2008年12月

2008年12月29日

脊柱について(后

腰の筋の治療

<腰椎>

まず腰椎の形状から

腰椎の椎間板は椎体の3分の1の厚みを持ち可動域を増やす役目を持っている。

棘突起は比較的短く後方に直線的に突出しています。

腰椎間関節となる、上関節突起は内方に向き、下関節突起は外方に向いています。

結果として腰椎の運動は

回旋は大きく制限されるが、屈曲、伸展、側屈は容易に行えます。

 腰椎全体の屈曲は45度、伸展は45度
 最も大きな可動性は腰椎4−5番 腰椎5番ー仙骨1番レベルですが
 腰仙骨関節の腰椎5−仙骨1番は屈曲よりも伸展方向に大きな可動性がある。

 側屈は平均20度、回旋は10〜15度
 腰仙関節では、側屈はほぼ0度です。


腰全体は前弯しており、それぞれの腰椎レベルでスムーズな弯曲を描いています。

ただし、65%の前弯が腰椎4番と仙骨1番との間にて構成されています。

特に腰椎5番と仙骨1番の角度を腰仙角と呼び正常では約30度とされています。

仙骨は骨盤を形成している一部分です。
骨盤は仙骨と一体となり動いていますので、仙骨と関節を作る腰椎は、骨盤の影響をもろに受けることになります。
一般的には骨盤の前傾と呼んでいます。腰仙角と同義的に用いられているようです。

骨盤の前傾が強くなると、それにつれて腰椎の前への反り(前弯)が強くなり、
おなかが前に、お尻が後に突き出た格好になります。
このような格好を一般的に「スウエーイバック」と呼んでいます。

つまり腰仙角が増大すれば前弯が増大し、腰仙角が減少すれば前弯も減少します。

この腰仙角は姿勢の土台となるとされています。

 平背:脊柱のS字カーブが目立たず背すじが真っ直ぐな姿勢 腰仙角20度
 凹背:背なかがへこんでお尻のでっぱた姿勢 腰仙角40度
 円背:背なかが丸くなった姿勢 腰仙角20度
 凹円背:脊柱のS字カーブが強まり、おなかが前に出てお尻が後に出る姿勢
     腰仙角40度

ついでに

<仙骨>

5つの仙椎が骨結合して1個の仙骨のなり、骨盤の後壁を形成しています。
上端の仙骨底は椎間円板を介して第5腰椎と連結しています。

<骨盤>

骨盤は左右の寛骨(腸骨、坐骨、恥骨からなる)、仙骨および尾骨からなる。

仙骨は寛骨の腸骨の耳状面とで関節面を作っています。
半関節といって、可動性はきわめて小さい。
ただし妊娠時には、関節の靭帯を緩める「リラキシン」というホルモンが分泌し
可動性が拡大します。
このホルモンは、椎間関節の靭帯にも作用し椎間関節を緩めます。

また左右の恥骨は恥骨間円板による線維軟骨性結合になっています。

寛骨外側にある関節窩を寛骨臼といい、人体の骨格の中で最大の管状長骨である
大腿骨の大腿骨頭と股関節をつくります。

股関節は屈曲、伸展、外転、内転、内旋・外旋運動を行う。
股関節の可動域は膝関節の肢位に依存します。


さて脊柱の腰の腰椎、仙椎(仙骨)の動きの筋・筋膜は当然として、

腰椎、仙椎、骨盤の動きに関連する筋

そして股関節、膝関節、足関節の筋へと連動していくわけです。

治療としてこのことを忘れてはいけません。

次回は主に腰椎に関連した筋を述べてみます。
次回は平成21年になります。


皆さんの今年1年間はどのような年だったでしょうか?
このブログも、なんと1年以上つづけることができました。
なかなか各論まで進みませんね。申し訳アリマセン。
ただし、ハウツー物は応用が利きません。
○○病には、この治療法が一番だなんてことはありません。
治療には原理原則が重要だと思っています。
症状が軽減し、病が治るには、一定の治療期間と工夫と少しの努力が必要ですが、
原理原則さえ知れば、そんなに難しいことではないと思っています。

今年の一言は「変」でしたね。 昨年は「偽」でしたね。
「偽」の原因が「変」の結果に変化しただけの1年でしたね。

サムプライズ問題の「偽」、食品問題の「偽」、原油高の「偽」、総理の「偽」など
最後の年末には大手ハンバーガー企業によるサクラによる行列の「偽」そして、
責任者の言い訳も「変」は今年の象徴的な出来事でしたね。
それらすべてが吹き出しての結果の「変」であった1年間のような気がします。

人間としての道徳観念や企業としての企業理念や商売理念の欠如の結果ですね。
我われ施術する立場の人間も治療理念を肝に銘じなければいけない年でした。

来年も少しの痛みは伴うでしょうが、
全ての「変」が吹き出て「誠」になれば良いと思っています。

このブログが皆さんの健康への「誠の一歩」になれば良いと思っています。

平成21年が皆さんにとって健康で幸多い年でありますように。

来年もよろしくお願いいたします。


touyou8syok9 at 19:27|PermalinkComments(0)TrackBack(0)腰椎 

2008年12月25日

脊柱について(検

胸椎と胸郭の筋・筋膜

まず胸郭の筋を忘れてはいけません。

浅胸筋:大胸筋、小胸筋、鎖骨下筋、前鋸筋すべて胸郭から起こり、
    上肢帯または上腕骨に停止します。

深胸筋:内肋間筋・外肋間筋、肋骨挙筋、胸横筋、肋下筋、最内肋間筋
    肋骨自体を動かし、呼吸筋として働きます。

横隔膜:起始部により腰椎部・肋骨部・胸骨部の3つに区分されます。
    呼吸をつかさどる最も重要な呼吸筋です。
    胸腔と腹腔の境になる膜状の筋です。

胸郭の運動には呼吸が大きく関わってきます。

○胸郭の左右方向の拡大。

 胸郭の横径が増大する運動で、主に下位肋骨の運動による。
 胸郭下部の拡張は横隔膜を伸張し、その収縮力を増大させます。

○胸郭の前後方向の拡大。

 胸骨を前上方に押し上げる運動で、主に上位肋骨の運動による。
 胸郭の縦径を増大させます。

○胸郭の上下方向の拡大。

 主に第1、第2肋骨の挙上と横隔膜の収縮(下方移動)運動による。
 胸郭を拡大させます。


呼吸の関連筋は?

呼吸筋としては、肋骨自体を動かす深胸筋と横隔膜が大きく関わります。

呼吸補助筋としては

 胸鎖乳突筋(胸骨と鎖骨の挙上)
 斜角筋群(第1、第2肋骨の挙上)
 大胸筋・小胸筋(肋骨の挙上、胸郭の拡大)
 腹横筋(腹圧の上昇、横隔膜の押し上げ)
 内・外腹斜筋(腹圧の上昇、下部肋骨と胸骨の引き上げ)
 僧帽筋と肩甲挙筋(上肢帯の引き上げ)などがある。
 上後鋸筋(肋骨の挙上、胸郭の拡大)
 脊柱起立筋(肋骨の挙上、胸郭の拡大)


胸椎に関連する運動筋は?

胸椎自体の固有の運動筋
 横突棘筋群の胸半棘筋、多裂筋、胸回旋筋、
 短背筋の棘間筋、横突筋など

脊柱起立筋として、頚部、腰部と関連した動き
 最長筋の頭最長筋・頚最長筋・胸最長筋
 腸肋筋の頚腸肋筋・胸腸肋筋・腰腸肋筋
 棘筋の頭棘筋・頚棘筋・胸棘筋

浅背筋として胸椎との関連
 僧帽筋、広背筋、大菱形筋など
 それぞれの筋の起始が胸椎の棘突起からおこり上肢帯あるいは上腕骨に停止。

以上の筋との関連性が大きく習慣性側弯などにも影響を及ぼす。


どうでしょうか?

手技ができる筋・筋膜がみえてきましたか?



touyou8syok9 at 08:46|PermalinkComments(0)TrackBack(0)胸椎 

2008年12月22日

脊柱について(掘

胸椎

特徴は胸郭があるために動きは回旋が主体だと述べましたね。

もう少し特徴を述べてみましょう。

胸椎自体の構造は

胸椎と胸椎の椎間関節面は椎体を中心を軸とした円を描くような動きができるように形成されています。

構造的に、棘突起は長く下方に伸びているので過伸展を防いでいます。

椎間板の厚みも薄く腰椎の6分の1しかアリマセンのでますます動きが少ない。

椎体間の関節の間隔が狭いうえに、後方では棘突起が伸展の邪魔をしているのです。

当然、屈曲・伸展・側屈が悪く、回旋の運動が主体となってしまいますね。

胸椎全体としては、胸椎5、6番は胸椎の後弯が出るところです。
これは、脊柱が伸張するためにも重要な部位になります。
頚椎の前弯、胸椎の後弯、腰椎の前弯でしたね。
もし、首から腰までもし真っ直ぐならいったいどうなるのでしょうかね。
本当にうまくできています。

次の特徴として、胸椎は胸郭を構成しているということですね。
胸郭は胸骨・肋骨・胸椎で構成されています。

胸椎は胸郭の一部を構成している肋骨が接触していますので、可動性が制限されます

特に胸椎1〜7番までの可動性は小さい。
原因は肋骨(真肋骨)が直接に胸骨と連結しているので、わずかな可動性を生じる肋軟骨が短いためです。

第8、9、10肋骨(偽肋骨)は胸郭を構成している胸骨と面している第1〜7肋骨と比べると、肋軟骨が長いために、第8〜10肋骨の可動性は大きい。

第11、12肋骨(浮遊肋骨)は、胸の前部ではどの面にも接しません。
したがって、胸椎11番と12番の動きが最も大きい。
腰胸移行部でもあり、椎体骨折の多い部位です。


いったいどのような筋・筋膜が治療のポイントなのでしょうか?




touyou8syok9 at 17:53|PermalinkComments(0)TrackBack(0)胸椎 

2008年12月18日

脊柱について(供

頭部・頚部の主な筋・筋膜の治療のポイントは?

どのような筋・筋膜がストレスがかかりやすいのでしょうか?
いいかえれば、障害されやすい筋・筋膜は?

頚部の後部の膨らみはどこにありました?

後頭―環椎―軸椎の領域と頚椎下部(頚椎6番から胸椎1番)にありましたね。
これは伸筋のふくらみでもあります。

頚部の前部の膨らみはどこにありました?

頚椎中間部(頚椎4番と頚椎5番)の前弯の頂点になる部分にありましたね。
これは屈筋の膨らみでもあります。
 
頚部の後の伸筋の膨らみに注目すると、

後頭―環椎―軸椎の領域は主に頭部を伸展する筋になります。
 
 頭部の短い伸筋:大後頭直筋、小後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋
 頭部の長い伸筋:頭最長筋、頭板状筋、頭半棘筋

頚椎下部の伸筋は、主に頚部を伸展する筋になります。

 頚部の短い伸筋:、頚半棘筋、頚棘筋、多列筋、棘間筋、横突間筋など
 頚部の比較的長い伸筋:頚板状筋、頚最長筋、頚腸肋筋など

また頚部全体として、伸筋の長い筋群は、
 頭板状筋、頚板状筋は長い頭部の回旋筋になるのですが、
 両側で作用すると伸展にも作用します。

 僧帽筋や肩甲挙筋を含む上部胸椎の筋群は頚椎の伸展、側屈および
 回旋をおこなう筋になります。

頚部の前の大きな膨らみの筋は、頚部の屈筋になります。

頭部・頚部の椎骨の前に付着する屈筋群である椎前筋群は残念ですが、
体表からは触れることはできない深部筋とされています。
代表的な椎前筋として、

 頭部の屈筋として、頭長筋、前頭直筋と外側頭長筋
 頚部の屈筋として、頚長筋

体表から触れることのできる、頚部の屈筋として代表的な屈筋は

 前斜角筋・後斜角筋・中斜角筋の斜角筋群、胸鎖乳突筋
 斜角筋群は胸鎖乳突筋と僧帽筋の間に触れることができます。


このように考えると、ターゲットが絞られます。

実際に我われが治療に利用できる筋・筋膜が見えてきます。

首の動きは、頭と頚部の動きの合成です。

関節自体の構造としてストレスのかかりやすい部位は?

その関節を動かす、筋・筋膜のストレスはどこにかかりやすいか?

その主体となる筋はどの筋か?

その筋の性質は?

その筋の起始と停止は一体どこにあるか? 触れることのできる部位は?

いかがでしょうか?

ターゲットが見えてきましたか?








touyou8syok9 at 08:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0)頚椎 

2008年12月15日

脊柱について(機

今回は頚椎に注目してみましょう。

<頚椎の形とストレス部位を考える>

頚椎は全体には軽く前弯しています。

 (脊柱全体にはS字状の形態をしており、
  頚椎の軽い前弯ー胸椎の軽い後弯ー腰椎の軽い前弯でしたね。)

次に、頚椎の筋のふくらみの部位について考えると、
 
頚部と頭部の主な後部の伸筋のふくらみは

 後頭部ー第1椎骨の環椎ー第2椎骨の軸椎部と第6、7頚椎ー胸椎連結部です。

 これらの部位が主なストレスを受ける部位になります。

一方、頚部の前の屈曲のふくらみは、

頚椎4番、5番、6番のスペースで主な屈曲がここで起こります。
 
つまり頚椎5番が、頚部の最大前弯カーブの頂点の部位になるわけですね。

つまり、頚椎の形状のである前に凸後ろに凹の最大の部位になります。

すなわち後部の椎椎関節のスペースが少なくなる部位です。

したがって、頚椎の後部においては、頚椎4番、5番、6番の間の椎体間関節後部にストレスが一番多くかかることになります。

頚椎の後部に骨のトゲができ(骨棘)易い部位にもなります。
頚椎の安全作用の椎間板にも大きなストレスがかかりやすい部位です。
脊椎を通っている神経にも様々なストレスがかかります。
当然、筋・筋膜にも大きなストレスがかかっています。

また、力学的なストレスはカーブの変化する時点でも大きくなります。

したがって頚椎4番5番6番の異常による○○症です。・・・・・
あるいは、椎間板ヘルニアの圧迫による○○症です。・・・・・・
あるいは、後縦靭帯硬化症による○○症です。・・・・・・・・
あるいは頚椎5番の神経根の圧迫による○○症でしょう。・・・・
と診断された人が多いのではありませんか?

年齢が高くなるにつれて頚椎6番7番の異常が出やすいとされています。

その理由は不明とされていますがカーブの終点と考えればストレスもかかるでしう。

頚部の最終である、頚椎7番は、胸郭を形成する胸椎1番との連結部であるために、
肋骨が付着し急激に動きが止められるためにストレスがこの部位でかかりやすい。

また胸椎1番と第1肋骨の第1肋骨椎骨関節は肩関節の構造一部分を構成しており、
肩関節自体の動作の影響を大きく受けます。

したがって、頚椎全体の動きが止められ、肩の動きの影響を受けるため、さらに
頚椎7番と胸椎1番の椎間関節も非常に大きなストレスを受ける部位になります。

ということで、

<頚椎の傷害部位>

頚椎の傷害が多く発生しやすい部位は、

 頚椎4−5番の椎間関節の間

 頚椎5−6番の椎間関節の間・・・・最も多くの傷害を受けやすい。
                 
 頚椎6−7番の椎間関節の間

 頚椎7番ー胸椎1番の椎間関節の間

 になるのです。


どのような筋が付着しているのでしょう。






touyou8syok9 at 09:13|PermalinkComments(0)TrackBack(0)脊柱 | 頚椎

2008年12月11日

筋・筋膜に対する治療(勝

脊柱は、どの部分に障害がおこりやすいのでしょうか?

軟部組織移行部が重要になります。

それは一体、なぜでしょうか?
最初は、大雑把に見てみましょう。

軟部組織移行部は動きと形態の違いから非常に大きなストレスにさらされます。

さて脊柱の動きはどうなっているのでしょうか?

 ○前後:屈曲・伸展
 ○左右:側屈(左側屈・右側屈)・・・対称性
 ○回旋:左回旋・右回旋・・・・・・対称性

つまり、頭、胴体、腰、骨盤に動きを作っていましたね。

<頚椎>
 頚部は全体として屈曲、伸展、側屈、回旋が可能です。
 ↓
 ↓全体として自由度の高い頚椎の動きから、急に動きの悪い胸椎に移行する。
 ↓
<胸椎>
 側屈、回旋、ある程度の屈曲と伸展が可能ですが、
 胸椎は胸骨・肋骨により胸郭を形成し、単一構造である胸郭としての運動が
 あるため前後の動きよりも回旋運動に有効な構造になっています。
 ↓
 ↓屈曲・伸展がわずかで回旋が主体の胸椎から、
 ↓回旋できないが屈曲・伸展が大きい腰椎に移行する。
 ↓
<腰椎>
 腰椎は屈曲、伸展、側屈は可能であるが、回旋はほとんどできない。
 ↓
 ↓動きのある脊柱から硬い骨盤へ移行します。
 ↓
<仙骨・尾骨>
 不動関節で骨盤の後壁を形成する。
 仙骨は外側では腸骨と仙腸関節という関節を構成し、かつ骨盤を形成して
 可動性を支持しています。

脊柱全体としての構造と形態が移り変わり動きも移り変わります。
 
 頭部→頚椎への移り変わる部分:後頭下関節
 頚→胸椎への移り変わる部分:頚椎・胸椎移行部
 胸椎→腰椎への移り変わる部分:胸椎・腰椎移行部
 腰椎→仙骨へ移り変わる部分:腰椎・仙骨移行部
 仙骨→骨盤へ移り変わる部分:仙腸関節
 骨盤→大腿骨に移り変わる部分(股関節になりますが)
 
これが軟部組織移行部の重要性ですね。

ストレスがダイレクトに伝達される部位ですね。

関節の移行部を構成する軟骨や椎間板、靭帯など直接大きな負担がかかります。

当然、これら軟部組織移行部に付着し動きに関連する筋・筋膜も非常に大きな
ストレスがかかります。

治療のポイントになる部位ですね。

次回は、もう少し細かく観察してみましょう。




touyou8syok9 at 08:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0)脊柱 

2008年12月08日

筋・筋膜に対する治療(宗

筋・筋膜の治療に対する治療手技の指針として
いままで述べたことを簡単にまとめると

○重心線による力のモーメントによる筋・筋膜を観察

○筋のタイプによる筋・筋膜を観察

○筋のタイプと姿勢のタイプによる筋・筋膜を観察

 姿勢は二本足による重心線による力のモーメントが主な原因でした。

以上を観察することにより、

どの筋・筋膜をターゲットにして、どのように対処するかを考える。


その他にも、臨床で重要なポイントになる部位があります。

それは、軟部組織移行部です。

解剖学的に構造が移っていく部位や動きが変化する部位あるいは
力の方向が変わる部位などはストレスにさらされ傷害しやすくなります。

代表的な例では、人体の継ぎ目である部位の各関節がありますね。

上肢においては肩関節、肘関節、手関節、指関節など
下肢においては、股関節、膝関節、足関節、足の指の関節などです。
これらの関節は、外傷で傷害するのは当然ですが、さまざまなストレスにさらされ、
関節自体の骨や軟骨が傷害を受け、それを動かす筋・筋膜が傷害を受けたり、
筋・筋膜のタイプにより、傷害を受けるのは理解できますね。
これらは、いずれ各疾患と治療ということでお話します。
(一体いつになるかはわかりませんが・・・・・・・・)

今回は、身体の骨格の中心である脊柱についてどの部位が傷害を受け易いのか?
少し述べたいと思います。

筋は骨を動かす重要な器官系でしたね。
骨と筋を含めて運動系器官でしたね。

脊柱のどの部位が傷害を受けやすいのでしょうか?
それには少し脊柱の構造について少し知っていただきたい。

脊柱の背骨は32〜35個の椎骨という骨のつながりから出来上がっています。

つまり大げさにいえば、
32〜35の関節があり、全てにさまざまなストレスが加わる部位であります。

脊柱にある骨は「椎骨」(ついこつ)と呼ばれています。

首にある「頚椎」、背中のところにある「胸椎」、腰のところにある「腰椎」、
骨盤を構成する「仙椎」・「尾椎」があります。

「頚椎」は7個、「胸椎」は12個、「腰椎」は5個、の計24個がつながり、
「仙椎」は5個あるが全体として一個の仙骨。
「尾椎」は3〜6個があるが全体として一個の尾骨。

このように脊椎は32〜35個の椎骨で全体で脊柱を構成しています。

椎骨の「頚椎」は頭部の頭蓋骨とつながっています。

椎骨の「胸椎」は肋骨、胸骨で胸郭を形成しています。

仙骨の「仙椎」は寛骨(腸骨・恥骨・坐骨)と仙骨、尾骨(尾椎)により、
骨盤を形成しています。

骨盤は大腿骨と股関節を形成し下肢へとつながっていきます。


●脊椎の機能

 ○支持性:しっかり体を支えます。
      頭部および上半身を腰から骨盤、足にまで伝えて支えています。
 ○可動性:前後、左右、回旋などの動きを可能にします。
      つまり、頭、胴体、腰、骨盤に動きを作っています。
 ○神経の保護:脊柱菅内を脊髄(脳から続いている重要な神経)を取り囲んで、
        外力から守りっています。
      
●背骨は全体ではS字状になってバランスを上手にとっています。
 
 「頚椎」の部分では前方に、「胸椎」では後方に、「腰椎」では前方に、
 「仙椎」・「尾椎」では後方に凸型のカーブを描いています。
 
 全体として「S字型」を呈しています。なぜでしょう?

  実は「バランス」や「クッション」をとっているのです。
  前後に3つのカーブを取ることによって
  バランスの良い「たわみ」を持っているのです。
  この「たわみ」が大事なのですね。
  人間の体は本当によく出来ていると感心します。

 重心線は、
  成人の基本立位でにおいて、頚椎1番の前面から頚椎6番までは椎体の中を
  通り、 頚椎7番を出て各胸椎の前側を通り、腰椎2〜5番の椎体内を通り、
  仙骨上前縁の 岬角に至り、再び仙椎、尾椎に前側を通り骨盤内から、
  足関節の前に至る。
  
 S字状の形態によるバランスの異常がおこると、様々な障害が起こります。
 このバランスは姿勢という意味でも当然重要なポイントであります。
 これは前回まで述べています。


今回は身体に対する、

脊椎の機能の支持性・可動性・神経の保護に注目して述べてみます。

一体?このように非常によくできている脊椎のどこに傷害が起こしやすい
部位があるのでしょうか?

椎骨自体の軟骨や椎間板や靭帯などの障害の受けやすい部位にもなります。

その部位は筋・筋膜の障害を受けやすい場所になります。

つまり、治療のポイントにつながります。






touyou8syok9 at 08:39|PermalinkComments(0)TrackBack(0)筋・筋膜に対する治療 | 脊柱

2008年12月04日

筋・筋膜に対する治療(次

筋・筋膜を治療するためには、筋のインバランスと姿勢のタイプの関連性を
知っていると、目的とする筋・筋膜が理解しやすいです。

姿勢にはさまざまな姿勢が紹介されているようです。

ここでは、(Kendel,et al,1993)による、代表的な3種類の
姿勢のタイプと筋のインバランスを紹介いたします。

○後弯型(Kypholordotic)

 骨盤の前方変移の代償で起こることが多い。
 骨盤が前方回旋変移(前屈)を伴うと、腰椎は前弯亢進をおこし、
 胸椎は上部〜中部が屈曲変移をおこし、全体的には後弯亢進となる。
 このパターンが、一般に「腰椎前弯亢進と胸椎後弯姿勢」と呼ばれている。
 下部交差症候群のおこる変移です。

 <アライメント>
  頚椎の過伸展と頭部前方位
  肩甲骨の外転
  腰椎前弯の増強、胸椎の後弯
  骨盤の前傾、股関節屈曲、膝関節過伸展
  頭部は常に身体の前方にある。
 
 <短縮と優勢筋>
  頚部伸展筋群、股関節屈筋群
  もし肩甲骨が外転していれば、前鋸筋、大胸筋、小胸筋、僧帽筋下部線維

 <ゆるみと劣勢筋>
  頚部屈筋群、上部脊柱起立筋
  外腹斜筋、もし肩甲骨が外転していれば、僧帽筋中部線維と下部線維


○動揺型(Sway Back)
 
 骨盤の重度な前方変移と後方回旋(後屈)変移の代償としておこる。
 この姿勢をスウェイバック姿勢と呼び、横からみると骨盤だけが
 前にとびだした「く」の字または「逆く」の字のように見える。

 <アライメント>
  脊柱の後弯、骨盤は前方へ
  股関節は重心の前方
  腰椎は平坦、骨盤はおもに後傾、股関節・膝関節は過伸展
 
 <短縮と優勢筋>
  ハムストリングス、内腹斜筋、腰部筋群は短縮しかし強くない。
  一脚の下肢が前方にあれば、その側の大腿筋膜張筋と腸脛靭帯の短縮

 <ゆるみと劣勢筋>
  一脚の股関節の屈筋群
  外腹斜筋、上部背筋
  一脚の下肢が前方にあればその側の中殿筋(特に後部線維)

○扁平型(Flat Back)
 
 胸椎の屈曲が減少している。
 胸椎後弯は全体に減少し、胸椎が棒のように真っ直ぐに見える。
 フラットバックと呼ばれています。
 軽度の骨盤前方位と骨盤後方回旋(後屈)の代償としておこることが多い。

 <アライメント> 
  骨盤の後傾と前弯の減少
  股関節・膝関節の過伸展
  上部胸椎の後弯の増加と頭部前方位

 <短縮と優勢筋>
  ハムストリングス、背筋の軽度の緩みを伴った腹筋群の優勢

 <ゆるみと劣勢筋>
  一脚の股関節の屈筋群


どうでしょうか?

 直接、手技などによって緩めなければならない筋・筋膜
 
 緩めるより、シッカリと充実させなければならない筋・筋膜

 ターゲットがハッキリ見えてきませんか?


まだ全身揉むだけですか?

 



 

touyou8syok9 at 08:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0)筋・筋膜に対する治療 

2008年12月01日

筋・筋膜に対する治療(察

筋のインバランスと姿勢のタイプの関連性のチョット前に、

○抗重力筋について

 重力に対抗して立位姿勢を保持する働きを抗重力機構といいます。
 そこに働く筋群を抗重力筋といいます。

 身体の前:前脛骨筋、大腿四頭筋、腹筋群頚部屈筋減
 身体の後; 下腿三頭筋、ハムストリングス、大殿筋、脊柱起立筋

通常立位の保持には腹側の筋群よりも、背側の筋群の方が相対的に重要である。

抗重力筋の目的は、

 基本的立位重心線からのずれを補正することにある。
 どの筋が活動するかは重心線と各関節との位置関係により異なります。

理想的な正常な立位姿勢を保持するため、主な関節に関係する筋は

 足関節:重心線はは足関節(外果の前方5〜6センチ)より前方を通るため、
     身体は前方に倒れやすくなる。
     この状態に対抗するために、
     ヒラメ筋、ときには腓腹筋が活動する。
 
 膝関節:重心線は膝関節中央のやや前方を通るため、重力のモーメントは
     膝伸展に作用するために、膝関節の固定には特に筋活動は必要としない。

 股関節:重心線は大腿骨の大転子を通るが股関節の後方を通る。
     この結果、重力は股関節の伸展に作用します。
     この状態に対抗するために、
     腸腰筋が働いて股関節の過伸展を防ぎます。
     実際は、わずかの姿勢変化によって重心線は股関節の前あるいは後に
     変化するため、屈筋と伸筋が間欠的に活動します。

 脊柱: 重心線は第4腰椎のやや前部を通るため、脊柱を前方に曲げるように
     作用しています。
     コレに対抗するように脊柱起立筋群が活動します。 

このように立位においては、前後のバランスのための筋・筋膜の活動。

そのほかには、側方のバランス(左右のバランス)の筋・筋膜の活動。

 ○後頭隆起→椎骨棘突起→殿列→両膝関節内側の中心→両内果の中心

また別の機会に述べますが、立位姿勢保持の神経機構も重要になります。

 ○姿勢反射とよばれ、主に反射弓を介在するもの
 ○随意的な運動時の姿勢調節機能など

したがって、姿勢のアンバランスは様々な筋のインバランスに影響を与えます。


姿勢の異常により筋・筋膜の異常。
筋・筋膜の異常により姿勢の異常。
姿勢が先か? 筋のタイプが先か?・・・・やはり???


ただ、治療に際しては前回述べたように、現況の姿勢を充分に観察することは、

どのような筋・筋膜(姿勢筋・相動筋、主動作筋・拮抗筋、抗重力筋など)に
注目し、どのように治療すべきかという理解につながります。

そして、触診して確認、確定し明確に障害部分を限局し治療することができます。

少なくとも、現状の疼痛や関節可動域の異常などの症状の原因である

筋・筋膜のターゲットの決定には重要な因子になります。

そして、治療結果により、フィードバックされることになりますね。

その意味で、筋のタイプを個別に知ることは重要です。

そして、姿勢に対する指導は筋膜の制限が改善され、患者の動作が改善されてから
指導するのが基本的な治療順序になります。


touyou8syok9 at 11:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0)筋・筋膜に対する治療