2008年03月

2008年03月07日

関節はなぜ痛む?(察

筋ー筋膜性機能異常と疼痛の原因になる筋スパズム、筋不全について述べました。

今回も日常よく遭遇する、

○筋硬結

筋硬結とは?

文字通りに筋ー筋膜に硬い「しこり」が、肉眼でも触診でも触れることができます。

○索状硬結
 筋の短縮と関係がある骨格筋ー筋膜に触れるとピンと張ったロープ状の「しこり」。
 組織学的には結合組織内に浮腫と血小板凝集が見られる筋繊維炎を認められます。
 ここを圧迫すると痛みが生じると同時に、そこから離れた部位にも持続的な痛みがでます。
 この痛みを関連痛といい、過敏になると交感神経症状がおこります。
 このような索上硬結内の圧痛点を、筋ー筋膜性トリガーポイントと呼んでいます。
 トリガーポイント=発痛点という意味です。

このような状態は、臨床では日常的にみられます。特別珍しくはアリマセン。
圧痛、関連痛や筋ー筋膜性のトリガーポイントが原因となって疼痛を生ずる症候群を、
一般的に、筋筋膜性症候群(MPS)として呼ばれています。

<痛みの原因>
 ○急性あるいは反復性ストレス、筋肉の使いすぎにより帯状の「しこり」が存在します。
  
 ○筋の緊張が高まる。→機械的痛覚受容器が分布する筋ー筋膜に無理な力が加る。→
  痛む。

 ○筋収縮のため血管が圧迫されると、筋肉への血流の障害が加わり、ブラジキニンやプロスタグランジンなどが産出され化学的受容器が刺激され一層痛みます。

 ○痛みによって交感神経が働き血管が収縮し筋への血流障害がますます強くなり虚血する。
  虚血になれば持続性収縮(スパズム)は強い痛みを発しさらに反射性スパズムを引き起こし、
  ますます交感神経活動が優位に働く。
  筋スパズムが長期感続くと、悪循環で筋自体の痛みの原因となってしまいます。
  虚血がつづけば筋組織が損傷しさらなる筋硬結が生じてしまいます。
  筋スパズムと筋硬結は一心同体的な部分があります。
 
 ○筋肉の収縮が強まり攣縮に移行するとなおいっそう痛みます。
 
<症状>
 ○画像診断、病理検査、血液検査で、異常所見が見当たりませんが、痛みを訴えます。
  亜急性または慢性に圧痛と関連痛を訴えます。
 
 ○急に筋肉を動かしたり、寒さにあったり、情動不安定に陥ったり、トリガーポイントを持つ
  筋肉痛の緊張亢進が持続する機械的受容器の痛覚線維が興奮して反射性筋収縮と
  血管収縮による反射性筋肉痛が加わる。
  交感神経優位性による痛みの症状が強くなります。

 ○痛み以外の症状としては、筋の短縮、筋力低下、関節可動域の減少などがおきる。
 
 ○回復期に入ると、筋筋膜痛症候群の発痛点の自発痛はなくなるが、数年間潜在性
  トリガーポイントとして残ってしまい、トリガーポイントを圧迫すると関連痛が現れ、
  筋筋膜症候群の自覚症状として残る。
  亜急性期→安定期→慢性期と移行しても自覚症状として残ってしまう場合もあります。

<筋筋膜性症候群(MPS)の診断基準>
 ○必須事項
  筋に触れられれば索状硬結を触診できる。
  索状硬結内に鋭敏な圧痛点が存在する。
  患者の痛みの愁訴は、硬結内の圧痛部位(活性型トリガーポイントと同定される部位)を 
  圧迫したときに認知される。
  受動的にストレッチさせようとしても、痛みのために可動域制限がかかる。
 ○確認すべき観察事項
   局所単収縮反応を肉眼的あるいは触診で同定する。
   圧痛点に針を刺入すると単収縮が生じる。
   圧痛点を圧迫すると、筋肉内のトリガーポイントから予測できる部位に、痛みあるいは
   患者が感じていた感覚が再現される。




touyou8syok9 at 08:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0)関節はなぜ痛む? 

2008年03月05日

関節はなぜ痛む?(此

神経骨格筋の機能異常の中でも筋膜ー筋性の疼痛が非常に多い。
前回は筋スパズムに述べました。

今回は

○筋不全について

皆さんは、筋不全にどのようなイメージをもたれますか?
重篤な筋ー筋膜の異常と思われましたか?

筋不全とは?

筋は収縮と弛緩を繰り返す事が主な作用です。
収縮機能の低下→筋力低下
弛緩機能の低下→筋の柔軟性が失われ硬直してしまう。→筋ー筋膜の短縮
このように、筋力の低下や筋ー筋膜が硬くなってしまった状態を筋不全といいます。
日常の臨床で多く遭遇されます。

筋不全になる理由

1、長期にわたって同一肢位に固定される。
  骨折などの場合2関節に渡って固定されますので極端に現れますね。
  拘縮あるいは、筋力低下、筋の短縮がおこります。
  手術などの場合は筋の永久的な短縮もおこりますね。
  
2、疼痛性肢位(逃避性肢位)
  疼痛を避けようとする肢位を続けているとおこります。

3、習慣性肢位(適合性肢位)
  慢性化化している痛みや関節可動域の減少によく見られます。

4、その他
  脳梗塞などの脳血管障害の後遺症等など

筋不全はこのようにおこるのですが、
当然、筋不全におちいった筋ー筋膜の疼痛や機能不全だけでなく、その周囲に関連する
関節の疼痛や可動域の減少、関節運動も制限されます。
その結果、関節の拘縮や廃用性萎縮などにもつながっていくのですね。
そこまで進行しなくても、日常的な疼痛は、
弱体した筋に過剰な力や負荷が加われば、当然痛みを引き起こします。
硬くなった、短縮した筋ー筋膜が過剰に伸ばされれば、当然痛みを引き起こします。
そして、また更なる損傷を引き起こし、痛みや各種の障害を引きおこします。
痛みの悪循環ですね。ますます悪化し、慢性化への道を進むわけです。


さて、
急性期の症状の痛みなどの進行が落ち着くと次に亜急性期に入ります
亜急性期には痛みや炎症などの病進行がとまり治癒に向かおうとする転機の時期です。
このときも、重要なことは、焦ってせっかく治癒する過程を防ぎ、また急性期に戻さない事です。

焦ってまた再発あるいは悪化させてしまった。という経験はありませんか?
痛みがすこし楽になった状態ですね。
損傷の程度が軽ければ、そのまま治癒にまっしぐらに進むのでしょうが、
何度も損傷している部位や関節はモチロン、慢性化して悪化を繰り返していたり、
年齢的に もともと脆弱化している関節などのばあいは充分な注意が必要です。

筋不全を予防しようとして、悪化をさせてはイケマセン。
亜急性期における最も重要なポイントです。
皆さんが症状が改善していたと感じられても、無理な運動や過剰な刺激は禁止です。

筋ー筋膜は、生理的に弛緩する機能があって始めて他動的に伸張できるのであり、
もし、筋ー筋膜が最初に充分に弛緩しなければ、伸張しても効果がなく、損傷を起こします。

また、
筋は収縮と弛緩作用が伴ってこそ筋力を発揮できます。
筋は最大弛緩されてこそ最大の筋力が発揮できます。
痛みを与えない治療などで筋ー筋膜を柔軟にし、関節の可動域を少しでも改善させてこそ、
トレーニングやエクササイズが有効になります。
侵害刺激である疼痛刺激を与えたり、、痛みをがまんしてのトレーニングやエクササイズは、
何の効果がないばかりか損傷や炎症を引き起こし、悪化の原因になります。

皆さんがご自分で安全に行う手段としては、
負荷をかけずに痛くない方向に、痛くない範囲で動かす。
あるいは損傷部位は動かさず隣接関節を動かす等など連動関節、筋連結を利用する。
損傷部位は必ずアイシングしながら動かす、また動かした後は必ずアイシングの実行が必要です
様々な方法はあります。
急性期と同じように大切に優しく、壊れ物を扱うようにしてください。

間違っても痛み刺激を与えてはイケマセン。
間違っても損傷部位に直接的な刺激を与えてはイケマセン。
他動的、自動的でも、痛みをこらえての無理やりの運動は絶対禁止。
注意してください。
間違っても急性期の状態に戻さないように。お願いします。

次に亜急性期が過ぎると安定期に入ります。

つづく



touyou8syok9 at 08:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0)関節はなぜ痛む? 

2008年03月03日

関節はなぜ痛む?(后

われわれの臨床の対象となる神経筋骨格系の機能異常の関節の痛みにおいて、
一番多く遭遇するのが、筋ー筋膜性による疼痛でしょう。

まず筋スパズムによる痛み。

○筋スパズムとは?

単純な言葉の意味では、スパズムとは痙攣(ケイレン)の事です。
つまり、筋スパズムとは筋痙攣のことになります。
筋クランプによる不随的な局所の突発的な筋収縮による筋の痙攣です。

身体において筋スパズムがおこるのは疼痛刺激によるものが多く、
脊髄反射の求心反射作用により起こるとされている。
深部の痛み→持続性の筋収縮→反射的収縮深部の痛み→反射的収縮、
という悪循環をくりかえします。

痛みが先か?筋スパズムが先か? まるで鶏が先か?卵が先か?よくわからない?
実際なかなか定説はないのですが、
臨床的には、痛みの悪循環の一つとして理解すれば良いでしょう。

筋スパズムは捻挫や打撲、肉離れなどの明らかな外傷後はモチロン、ギックリ腰などのような
筋そのものにもおこるし筋膜の損傷によってもおこる。
また繰り返し動作等の障害により、その他の組織の損傷によってもおこります。

つまり急性に発症し、損傷によっておきる場合は、 運動を制限したり大変強い疼痛を伴い、
損傷した部分が敏感に反応して疼痛を発する。

あるいは損傷した局部の限局した部分が敏感ではなくても動かそうとすれば痛。

対処法としては、

外部からの侵害的な刺激を与えない。疼痛刺激を避ける。
つまり機械受容器をなるべく反応させないこと。
少なくとも安静にしていれば、一次的な鋭い強い疼痛は軽減します。

次に
鈍い疼くような疼痛や自発痛の原因となる、二次的におこる炎症反応による
化学的受容器をなるべく反応させない事。

受傷直後あるいは急性期の疼痛にするべきことは、
直ちに適切な位置に保ち、損傷の拡大を最小限度に抑える。
捻挫、打撲、肉離れ挫傷のような軟部組織の処置のRICEに従う。
Rest(安静)、Ice(氷冷)、Commpression(迫)、 Elevasion(高挙)に準じる。

このように受傷直後や急性期においては、
たとえ、内出血や腫脹や熱感などの症候が見当たらない、微細損傷であっても、
絶対に侵害刺激や温熱療法は避けるべきです。

急性期の疼痛の治療は、軟部組織の治癒過程を助けることを目的とします。
間違っても、局所を揉んだり、お風呂などで温めてはイケマセン。
たとえ、その時気持ちが良かっても、次の日はアウト。
急性の「寝違え」「ギックリ腰」でこの間違いがとっても多い。
次の日は全く痛みで首が回らない。首が疼く、腰が全く痛みで動かせない。腰が疼く。
こんな経験はありませんか?
もし、揉んで、温めて楽になった場合は、単純な疲労が原因だったのでしょう。
ラッキーでした。

だって、急性期の損傷部を揉んだら、ますます損傷部が広がるでしょう。
あなたは、損傷した傷口にわざわざ指をいれて傷口を広げますか?
あなたは、炎症を起こしているあるいは起こそうとしている部位をわざわざ温めますか?


このような理由でとにかく急に痛みが発生した場合は、RICEの処置に準じるのが無難です。

急性期が過ぎ→亜急性期→慢性化すると損傷組織は瘢痕治癒して、
筋スパズムや筋組織の短縮など筋膜ー筋などの機能異常がのこり、痛みの悪循環を生じる
原因となる。

つづく




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