2009年02月19日

黒を詠む(その8)

ににんへの投句 黒を詠む が続いている。
2月6日から2月18日までの締め切りで
入選句が 2句あった。 やりましたねぇ。
予選句に 4句入りました。
1つの期間に どうも20句 選ばれるので 
6句入ったとは うれしいです。

入選作は・・・・
『黒揚羽ニライカナイよりおとづれる』
『菜の花にふれてあそべり黒揚羽』

選者 の評は・・・
『蝶の種類によっては大変な距離を飛び海を渡ると聞いている。 黒揚羽がその種類かどうかは承知していないが、肩先にとんで こられると、思わずたじろぐのである。それゆえに彼方の楽土 から飛んでくるのだといわれれば説得力があり、納得してしまう 地方色を含んだ、一句目であった。わたしは神奈川県の足柄に住んでいる。黒揚羽の飛び方は確かに遊んでいるように思えるのだが。黒揚羽が庭に来るのは 柑橘類の花盛りになる七月ごろである。歳時記によれば菜の花 は春、黒揚羽は夏の季語になっている。今回発行所から来た句 稿は20句で、土下さんの句は、その中に6句あった。 その作品だけを頼りに、お住まいがどこなのか判断は難しいが、 沖縄に居られるのだとしたら、菜の花と黒揚羽が同時期に存在 するのが、当たり前の景なのだろうと想像したところである。(恵子)』

評ありがとうございます。
沖縄に住んでいた(過去形がくやしい)ことが よくわかるんですね。

黒揚羽を季語にして読んでみたいと思っていた。

それは 岩淵喜代子さんの句・・・
『嘘のやう 影のやうなる 黒揚羽』

美しい風景であると同時に現実でない風景に見えたのである。
虚と実 が表現され・・・生きていることと夢見ていることの風景が見えた。
今の言葉で言えば リアルとヴァーチャルの対比が 実にスマートに
17音の中に 入り込んでいる。

黒揚羽は 夏の季語・・・だったら詠む場所は沖縄にしたほうがいい
と想い 沖縄のイメージを沸かせているうちに・・・
2つの句が浮かんだのである。
それが・・・・
『黒揚羽ニライカナイよりおとづれる』

これは 安西冬衛の わずかな 詩

『春
 てふてふが一匹韃靼海峡を渡って行った』

海岸から見送る 蝶が ほんとに 韃靼海峡を渡ることができるか
わからない、しかし、蝶は 海をめざして飛んでいった・・・
韃靼海峡を越えた国は 寒いところでもあるにかかわらず。
蝶という小さな 身体の 気宇な 生命力に 感動した。
そのイメージが ころころと転がって

沖縄の人たちが言う 
ニライカナイから蝶が来るという
その蝶は 羽根がぼろぼろになっていても 
幸せを載せて運んでくる・・・という伝説である。

沖縄の詩人 平田大一は詠む
『    幻蝶(はぴる)

魂ぬ詩や 海を渡てぃ (ぬちぬうたや うみをわたてぃ)
魂ぬ蝶  風に舞ゆ  (ぬちぬはぴる かぜにまゆ)

波の華に 身を散らし  (なみぬぱなに みをちらし)
魂の蝶  風任かし   (ぬちぬはぴる かじまかし)

渡海ぬ仇 北風やりば  (とけぬかたき にしかじやりば)
渡る刹那 涙ぬならぬ  (わたるどぅきゃんま なだぬならぬ)

月ぬ光り 天ぬ群星   (つきぬあかり てぃんぬむりぶし)
我した蝶 翔り美らさ  (わしたはぴる ぱりちゅらさ)』

沖縄では 死んだヒトの魂が 蝶になって飛ぶという話もある。
蝶とは 魂のあらわれである。

正岡子規も詠む
『なでしこに 蝶々白し 誰の魂』

沖縄でよく見かける 蝶は リュウキュウアサギマダラ といわれる。
一瞬見ると 黒い蝶々である。
リュウキュウアサギマダラは 飛翔力 があるといわれている

ryukyumadara


画像は ここ から     

次に浮かんだのが・・・菜の花畑に蝶々が・・・

『菜の花にふれてあそべり黒揚羽』

選者が指摘しているように 季語が二つあるというルール違反である。
ルール違反だから 詠んだヒトがいないだろうと姑息な句である。
しかし、沖縄では 春は長く この光景に出会うことがある。

この二つが 入選したのは うれしい。

予選句は 4句
『黒南風にのせた恋文紙飛行機』
ラブレターを 紙飛行機にして 恋人までとどけ・・・天まで届け
風よ届けてくれ・・・。
という想いを込めている。
今は、メールで そんな情緒はないですね。
若かりし時の 思い出みたいなものかな。

『インゲンに黒胡麻あえて春浅し』
ちょうど スーパーで 黒胡麻を見かけ 買ってしまった。
黒を詠もうとしたからなのだろうか・・・
そういえば 沖縄では いまはインゲンの出荷時期。
緑色のインゲンと 黒胡麻を和えたら、おいしいなぁ とおもったら、
句が生まれた。

『黒猫のタンゴも踊春うらら』
昆明の日差しの中で もう春から夏に移り、うきうきした気分。
それを なんと表現したらよいのだろう・・・と思って詠んだ句。

『颯爽とモネのごとくに黒日傘』
ネット上で モネの日傘をさす女・・・の絵を見て
黒傘でも・・・モネ気分を味わえたらとおもって・・・
やはり、女性は しゃんと立ったほうが いい。
まばゆいばかりの陽射しを吸い込んで 黒日傘は 楽しんでいる。

絵となるような 俳句つくり それをめざしたい。



touxia at 18:19│Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!詩 短歌 俳句 

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