

膨大素
(転載;百度百科)
使品膨的因素有:空气、水蒸气、CO2(由化学膨大素)NH3(由化学膨大素),其作用在于使品酥松可口,依面糊之酸碱程度或含水量之多寡,还择适合之

厂家:江瑞德邦化工
见产品:瑞德邦膨大素  膨大素

用途特性
泡打粉(BP) Baking Powder  一般俗称为酦粉、泡粉,食品的膨Baking PowderB P。它的主成份是碳酸、硫酸钠铝、重碳酸等的混合盐类,主要用在西点蛋糕的制作(例如:烘烤干、蛋糕、蒸粿及油炸物等),其用法常与面粉混合过筛后,就会放出 CO2气体使糕点生膨松感,保存要保持干燥避免受潮

Baking 
Soda  碱性的物,可中和配方中的酸性材,同时产色亦会深。用于巧克力、巧克力蛋糕或小西中料

塔塔粉
Cream of Tartar  酸性盐类,用以中和蛋白的碱性,并加蛋白的性,如天使蛋糕。亦可用来煮化糖。其外与泡打粉一,但不可与泡打粉替代使用

碳酸
Ammonia Bicarbonate

NH4 HCO3 化学膨大效用同碳酸氨,气速度快,多用在水份含量低的品,如:油条、沙其

この『膨大素』は 一般的に 食品に使われるものだね。

膨大素   
江苏瑞得邦化工科技有限公司

『产品名称:膨大素
主要成分:膨大素  胞分裂素
格:100ml  200ml
倍数:水叶面800-1000倍液
作物:黄瓜调节
适用作物; 本品用各种蔬菜和水果,也可适用粮棉作物

膨大素功能特点
本品是本公司第二代品,内含膨大素、KT-30力膨大因子、胞分裂素和着色素,使用方便,效果独特,力座果,正畸形果,快速膨大。

1、加快胞分裂、促膨大、膨果壮果、增甜着色、全面养、提高品、增加
2、防止裂果、落果、减少畸形果、提高作物抗病、抗逆等能力
3、高品 高含量 100%全水溶 全吸收 效快 效果高【主要特点】100%养分、100%水溶、100%吸收,肥效迅速明,养分利用率高,增幅度大。施用本品后能著增光合作用,加快胞分裂,促迅速膨大、着色、防裂果、减少畸形果,增加甜度、改善口感,提高果品等,提早成熟和上市,促作物稳产、高,令果个大均匀、果型端正、色好、价高。


注意事

1、本品可与一般农药混用,并能相互增效
2、不可雨间喷施,喷药4h内下雨要重
3、本品高,按照用量配制
4、本品随配随用,不宜久置』


どうも 爆発の原因は こちらのほうのようだ。 

Bナイン

花 き 

花き園芸においては高度な生産技術が駆使されるため,生長調節物質の利用場面が極めて多い。発根促進,休眠打破,開花調節,矮化,草姿調節,摘蕾など目的によって各種の植物生育調節剤が農薬登録され,実用に供せられている。しかし多くの実用記事3.13.55~59.62)にもみられるように,適用作物以外に効果が認められるものも多い。花き分野での生長調節剤の利用は合成オーキシンが挿し木に試用されたのが最初3)とされ,NAA,IBAほかのホルモンでの発根促進効果が紹介5.31)された。しかし,しおれやすい緑枝挿し,発根に長期間を要する木本性樹種など広く利用できるようになったのは昭和40年(1965年)に入ってからのミスト装置など挿し穂の活力を長く保持できる繁殖方法と組み合せた研究24.25)の後である。今日ではIBA主剤の液剤及びタルク塗布剤が草種,時期などに応じ使い分け66)られている。省力化のための高濃度瞬間浸漬,母株葉面低濃度散布法も我が国で検討25)されたが,効果,薬害,コストの点で実用化していない。 
サイトカイニンの一種ベンジルアデニンについてはバラの樹体更新用べ一サルシュートの発生促進48)とそれに伴う収量増加49)が報告された。その後適用性試験を経てバラのほかデンドロビウムの高芽発生,リーガスベゴニアの葉挿し時の芽数増加の目的でBA製剤は実用化した。繁殖効率の特に悪いラン類を主対象にBAの芽数増加などの効用が検討53)されたが,組織培養以外では適用作物に加えられたものはない。BAの効果は多面的であり,液剤散布による花数増加,開花促進,品質向上の効果についても研究され,デンドロビウム15),シャコバサポテン67)で実用化されている。シクラメンでは開花促進と品質向上のため後述するジベレリンとの併用処理14.39.44.51)法が実用化した。 
ジベレリンには休眠打破,発芽促進,茎の伸長促進,開花促進などの効果がある。プリムラほか休眠性の章花種子に対する発芽促進の研究20)に基づき,カランコエ,グロキシニア,プリムラでの種子浸漬法が実用化されている。テッポウユリでは早期促成時の球根発芽を促す研究34)から球根浸漬35)の方法が確立した。チューリップでも当初球根浸漬の諸研究18.19)もあったが,後にメタノールを主溶媒とする液体ジベレリンを葉筒内に滴下処理し,開花促進だけでなく,促成不適品種のプラスチング防止,赤色花色の増進を併せねらう処理技術が開発36.38.40~43)された。このほかシラン52),ミヤコワスレ22.23),アザレア64),トサミズキ10)などでの単用,またはシクラメンでは上記のようにBA剤との併用による草丈伸長又は開花促進の目的の研究は実用化に結びついた。スパティフィラムなどサトイモ科花きの花立ち促進の研究54)も実用化に結びついた。いずれも散布処理の方法がとられる。鉢物として促成される花木のツバキ8),シャクナゲ29)では花蕾のみを発育させればよく,このためラノリンペースト剤による局所処理の方法が定着した。なおジベレリン研究が盛んであった1957~1972年の16年間に合計102種の花きで試験された処理効果のまとめ37)がある。最近では花きを対象に内生ジベレリンの種類及びその挙動に関する研究7.46)が盛んに行われるようになっ 
た。 

エチレンについてはキクなどの発根促進,ペチュニアなどの分枝促進,フリージアなどの休眠打破ほか,花き生産上の種々の効果が認められているが,エチレン発生剤であるエスレル液剤の実用化はアナナス類の開花促進用16)と夏秋ギクの開花抑制用45)のみである。アナナス類の開花促進には倭化剤の一種BOH(ホパイン)も有効と報告1)された。 
鉢物生産など花き分野で使用される主な矮化剤はその作用性から抗オーキシン性と抗ジベレリン性の2種17.21)に分けられるが,いずれも節間伸長を抑制して鉢物向きの草姿に改善できるほか,着花促進効果を持つものが多く,利用価値が高い。このうちB-ナインはキク6),アサガオ32),など草本花き,ポインセチア61)など木本花きと多くの花きで矮化効果が確認され,最初の登録矮化剤となった。このため1965年以降,各種の花きで鉢物生産が容易となった。前年枝に花芽が着生する性質があるウメ,リンゴなどの花木において,本薬剤は副次的効果としてではあるが,花蕾の着生数増加に効果のあることが論議27)され,アザレアなど着蕾と矮化を同時に促進して周年鉢物生産を図る研究65)が進み,今日花き生産に不可欠の薬剤となっている。しかし1989年以後,米国原体製造メーカーの都合により,我が国で本薬剤の入手が危ぶまれることになった。ところでBナインでは効果が少なかったユリなどの球根類にはスリトーン液剤が土量灌注11.33)の方法で使えるようになった。次いで登場したスミセプンは内生ジベレリンの生成阻害過程,薬剤の吸収・移行性などについて基礎的研究12.50)が行われたこともあり,茎葉散布と土壌灌注の2方法が可能となり,ツバキ47),シャクナゲ30)のような矮化及び着花が困難な花きに対しても適用できる処理技術が確立した。本薬剤は残効性が長いので緑化樹の刈り込み労力軽減の目的にかなうと報告28)され,ツゲほか緑化樹が適用作物に加えられたが,強すぎる残効の問題63),は完全には片付いていない。相次いで登録されたポンザイフロアプル剤は上記スミセプンと化学構造が類似し,矮化効果2.4.9)もほぼ同様にあり,着花促進効果も高いことが現在確認されつつある。ハイビスカスの矮化に CCCが卓効を示すとの研究11)がある。 
花きに適用できる生長調節剤として,以上のほか,植物の生長点に生理的障 
害60),を与えることにより,アベリアほかの新梢伸長抑制,ツツジ類の分枝促進,イヌツゲの摘果に効果のあるアトリナール水和剤が実用化されている。 
摘花剤についてはテッポウユリ球根肥大のための実用研究26),の結果からプルーンが登場した。しかしその他フリージャやキクなどにも適用できる摘花・摘蕾剤はまだ実用化してない。 
(野菜・茶業試験場 平田良樹) 
  

ジャスモン酸

盆栽効果
『植物は望ましくない環境におかれるとストレスのない場合より小さくなることが知られている。米国では非生物ストレスによる農作物の収量減は平均22%と推定される。この見事な例が盆栽で、繰り返し傷つけることで本来の大きさのわずか5%に縮小される。この傷による縮小化メカニズムの一端を解明した。
PLoS ONEに2008年11月11日発表された論文によれば、モデル植物のシロイヌナズナに傷をつけると成長点での細胞分裂が抑制され新しい葉は通常の半分の大きさになる。この細胞分裂抑制は傷ホルモンであるジャスモン酸により信号伝達される。ジャスモン酸が合成できない突然変異シロイヌナズナは通常の植物より大きいだけでなく傷ストレスで成長を抑制されない。』

ジャスモン酸
『ジャスモン酸(jasmonic acid)は植物ホルモンの一種。果実の熟化や老化促進、休眠打破などを誘導する。 また傷害などのストレスに対応して合成されることからエチレン、アブシジン酸、サリチル酸などと同様に環境ストレスへの耐性誘導ホルモンとして知られている。 分子式 C12H18O3
1962年に Demoleらがジャスミンの花から得られるジャスミン油から香気成分としてジャスモン酸のメチルエステルであるジャスモン酸メチルを単離した。
ジャスモン酸は植物体内のどこでも合成されるが、隣接する場所だけでなく離れた場所にも輸送される。・・・植物個体間での移動は昆虫による摂食傷害を受けた際などに起き、ジャスモン酸メチルに変換されることによって揮発性を上げ、飛散してシグナルを伝達する。これがいわゆる「植物の悲鳴物質」の1つである。 また、環境ストレス(乾燥や塩などによる水(浸透圧)ストレスや、栄養が不十分な場合、その他傷害を受けた場合など)に応答して合成が促進される。』

矮化剤による背丈と根の成長の抑制

植物の背丈を小さくすることには、農業上いろいろな利点がある。茎など利用しない部分の成長を抑制することによって、利用する部分の収穫量の増加を図ったり、風で倒れにくい植物体に仕立てたりすることができる。また、果樹などでは高所での作業がなくなるなど、収穫の能率を上げることができる。このような目的のために、遺伝的な矮性種をつくり出すとともに、矮化剤と呼ばれる多数の農薬が開発されている。矮化剤の多くはジベレリンの合成を阻害する作用をもっていることが知られている。
これらの矮化剤は大きく三つのグループ(①オニウム型、②含窒素環状構造型、③シクロヘキサントリオン型。アンシミドールは②)に分けられ、各グループはジベレリンの合成経路のうち、各ステップを遮断することがわかった。
矮化剤による成長抑制の例を示すと、背丈の高くなる品種のエンドウにアンシミドールと呼ばれる矮化剤をいろいろな濃度にして、水耕栽培法によって根から与えると、まず茎の伸長成長が抑制され、遺伝的な矮性種と同じような背丈の短い姿になる。おもしろいことに、このとき根の成長は茎の成長より高い矮化剤の濃度で抑制される。遺伝的矮性種と高性種、たとえばエンドウの205株という高性種(LeLe)とその1遺伝子突然変異矮性体(lele)において根の成長を調べてみると、矮性種の根は高性種の根とほとんど同じように成長していて、矮性種の根は茎とは違って必ずしも“矮化”していないことがわかる。
なぜであろうか。
多くの矮性植物の根が矮性でない理由についてはいくつかの可能性が考えられる。たとえば、矮性という遺伝的な性質は元来、茎の成長に関するもので、この遺伝子は根では発現しないという考え方がある。これに対して、「茎と根では成長に必要なジベレリンの量に差があり、根は少量のジベレリンがあれば成長できるので、茎の成長が抑制されても根は抑制されにくいのではないか」という考え方が提出されている。
近年、微量なジベレリンの機器分析法が発達し、いろいろな矮性種のジベレリン量が定量された。その結果、矮性種といえども少しのジベレリンは合成していることがわかった。一例を図に示す。この図は前述のエンドウの高性種LeLeと、その1遺伝子矮性変異体lele、およびle遺伝子のさらに強い変異体ledについて体内のGA1含量を測定し、それらの茎の長さとの関係を表したものである。矮性変異体leと、さらに小さい変異体ledは正常に比べて、十分の一から百分の一程度のジベレリンを含んでいる。茎の長さはGA1の含量と比例関係にある。したがって、これらの矮性遺伝子はGA1合成系に不完全な欠陥を起こしている変異体で、リーキーミュータント(leakymutant)と呼ばれるものである。これらの矮性変異体では、わずがに“漏れ出てくる”ジベレリンが根の成長を支えている可能性がある。
さらに後者の考え方を支持する生理学的な結果も得られている。リトルマーベルと呼ばれる矮性エンドウを水耕栽培し、前述のアンシミドールを根から与えると、前述の高性エンドウの場合と同じく、根の成長は著しく抑制される。
一方、茎の長さは矮性品種であるから、矮化剤を与えなくてもすでに短いため、矮化剤を与えたときの効果はわずかに認められる程度である。つまり、高性エンドウでアンシミドールの濃度が0.3μM以上のときと同じ程度の抑制効果が表れる。次の節で述べるように、これらのアンシミドールによる成長抑制はジベレリンによって完全に回復する。このことは、不完全な遺伝子の欠陥によってわずかに起こっているGA1の合成をアンシミドールによってさらに抑制すると、根の成長も抑制されるようになることを示している。
茎と根の成長とジベレリンの濃度
一般に植物ホルモンの生理作用には濃度依存性がある。最も古くから知られているのはオーキシン濃度と茎や根の伸長成長との関係である。いろいろな濃度のオーキシンを根や茎に与えると、茎の成長は10-6~10-4Mにかけて大きな伸長促進効果が表れる。これに対して、根の伸長促進はほとんど表れず、10-7M以上では大きな阻害作用が表れる。このような器官によるオーキシン感受性の違いは古くから知られている。ジベレリンの場合はどうであろうか。
茎に対するジベレリンの作用はジベレリンの濃度が10-6M以上で大きな成長促進効果が表れ、ジベレリンの濃度を高くしても効果が低下することはない。このようなジベレリンの茎伸長促進効果はエンドウなど蔓性の植物や、レタスやダイコンなどのようなロゼット型の植物ではっきりと表れる。また、多くの遺伝的矮性種にジベレリンを与えると茎の伸長が回復し、このような大きな成長促進効果をみることができる。
ところが、これらの植物の根にジベレリンを与えても根の伸長にはほとんど促進効果がみられない。そこで前項で述べたように、ジベレリン合成阻害物である矮化剤(たとえばアンシミドール)をいろいろな濃度で与えると、まず茎の成長が抑制され、やがて根の成長も抑制される。そこで次に、アンシミドールによって根の成長も茎の成長も十分抑制される条件でジベレリンを与える。
すると、はっきりしたジベレリンの成長促進効果が根にも表れる。このとき、根の伸長促進に必要なジベレリンの濃度は10-8M~10-7Mで、茎の成長促進に必要な濃度よりかなり低い。レタスの根のように敏感な材料では10-9Mではっきりとした効果を確認できる。この濃度は3.5mgのジベレリンを1万リットルの水に溶かしたものである。これは、砂糖粒2,3個程度の量をおよそタンクローリー車1台分の水に溶かした濃度に相当する。
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