2018年08月09日

腰痛(50)

特異的腰痛の問題

特異性腰痛である腰椎ヘルニア、脊柱管狭窄症などでは深部の軟部組織が

ターゲットになるので、特に順序が必要になるのです。

治療は表層から深層部に徐々に進める。
 
1、皮膚→2、各筋の筋膜→3、筋→4、腱→5、骨膜→6、関節

手技による治療では、まあ当然といえば当然ですね。

表層筋の緊張を緩めなければ、深層筋のどこが異常がわからない。

深層筋に触れることも出来ない。

当たり前です。無理に行えば表層部の組織を破壊するだけ。

ターゲットがどこか?ターゲットに触れることも出来ない。

まさに闇夜に鉄砲です。行き当たりばったりの手技になってしまいますね。


次に神経症状の観察(当然上記の治療前に調べておく)

何度も言うように、本来ヘルニア塊などが神経根を圧迫すれば・・・・・・・・

知覚の低下(麻痺)と筋力の低下(運動障害)が存在します。

したがって、知覚の麻痺と運動障害あるいは筋力低下がなければ、

実地臨床では、ターゲットを定め上記を施術治療すればかなり好転するのですが

神経根症状のような疼痛、シビレなどが残存する場合があるのも事実です。

神経症状では有りますが、あくまでも、神経根症状のような・・・・・・・です。

まず治療の順序として、

1,運動麻痺の有無。(筋力テストによる筋力低下の確認)

    筋力4は積極的に保存療法、筋力3は注意深い観察の元で保存療法。

    筋力2になればやはり手術を考慮すべき段階です。

2,感覚障害の有無。(知覚低下の確認、触覚、痛覚の消失あるいは減弱)

3,神経反射障害の有無。(腱反射、病的反射などの確認)

4,馬尾症候の有無。

  会陰症状、直腸膀胱障害。性機能障害の有無。

  残尿感、頻尿感はモチロンですが男性の場合の場合は便秘の異常にも注意

  以上の神経症障害の有無と程度は必ず確認。

4、の馬尾症候から症状がイキナリ始まることはまずありません。

4、が確認できれば、保存療法はあきらめ早期に手術を考えるべきです。


慢性的に神経根が圧迫されれば以上のように運動麻痺、感覚麻痺がおこるのです。

これも当たり前ですね。

普通は、痛みを感じない、動かせない状態に陥ります。


ところが不思議に特異的腰痛と診断された人たちの大半は本来の神経症は、アリマセン。

多く訴えるのは、疼痛とシビレ感覚です。

確かに上記の治療をしても訴える人は非常に多く存在します。

なぜでしょう?


また、手術後も痛みは軽減したが、軽い腰痛あるいは今までなかったシビレや異常感覚が

出現して悩まされているという人も、多く存在します。

その多くは、坐骨神経の走行に沿った疼痛であったりシビレ感、異常感覚であったりします。

確かに、手術後のMRIなどではヘルニア塊などは消失しているので手術は成功しています。

なぜ?このようなことがおこるのでしょうか?


疼痛やシビレや異常感覚の原因は

 1,疼痛物質、炎症性物質が原因

 2,神経そのものに傷害がおこるのではなく、むしろ傷害を受けていない神経である

   正常な神経あるいはダメージの少ない神経が疼痛あるいはシビレなどの様々な

   過剰反応を起こす。

1,の場合は理解しし易く、日常生活や不意に起こる激しい筋収縮や筋痙攣による筋虚血、

 筋収縮や筋細胞の損傷などで引きおこしたり、腰椎背筋群のコンパーメント内圧の上昇による

 筋血量の減少などによる炎症物質、疼痛物質は受容体が反応して症状をひきおこす。

 これは、通常の腰痛症でも当たり前におこる反応です。

 したがって表層から深層までの手技の治療で徐々に疼痛もシビレも順次消失していきます。

 手術による治療においても、術後しばらくは疼痛、シビレなどは残存しても順次消失します。


ところが、特異性腰痛では時間経過してもなかなか消失しない状態が続くのです。

今回の本論としては、

 2,がむしろ特異的腰痛であるヘルニアや脊柱管狭窄でおこる症状の原因ではないか?

 あくまで想像の域にはなりますが、臨床的にはスッキリ、納得できる場合が多い。

 腰椎ヘルニアなどの症状は、椎間板が脱出した直後の強い腰痛が発生した後、

 その周囲組織に存在する正常な神経の神経、あるいは周囲の組織の神経終末の受容器が

 正常に反応しているため慢性的に疼痛やシビレなどの異常感覚など症状が引き起こされる。

 たとえヘルニア槐を取り出し除圧に成功しても新たな慢性痛、、シビレ、異常感覚にな悩む。

 このように考えれば実に理に合います。(・・・っと思っています。)

 典型的な例がアディロニアです。

 このような症状は、アディロニアの典型的な症状からは逸脱していますので

 依然私は、この状況はヘルニアなどでは起こらないと考えていたのですが・・・・・・・・

 今ではむしろ、慢性的な疼痛、シビレなどの異常感覚を訴える人の多くの人達は、

 このような状況に陥っている状況と考えるようにして施術治療するようにしています。

 (治療・臨床する側の人間として納得できる答えがない状況から脱出したい!!

  間違っているかも?でも闇夜に鉄砲状況で臨床を行いたくはアリマセンので)

 臨床の例として考えて欲しいのは、

 反射性交感神経ジフトロフィー、カウザルギーは受容器や交感神経の興奮によって

 ノルアドレナリンに反応したAβ線維などの興奮を引き込み難治性の疼痛がおこる疾患として

 知られています。

 特異的腰痛の症状はこのような状況にまで、陥ってはいない中途半端な状態として考える。

 従って、表層から深層までうまく手技で処理できたとしても神経症状がいつまでもひつこく、

 残存した状況に陥り、患者も治療者も悩ますこととナル。

 また手術を行うことによって、存在していなかったシビレなどの異常感覚が出現する。

現状では私はこのような考えに沿って施術してます。


そのようにして悩みながら臨床を続けていましたが、

先月の触圧覚刺激法小林教室の研究会でご指導していただきいたなかで・・・・・・

(「自律神経由来の症状についての新しいアプーチの仕方」 講義と実技のなかで)

私のこの考え方は正鵠を得るとはいえないかもしれないが・・・・・

臨床的には決して間違ってはいない。・・・のでは・・・・・・・と思えるようになりました。

次回に、




touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0) 腰痛 | 特異的腰痛

2018年07月26日

腰痛(49)

特異的腰痛の問題

大まかな、軟部組織の治療の順序としては

 1、皮膚→2、各筋の筋膜→3、筋→4、腱→5、骨膜→6、関節

今回は、今までにもご紹介していますので注意点や概要を説明しておきます。

詳しくは、理学療法手技療法などのテキストを参考にしてください。


1、皮膚
 
 皮膚の重要性はすでに述べています。

 皮膚は非常に重要な軟部組織です。

 その割には、有効な手技療法は少ないです。

 皮膚の感覚受容器を利用した手技に「触圧覚刺激法」

 皮膚は「運動器としての機能を」とらえることが可能・・・・・「皮膚テーピング」

 詳しくは、 理学療法ハンドブック改訂版3版(協同医書出版社)

         第2巻30章:触圧覚刺激法(小林考誌)

         メルケル細胞刺激、ルフィニー終末刺激、マイスナー小体刺激など

         筋スパズム、関節可動域の改善などの多種多様に利用させていただいています。

        皮膚テーピング 皮膚運動学の臨床応用 (運動と医学の出版社の臨床家シリーズ)
       
         福井勉
        
         臨床で施術終了後に利用させていただいています。

        皮膚は考える (岩波科学ライブラリー) 傳田光洋良

         皮膚を総論的に知るにはわかりやすい良書

 表層の皮膚を処理して、筋膜や筋をハッキリと触診できるようにしておきます。


2、筋膜

 手技療法には筋膜リリースが有名です。
 
 それほど目新しい手技ではないのですが、なぜか? 最近話題になっています。

 テレビ・本などで盛んに紹介されています。

 筋に注目があつまり、筋肉を包んでいる筋膜にあまり注目されていなかったからでしょう?

 良い傾向ではありますが・・・・・・・・・

 これにも注意が必要です。

 まず、皮膚から筋膜の間には脂肪層があります。

 この層には毛細血管やリンパが存在しますので筋膜を触れる前に、

 浮腫などを減少させておくべきです。

 この場合部分的に、皮膚ローリング、結合織ストレッチをおこなう。(小林法)

 次に、筋膜である筋外膜そのものを触れる前に筋膜とは?を再度考えてください。

 筋実質を包んでいる筋鞘が集まり筋内膜をつくり、更に集合し筋周膜をつくり、更に

 集合しの筋外膜が筋肉全体を包みこんでおります。

 一般に筋膜と呼んでいるのはこのように一つ一つの コンパーメントが重なり合った

 集合体が、たとえば最長筋という筋が筋外膜という一つの大きな筋膜に包まれるのです。

 そして、その中にもリンパ、血管が存在しておりますので滲出液が漏れ出しますと

 知らず知らずの間に筋内圧が高くなってしまいます。

 典型的な例がコンパーメント症候群でしょう。

 脛骨骨折などのコンパーメント症候群は有名で非常に危険な状態ですが、

 日常的に遠心性収縮が行われる伸筋群に比較的起こりやすい症候群です。

 この場合などもイキナリ筋膜を触れると痛いだけですね。

 必ず筋浮腫を軽減させ筋内圧を低下させてから筋膜に手技を加えるべきです。

 組織内圧をコントロールする浅層・深層リンパ浮腫に対する手技には、

 私は小林法を使用していますが、リンパドメナージがむしろ有名でしょう。

 ストレッチはコラーゲンで構成されている筋膜をゆっくりと引き延ばす運動療法ですね。

 無理なストレッチは禁止です。

 姿勢矯正などもこの筋膜がポイントになります。


3、筋

  筋軟化、筋硬化、筋スパズム、筋浮腫、筋ゲル、芯(トリガーポイントなどの筋硬結)など

  筋の異常に対応するマイオセラピーに総称される各種の手技があります。

  日常的に臨床で最も盛んに応用されているように思われます。

  筋力強化は筋原線維である筋実質に影響を与えます。超回復が有名ですね。
 
  ただし、本来の筋力強化は各種スポーツのアスリートなどの健康人が対象です。

  障害関節をお持ちの人や病状回復目的にはむしろ百害あって一利なしです。

  ご注意ください。

 
4、腱

  腱それ自体に臨床的な手技はあまり応用されていないようです。

  筋・腱移行部には感受性が高いために筋腱移行部にマイオセラピーは多用されます。

  筋、腱に多く存在する固有受容体を刺激し、筋機構の反応を促通する方法として

  PNFは有名です。


5、骨膜

  骨膜リリース(小林式骨膜リリース)

  臨床で、今まで全く重要視しておりませんでした。多いに反省すべきでした。

  実際には、軟部組織は筋(筋膜)→腱(腱膜)→骨膜と繋がっております。

  筋膜リリースが存在するのに、骨膜リリースが存在しない?

  これは、一つの盲点でした。

  幸にも触圧覚刺激法講習会柔道整復師部会にて、講師である小林考誌先生の

  ご指導にてご教示していただいた時は、その効果、速効性に驚きました。

  そして、臨床では様々な場面に応用できるのです。

  だって、運動器としての筋、筋膜、腱膜は結局は骨膜に繋がっているのですから。

  根無し草で今まで手の施しようがなかった、腹横筋でさえ、腸骨に繋がっています。

  従って治療可能です。 様々なケースに応用が広がっていきます。

  小林考誌先生に感謝!! 感謝です。
  
  ただ、これも問題があります。

  臨床では、問題となる軟部組織の皮膚、筋、筋膜などが充分処置してからでないと

  効果がないばかりかむしろ害があります。

  またワーフィリンやバイアスピリンなどの血液凝固防止剤を服薬されていいる人には

  一応、骨膜リリースの手技は禁止です。

  小林考誌先生のように慣れた人が充分注意して行えば可能でしょうが、上記の薬剤を

  服薬している人は一般に禁忌だと思ってください。


5、関節

  これは、関節モビライぜーションとして多種多様の手技が存在します。

  関節の遊び、転がり、滑りなどを応用した様々な手技があります。


およそこのように表層から深層にかけて順次施術、治療を行います。

以上をを参考にしていただければと思います。

手技療法は様々有りますのでご自身の納得される方法を選択すれば良いでしょう。

どちらにしても、通常ある程度の時間、期間が必要なのが理解できると思います。

焦らないでください。


残こるは、特異的腰痛である腰椎ヘルニア、脊柱管狭窄症の神経症状にどのように

対応するか?が問題になります。

何度も言うように、本来ヘルニア根が神経を圧迫すれば・・・・・・・・

知覚の低下(麻痺)と筋力の低下(運動障害)が存在します。

したがって、知覚の麻痺と運動障害あるいは筋力低下がなければ、

実地臨床では、ターゲットを定め上記を施術治療すればかなり好転するのですが

神経根症状のような疼痛、シビレなどが残存する場合があるのも事実です。

神経症状では有りますが、あくまでも、神経根症状のような・・・・・・・です。

次回に、





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2018年07月13日

腰痛(48)

特異的腰痛の問題

この辺で少し治療のお話を・・・・


一般的な方法として、

手術であれば、脱出したヘルニアの除去という手段

イキナリ病巣とされている腰部の深い部分を目標としています。

ところが手技療法となるとそうはいきません。

脱出したヘルニアを目標とはしません。 また出来ないし不可能でしょう。


治療には様々な手技方法がありますが、直接的、間接的手技であろうとも

一般的に治療の原則は、表層から徐々に深層へと向けられるのが常識です。

表層の異常、多くは緊張を緩めながら深層へと治療を進める。

表層が緩まなければ、深部を触れることも出来ません。

目的とする深さに存在する組織を触れるには、その上の表層部を処理する。

イキナリ深層部に直接的、間接的に手技を行うことはないでしょう。

料理の世界でも前処理がキチンとされて初めて本来の料理が可能なのです。


例として、ある目的とした筋を目標とした場合。

表層筋から深部筋と順次進めていきます。

背部の筋膜である浅背筋膜、胸腰筋膜が一つの目安になります。

この浅背筋膜、胸腰筋膜は頭にいれておくと臨床で役に立ちます。

 1,浅背筋膜、

   皮下に浅在する薄い線維膜で背部では僧帽筋、広背筋および胸腰筋膜の

   表面を被い、上端は後頭骨の最上項線に、下端は腸骨稜および仙骨の後面に、

   内側は全ての椎骨の棘突起および棘状靱帯につく。

 2,胸腰筋膜

   腰背部にある厚い強靱な筋膜で、浅葉、深葉からできている。

   浅葉(後葉)
     
     背筋の浅、深両層の間に張り、僧帽筋、広背筋および菱形筋の下

     脊柱起立筋の背側に位し、内側方はすべての椎骨の棘突起、棘状靱帯および

     正中仙骨稜に、外側方は肋骨角に、上端は上項線に、下端は腸骨稜および

     正中線骨稜および仙骨の後面につく。

     この筋膜の腰部は背筋の浅層がないので皮下にあらわれ、著しく厚くなって

     胸腰筋膜の腱樣部となる。

     健様部の上方の大部分は広背筋および下後鋸筋の、また下方は大殿筋の

     一部の起始となる。

     また、浅葉は脊柱起立筋の外側縁で深葉と癒着する。

  深葉(前葉):深胸腰筋膜または腰肋筋膜ともいう

     背筋の前面に位置し第12肋骨、全ての腰椎の肋骨突起および腸骨稜の間に張り、
 
     深背筋ことに脊柱起立筋と腰方形筋を隔てている。

     深背筋腰部の外側縁で浅葉と癒合しこれを鞘状につつみ、腹横筋、内腹斜筋の

     起始となっています。

 3,項筋膜

     胸腰筋膜の上方のつづきで、項部の諸筋うぃつつみ、内側は項靭帯らに結合するが

     外側は僧帽筋の外側縁から頚筋膜に移行する。


このように腰部の水平断面において胸腰筋膜の深葉が背部の筋と腹部の筋を分けていいます。

水平断面の高さで対応する筋は変化しますが腰部周囲の目安として

 背部においては

   浅背筋では、広背筋

   深背筋では、下後鋸筋

   棘背筋では、長背筋である脊柱起立筋(腸肋筋、最長筋)

           棘筋、多裂筋、回旋筋

           短背筋では、棘間筋、横突筋

 後腹筋は腹腔の後壁を形づくり、胸腰筋膜によって境される。


 腹部においては(前腹筋の表層から)

   腹直筋、錐体筋

   外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋、

   腹筋の腱膜:白線
           腹直筋鞘;外腹斜筋、内腹斜筋および腹横筋の腱あるいは腱膜は、
           腹直筋を鞘状に包んでいる。
    
   腹筋膜:浅腹筋膜は外腹斜筋と腹直筋の表面を被う
        臍より上は薄く胸筋筋膜に連なり
        後方は、胸腰筋膜に、内方は白線、下方は鼠径靱帯に結合する。

   腰方形筋

   腸骨筋、大腰筋(腸骨稜の内部、鼠径部の深部で触れることができる)

  後腹筋側から観察

   腰方形筋

   大腰筋(腸骨筋は骨盤内で触れることは出来ない)
 
   外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋

   腹直筋

意外と対応する筋は少ないですね。


大まかな、軟部組織の治療の順序としては

 1、皮膚→2、各筋の筋膜→3、筋→4、腱→5、骨膜→6、関節

この原則は治療に限ったことではありません。

エクササイズにおいても同じですね。

表層の筋のエクササイズは簡単です。

ところが、深層の筋のエクササイズは非常に難しい。

表層筋の影響を最大限除した状態で目的とする深層筋のエクササイズをおこなう。

これがコア筋のエクササイズを成功させるコツになります。


治療においても、表層筋の処理、処置をしないで、イキナリ深層筋の治療は、

まず出来ない。

無理に行えば・・・・・・・・・・、

無理を通せば道理が引っ込みます。


また、各種エクササイズのストレッチにせよ筋力強化にせよ注意すべきこと!!

緊張した筋、筋膜、関節、硬くなった筋、筋膜、関節をいくらエクササイズしても

無駄ですね。

それこそ無理を通せば道理が引っ込み、症状は悪化します。

緊張や短縮した筋、筋膜を緩め、その結果少し余裕が出来た関節を動かすコトです。

治療でこのような状態にしてからエクササイズしてください。

エクササイズするにも、前処理が必要ということです。

何の障害も無い、健康な人がエクササイズするのではありません。

障害をもった、何年も症状を持った人が、健康な人と同じエクササイズすれば、・・・・

結果は、火を見るより明らかですね。

まさに無理を通せば道理が引っ込み、結果は不良になります。


特異性腰痛である腰椎ヘルニア、脊柱管狭窄症などでは深部の軟部組織が

ターゲットになるので、特に順序が必要になるのです。

故に、治療に時間がかかるのは自然の道理です。

1回の治療時間そして回復までの治療回数・期間も通常の腰痛症よりも長期を要します。

それが当たり前と思ってください。

患者サイドはもちろんですが治療サイドも「あせり」は禁物です。



touyou8syok9 at 12:00|PermalinkComments(0) 腰痛 | 特異的腰痛

2018年06月21日

腰痛(47)

特異的腰痛の問題

知っているようで知らない腹筋?

各部の働きは少しは理解できたでしょうか? (私も実際は・・・・・・?です。)

腹筋は、一つのユニットとして考えるのが妥当だと思いませんか?

坐位生活の時間の長い人・・・・・現在は多くの人が該当しますね。

  年少時期から少年期の学童期、中学生活から高校の学生生活において

  一体1日何時間座っています?

  加えて、家庭での勉強時間、自由時間にもパソコン、携帯電話、ゲーム?

  起きている時間の一体何時間の坐位生活を過ごすのでしょう。

  就職後もホワイトカラーの人は、坐位生活が一層長時間になります。

  これは問題でしょう。

さてさて、

筋肉の機能異常として、一般的には弱化と短縮が知られています。

各部の筋には、弱化し易い筋、あるいは短縮し易い筋の性質があります。

姿勢筋は、短縮の傾向にあり、相同筋より筋力は強く主に多関節筋であるとされています。

 腸腰筋、腰方形筋、脊柱起立筋など

相同筋は、筋力は姿勢筋に対して弱い傾向にあり正常な状態より緩んだ状態にあります。

 腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋など


このように、姿勢筋は短縮傾向にあり、相同筋はゆるみと弱化傾向にあります。

このために、筋のインバランスがおこり姿勢の異常が起こるとされています。

したがって、腹筋の強化は理論的には正しいこととなり様々なエクササイズが紹介されています。


ここで少し立ち止まって考えて欲しいのです。

あくまでも正常な筋の状態の場合ですね。


筋は正常な長さが保たれた状況で正常な力が発揮できます。

正常より短くなった状態では十分な力が発揮できません。

反対に、

正常より長い状態では力は発揮しやすいが負荷が大きくなり筋疲労、萎縮がおこる。

筋が短くなった状態が長期に続くと収縮力が弱まり力が十分発揮できません。

反対に

筋が引き延ばされた状態が長期に続くと収縮力が弱まり力が十分発揮できません。

実際には、多くのケースで腸腰筋は坐位生活によって筋は収縮短縮傾向になっています。

大げさに言えば拘縮のような状況が作り出されています。

(※求心性の収縮力が長時間働き、筋が短く硬くなり易い状況ですね)

脊柱起立筋は収縮短縮しながら伸張された状態が長時間続く。

(※遠心性の収縮力が長期に続くと筋が疲労して筋が痩せて硬くなる状況ですね。)

長時間坐位生活が続くとこのような※の状況が既に形成されてしまっているのです。

その場合に腹筋は一体どうなっているのでしょうか?

腹筋は脊柱起立筋と拮抗関係です。

腹筋は相同性で弱化しやすい。

腰の悪い人の腹筋は確かに弱化しています。腹筋力はありません。

本来ならば腹筋を鍛えるが正解でしょうが?

たしかに弱化はしているのですが「筋にゆるみ」があるとはとても思えません。

筋の状態は弾力性がなく硬く短くなっていませんか?

腹直筋、内・外腹斜筋はボリュームがなく硬く短くなっていませんか?

腹筋群の付着する肋骨周囲は特に硬く、胸郭の動きを遮っていないでしょうか?

モチロン横隔膜も硬くなり呼吸も十分出来なくなっています。

(肋骨弓の奥深い部分は非常に硬くなっていますよ。)

よく観察して欲しいと思います。


このような状況で腹筋を鍛えて良いのでしょうか?

エクササイズは筋を鍛えることではありません。

実際に腹筋あるいは背筋を鍛えて腰痛が悪化する人は多く見受けます。

私はナンセンスだと思っています。

本来のエクササイズとは身体的訓練といいます。

結論

人間本来の身体能力の回復を目指そう!!

これは治療にも通じることです。

touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0) 腰痛 | 特異的腰痛

2018年06月07日

腰痛(46)

特異的腰痛の問題

腹筋のつづき

腹腔を構成する前壁、後壁、頭部の壁の筋、腹腔の底部を構成するの筋になります。

今回は、腹腔の底部を構成する骨盤底の筋

骨盤底筋群

 肛門挙筋(恥骨直腸筋、恥骨尾骨筋、腸骨尾骨筋 )

 深会陰横筋 、浅会陰横筋 、外肛門括約筋 、外尿道括約筋 、球海綿体筋

 あまり聞き慣れない筋ですね。

 尿や便の排泄に関わる筋です。

 最近では尿漏れ防止のエクササイズとして知られるようになっている筋肉ですね。

骨盤底筋の特徴

単独での収縮は困難なため、腹部の筋の収縮と一緒に収縮します。

横隔膜、腹横筋、多裂筋と同時収縮することで腹腔内圧を高め体幹を安定させる働きがあります。

 この特徴が、腰椎ヘルニアなどを含む腰痛症に重要になります。


腹筋は、非特異的腰痛あるいは特異的腰痛に関わらず腰痛症に重要な筋です。

繰り返しになりますが、特に最近は腹横筋の重要性が注目されています。

それは、腹横筋の主たる機能として、

上肢、下肢の運動時における他の体幹筋群からの独立的かつ先行的な活動、

腹腔内圧の上昇、仙腸関節の安定化などが報告されてており、また腰部深層筋の

多裂筋に関しては腹横筋と協調して、また両側性に活動することで腰椎へ安定性を

提供しているとの報告があるからなのです。


知っているようで知らない各部の腹筋は理解できたでしょうか?


さらに、腹筋はユニットとし単純に、背部の伸筋の作用と拮抗している筋です。

腹部の筋が正常であることは、脊椎の平衡を正しく保持するために必要です。

前方は白線とその両側に走る腹直筋

外側は、左右の外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋

そして、体幹の筋である腸腰筋になります。

この腸腰筋は腹筋ではありませんが、腹腔内の後壁、一部の底部を構成している大きな筋肉です。

解剖学的には、体幹の筋肉で下肢の筋であり、寛骨内筋になります。

腸腰筋は、腸骨筋、大腰筋、小腰筋に区別されています。

1、腸骨筋

  起始:腸骨の上縁および内面(腸骨窩)から起こり、下内側方に向かう

  付着:大部分は大腰筋の内側に合し、一部分は筋裂をへて直接に、
      
      大腿骨の小転子

  作用:大腿骨を、外側方に転ずる。

2、大腰筋

 起始:深・浅2頭を区別し、

    浅頭は第12胸椎〜第4腰椎の椎体および肋骨突起からおこり

    深い頭は、全ての腰椎の肋骨突起から起こる

    ついに両頭は合して下外側方に走る。

 付着:筋裂孔をへて、大腿骨の小転子

 作用:股関節を屈し、大腿骨を前上方に挙げ、同時に外旋する。

    下肢を固定するときは、腰椎および骨盤を前下方にひく

3、小腰筋

  起始:第12胸椎および第1腰椎の椎体外側面から起こり、大腰筋の前面を下る

  付着:腸骨筋膜に分散し、これとともに腸恥隆起にゆく

  作用:腸骨筋膜を張り、腰椎を外側方にまげる。

腸腰筋は股関節の屈曲、外旋筋として有名なのですが・・・・・・・・・・・

体幹の強力な屈筋なのです。

腸腰筋は、股関節が固定されてはじめて体幹の屈筋として機能します。

下肢が固定されたときほぼすべての腰椎および骨盤が大きく動くのです。

この作用によって腰椎の前弯が生じたり、増加したりします。

重心線の位置に影響する。

これは、脊椎関節構成単位の受ける圧力にも影響を与える。

下肢が固定された日常生活の代表的な姿勢とは?

長時間の坐位姿勢です。

坐位姿勢は重要です。

いかがでしょう?

腹筋は、一つのユニットとして考えるのが妥当だと思いませんか?




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2018年05月24日

腰痛(45)

特異的腰痛の問題

知っているようで知らない腹筋

腰痛や、ヘルニア、脊柱管狭窄症などの予防や治療において腹筋のエクササイズが

推奨されているようです。

腹腔内の腹圧を高めることが重要です。

・・・・・ですが、各部個別の腹筋エクササイズは難しいですね。

今回は横隔膜

名前が横隔膜というので筋膜と勘違いしますが決してファッシア(筋膜)ではありまません。

れっきとした筋肉です。

横隔膜は解剖学では胸部の筋肉に分類され呼吸に関与しています。

呼吸筋として一義的に関与する筋としては横隔膜と内・外肋間筋。

二義的に関与する筋には斜角筋群、後鋸筋、前鋸筋、大・小胸筋、広背筋、胸鎖乳特金

およびその他の筋、上肢の挙上に預かる諸筋があげられます。

腹部の諸筋も上記の諸筋と協力して呼吸運動を完全なものにしています。

腹部の筋としては腹腔の後壁は腰方形筋です。

腹腔の後壁となり呼吸とともなって腹圧を高める筋として重要な筋肉です。

あえて項目としてあげます


横隔膜

 胸腔と腹腔とを境し、上方に向かって膨隆する板状の筋・・・・・横隔膜という筋肉です。

 中央部は腱膜からでき、これを腱中心と呼ンでいます。

 筋束は周囲からおこりこれに集まっています。

 起始:腰椎部、右脚および左脚からなり各々を内側および外側の2脚に区別する。

 〇腰椎部

   1,内側脚

     右脚は第1〜第4腰椎体、左脚は第1〜第3腰椎体からおこる。
     両側の筋線維は第1腰椎の上縁で交叉して、腹大動脈および胸管を通る裂け目
     すなわち大動脈裂孔をつくる。
     線維は更に大動脈裂孔の上方やや左方で交叉し、食道ならびに迷走神経を
     通る孔をつくる。
     これを食道裂孔という
     最後にこれらの線維は腱中心に付着する。

   2,外側脚

     次の2つの腱弓から起こり上方に向かい、ともに腱中心に付着する。

      内側弓状靱帯:腰筋弓ともいう。

       第1あるいは第2腰椎体と同腰椎肋骨との間に張り、その下を大腰筋が通る。

      外側弓状靱帯:方形筋弓ともいう。
       
       内側腰肋弓の付着部すなわち第1(第2)腰椎肋骨突起と第12肋骨尖端との
       間を張り、その下を腰方形筋が通る。
       その筋線維は内側脚と同じく腱中心に付着する。

 〇肋骨部

   肋骨弓すなわち第12〜第7肋軟骨の内面からおこり、上方に向かい腱中心にいく。

 〇胸骨部

   3部のうち最も小さく、剣状突起の後面および腹直筋鞘の後葉から起こって

   上方に向かい、腱中心に付着する。

作用:横隔膜は呼吸筋でその収縮によって胸腔を広げ、弛緩によってこれを狭める。


どうでしょうか?

理解できたでしょうか?

理解しづらいでしょうが、解剖図があれば更に理解しやすいでしょう。

腰椎ヘルニアなどに重要なのは腹圧を上昇させることでしたね。

横隔膜は今回述べたように腹腔の後壁のみならずに上壁まで被っていますね。

この横隔膜が腹腔の腹圧に関わらないということはまず考えられないでしょう。

また筋である横隔膜の起始は、腰椎や肋骨であったり、停止部は腱であったりしていますね。

腹筋も根無し草のようにユラユラと動いて個別のエクササイズが難しいですね。

腹圧がある程度上昇しなければ個々の腹筋のエクササイズが難しいです。

あまり個々の腹筋にこだわらない方が良いでしょう」。

何度も言いますが腹腔内の腹圧を高めることが重要です。

とすれば、腹筋全体のユニットとしてのエクササイズが重要と思うのです。

割れた腹筋のシックスパックなんてナンセンス?

腹筋を鍛えるという概念は、少なくとも腰痛や、ヘルニア、脊柱管狭窄症などの予防や

治療において不必要のように思えるのですが・・・・・・



touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0) 腰痛 | 特異的腰痛

2018年05月10日

腰痛(44)

特異的腰痛の問題

腰痛や、ヘルニア、脊柱管狭窄症などの予防や治療において腹筋のエクササイズが

推奨されているようです。ですが、各部個別の腹筋エクササイズは難しいですね。

簡単にまとめると、

 腹筋は、 グローバル筋として大きな力に対抗し体幹の保護や体幹の運動あるいは

 ローカル筋として腰椎、骨盤の安定性を高めるためにランスよく働く必要がある。

 浅腹筋の作用は体幹の運動が不可欠な作用であるが、深腹筋はむしろ補助的な作用。

 腹横筋がローカル筋として機能的に働くことによって、腰部、体幹を保護する。

 腹横筋が収縮するとこのように解剖学的位置から胸腰筋膜が収縮し腰部の

  コルセットの役目を果たし、腹圧を上昇させる必要があります。

 その他に

 腹圧の上昇には浅腹筋である前腹筋(腹直筋、錐体筋)、斜走筋である内腹斜筋、外腹斜筋

 腹横筋の他に深腹筋、横隔膜、骨盤底の筋の作用が必要です。

 つまり、腹腔の前部、後部、底部、頭部に位置する筋収縮が必要です。

ここまで。


前腹筋である腹直筋、錐体筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋を述べました。

深腹筋としては、腰方形筋、※寛骨内筋(腸骨筋・大腰筋・小腰筋)が相当します。

★後腹筋・・・・腹腔の後壁を形づくり、背部の筋とは胸腰筋膜によって境される。 

 腰方形筋:腰椎の両側で胸腰筋膜の前にあり、長方形をなす。筋束は多様に錯走する。

     起始:前部は下位3〜4腰椎の肋骨突起からおこり外上方似向かい
         後部は腸骨稜および腸腰靱帯からおこり上内方に向かう。
     付着:前部は第12肋骨の下縁、
         後部は上位3〜4腰椎の肋骨突起および第12肋骨
     作用:両側が働くと、第12肋骨を引き下げ、
         一側が働くと腰椎をその側に曲げる。

 この腰方形筋の作用は解剖学的には体幹の伸展、側屈、第12肋骨の下制と思っており、

 昔はそれほど 重要視せず気にしていませんでした。・・・・・・・・・・・・汗・・・・・・・・・・

 大いに反省です。もっともっと早く気がつくべき重要な筋でした。。

 腰椎の両側で胸腰筋膜の前にあり、斜め前面には次に述べる大腰筋が存在しています。

 薄い板状の筋肉になりますが、大腰筋とともに腰椎の垂直安定性に寄与します。

 脊柱の安定性やコントロールに重要な筋です。

 側屈時には遠心性で働いて側屈のコントロールを行い、復位時に求心性により

 側屈のコントロールを行います。

 歩行時などには、骨盤を挙上するように作用したりし、体幹の側屈の安定性や姿勢の保持に

 重要になります。

 骨盤と肋骨を結んでおりますので呼吸にも関連します。

 腹筋であり深腹筋であり、インナーマッスルであります。

 内腹斜筋、広背筋、起立筋、多裂筋、中殿筋など多くの筋との中継する筋であります。

 運動筋としての作用だけでなく、下肢の浮腫などにも関連します。

 臨床で触れないことはあり得ない重要な筋の一つです。

※寛骨内筋である腸腰筋:腸骨筋、大腰筋、小腰筋に区別される。
 寛骨内筋である腸腰筋は解剖学的には下肢の筋に分類されています。
 解剖学では後腹筋ではアリマセン。
 下肢の運動筋ですが、腹圧の上昇という意味合いで今回は取り上げてみました。

 1,腸骨筋

   起始:腸骨の上縁および内面(腸骨窩)からおこり、下内側方にむかう
   停止:大部分は大腰筋の内側に合し、一部分は筋裂孔をへて直接に大腿骨の小転子
   作用:大腿骨を、外側方に転ずる。

 2,大腰筋:深・浅頭を区別する。

   起始:浅頭は、第12胸椎〜第4腰椎の椎体および肋骨突起から
        深頭は、全ての腰椎の肋骨突起から起こる。
        両頭は合して、下外側方にはしる
   付着:筋裂孔をへて、大腿骨の小転子
   作用:股関節を屈し、大腿骨を前上方に挙げ、同時に外旋する。
       下肢を固定するときは、腰椎および骨盤を前下方に引く。
 
 3,小腰筋 

   起始:第12胸椎および第1腰椎の椎体外側面から起こり、大腰筋の前面を下る。
   付着:腸骨筋膜に分散し、これと共に腸恥隆起にいく
   作用:腸骨筋膜を張り、腰椎を外側方に曲げる。

特にエクササイズにおいて、大腰筋の作用が重要になります。

大腰筋は、「下肢を固定するときは、腰椎および骨盤を前下方に引く」この動作です。


腹横筋のエクササイズの基本はドローインです。

ドローインが正確におこなわれ骨盤後傾が実施された状態が完成し、

(難しいのは骨盤後傾したような状態に見えるのですが、大腰筋が働き

 「腰椎および骨盤を前下方に引く」脊椎や骨盤をなるべく動かさないようにして

 腹壁を引く行為ですね。)

 腸骨筋、主に大腰筋を上手に収縮させる必要があります。
 
その後に様々な腹筋のエクササイズを実施しなければ効果がない。

本当に難しいです。


単純に腹腔内の圧力の上昇するには横隔膜の働きが最も重要?

横隔膜は、解剖学では胸部の筋に分類されています。

呼吸運動に関与する筋です。

腹圧の上昇という意味合いで今回は取り上げてみます。

知っているようで知らない横隔膜。次回に



touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0) 腰痛 | 特異的腰痛

2018年04月27日

腰痛(43)

特異的腰痛の問題


腰痛や、ヘルニア、脊柱管狭窄症などの予防や治療において腹筋のエクササイズが

推奨されているようです。

各部個別の腹筋エクササイズは難しいですね。


今回は注目されている、腹横筋について

浅腹筋である腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋の作用は体幹の運動が主な作用。

脊柱の剛性や安定性を高めるためるため脊柱体幹筋群などと共同しながら

グローバル筋として大きな力に対抗し体幹の保護や体幹の運動に大きく作用しています。


一方腹横筋は、体幹の運動にはむしろ補助的に働いています。

腹横筋は、腹圧をかけ腹腔を狭くする働きが主な作用でウエストを狭くする。

肋骨を動かして呼吸にも関連します。

腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋は体幹の運動が主な作用で腹圧は従です。

腹横筋は、浅腹筋でありながら少し趣が違っています。

腹横筋の解剖をもう一度観察します

腹横筋:内腹斜筋に被われ、最も深い層をなす。

     起始:第6〜第12肋骨軟骨の内面、胸腰筋膜、腸骨稜の内唇、鼠径靱帯の外側
         から起こり、筋束は前方に横走する。
     付着:外側に向かって凸弓形をなす半月線を境として、腱膜に移行し、
         腹直筋鞘につく
      作用:下位6肋骨を下に引き、腹圧を高める

小さい筋というよりは長く細い筋束が集まった筋です。

注目するのは、胸腰筋膜、肋骨内面、骨盤を取り巻て筒状になり腹筋の深内面に存在します。

腹横筋が収縮すると腹圧が高まり腹腔が狭くなり胸腰筋膜や前方の筋膜が緊張します。

胸腰筋膜が緊張すると、当然腰椎、脊柱の剛性も高くなります。

この胸腰筋膜が重要なポイントになります。


胸腰筋膜は、深層の体幹筋を覆う筋膜です。

胸腰筋膜は、腹横筋の起始部の中において、唯一能動的な変化を受ける部分です。

腹横筋が両側性に緊張すると同時に、後方の腰部の深部多裂筋が等尺性に収縮することによって

胸腰筋膜が収縮することができる。

胸腰筋膜の後層は脊柱起立筋群を含んでいるので、脊柱起立筋群の収縮も胸腰筋膜の緊張にも

影響を与えます。

腹横筋は、内腹斜筋と共同して胸腰筋膜を緊張させます。

外腹斜筋は胸腰筋膜の起始を持っていませんので影響はアリマセン。

深部多裂筋は小さい筋で筋紡錘などが多く存在し脊椎分節間の運動や位置変化の

情報を中枢神経に伝えることができる。

したがってこれらの小筋は、大きな力は発揮できないものの、分節間の微妙な位置関係の

変化をコントロールする機能を有しているのです。

真の動的な安定性を保つには、個々の分節的のコントロールを高めることが重要で

腰椎、骨盤の安定性を高めるためにローカル筋へのアプローチが重要になる。


腹横筋が収縮するとこのように解剖学的位置から胸腰筋膜が収縮し

体幹に位置している深部多裂筋と同様に働き、脊柱の分節的運動に関与します。

つまり腹横筋は、ローカル筋として働いていることになります。


腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋がグローバル筋として機能的に働き、

腹横筋がローカル筋として機能的に働くことによって、腰部、体幹を保護する

コルセットの役目を果たすことが可能になります。


腹筋の個々の筋のエクササイズは難しいとしても一つのユニットとして筋力トレーニングは

比較的容易なために、腹筋のエクササイズが必要ということになります。

しかし、非常に残念ですが現実的には・・・・・・・・・・

腹筋運動で腰を傷めたという話は非常に多く危険も伴っているようようです。

これは、以上を理解していないことが理由では?・・・・・・・・と思っています。


腹筋を鍛える。腹筋のエクササイズというと・・・・・・・腹部をシックスパックにする?

格闘技などで、どうしても腹部内臓を防御する必要のあるスポーツ以外、一般人

まして腰部に障害を持つ人がワザワザ無理に腹筋を鍛える必要はあるのか?

エクササイズとは人間本来の身体能力の回復のために行う訓練です。

多くの腹筋のエクササイズは本来の目的からかけ離れて違っているのでは?

多くの疑問?・・・・・・・・・に思うのは私だけでしょうか?


腹部の筋は前腹筋の他にもありましたね。次回に





touyou8syok9 at 22:00|PermalinkComments(0) 腰痛 | 特異的腰痛

2018年04月19日

腰痛(42)

特異的腰痛の問題

腰痛や、ヘルニア、脊柱管狭窄症などの予防や治療において腹筋のエクササイズが

推奨されているようです。

単に腹筋のエクササイズをしても無効に終わりやすい? ナンセンス?

この意味は、解剖学的に個々の腹筋のトレーニング、エクササイズが困難という以外にも

様々な理由が有ります。

後側の腹筋の説明に移る前にもう少し復習も混ぜながら皆さんが知ってるようで、以外と知らない

腹筋のお話をつづけます。


★前腹筋・・・・・・腹直筋、錐体筋

★斜走筋・・・・・・外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋


前腹筋、斜走筋は浅層にある浅腹筋群は前および側腹の壁の基礎になります。

腹筋の深層には、腰方形筋、大腰筋、小腰筋があり後腹筋(深腹筋)に相当します。


浅腹筋の作用

  内腹斜筋

   片側が収縮すると体幹を側屈し、同側の脊柱と胸郭を回旋する。

   両側の筋が収縮すると、腹腔を圧縮して、体幹の屈曲を補助する。

  外腹斜筋

   片側が収縮すると体幹を側屈し、脊柱と胸郭の反対側へ回旋する。

   両側の筋が収縮すると、腹腔を圧縮して、体幹の屈曲を補助する。

  腹直筋

   主に体幹の屈曲をおこなうが、その他の筋とともに腹腔を圧縮する補助。

  腹横筋

   筒状になっていますので、筋収縮がおこると、腹腔の直径が減少します。

   主に腹圧をかけると収縮し腹腔が狭くなります。

   「腹を引き込む」という動作で、腰椎前彎を増強させます。


浅腹筋は基本的にはどんな運動の時にも一緒に働きます。

  前屈は腹直筋・・・・・胸郭を骨盤に近づける体幹の屈曲。

  側屈は、同側の外腹斜筋、内腹斜筋が共同筋として働いている。

        同側の胸郭を骨盤を近づける体幹の側屈。

  側方回旋は同側の内腹斜筋と反対側の外腹斜筋が拮抗筋として働いている。

  腹横筋は、主に腹圧をかけるときに収縮し腹腔を狭くする。

         両側が働きウエストが狭くなる。
  
  前、側腹筋は、腹腔にも作用を及ぼし、収縮すると腹腔内圧が上昇しますが、

  その際には、横隔膜とともに骨盤底の筋と共に働く必要がある。

  強制的な呼気は、特に腹直筋を収縮することで可能。


屈曲、側屈に関しては、腰椎の運動というよりは、脊柱全体の運動ですね。

特に、胸郭を骨盤に近づというけるために脊柱全体が屈曲しています。

腹横筋以外の浅腹筋は、機能的にはグローバル筋の様式ですね。


各部個別の筋の作用から、個々の腹筋のエクササイズは非常に難しいです。

前回述べた解剖の組織学的にも難しく、作用的にも非常に難しいですね。

ただし、腹横筋以外の浅腹筋は、機能的にもグローバル筋ですので、

腹筋群を一つのユニットとしてとらえるとエクササイズとしての筋トレーニングは

比較的容易で可能なように思われますが・・・・・・・・・・・・・・


さて最近は特に腹横筋の機能が注目されていますね。

なぜでしょう?

ここに注目すべき報告があります。(理学療法科学22(1):1−6 2007より)

腹横筋が働くと

 1,腹横筋が求心性(短縮性)収縮し、前方の筋膜が緊張する。

 2,腹横筋の筋厚が増加する。・・・収縮を示唆している

 3,腹横筋が腰部えお包み込むため、ウエストが細くなる。・・・・・コルセットの作用

 4,外腹斜筋、内腹斜筋の筋厚があまり変化しない。

 5,腹横筋の収縮によりコルセット作用がみられる場合には、前腹壁の後方への

   (背側)への動きが観察される。

 6,対称性パターンがみられる

ところが、腹横筋の機能が不十分であり、その他の浅筋群がはたらくと

 1,腹横筋、外腹斜筋、内腹斜筋がすべてが肥厚する。

   すべてが急激に肥厚する場合多い。

 2,腹横筋の収縮が診られるが、短縮せず、前方の筋膜が収縮しない。

 3,腹横筋が腰部を包まず、ウエストの狭小化がみられず、拡大する。

 4,非対称性パターンがみられる。

腹横筋が正しく収縮すると、深部で腹横筋の緊張がゆっくりと高まる。

ところが内腹斜筋、外腹斜筋が代償的に収縮すると腹壁のみられる。


以上のような報告により、まず腹横筋をキチント作用させてという条件付きですね。


腰痛や腰椎ヘルニアなどの治療、予防に必要なのは、

腹横筋の機能が発揮されることで、腹腔内圧が上昇し腹腔内が狭まりウエストが狭小し

腰痛予防としての腰の筋によるコルセット機能が発揮させる。・・・・・・・・ということですね。


腹横筋の主なエクササイズがドローインということになっています。

このエクササイズも簡単にできそうですが実際には非常に難しいです。

このドローインが正確におこなわれ骨盤後傾が実施された状態が完成し、

(難しいのは骨盤後傾したような状態に見えるのですが、脊椎や骨盤をなるべく動かさないようにして
 腹壁を引く行為ですね。)
 
その後に様々な腹筋のエクササイズを実施しなければ効果がない。

更には、ドローインとならんでブレーシングも必要とされています。

ドローインは簡単に言えば、腹横筋の活動性を再教育して高める。

ブレーシングは、浅筋筋である内腹斜筋、外腹斜、筋腹横筋、全ての活動性を

高めることにより日常生活における脊柱の安定性を高める。

ブレーシングの実施に最も必要なのは、ボクシングなどの格闘技をおこなう人でしょうが、

日常生活においては、過度な収縮力は必要でなく、通常呼吸での軽い等尺運動で

腹壁を硬くする程度で良いとされています

ややこしいですね。

まず自己流は無理?・・・・・・・と思っています。


エクササイズの詳しい説明は専門家に任せるとして、もう少し腹横筋について。

腹横筋は解剖学的には浅腹筋ですが・・・・・・

機能的には、グローバル筋です。

これがますます腰痛などの予防、治療に有効だと言われる理由の一つです。

次回に、




touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0) 腰痛 | 特異的腰痛

2018年04月11日

腰痛(41)

特異的腰痛の問題

坐位における腰の負担は立位以上です。

体幹を安定させて上半身を支えるには腹腔内圧が充分に働く必要があります。

坐位においては立位以上に腹腔内圧が充分に働く必要性が生じます。

腹腔とは、上は横隔膜と下は骨盤、腹壁の前後を腹直筋、腹横筋、腹斜筋および

脊柱あるいは腸腰筋などで囲まれた楕円状の空間です。

この空間の内圧を高めるため上記の筋が充分に働く必要があります。


どうして個別の腹筋のエクササイズは難しいのでしょうか?


腹部の筋、筋膜をおおまかにのべてみます。(南山堂 日本人体解剖学より抜粋)

面白くないですが解剖の復習です。(整形の大部分の基礎は解剖学です)

知ってるようで知らない腹筋です。


腹部の筋

★前腹筋 

 1,腹直筋

    起始:第5〜7肋軟骨。、剣状突起、肋剣靱帯から下方にはしる。
    停止:恥骨結合前面、恥骨結節の上縁
    作用:胸郭の前壁を引き下げる。
        胸郭を固定すると、骨盤の前部を引き上げ同時に脊柱を曲げて
        腹圧を加える。

 2,錐体筋

    起始:恥骨上縁からおこり上方に走り次第に細くなる
    付着:腹直筋鞘、白線の下
    作用:白線を緊張し、腹直筋の作用を助ける。

★斜走筋 

 3,外腹斜筋

     起始:第5肋骨〜第12肋骨の外面からおこり、筋束はほぼ並行に走り
         腹直筋の外側縁に近いところで腱膜に移行する。
     付着:腸骨稜の外唇の前半、鼠径靱帯、白線
     作用:胸郭を引き下げ、脊柱を前方および同側に曲げる。
         胸郭を固定すると、骨盤を引き上げ腹圧を加える。

 4,内腹斜:外腹斜筋に被われ、筋線維の方向は外腹斜筋と逆に走る。

     起始:鼠径靱帯、腸骨稜の中間線、胸腰筋膜の深葉からおこり
         前方に向かって扇状に広がる
         大部分は下外側方から内側上方似向かい、腹直筋鞘の外縁の近くで
         腱膜となり、2枚に分かれて腹直筋鞘の、前葉・後葉に入る。
     付着:下位肋骨の下縁、腹直筋鞘、白線
     作用:外腹斜筋と同じ

 5,腹横筋:内腹斜筋に被われ、最も深い層をなす。

     起始:第6〜第12肋骨軟骨の内面、胸腰筋膜、腸骨稜の内唇、鼠径靱帯の外側
         から起こり、筋束は前方に横走する。
     付着:外側に向かって凸弓形をなす半月線を境として、腱膜に移行し、
         腹直筋鞘につく
     作用:下位6肋骨を下に引き、腹圧を高める


皆さんがよくご存じ?・・・・・の腹部の筋に共通する役割は簡単にまとめると?

 〇腹圧を加える作用

  これが最も重要で、体幹を安定させて上半身を支えるに必要不可欠。

  坐位においては、立位よりより更に充分な腹圧の必要性が生じます。

 〇胸郭あるいは肋骨を引き下げる。

 〇胸郭が固定した場合に脊柱を曲げる(屈曲)

  決して腰椎の屈曲ではなく、胸郭が骨盤の恥骨に近づきその結果脊柱が屈曲する。

 〇その他には、内臓を守る。内臓を安定させるなど。

 
再度、筋の起始と付着部を再度お読みください。

何か? 気づきませんか?

そこで先に進みます


腹筋の腱膜

1,白線

  左右に両側の縦横に走る腹筋腱膜の腱線維が前腹壁の正中線で合してできる。

  上方は剣状突起からおこり、下方に向かって広くなり、臍より下方に至ると、

  再び狭くなり、恥骨結合の上縁に付く。

2,腹直筋鞘

  外腹斜筋・内腹斜筋および腹横筋の腱あるいは腱膜は、腹直筋を鞘状に包む。

  腹直筋鞘は前葉と後葉からなる。

  弓状線の上方では外腹斜筋の腱膜は前面に、

  内腹斜筋の腱膜は腹直筋の外側で2葉になり、うち前葉は腹直筋の前面を被い

  後葉はその後面に、

  腹横筋の腱膜は後面に加わるので腹直筋鞘の前面と後面と強さは同様

  弓状線よりも下方では、3筋の腱膜は全て腹直筋の前面を被い、

  後面はわずかに横筋筋膜および腹膜に被われるのみで固有の後葉を持たない。

  ※弓状線:内腹斜筋の腱膜のうち、その後葉臍の下約5センチのところで凹む線をもって
         終わる所


腹部の筋膜

1,浅腹筋膜

   皮下にあり外腹斜筋と腹直筋との表面を被う筋膜

   臍より上方では薄く胸筋筋膜に連なる

   後方は胸腰筋膜に、内方は白線に、下方は鼠径靱帯


2,横筋筋膜

   腹横筋の内面を多う筋膜で上部は横隔膜の下部を被い横隔筋膜という

   後部は腰方形筋の内面にゆき、大・小腰筋を被う腰筋膜となる

   横筋膜の下方は腸骨稜および鼠径靱帯に付着する。


いかがでしょうか? 何か気づきました?

骨に筋の起始、付着がハッキリと固定しているのは腹直筋のみですね。

その他の筋は、起始は肋骨とハッキリしているのですが、付着がハッキリしない。

付着が常に動き移動する細くて長い紐のような形状の腱線維あるいは筋・筋膜なのです。

常にユラユラと動いている腱線維・筋・筋膜に付着するので、根無し草のような筋ですね。

この状態で個々の筋をエクササイズするのは非常に困難です。

筋の起始部、付着部が固定されてこそ筋の力が発揮できます。

片方がユラユラと移動すればいくらパワーを入れても力が伝達できない。

おへそを引っ込めた状態で腹筋を鍛えるというのは、逃げる付着部を減らしし

力を逃がさなくしてなるべく力を伝えるためなのですが。

お臍を引っ込めた状態にしても元々が伝える部位がへっこんだだけだけです。

つまりお臍を引っ込めた状態で、更に腹圧が充分に高まっていないと意味がないです。

この腹圧が重要なのですが、腹圧を高めるには腹筋が充分に働いていないと無理ですね。

つまり単に腹筋のエクササイズをしても無効に終わりやすい。

各部の腹筋を鍛えるのは確かに非常に難しいと思われます。


以上は、前部の腹筋ですね。

腹部の筋は後方にも上にもあります。次回に。




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