2017年12月14日

腰痛

腰痛症

特異的腰痛の問題

グローバル筋とローカル筋の基本をもう少しお話します。

筋肉の性質を知っておくことは無駄ではないです。むしろ非常に有益です。

ローカル筋は単関節筋のため安定性ということでほぼ機能は一定しています。

それでもスタビライザー、モビライザーとして働く筋が有ります。


1、ローカル筋でスタビライザーとして働く筋

  主に関節の抑制筋として働く。

  <代表的な筋>

    腹横筋、多裂筋など

    頸部においては頸長筋、後頭下筋群など

    体幹の筋ではありませんがコア筋として同様の性質で働く筋

      肩関節においてはカフ筋 (ローテーターカフ)・・・・

      股関節においては外旋六筋など

  <特徴>

    制御する関節の近くに筋の起始停止を持つ深層の筋肉。

    筋のボリュームが小さく、筋の長さが短い。

    関節の中心軸の制御に力を発揮する。

    ジョイントセントレーション(関節の中心化)とかPICR(瞬間回線の軌道)の制御

    要は、動作時に関節がブレ、ズレがないように保護することが主な役割です。

    関節包に付着を持つローカル筋も多く、関節が動く際に関節包を引っ張り、

    関節面に挟み込まれないようにする機能などをもつ。

  <性質>

    低負荷、低スピード運動〜高負荷、高スピード運動の全てにおいて働く。

    持続的な収縮能力(動作時に力が抜けずに一定に働き続ける)をもち続ける。

    全方向性、あらゆる負荷にも対応できる関節の制御をおこなう機能を持つ。

    そして相反神経支配を受けないために、常に安定した力を発揮できる。

    筋肉が小さいため、体重を支えるなどの負荷には耐えれない。

    そのためにも体重支持にはローカル、モビライザーなどが協調して働いてくれます。

    その際には、関節中心軸がズレないように目立たないように働いている。

 
2、ローカル筋でモビライザーとして働く筋

  姿勢保持筋として働く。

 <代表的な筋肉>

   ※大腰筋、腰方形筋、内腹斜筋 

   ※体幹筋のローカル筋のモビライザーとグローバル筋としてスタビライザーと

     厳密な分類は困難?

     大腰筋、小腰筋、腸骨筋の腸骨筋として働くとグローバル筋ですね。

     筋の分類は分類として(学問上)、特徴、特性は理解していると臨床に有益です。

     体幹機能全体に焦点を当てることが重要だと思っています。

   体幹の筋ではありませんがコア筋として同様の性質で働く筋

     股関節の筋である小殿筋
 
     足関節の筋である後脛骨筋、腓骨筋など。

 <特徴>
 
   深層・中層の単関節筋。

   関節制御と姿勢保持の両方の機能を持っている。

   ただし、関節の中心軸制御に関わる機能はローカルスタビライザーほどありません。

   ある特定方向における制御しかできない。

   姿勢保持に関してはある程度の筋ボリューム、長さがあるためしっかりと働く。

  <特性>
  
   収縮力はそれほど強くない(赤筋)が、疲れにくく長時間働くことができる。

   緊張筋としてローカルスタビライザーと協調して働く。

   関節を折り曲げようとする外力に対して、エキセントリック収縮しながら力を発揮し、

   関節位置を保つように働いてくれます。

   つまり体重を支えるとか、日常におけるちょっとした動作において姿勢が崩れそうになった際に、

   姿勢をもとに戻すように関節を動かしてくれる筋肉群ということです。

   緊張筋のため随意筋だが脊髄反射により自動的にコントロールされている。

   そのため相反神経支配の影響を受ける。

   そのために拮抗筋の状況により上手に働けなくなる場合がある。


体幹機能全体に焦点を当てることが重要だと思っています。

次回はグローバル筋




touyou8syok9 at 22:00|PermalinkComments(0)腰痛 | 特異的腰痛

2017年12月07日

腰痛(31)

腰痛症

特異的腰痛の問題

グローバル筋とローカル筋の基本をもう少しお話します。


グローバル筋は、胸郭と骨盤と各椎体に直接しています。

 多関節筋が多く、運動の力のモーメントが大きいので力限とし働く。

 関節に大きな早い動作をおこさせるモビライザー(mobilizer)としての役割を担なっている。

ローカル筋は椎体間の安定性を保ち、脊椎の分節的なアライメントを調節しています。

 関節の安定性を保つスタビライザー(stabilizer)としての役割を担っている。


スタビライザーとしての役割は関節近傍にある単関節筋が担うことが合理的。

まさしく、脊椎の椎体間を継いでいるローカル筋がその役目を担う。

モビライザーとしての役割は関節に大きな早い動作をおこさせるための多関節筋が

担うことが合理的。

まさしく、胸郭、骨盤、椎体を継いでいる長く大きな多関節筋である

グローバル筋がその役目を担う。


スタビライザーはモビライザーに先だって収縮し、関節を安定させたうえで

大きな動作をおこすことが合理的で理想的な運動ができます。


そこで、単純に腰痛を考えてみます。


 体幹の深部筋の安定機構が充分働かない場合には、脊柱に不安定性が生じ、

 その繰り返しによって椎間板障害や椎間関節障害がおこることは容易に予測できます。

 単純にローカル筋がスタビライザーとして機能しないためです。

 ※短い筋の小さい力の長期間繰り返されることによって生じる障害です。

  大きな力が一気に加わると一度でも障害がおこることもあるでしょう。

また、

 体幹深部筋がスタビライザーとして充分に機能しない場合(筋力不足あるいは

 収縮開始時期が遅れたりしたりする場合など)には、

 体幹浅層筋であるグローバル筋が脊柱の安定化を図るために働くことも予測される。

 その過剰な活動が繰り返すことによって、筋・筋膜性障害、筋付着部障害が生じる。

 ※大きい筋の大きい力による遠心性収縮の繰り返しによる障害になります。

  一気に大きな力によって一度で障害を引きおこしたりします。


ローカル筋は安定性つまり関節の制御あるいは姿勢保持

短い筋なのでそれ以外の機能の多様性はないようです。

ところが、グローバル筋は以上のように安定筋としても運動筋としても働くようです。



日常的におきる腰痛を広背筋、多列筋を例にして単純に説明

 グローバル筋の典型である広背筋

   起始:胸腰筋膜、下位4〜8胸椎、全腰椎・仙椎の棘突起、肩甲骨の下角、
       腸骨稜、下位3〜4肋骨
   付着:上腕骨の小結節稜

 ローカル筋の典型である多列筋

   半棘筋に被われた多数の小筋で、仙骨背面から第2頸椎にわたる
   個々の筋は横突起と棘突起との間の溝内にあり、上方へ3〜4椎骨を
   超えて斜めに走る。

   起始:仙骨後面、全腰椎の乳頭突起および副突起、
   第7〜第4頸椎の下関節から起こり、内側上方に向かう
   付着:軸椎以下の全ての椎骨の棘突起、その筋束は少なくとも3〜4椎骨をはさむ。


仮に物を取ろうとして上肢を前方に出しながら挙上し腰痛がおこるとすれば

腰痛のケース1

 広背筋の長いモーメントにより起始である仙椎・腰椎、腸骨稜に大きな力が加わります。

 ここで、ローカル筋である多列筋がスタビライザーとして正常に機能していれば、

 広背筋の起始部である、腰椎、仙椎、腸骨稜の筋・膜膜あるいは付着部に

 負担がかかり、慢性の腰痛が起こる。

 あるいは、大きな負荷が急激にかかれば、急性の筋筋膜、付着部障害の腰痛がおこる。

腰痛のケース2

 ローカル筋である多列筋が充分働かない場合には、脊柱に不安定性が生じ、

 その繰り返しによって椎間板障害や椎間関節障害が慢性的におしやすい。

 あるいは、大きな負荷が急激にかかれば、急性の椎間板障害や椎間関節障害をおこす。

 多列筋がスタビライザーとして機能しなければ、グローバル筋である広背筋に

 遠心性収縮が働き、広背筋の起始部である、腰椎、仙椎、腸骨稜の筋・膜膜あるいは

 付着部に障害を慢性的におこしやすい。

腰痛のケース3、

 グローバル筋の広背筋、ローカル筋の多列筋の両筋の機能低下の場合。

 スタビライザー、ボビライザーとしての機能が正常に行われないので、

 慢性的に椎間関節障害などに加え筋・筋膜・付着部障害もおこす。


この三つのケースが基本になり、様々なケースをおこすこととなります。

物を取り上げる動作と共に腰を屈曲した場合

次に、その腰屈曲位置から伸展する場合

あるいは

物を取り上げる動作と共に腰を斜めに屈曲した場合

更に腰を捻ったり等々様々な動作が加わっていきます。

腰周囲だけでなく、上肢帯、前腕、骨盤、下肢の動作も加わります

様々な動作には様々な筋肉が関わり複雑となります。

腰痛のケースも4,5,・・・・・・・・・・・・・・・と複雑になります。

日常的動作の軽い負荷の場合は慢性的の腰痛症に陥りやすいし、

大きな負荷に急激に襲われれば急性の腰痛症に陥りやすい。


その腰痛は椎間板が脱出しているためおこっている腰痛?

正しくもあり、正しくもない。




touyou8syok9 at 21:30|PermalinkComments(0)腰痛 | 特異的腰痛

2017年11月30日

腰痛(30)

腰痛症

特異的腰痛の問題


最近、インナーマッスルである体幹筋を鍛えましょう!!・・・・・・・・?

という主旨の出版物が多いですね。

インナーマッスル=体幹筋、と誤解されて使用されている場合があります。

一般的に筋の存在する部位(深さの概念)によって浅層筋と深層筋に分類する方法

 浅層筋のアウターマッスル

 深層筋のインナーマッス(コアな筋)


今回は、前回の説明不足の補足です。・・・・筋をもう少し説明


通常、骨格筋は体幹筋と体肢筋に分類されます。

 体幹筋

  後体幹筋:背部の筋

  前体幹筋:頭部の筋、頚部の筋、胸部の筋、腹部の筋

 体肢筋

  上肢の筋、下肢の筋

上記の骨格筋の体幹筋をその解剖学的特性から次の2種類に大別されます。

体幹の筋

 ★グローバル筋・・・・・・表在にある大きな体幹筋群。
 
 ★ローカル筋・・・・・・・・体幹深部の脊椎分節間制御に関与する体幹筋群。

体幹の筋群=インナーマッスルと理解している場合があります。

重なる部分もありますが、筋の特性の分類の趣旨が全く違っています。


グローバル筋、ローカル筋は、腰痛症などの体幹筋を主眼とした疾患などの場合に

この方法で分類される場合があります。

インナーマッス、アウターマッスルに類似点も多いので少し補足説明しておきます。


★グローバル筋:表層にある大きな体幹筋群

<特性>

   胸郭と骨盤をつないでいる筋。

   腰椎などの各椎体に直接附着しいない筋。

   最長筋、腸肋筋などの胸郭と骨盤を継いでいる筋。

   浅層に存在する筋

      体幹背部の筋:最長筋、腸肋筋など

       最長筋、腸肋筋は一つ一つの筋は小さいが脊柱起立筋として胸腰筋膜で被われて

       大きなコンパーメントを形成しています。

      体幹腹部の筋:腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋など

   グローバル筋の多くは多関節筋で脊柱の大きな力、力強い動作を司ります。

   つまり主たる目的運動を起す筋肉です。

  ※その他にも体幹筋群のグローバル筋は存在します。
    煩雑になるので、この項の最後に。
    

★ローカル筋:体幹深部の脊椎分節間の制御に関与する筋群。

<特性>

   腰椎などの各椎体に直接附着している筋

   多裂筋、腰方形筋、大腰筋、腹横筋などの腰椎に直接附着する筋など

   多列筋は最長筋、腸肋筋の深層に有り脊柱起立筋として胸腰筋膜で被われ

   コンパーメントを形成しています。

   中位の腰椎レベルでは脊柱起立筋と多列筋の筋横断面積の割合は

   約50%である。

   下位の腰椎レベルにおいては多列筋の割合が次第に大きくなっています。

   その深層に腰方形筋が横突起部に存在し、大腰筋が椎体に接して存在している。

   全方向位に対して姿勢保持の張力を発揮する筋肉。

   ローカル筋の多くは単関節筋で分節的に腰椎の安定性に働きます。

   固有受容器が豊富で脊柱の動きを脳に伝える。

   腰椎の安定筋として作用するのはモチロンなのですが、

   重要な作用は円滑な運動を行うためには、このローカル筋が各動作に先立って収縮し

   脊柱を安定させ、次に体幹の浅層筋であるグローバル筋、四肢の筋群が順次活動します。

   ローカル筋が、「先読みの筋」と呼ばれている由縁です。

  ※この他にも体幹筋群のローカル筋は存在しています。
    煩雑になりますのでこの項目の最後に。


グローバル筋とローカル筋の相互作用によって体幹は安定し、正しい運動がでる。



※体幹の筋群

〇後体幹筋

背部の筋

 浅層筋:すべて椎骨の棘突起からおこります

     上肢、ことに上腕との関係が深いので棘腕筋と呼ばれる。

     僧帽筋、広背筋、

     菱形筋、肩甲挙筋

 深背筋

     棘肋筋:上後鋸筋、下後鋸筋、

     棘背筋(固有背筋とよばれる)

     長背筋:板状筋、脊柱起立筋(腸肋筋、最長筋)、棘筋、半棘筋、頭半棘筋

          多列筋、回旋筋

     短背筋:棘間筋、横突間筋

     深項筋:大後頭直筋、、小後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋、外側頭直筋


〇前体幹筋

 頭部の筋

 頚部の筋

 胸部の筋

 腹部の筋

  前腹筋

    縦走筋:腹直筋、錐体筋

    斜走筋:外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋

    腹筋の腱膜

    腹膜筋

  後腹筋

    腰方形筋

  尾骨の筋

    前仙骨筋、後仙骨筋、尾骨筋


どの筋がグロ-バル筋、ローカル筋なのか。

各筋の特性を考慮してください。臨床では必要です。

最近では、ローカル筋である多列筋、腰横筋の重要性が多く取り上げられていますね。


   

       

touyou8syok9 at 21:00|PermalinkComments(0)腰痛 | 特異的腰痛

2017年11月22日

腰痛(29)

腰痛症

特異的腰痛の問題

今回から治療

ヘルニアがL2〜S1におこるのだからその付近のヘルニア根を排除する。あるいは

脊柱狭窄を広げたりする治療が観血的治療法の手術の目的ですね。

保存療法における薬物療法は、鎮痛剤、ビタミン剤、抗うつ剤等が主体です。

炎症を抑制する、筋緊張を低下させる、血行を改善させる、精神の不安、負担を和らげる。

これらの目的で薬剤を服薬するのです。

感覚麻痺、筋力低下、馬尾症状などには効果的な薬物ではありません。

これらの薬剤は手術療法によるヘルニア、脊椎狭窄を直接ターゲットとしている

手術療法とは目的が全く違っています。

つまり特異的腰痛の腰椎ヘルニア、脊柱管狭窄に直接的に効果があるわけではありません。

特異的腰痛の症状の一部をターゲットとして行われています。

薬物療法は特異的腰痛にかぎらず非特異的腰痛の治療法とそれほど大差はありません。


一方、保存療法による手技療法はどうでしょうか?

多種多様な保存療法が存在しますが、特別腰椎ヘルニア、脊柱管狭窄に対応する

特別、特殊な手技療法は無いといっても良いでしょう。

少しの工夫と時間が必要ですが基本的には通常の腰痛症とそれほど変わりません。

順次お読みになれば理解されると思いますが、薬物療法と手技療法の目的も

それほど変わりません。

どちらが優れているかは一長一短、ケースバイケースだと思っています。

上手に併用されるのが良いと思います。

担当していただいている先生とご相談されるのが良いでしょう


腰部椎間板の障害、椎間関節あるいは仙腸関節の障害はなぜ発生するのか?

日常動作、あるいは特定動作の繰り返しによる物理的な力学的なストレスです。

当然、事故などにより急激的な物理的に大きな負荷による場合もあるでしょうが、

むしろ、そのような場合は稀なケースでしょう。

一体?何時から?腰椎ヘルニア、脊柱管狭窄になったか分からないでしょう。

慢性的な腰痛症で悩んでおり、MRIを撮影して診断を受けた人がほとんどでしょう。


さて、手技療法を行うならば腰痛症における基本的な考えは理解する必要があります。
 
 腰椎を含む脊柱は脊椎の積み重なった不安定な構造です。

 椎体間の動き、腰椎としての動き、腰椎・胸椎・頸椎として脊柱全体の動き

 脊椎の分節的な動きに連なり蛇腹のように脊柱全体への動きとなります。

 更に、その脊柱は下方において骨盤、下肢、上方には胸郭、肩甲帯、上肢へと繋がります。

 脊椎には直接附着する筋があります。
 
 更にその安定性は体幹の筋群による張力によってまかなわれてバランスと安定を得ます。

 これらの体幹の筋群を大きく分類すると、胸郭と骨盤、肩甲帯などに附着する浅層筋と

 各椎体に直接附着している深層筋に分類されています。

 
日常的な動作においてこれらはどのように作用しているのでしょうか?

 体幹の深部筋が運動の始まる前から働き脊柱分節の安定性を得ます。

 次に

 体幹の浅層筋が働き胸郭と骨盤の運動が起こります。

 次に

 四肢(上肢あるいは下肢)が働くことになります。

極めて当たり前のように記述していますが、運動学ではとっても重要なことなのです。

シッカリとした支点(軸)があってこそ初めてキチントした・バランスのある動作ができるのです。

その支点(軸)がグラグラと動いていたら正しい動作はできないのです。

これらが知らず知らずに最終的に椎間間関節に器質的な障害を引きおこす結果となるのです。

日常生活で行う歩行や座る、立ち上がる、さらには肩を上げる、腕を振る、物を持ち上げる、

物を握る等々全ての動作に関係しているのです。

更に複雑なのは、動作によっては支点が作用点になったり、作用点が支点になったり

非常に複雑な変化をしながら各動作が行われているのです。


手術療法は観血的に一部の腰椎を取り除いたり、削ったり、広げたりしていますので

極めて少ない脊椎の分節の器質的障害をターゲットにしてして症状を改善させます。


椎体の器質的な障害が直接的に症状を引きおこしているかどうかは別にして、

手技療法では椎体の器質的な部位には直接アプローチはできないことは理解すべきです。

したがって、手技療法を行う場合は、単に障害関節の腰椎、一部椎体の分節を

治療のターゲットするだけでは療法とし全く不十分だと言うことが理解できると思います。

障害関節の単関節あるいは腰椎のユニットのみの療法では不十分です。

モチロン全ての関節をターゲットとしてはあまりにも膨大になりますので

少なくとも障害関節である腰の関節(腰椎関節)の上方では胸椎、頸椎、肩甲帯、

下方の関節では、腰仙関節、仙腸関節、股関節、膝関節が対象になるでしょう。

罹患期間が長期にわたるほど更に多くの多関節を考慮しなければなりません。

これが、症状の改善には少しの工夫と時間が必要になる大きな理由ですね。


これが1回、数回で治る?あり得ません。期待はしない方が良いでしょう。

奇跡は滅多に起こらないから奇跡なのです。

奇跡は信じるもので期待するものではアリマセン。






touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0)腰痛 | 特異的腰痛

2017年11月13日

腰痛(28)

腰痛症

特異的腰痛の問題

腰椎椎間板ヘルニアあるいは脊柱管狭窄と診断された皆さんは

なぜか?

通常に診られる腰痛症である非特異的腰痛と全く違った疼痛の腰痛では?・・・・・・

と勘違いしております。

腰痛という疼痛に関してはギックリ腰などの方が疼痛が強い場合も多い。

二者の大きな違いは、特異性腰痛には、

MRIなどの画像診断で明らかな椎間板ヘルニアの脱出が認められる。

そのために、神経根などが圧迫されている。

そのために、脊柱管などが狭窄されている。

そのために、馬尾症候などが引きおこされている。

症状は、

疼痛は椎間板が脱出した直後には組織の損傷が強い場合には炎症も強いために、

疼痛が強い場合もある。

炎症が治るにつけ疼痛もそれに伴い治まる。

重要な症状は、脱出した椎間板の圧迫神経根、脊柱管狭窄に伴う神経症状が必ず存在する。

運動麻痺による筋力の低下、感覚麻痺による感覚の消失などの障害がある。

正常反射の減弱が認められる。

病的反射の亢進が認められる。

馬尾症候群が認められる。


これらの症状とMRIの診断と症状が一致する。

一致しなければ、非特異性腰痛つまり普通の腰痛と何ら変わりはアリマセン。


ただし、注意するのは画像に写っているのは事実ですので、

腰に負担のかかる激しい運動や事故などには注意してください。

今の脱出しているヘルニアが一気に大きく脱出してしまう可能性があります。

今のヘルニアの状況が進行して筋力の低下や馬尾症候がおこることもあるわけです。

疼痛の増加はモチロンですが、その他の症状が現れた際には、再度MRIを撮影してください。

前回との映像と比較することは必要です。

単に症状だけの変化なのか?

症状の悪化と共に画像も悪化しているのか?

常に比較する必要はあります。


そういった注意をしながら保存療法を続けてください。

ヘルニアや脊柱管狭窄は必ず治る?

ヘルニアや脊柱管狭窄は絶対に手術が必要?

どちらも正しくはアリマセン。 正しい場合もあるし、ない場合もある。


このようなことを理解し保存療法を続けましょう!!

保存療法は、手術以外は少しの工夫と時間が必要ですが・・・・・・・・

通常の腰痛症とそれほど変わりません。

それ故に、巷ではヘルニアは切らずに治る!!

年間〇〇〇人のヘルニアを治した!!?奇跡の治療家!!?・・・・・等

とにかく宣伝も多々存在するのも事実ですね。

MRIの画像診断と症状が一致する場合が非常に少ない。という事実から

大袈裟にこのような宣伝も多く出現するのも事実でしょう。

臨床では「十把一絡げ」にならないように注意すべきです。

また、腰椎ヘルニア、脊柱管狭窄症と診断された方も決してあきらめてはダメです。

保存療法によって回復する見込みの方が遙かに多いのですから。



touyou8syok9 at 17:04|PermalinkComments(0)腰痛 | 特異的腰痛

2017年10月26日

腰痛(27)

腰痛症

特異的腰痛の問題

★MRIなどの画像診断と現在の症状の比較の確認

画像診断は画像診断です。映っているのは画像は間違いの無い事実です。

その事実が、実際に表している症状と関連性が本当に存在しているのか?存在していないのか?

が重要なのです。

 1,感覚麻痺の有無を確認
 2,腱反射を確認(亢進しているか?減弱しているか?) ※少しコツが必要ですが・・・・・
 3,病的反射を確認
 4,運動麻痺の有無を確認

前回は、神経根の支配する筋との関連性を説明しました。

それでは、筋力がどの程度のあれば良いのでしょうか?

要は、動作筋に抵抗を与え筋力を調べるのですね。

    筋力は5〜0までの6段階に分けます。

    筋力5は、正常:強い抵抗を与えても、完全に運動
    筋力4は、良好:ある程度の抵抗に打ち勝って、正常可動域いっぱいに運動できる
    筋力3は、やや良好:抵抗を加えなければ、重力に抗して正常可動域いっぱいに運動できる
    筋力2は、不良:重力を除外してやれば、正常可動域いっぱいに運動できる
    筋力1は、痕跡:筋のわずかな収縮はおこるが、関節は動かない
    筋力0:筋の7収縮が全く認められない。

    つまり、筋力4を確認できれば良い。

    筋力4の状況は、積極的に保存療法を続けます。

    筋力3は筋力テストでは、やや良好になっておりますが臨床においては要注意段階です。

    筋力3の状態においては抵抗に打ち勝てない状態ですので、
    日常生活には不便を感じるケースが時折発生する可能性があります。
    経過観察しながら注意して保存療法の必要があります。

    筋力2まで落ちれば、日常生活で不便が感じられる場合も多く出現します。
    保存療法の限界になっていると思ってください。
    手術も念頭に置かなければならないケースです。
    少なくとも医師ではない我々のような施術者からは手が離れる段階でしょう。

    筋力3の状況が、私達あるいは一般の人の確認の限界だと思っていただきい。
    保存療法にこだわっている段階ではありません。

    ただ実際にはヘルニアと診断された人で筋力2の人は非常に稀です。

    既に手術してしまっているのかも?

    筋力3の人も稀のように思います。

    従って、あえて手術に踏み切らないケースも多いのでしょう。

    手術に踏み切る場合においても、むしろ疼痛の軽減が目的のケースが多く?

    筋力の低下あるいは感覚の低下で手術に至るケースはむしろ少ないように思います?


さて前回のように各筋の筋力を測ることは、非常に時間がかかります。

臨床のベッドサイドではもっと簡易的に調べます。

臨床のベッドサイドで下肢が床に着くかない状態で坐位

  ★重力の抵抗のみの筋力3を観察。並行して筋収縮を観察

     自力で膝の伸展・屈曲、足関節の屈曲・伸展、足趾の屈曲・伸展

     足関節の内反・外反を観察

  ★抵抗を加えて筋力4を観察

     坐位で膝伸展に対する抵抗、、膝屈曲にたいして抵抗

     足関節の内反に対する抵抗、外反に対する抵抗

     足関節の屈曲に対する抵抗、背屈に対する抵抗

     足趾の屈曲、伸展に対する抵抗、母趾の屈曲伸展に対する抵抗

     もっと大雑把には

      つま先立ちと踵立ちができるか?できないか?
次に、

  ★筋萎縮を確認する。

     大腿周囲長:膝蓋骨の10兢紊任侶彗する。

     下腿周囲長:下腿の一番太い一で計測する。

     患側と健側の周囲長が2儖幣紊虜垢あると要注意。

以上の筋力の減弱、麻痺あるいは筋萎縮の有無を調べます。


画像診断と症状の一致がなければ、それほど心配がありませんが、 

もし画像診断と症状に一致があれば注意を要します。

特に筋力3の場合は保存療法を続けても良いでしょうが要注意です。

筋力2に低下しないように・・・・・・・・・・・


ベッドサイドで一連の動作確認するには、

  1,反射を観察

     膝蓋腱反射、アキレス腱反射、バビンスキー反射

  2,知覚を観察

     脛骨内側稜、外側、足底外果の下方

  3,筋力を観察(自動運動および抵抗を加えて運動)

     膝関節屈曲、伸展

     足関節内反、背屈、足趾背屈

     足関節外反と底屈、足底屈曲

  4,筋力低下が認められれば筋萎縮を観察する。

わずかな時間で、L2からS1までの神経根の障害の検査が大まかに可能です。

時間にすれば3分もあれば充分すぎるでしょう。

このようにして必ずMRIの画像による所見と筋力、知覚、反射が一致するかどうかを観察する。


腰椎椎間板ヘルニアあるいは脊柱管狭窄と診断された皆さん、

あなたの、腱反射、知覚、筋力はいかがでしょうか?

必ず確認してください!!

あらゆる保存療法は、それから始まります。

また保存療法の継続中の場合も必ず定期的には確認してください。






touyou8syok9 at 21:00|PermalinkComments(0)腰痛 | 特異的腰痛

2017年10月05日

腰痛(26)

腰痛症

特異的腰痛の問題

★MRIなどの画像診断と現在の症状の比較の確認

 1,感覚麻痺の有無を確認
 2,腱反射を確認(亢進しているか?減弱しているか?) ※少しコツが必要ですが・・・・・
 3,病的反射を確認

前回はここまで、今回は、

 4,運動麻痺の有無を確認

   ヘルニアの神経根の圧迫による症状は麻痺による筋力低下です。
   
   ヘルニアが神経根を圧迫すれば、その各支配神経の影響を受けている各筋肉の

   筋力低下があるか? ないか?を調べます。

   各筋の動作をしていただきそれに検者が抵抗をかけて調べます。

 以下に筋肉の主な支配神経と作用および抵抗方法を述べます。

   実際の臨床ではもっと簡易な方法で調べて確認するのですが・・・・・・・・・・・

   治療臨床にも役立ちますので今回はあえて神経支配される主な筋肉と作用述べます。

   
   〇前脛骨筋:L4-5:足の内側縁を挙げ、かつ足を側方に屈する。

         足を背屈、内反させ検者は足背から抵抗を加え強さを診る。

   〇後脛骨筋:L5ーS1:足を底側方に屈し、かつ回外する。

         足を軽く足底に屈曲させ、検者は内側より足を外反させる力をくわえる。
         これに逆らうように内反させて抵抗力を診る。

   〇長、(短)腓骨筋:L5ーS1:足を底側に屈し、かつ外反する

         患者の足を握り足底に屈曲、固定させる。患者には抵抗に逆らって足を外反させる。
                  
   〇長・(短)趾伸筋:L4ーL5:足および第2〜5趾を背側に屈し、足の外側縁をあげる

         足趾を検者の抵抗に逆らって、背屈させる。

   〇長・(短)趾屈筋:L5ーS1:第2〜第5趾の末節を屈し、足をへ底側に曲げる。
 
         足趾末節を検者の抵抗に逆らって。足裏に屈曲させる。

   〇長母趾伸筋:L4-L5ーS1:母趾を伸ばし、足を背方に引き足内側縁をあげる。

         母趾を抵抗に逆らって背屈させる。

   〇長母趾屈筋:L5-S1:母趾を底側にひく

         母趾を抵抗に逆らって屈曲させる。

   〇腓腹筋:S1-S2:足を底側に屈し、踵をあげ、、膝関節を曲げる。(二関節筋)

         腹臥位で膝伸展し、足を足底に屈強させ足底より抵抗を加える

   〇ヒラメ筋:S1−S2:足を底側に屈し、踵をあげる。(単関節筋)

         股関節、膝関節を屈曲させ、足底より抵抗を加え足関節を底屈させる。

   〇大腿四頭筋:L2ーL3−L4:4頭からなり、3つの単関節筋と1個の2関節筋からなる
                    全体として下腿を伸ばし、大腿直筋のみ大腿を上方にあげる。

         仰臥位に、一側の足を伸ばし、多足の膝の所においた
         検者の腕の上にのせる。賢者はもう一歩運手で患者の足首を握り、
         下方に圧迫して患者は下腿をできるだけ伸展するように命じ、抵抗を診る。
   
   〇大腿屈筋:L4-L5-S1:後大腿筋として大腿二頭筋、半腱様筋、半膜腰筋

         仰臥位で膝を立てさせる。
         検者は患者の足首を握り、引き伸ばすようにし、患者にはこれに抵抗して
         膝を屈曲するように指示する。

         もう一つの方法、
         腹臥位にて、膝屈曲させ、検者はこれを伸展するように力を加え、
         その抵抗を検査する。

   〇大殿筋:L4-L4-S1:股関節の伸展

         腹臥位で股関節を抵抗に抗して進展させる

   〇中殿筋:L4-L5ーS1:大腿の外転

         側臥位で、下肢を伸展させ上側の下肢上から圧迫し、その抵抗に抗して
         これを上方に外転する。

   〇小殿筋:L4-L5ーS1:大腿を外側方に回転する

         腹臥位で、膝を曲げた患者の足に外側から抵抗を加え、これに逆らって
         股関節を内旋する

   〇大腿の内転筋群:L2-L3-L4:
  
         仰臥位で両膝をつけるように力を入れさせ、検者は両膝または両足の
         内側から力を加え、これを引き離そうとする。

   〇腸腰筋:L2-L3-L4:腸骨筋、大腰筋、小腰筋からなる。
              腸腰筋全体として股関節を屈し、大腿骨を前上方に挙げ、
              同時に外旋する。

         仰臥位で股関節、膝関節をそれぞれ90度屈曲させ毛邪の手を内側に入れ
         大腿前面に抵抗を加え、これに逆らって上腿を屈曲させる。

要は、神経根の影響を受ける各筋力の主な動作に対して抵抗を与え筋力を調べます。

患側と健側の筋力の減弱を調べます。

健側と患側の筋力の差がなければ心配いりません。

それでは筋力がどの程度のあれば良いのでしょうか?

以下次回に、ベッドサイドでの簡便な方法とともに、
 

touyou8syok9 at 21:00|PermalinkComments(0)腰痛 | 特異的腰痛

2017年09月21日

腰痛(25)

腰痛症

特異的腰痛の問題

腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄などのいろいろと問題を書いてきました。

いかがでしたでしょうか?

画像診断は必要ですが、画像診断は画像診断として参考にしてください。

でも、それらにこだわりすぎても仕方が無いですね。

 例えば腰椎椎間板が脱出した場合(ヘルニア直後の場合)

 外傷で椎間板が脱出したのか?その時の疼痛は非常に強いでしょう。

 単純なぎっくり腰においてもヘルニアの可能性があるといわれる由縁です。

 でもその腰痛は慢性化はない場合が多いですね。

 MRIをすぐに撮影するわけではないので本当の所はわからないのが現実ですね。

 実際は、強い腰痛が消失あるいは寛解して落ちつき長期間の時間経過後に

 再度強い腰痛が出現した場合あるいは日常生活は続けれるが腰痛に苦痛を感じるt期間が

 長期に続くと不信に思いMRIを撮影するというのが現状だと思います。

 長期にわたる腰痛がすでに存在しているヘルニアに日常生活に加わる外力により

 炎症を何度も引きおこすのが原因なのか?

 加齢による退行性変化に加え日常生活による外力により脱出したのか?

 本当に腰痛がヘルニアが原因かどうか?疑わしいのが現状だと思います。

 何度も述べているように腰痛とヘルニア槐との関連性は極めて曖昧です。

 グレーゾーンといっても過言ではない?

 ヘルニアが存在すれば、存在する人よりもわずかな姿勢の違いとわずかな外力で炎症が

 出現したり炎症が治まったりし易いので疼痛が出現したり、沈静化したり繰り返し易いでしょう。

 したがってこの場合の方が、腰痛は慢性化し易いかも?

 その意味ではヘルニアが原因と言えば原因でしょうが?

 ヘルニアの存在がむしろわずかな外力によって炎症により疼痛が引きおこされるのでは?

 臨床では遙かにこのケース、この状態が多いかも?


ヘルニアの状態はあくまでも撮影時の結果です。

ひょっとしたら、腰痛を全く感じない時からヘルニアが存在したかも?しれません?

いつのまにか骨折が存在するようにいつのまにかヘルニアも存在します。

そして今後、ヘルニアが吸収されるのか?あるいはヘルニア槐がもっと大きくなるのか?

誰にも分からないのです。

そのために当時の画像診断はCDにコピーして必ず自宅で保存しておいてください。

疼痛が強く症状が増悪した場合、あるいは疼痛が減弱し症状が緩和した場合に

年数が経過し症状が変化した場合に本当にヘルニアが悪化しているか?

画像に変化が確認できるのか?

予後の参考になると思います。


画像診断の結果は結果として受け止め、今どうするのか? どうすべきか?その方が重要です。

画像診断の結果はそのためにも知る必要はあります。


臨床においては、以下の点をヘルニアの画像診断と症状が一致するかを必ず確認する。

一致すればヘルニア由来の症状の可能性は大きいですが一致しなければ可能性は低い。

★腰痛のレッドフラッグの有無を確認

 すでにレ線やMRIの画像診断が行われているので必要無いかもしれませんが、

 異常な疼痛が発生した場合や長期間続く腰痛にはやはり確認が必要です。

★次にMRIなどの画像診断と現在の症状の比較

  以下の点が一致するならば画像診断によるヘルニアが原因が非常に大きいです。

  一致しなければ、画像診断によるヘルニアが原因ではない可能性が大きい。

  慢性的な疼痛やシビレより以下の点は必ず確認してください。

  
 1,感覚麻痺の有無を確認

   神経支配の表在感覚検査を確認。

    知覚領域の触覚、痛覚の消失あるいは減弱を調べる。(健側と病側との比較)

    ヘルニアであれば触覚、痛覚の消失あるいは減弱が有ります。

     脛骨稜の内側がL4、外側がL5

     母趾と第2趾の間はL5固有領域

     外果と足底はS1の知覚領域

     簡単には坐位にて足背の母趾から第5趾までルーレットで調べる。

      母趾内科側がL4、足背がL5、第5趾外果側がS1支配

    深部感覚である関節覚を調べる。
    
     神経線維は脊髄後索を通るので、関節覚の障害は後索の障害を知る指標になる。

     深部感覚は、関節がどの位置にあるか、どういう方向に動いたかを伝える。
                 
     関節覚には位置感覚と受動運動感覚がある。

     関節覚は四肢末端のものほど侵されやすいので足の母趾が最も侵されやすい

     基本的には受動運動感覚を調べる。

     足趾を足背側、足底に動かせ、理解できるかどうか?調べる。

     検者は、必ず趾を側面からつかむようにして動かす。

     理解できなければヘルニアを疑う。

 2,腱反射を確認(亢進しているか?減弱しているか?) ※少しコツが必要ですが・・・・・

   腱反射の亢進は、反射の中枢よりも上の部位に傷害があることを示す。

   腱反射の減弱または欠如は、一般に反射弓に傷害があることを示します。
  
   ヘルニアの場合は減弱するか?欠如するか?を調べます。

   膝蓋腱反射:中枢L2〜4

   アキレス腱反射:中枢L5 S1、2

   臨床で簡易にヘルニアを調べるのは、

      膝蓋腱反射の減弱あるいは消失は神経根レベルでL4の傷害

      アキレス腱反射の減弱あるいは消失は神経根レベルでS1の傷害

      神経根L5レベルの反射は無し。
        
  3,病的反射を確認

   バビンスキー反射:最も信頼できる徴候 

               求心路はL5~S1、遠心路はL4,5

   バビンスキー反射が存在すれば錐体路の障害になります。

   ※錐体路とは、中枢神経系(脳と脊髄)にある神経伝導路(伝導路)のひとつです。

    正常であれば存在しない反射ですので反射を少しでも確認すれば陽性となります。

    脳と脊髄の神経伝導路の障害を疑う。

    陽性であればしかるべき病院を紹介する。

 4,運動麻痺あるいは筋力の低下を調べる。

   次回に




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2017年09月07日

腰痛(24)

腰痛症

特異的腰痛の問題

いろいろ述べてきましたが、腰椎脊椎板ヘルニアを代表とした特異的腰痛も本当の原因は?です。


一般の腰痛の病因に関しては既に、

患者さんの症状とレントゲン所見はあまり相関せず、約85%の人が原因を特定できない
 
と論旨されています。

つまり多くの腰痛症の原因は不明。

要は、レントゲン背骨の形態変化を原因を指摘する。・・・・という説明には、

特別な科学的根拠がないことが既に多くの人が理解されているようです。

従来まで原因と考えられていた骨の変化による腰痛は解剖学的、構造的な欠陥が原因という

盲目的な指摘は、実際には痛みを引き起こすとは限らないことが(一部にはおこす場合もあるが)、

様々な報告から判明しているという事実が非常に多いという事実です。


それでは、MRIなどの画像診断による腰椎椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄において

一体どのくらいの頻度で見つかるのでしょうか?

椎間板ヘルニアが本当に腰痛の原因となるかどうかを調べる研究(1995年 Boos)では

以下のように報告されています。

「痛みのある椎間板ヘルニアの患者のグループ」と「腰痛のないグループ」において、

それぞれの職業内容・年齢・性差・生活習慣などの条件を同一にしたうえで、MRIを比較した結果、

腰痛のないグループの76%にヘルニアが見つかり、85%に椎間板の変性が認められました。

つまり正常な人たちの7割以上にヘルニアがあるという事実。


この論文が出される以前にも、MRIによる腰痛群と無症状群を比較するという実験は

複数の研究者らによって行われており、いずれの研究においても3〜8割の「無症状ヘルニア」や

「無症状の変性椎間板」が見つかっています。


このため1994年に発表されたアメリカの腰痛ガイドラインでは、

※変形性脊椎症が単なる退行性変化であるのと同じように、変性椎間板、椎間板ヘルニア※

もまた単なる老化のサインに過ぎず、腰痛の原因としては見当違いの所見かもしれない・・・・と

論旨されています。


特異的腰痛の代表である腰椎ヘルニアでさえも症状とMRIとの相関性は不明?

事実としてヘルニアというMRI画像診断は存在するが、腰痛を含む症状との

因果関係は不明ということです。


更にさらに1998年、Wittenburgらは比較試験を厳密に行うことで、

※MRI上のヘルニアと神経症状のあいだには関係がない※を証明し、MRIのみでは

診断できないと結論づけています。


重要なことは、

椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄などの診断に際しては、

臨床所見すなわち患者さんの訴える痛みやしびれの強さ、場所、範囲そして

知覚異常の有無・範囲、筋力低下の有無、腱反射の異常、日常生活における動作の評価など

をきめ細かく精査し、そのうえでMRIと患者さんの症状を照合させ判断する必要があります。

しかしながら今まで述べたように症状とMRIの関係を冷静に突き詰めていくと、

完全に一致することは極めて少ないのが現状のように思われます。


しかしながら現状の臨床ではいまだにMRIに頼った診断が続いています。

当然画像診断と症状が一致する場合も存在しますので画像診断が価値が

全く無いということではありません。

その場合は当然観血的な方法が必要でしょうが、その場ようなケースはむしろ

非常に稀なケースが多いようです。


しかも臨床で困ってしまうのはMRIなどの画像診断で見せつけらると、その画像は

無理なく患者の脳にインプットされます。

そして、今おこっている様々の症状がヘルニアが神経根に起因されている・・・と説明されます。

これは強烈に患者さんの脳内にインプットされます。

そのような事例は腰痛などの症状の軽減に対して大きな障害になっています。


画像診断は事実は事実として存在するという理解のみで良いと思います。

腰痛などその他の症状と因果関係あるいは相関関係はそれほど多くは無い。


いろいろ述べましたが、特異的腰痛の問題点は理解していただきたいと思います。






touyou8syok9 at 21:00|PermalinkComments(0)腰痛 | 特異的腰痛

2017年08月24日

腰痛(23)

腰痛症

特異的腰痛の問題

腰椎ヘルニアなどに特別な薬剤があるわけではありません。

同じように、腰椎ヘルニアなどに特別な治療方法があるわけでもアリマセン。

このように、腰痛症などの軟部組織の疼痛を有する疾患と同様に対処すれば良いのです。

神経根の圧迫という画像診断に特別に恐れる必要はありません。

何度も言いますが、神経の圧迫による症状は無い訳では無いが非常に稀なケースです。

実際、すでに述べた手術療法の適応症でないならば、恐れる必要はありません。

治療方法に少しの工夫あるいは長期の治療期間が必要にはなるでしょうが、

特別に変わった治療方法があるわけではありません。

腰痛症は極めて多い疾患です。(腰痛の原因となる整形の疾患として、蓮江による)

急性腰痛

 外傷、椎間板ヘルニア、筋・筋膜性腰痛、椎間関節症候群、病的骨折、靱帯断裂など

慢性腰痛

 椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、、筋・筋膜性腰痛 姿勢性腰痛、分離・すべり症

 無分離・すべり症、脊椎炎、脊椎腫瘍、脊髄腫瘍、強直性脊椎炎、慢性関節リウマチ

 仙腸関節疾患、股関節疾患など

因みに椎間板ヘルニアは急性腰痛、慢性腰痛のいずれにも分類されています。

筋・筋膜性あるいは姿勢性の腰痛と違うのは脊椎疾患に分類されているようです。


そこで、脊椎あるいは脊柱の機能は大別して三つ。

 1,体幹の支持機構、神経組織の保護、体幹の運動の三つの機能を有する。

    この脊柱に加齢による退行性変化や外傷(外力)が加わり機能破綻をおこし、

    腰痛や下肢痛がおこるとされています。

 2,体幹の支持機構
  
    椎骨、椎間板、椎間関節、靱帯などの受動的な支持機構

    体幹の筋(各種の背筋群、、腹筋群)

 3,神経組織の保護

    脊髄神経の中枢側で脳脊髄神経に浸っている部位

     ※この部位がヘルニア塊で圧迫されれば運動麻痺、知覚麻痺などがおこり
     手術の適応ななるのは仕方が無い。

    神経根は硬膜管より分岐して、椎間孔で末梢神経幹へ移行するまでの

    索状ないし管状の部分。

     ※この部位がヘルニア塊で圧迫されれば運動麻痺、感覚麻痺がおこる。
     今まで述べたように腰痛が引き起こされるのは考えにくい。
     ただし、この部位がヘルニア塊などの機械的変化が加わり、更に軟部組織の運動や
     静脈性鬱血、浮腫、血栓、阻血などで 循環障害が発生し、炎症が更に進むと
     疼痛が発生するのは理解できる。
     それらを含めて炎症の化学的物質により、神経炎を発症し疼痛が出現することは
     納得、理解できる。
     直接神経に炎症を引きおこしている場合は、神経ブロックが有効と思われるが、
     無効の場合は、その他様々な原因がある?
     

 3,体幹の運動

    椎間関節の可動性、脊柱のアライメント、各種の動作による連動運動等々

脊椎、脊柱そのものの機能に着目すれば以上でしょうが・・・・・・

その他にも、

 椎骨、椎間関節と股関節、下肢あるいは肋骨、肩甲骨から上肢への関連

 中枢あるいは神経根から末梢神経への関連

 脊椎、脊柱の体幹の運動から股関節、膝関節、足関節などの運動連鎖

 腰椎ヘルニアが単純に神経根の圧迫と割り切るのは無理があります。

 脊椎、脊柱から全体を考察する必要があるのは当然では?
 
 
神経根性疼痛の発生機序(仮説、蓮江による)と、

腰椎ヘルニア、脊柱管狭窄などは、

 椎間板の変性により線維輪が傷害される。

  (原因は加齢による退行性変化に加え外力、持続的な力など様々)

 その部位に炎症が発生する。

 線維輪外層に存在している痛覚受容器が刺激され、痛みが発生する。

 傷害された椎間板あるいはヘルニアとして脱出した組織からは様々な炎症性物質が

 放出される。

 そして周囲の軟部組織これらの器質的変化が痛みを発生する。

  (ヘルニアその物は吸収される場合も多い。したがって慢性化すればするほどヘルニア塊は
   吸収され減少する? したがって圧迫がそのものが原因ならば慢性化しない?)

 椎間板の変性は二次的に椎間関節のストレスを増大させます。

 (安静、休息しない日常生活あるいは業務形態によりストレスは常にかかっている?)

 硝子性軟骨を傷害し、炎症を形成し、痛覚受容器を更に興奮させる。

 (椎間関節周囲における、靱帯、筋、筋膜などは日常動作などにより機械的刺激、
  炎症の化学的刺激により痛覚受容器は更に興奮する?)

 一方、画像診断での問題となる神経根は、ヘルニアなどの機械的変化が加わり、

 ヘルニア周囲には、静脈性鬱血、浮腫、血栓、阻血などの循環障害が発生し、炎症と進む。

 加えて、交感神経系の影響も加わり、疼痛伝達系全体への異常興奮状態ができあがる。

 (炎症物質により直接神経に神経炎が発症し、更に化学的刺激により疼痛が出現することは、
  納得、理解できる。この場合は神経ブロックが有効に思われる。)

となっています。

 (更に心理的な影響による以上興奮性が高まる状況を作り上げる?)


椎間板ヘルニアは単に椎間板の変性によるヘルニア槐が存在するか?存在しないか?であり

そのヘルニア槐も時間経過とともに自然に吸収される場合も多い。

また、ヘルニア槐が存在する人でも腰痛を全く訴えない人も多い。

ヘルニア槐の圧迫により単純に疼痛が発症するとは到底納得、理解できない。

ただし、ヘルニア槐が存在する人は通常の人よりは機械的、化学的刺激により

炎症などが引き起こされ易く、腰痛の再発という経過を容易に引きおこしやすい?と思う。


臨床では、通常の腰痛症の発生機序と何ら相違はないので、治療の工夫は必要でしょうが、

特別な治療法があるわけでは無いのは当然?



touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0)腰痛 | 特異的腰痛