2009年02月

2009年02月26日

股関節について(3)

股関節について

靭帯とともに股関節を守り、そして股関節を動かす筋肉は?

主な作用筋と特徴を簡単に述べます。

寛骨内筋

○屈曲(屈筋群):腸腰筋(大腰筋・小腰筋・腸骨筋)
         何度も説明した筋肉ですね。
         補助的に大腿筋膜張筋、縫工筋、大腿四頭筋(大腿直筋)、内転勤群

寛骨外筋

○伸展(伸筋群):大殿筋・・・強大な筋ですが走行や階段を昇るときに作用する。
               普段の歩行の伸展ではわずかの作用です。
         ハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)
         股関節の伸展筋ですが膝の屈曲筋でもあります。  
 
○外転(外転筋群):中殿筋、小殿筋 
          補助的に大腿筋膜張筋

○内転(内転筋群):恥骨筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、
          補助的に薄筋

○外旋(外旋筋群):梨状筋、内・外閉鎖筋、上・下双子筋、大腿方形筋、
          外旋が主体ではないが、強力な外旋筋は大殿筋

○内旋(内旋筋群):小殿筋、中殿筋の前方線維束
          弱い内旋筋として大腿筋膜張筋

以上が主な筋の作用です。


股関節をシッカリ守っている人体の最強の靭帯である、股関節前面に位置する

腸骨大腿靭帯は伸展・外転・内旋で最も緊張します。

外転筋群の力は内転筋群よりも強く約1、6倍の力を持つ。

外旋筋群の力は内旋筋群の約3倍の力を持っています。

最大の屈筋の腸腰筋は股関節屈曲に伴い増大します。

股関節疾患の場合は、このような理由で、

特に内旋障害が起こりやすいので内旋障害を見れば股関節病変を疑います。

つまり、

股関節の多くの疾患は、股関節の外旋肢位をもたらします。

もっと詳しく言えば、

股関節屈曲・内転・外旋位は股関節疾患を疑う肢位になります。
(サッカーのインサイドキックの格好を想像してください。)

あなたの股関節はどのような肢位ですか?



touyou8syok9 at 19:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 股関節について 

2009年02月23日

股関節について(2)

股関節について

股関節は球関節であり、そして寛骨臼と大腿骨頭はシッカリした関節包と大変丈夫な靭帯によって、関節の安定性と多方面への運動機能を備えています。

それではどのような運動をするのでしょうか?

股関節の動きと正常関節可動を知る。

○屈曲(前に曲げること):ももの骨が胸に近づく運動    
             正常平均可動域 120度
  膝関節伸展位では、自動運動では90度、他動運動では120度        
  膝関節屈曲位では、自動運動では120度、他動運動では140度まで可能
  両股関節を同時に屈曲すると、腰椎が後弯して骨盤の運動が伴い、
  大腿の前面が体幹に触れるほど屈曲できます。

○伸展(後ろに伸ばすこと):ももの骨が胸から遠のく運動     
              正常平均可動域 10〜15度
  膝関節伸展位では自動運動は約10度。
  膝関節屈曲位では自動運動は約20度。
  過度の伸展が可能なのは骨盤の回旋と大腿骨の外旋を伴うからです。
 
○外転(外側へ開くこと):ももの骨を外側に開く運動       
             正常平均可動域 45度

 骨盤を固定しないで片側の股関節を外転すると、骨盤が傾き、対側の股関節も外転する。
 30度以上の外転でこの現象が起こります。
 90度外転位では両股関節はがそれぞれ45度ずつ外転していることになります。

 外転の制限因子は靭帯と内転筋群の緊張です。
 両膝関節と股関節を90度屈曲させ、両股関節を外転させた肢位を開排位といいます。
 先天性股関節脱臼などの診断に用いられますね。
 
○内転(内側に閉じること):ももの骨を内側に閉じる運動                         正常平均可動域 20度
 実際の内転は股関節の屈曲要因が加わるか、椅子に座って膝を組む状態は屈曲・内転位に成ります。
 股関節屈曲位はすべての靭帯が弛緩します。
 内転では股関節のおける骨の接触面が最も弱い状態にあります。
 
 内転の制限因子は伸展位では体側下肢の接触、
 屈曲位では坐骨大腿靭帯の緊張です。

○外旋(足の先を外側に回旋すること):ももの骨を外側へまわす運動    
                   正常平均可動域 45度

○内旋(足の先を内側に回旋すること):ももの骨を内側へまわす  
                   正常平均可動域 45度

 内旋・外旋ともに股関節屈曲位では靭帯が弛緩し可動域は大きくなります。

 外旋の制限因子は、内旋筋群の緊張と腸骨大腿靭帯の緊張です。
 内旋の制限因子は、外旋筋群の緊張と股関節屈曲位では坐骨大腿靭帯の緊張、
 股関節屈曲位では腸骨大腿靭帯の緊張です。


以上の運動の組み合わせにより、分回し運動が出来上がります。

○分回し:下肢を回旋させて股関節を頂点とした円錐を描く運動

 肩関節の分回し運動において上肢の描かれた面は幾何学的に非常に規則正しい円錐ですが、
 股関節の分回し運動において下肢の描かれた面は幾何学的に一定な円錐ではありません。
 つまり、運動領域は肩関節の分回しより非常に少ないことを示しています。

少し詳しすぎたですか?

股関節の動きは、最低でも腰椎、骨盤、膝関節の動きと連動しているということを理解してくださいね。

このような運動を可能にする関節周囲の筋群を知っておきましょう。




touyou8syok9 at 09:05|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 股関節について 

2009年02月19日

股関節について(1)

股関節について

脊柱についてを書いているとどうしても脊柱の構成成分として仙骨の関係において
左右の寛骨(腸骨・恥骨・坐骨)と仙骨・尾骨が一体となった骨盤との関係、
そして、股関節について説明が必要になってしまいましたね。

つづけて股関節について説明していきます。

股関節は骨盤の寛骨臼に大腿骨の大腿骨頭が連結した球関節(臼状関節)です。
そのために大腿部は、あらゆる方向の運動が可能になっています。

下肢(大腿)と体幹を連結してる唯一の関節になります。

股関節は大腿骨頭という大きな球の約3分の2の部分が、寛骨臼というくぼみの中にしっかりはまりこまれています。

寛骨臼には、その深さを補うために関節唇と寛骨臼横靭帯があります。

そして股関節は関節包と靭帯にしっかり守られています。

関節包:股関節の関節包はたいへん厚く強靭な袋を呈しています。
    関節唇のすぐ外側から被い大腿骨頚部を包み大・小転子近くの解剖頚に付く
    これ立位での関節の接触と安定性をもたらしています。
    関節包はさらに腸骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯、坐骨大腿靭帯によって補強されています。

腸骨大腿靭帯:形が逆Y字型をしているのでY靭帯とも呼ばれている靭帯
      人体の中で最強の靭帯で下前腸骨棘から扇状にひろがって転子間につく
      中央部は薄く比較的弱いが、上部と下部は強力で強い。
      
恥骨大腿靭帯:股関節前方にあり、恥骨と小転子を結んでいる
       関節包の強度の補強

坐骨大腿靭帯:股関節後面にあり、寛骨臼縁の坐骨部からおこり、輪帯と大転子につく

輪帯:関節包内に密着する靭帯
   関節窩上縁から大腿骨頭を取り巻き、関節包の過度の伸展を防ぐ。

大腿骨頭靭帯:寛骨臼窩と大腿骨頭を結ぶ靭帯です。
       大腿骨頭の固定にはほとんど機能せずに、おもな役割は
       大腿骨頭への栄養供給の経路となっています。
      
このように股関節は、シッカリした関節包と上部な靭帯によって、安定性と多方面への運動機能を備えているのです。


股関節は、肩甲上腕関節が上肢と体幹を連結している同じ球関節である
肩関節とよく比較されます。

しかし実際の肩関節は関節複合体(肩甲上腕関節・肩甲胸郭関節・肩鎖関節・胸鎖関節・第2肩関節・第1肋椎関節)により上肢と体幹を連結しています。
数箇所の関節が集合し、肩関節という機能が発揮される関節です。

股関節はこのように2つの以上の関節が集合した関節複合体ではなく、単純に
股関節という一つの球関節で構成されています。

股関節は形態的にも同じ球関節の肩関節と比較してもより完全な関節なのです。



touyou8syok9 at 09:07|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 股関節について 

2009年02月16日

脊柱について(17)

脊柱の屈筋機構。

胸椎と腰椎の屈筋として腹部の筋については述べました。

今回は強力な屈筋機構としての腸腰筋についてです。

○腸腰筋:何度もお伝えしている筋ですね。
     非常に重要な筋ですね。
     大腰筋・小腰筋・腸骨筋から構成されます。

腸腰筋は、解剖学的には寛骨筋あるいは骨盤筋ともいわれている下肢帯筋に属し、
これらはさらに寛骨内筋として存在しています。

ちなみに寛骨外筋は殿筋が有名ですね。
 
腸腰筋の主な運動作用は、寛骨内筋として股関節の屈曲作用です。


腸腰筋がなぜ背部の伸筋に対抗する屈筋機能として重要なのでしょうか?

腸腰筋の構成している、筋肉の起始と停止を観察しましょう。

 大腰筋は第12胸椎〜第4(5)腰椎の椎体から骨盤の前方にある
 鼠径靭帯の後方の筋裂孔をとおり、大腿骨の小転子に停止します。

 小腰筋は第12胸椎および第1腰椎の椎体から大腰筋の前面をとおり、
 小転子につく。
 大腰筋の作用が強く大腰筋と小腰筋を分けて考えるのは難しいとされています。
 

 腸骨筋は腸骨の上縁および内面からおこり、大部分は大腰筋の内側に合し、
 小転子につく。

運動作用として、大腰筋・小腰筋は起始と停止のどちらを固定しても、
大腿骨(股関節)または脊椎、特に腰椎に影響を大きく与えることが理解できます。

 起始を固定すれば、

  股関節を屈曲し大腿骨を前上方にあげ、少し外旋します。

 大腿骨を固定すれば、

  腰椎および骨盤を前下方に引く。

  片方の大・小腰筋が収縮すれば側屈し、反対側に腰椎が回旋します。

  両側の大腰筋が収縮すれば、腰椎を屈曲させ、腰椎の前弯を増大させます。
  体幹の強大な屈曲筋であるとされています。

  背部の伸筋である深部の筋群である横突棘筋と働いて、腰椎周囲を囲んでいます。
  もし同時に収縮すれば、腰椎の前弯は起立した状態になるわけですね。
  深部筋として背部の伸筋と拮抗している屈筋機構を持っています。

腸骨筋は、

 骨盤を固定すれば、大・小腰筋とともに股関節の屈曲を補助し外側方に転じる。
 大腿を固定すれば、腸骨筋の収縮により骨盤が前傾します。

腸骨筋と大・小腰筋の違いは、

 腸骨筋は、大腿骨を固定すると骨盤に作用します。

 大・小腰筋は腰椎に作用する。

腸腰筋は大・小腰筋と腸骨筋で構成された筋であり、作用を行っています。


以上により、

腸腰筋は股関節を屈曲する作用のほかに、

腸腰筋は体幹を屈曲する強力な筋になります。

そして、体幹の屈筋機能としての腹部の筋である腹筋との相違点は、

腹筋は直接に脊柱の脊椎とは付着していません。・・・・・が

腸腰筋は、直接脊柱を構成する腰椎に起始を直接持っているという点です。

この作用によって、腰椎の前弯が生じるか、前弯が増加します。
仰臥位で大腿を屈曲させると、この筋が弛緩し腰椎の前弯は消失します。
もし、消失しない場合は腸腰筋の短縮が考えられます。

また腸腰筋の片方が収縮すると、体幹の側屈と回旋が起こります。



その他にも腸腰筋は身体構造においてさまざまな機構を持っています。

お話する機会もあろうと思います。

今回は脊柱の屈筋機構としてのお話でした。

屈筋機能としての治療のポイントは、

腹直筋・腰方形筋・腸腰筋をいかに処理できるかでしょう。



touyou8syok9 at 17:07|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 腸腰筋 

2009年02月13日

脊柱について(16)

脊柱について

胸椎と腰椎の屈筋は?

伸筋の拮抗筋としての屈筋は、腹部の筋と腸腰筋になります。

腹筋は有名なのですが、解剖学的にも機能的にも非常に複雑です。

腹部の筋は前腹筋と後腹筋と尾骨の筋に分類されています。

主に臨床で重要なのは

前腹筋の縦走筋の腹直筋と斜走筋の外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋と
後腹筋の腰方形筋です。

今回は、大まかに以上の筋を説明します。

腹筋は胸郭と骨盤すべての腹腔を被っています。

○腹直筋:腹腔前方と浅層に位置し、外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋の停止腱膜から成る※腹直筋鞘を         含んでいます。
    腹直筋鞘には3〜4つの腱画が癒着しており筋が収縮すると横溝が観察できます。
    臍より上方に2個、臍の高さに1個、臍より下方に1個あります。
    いずれもその前面において著明に発達し腹直筋鞘と密着します。
    腹筋を鍛えるとできる横溝ですね。
    第5〜7肋軟骨、胸骨の剣状突起から恥骨結合と恥骨稜からのとに付着しています。
     
 主に体幹の屈曲を行いますが、骨盤の前方を引き上げます。
 胸郭の前壁を引き下げる。その他の腹筋とともに腹腔圧縮を補助します。

○外腹斜筋:第5〜12肋骨の外面から、斜め前下方に走り、腹直筋の外側縁で腱膜に移行し白線などに付着する。腹横筋と内腹斜筋に対して外側に走行しています。
    
 片方の外腹斜筋が収縮すると体幹の側屈と、脊柱と胸郭の反対側への回旋。
 両側の収縮では内腹斜筋と同様の腹腔の圧縮と体幹の屈曲の補助。
    
○内腹斜筋:腹横筋と外腹斜筋の間を走行しています。
      筋線維は外腹斜筋と逆に走ります。
      鼠径靭帯、腸骨稜の中間線、胸腰筋膜のし深葉から腹直筋鞘外縁の近くで腱膜になり、2枚に分かれて腹直筋鞘の前・後両葉に入る。

 片方の内腹斜筋が収縮すると体幹の側屈、同側の脊柱と胸郭が回旋します。
 両側の収縮では腹腔を圧縮して、体幹の屈曲を補助します

内腹斜筋と外腹斜筋はともに体幹の回旋と屈曲を行うのですが、実際問題として
たとえば腹筋のエクササイズとして体幹を屈曲しながら右回旋するとすれば、
右側の内腹斜筋と左側の外腹斜筋が収縮(エクササイズ)するようになっています。
 
○腹横筋:内腹斜筋に被われ最も深い層に存在します。
     鼠径靭帯の外方3分の1と腸骨稜、後方は胸腰筋膜、上方は第7〜12肋骨下面(横隔膜の筋線維と組み合う)
    水平に走行し、腹直筋鞘、前面の腱膜の縁(※白線)に集結します。

 腹圧を高める作用が主な作用です。
 腹をへこますようにすると腰椎の前弯を増強します。
 たとえば咳をする場合などにこの動きを感じることができます。

○腰方形筋:背部筋によく間違えられます。
     胸腰筋膜の前部にあり腹筋の一部です。
     長方形をなし、前部と後部があり、筋束は多様に錯綜しています。
     おもに腸骨稜後方から起こり、停止は第12肋骨と腰椎1〜5の肋骨突起
 
 骨盤を固定し、片方の腰方形筋が収縮すると、同側の胸郭と腰椎が側屈する。
 肋骨と脊柱を固定し、腰方形筋が収縮すると、同側の骨盤が上方に移動する。
 
 よく下肢の左右の長さが違いますが?・・と問われますが、
 多くはこの腰方形筋が原因ですね。
 股関節を説明する場合に、自分で改善できる方法を紹介いたします。

外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋ともに治療エクササイズとしては利用できるのですが
治療の手技として直接利用するのは非常に難しい。

腹筋の実地臨床上の手技の主体は、腹直筋と腰方形筋と腸腰筋になってしまいます。

なぜでしょうか?

外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋の起始と停止をもう一度確認してください。
筋肉の起始と停止が骨と骨を連結している関節としての形態をなしていません。
起始の一部は骨なのですが起始・停止が筋膜や腱膜などのように宙ぶらりんの状態です。
根っこが存在しない根無し草のような状態です。
筋肉・筋膜に直接的な手技を加えようとしても受け流されてしまいます。
筋の働きや作用を利用した治療としてのエクササイズは有効なのですが、
直接な手技による治療ができない、あるいはあまり有効でない理由です。

腹部の筋として、手技の治療対象としては、腹直筋と腰方形筋と腸腰筋になります。

脊柱の屈筋機能としての腸腰筋は何度もお伝えしている筋ですね。
非常に重要な筋ですね。

長くなりましたので、次回にお話します。



腹筋の腱膜

※白線

左右両側の縦横に走る腹筋の腱膜の腱線維が前腹壁の正中線で合してでき、上方は剣状突起から起こり、下方に向かって広くなり臍より下方にいたると再び狭くなり、恥骨結合の上縁につきます。
臍部には、強靭な部位である臍輪が存在し、腹部の牽引力がこの部位に集中します。

※腹直筋鞘

外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋の腱あるいは腱膜は腹直筋を鞘状につつんでいます。
腹直筋鞘の構成は前葉と後葉からなる。



touyou8syok9 at 12:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 腹部の筋 

2009年02月09日

脊柱について(15)

脊柱の屈筋機構

脊柱の屈筋は脊柱の伸筋の拮抗として存在しています。

頚椎の屈筋機構について

頚部の筋には、頚の表面にある筋と深部にあって頚椎の両側あるいは前面に位置する
2群に分けられています。

表面の筋
 胸郭と顔面との間にわたる大きな筋(浅頚筋)と舌骨と甲状軟骨または胸骨との間に張る小さな筋(舌骨筋)に分けられる。

 表面の筋において脊柱の動きに直接かかわるのは胸鎖乳突筋です。
 
 また舌骨はどの骨とも面しない特殊な骨で、周囲の筋で保持され、発声や物を飲み込む作用を補助しています。舌骨筋の主な機能は舌骨の固定ですが、いくつかの筋は頭部の屈曲にも関与しています。
 そのほかにも舌骨筋は下顎と顎関節の病変に影響があるとともに鼻呼吸や腹式呼吸にも関連するとされています。


○浅頚筋
 広頚筋:最表層にある幅の広い薄い皮筋です。
     頚部の皮膚に皺をつくり口角を下方に引く。

 胸鎖乳突筋:頚部を斜めに走る強大な筋で、胸骨頭、鎖骨の頭の二頭を区別します。
      頭を他側に転じ、顔を上方に向かせます。
      両筋が同時に働くと頭を前下方に引く。
      頭を固定すると、胸骨および鎖骨を挙上させます。

 舌骨筋
  舌骨上筋:舌骨と下顎骨または側頭骨との間に、あるいは下と舌骨との間に張って、舌骨を引き上げ、あるいは下顎骨を引き下げる。
       顎二腹筋、茎突舌骨筋、顎舌骨筋、おとがい舌骨筋
  舌骨下筋:舌骨と胸骨上端または甲状軟骨にわたり、舌骨をひく。
       胸骨舌骨筋、胸骨甲状筋、甲状舌骨筋、甲状腺挙筋、肩甲舌骨筋

○深頚筋:浅い頚筋に被われ、頚椎の横突起から外側下方にはしる外側筋群と
     この突起および椎体から上方あるいは下内側筋群に分けられます。

 外側群:頚椎の横突起から外側下方に向かっ走り、第一〜第二肋骨に付着する。
     前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋
     呼吸補助筋としても重要です。

 内側群:頚椎体および胸椎体の前面にあり、頭および頚部を前方へ曲げる。
     頚長筋、頭長筋

以上の筋が存在します。

頚椎の主な屈筋をまとめると、

○頚椎の屈筋
 
 浅頚筋として胸鎖乳突筋
 深頚筋の外側群の前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋
 深頚筋の内側群の頚長筋、頭長筋
 
 これらの筋が同時に収縮すると、頭部と頚部の屈筋になる
 頚椎の屈筋が片側のみ収縮すると、頚部や頭部の側屈をもたらす。

 ○強大な胸鎖乳突筋については、
  片側の収縮により、頚椎の側屈、および筋収縮と反対側への回旋がおこる。
  両側同時に収縮すれば、下部頚椎の屈曲がおこる。
  しかし、傍脊柱筋の収縮により頚椎の上部と環椎後頭関節が固定されている場合は、下部頚椎の屈曲は頭・頚部を前方に移動させています。

  胸鎖乳突筋の拮抗筋として伸筋の頭板状筋は有名ですね。

 ○斜角筋群は、
  筋の走行として後斜角筋はほとんど垂直に走行しています。
  前斜角筋と後斜角筋は斜め前方に走行しています。
  そのために、
  中斜角筋と前斜角筋の収縮は、頚椎をわずかに反対側に回旋させます。
  両側の中斜角筋と前斜角筋の収縮は頚椎の彎曲を増強します。
  頚椎を固定すると、斜角筋の収縮により、第1、2肋骨が挙上し吸気を補助します。

 ○頭長筋と頚長筋は、
  頚椎を固定する重要な役目果たしています。
  頭部の屈曲、側屈、回旋、上部頚椎の起立などの運動をつかさどっています。
  
以前にも述べましたが、深頚筋群の頚長筋と頭長筋は直接触ることができませんね。



touyou8syok9 at 20:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 頚椎 

2009年02月05日

脊柱について(14)

脊柱

頚椎・胸椎・腰椎・仙椎 ・尾骨という長い脊柱という軸(各椎骨の分節を持っている)はよく骨盤に立つ帆船のマスト(帆柱)に例えられます。

各椎骨の横突起および棘突起は帆桁に当たります。

マスト帆柱は弾性に富み、各肢についた筋によって曲げられるようになっています。

筋肉は、脊柱というマストの平衡をとり位置を決定したり運動するためにのワイヤーロープの役割をしているという構造に例えられます。

筋は脊柱の安定化という平衡と運動性という可動性が正しく調整しています。
脊椎にたいする全ての筋の作用が、その反対の方向の筋作用と調整され、
拮抗する必要があるわけです。(作用筋と拮抗筋)

筋群を大きく分けると、

伸筋機構をもつ背部の筋群と拮抗する屈筋機能をもつ屈筋群に分けれます。

伸筋

背部の筋群

○浅層筋:棘腕筋とよばれ、すべて椎骨の棘突起からおこり、上肢、上腕、骨盤と関係が深い。
 僧帽筋、広背筋が浅背筋の1層
 菱形筋、肩甲棘筋が浅背筋の2層

 方向性は脊柱に対て傾斜している場合が多く、船のマストのワイヤーロープのように配列されています。
 伸筋であるとともに、回旋筋であり側屈運動筋でもあります。
 作用は、胸部や肩甲帯や骨盤帯上のこれらの筋の遠位付着部が、骨関節系に作用する筋の収縮によって安定化されると脊柱の運動に効果的に働きます。

 棘肋筋:浅背筋と長背筋の間にある小筋群
 上後鋸筋、下後鋸筋

○深層の筋:脊椎筋椎筋は、棘突起の両側の幅広い窪みに位置しています。
  
 長背筋:体幹背部の深層にある長筋
     非常に長い筋は、頭部から頚部・腰部・仙骨まで広がる。
 頭・頚板状筋、脊柱起立筋(腰・胸・頚腸肋筋、頭・頚・胸最長筋)、
 棘筋(頭・頚・胸棘筋)、半棘筋(頭・頚・胸半棘筋)、多列筋、回旋筋
 これらの筋は対称性に収縮すれば、脊椎の伸展
 中心から離れた筋が、片方のみ収縮すれば側屈される。
 一側のみ働けば反対側に回旋します。

 短背筋:最も深部にあり多数の小筋群を総称します。
     非常に短い筋は、関節の構成単位を連結しています。
     棘間筋、横突間筋、深項筋、大後頭直筋など

皆さんがよくご存知の筋名も出てきますね。

長い筋、あるいはより浅層の筋は脊柱の運動筋としての作用がより強く働きます。

短い筋、あるいはより深層の筋は脊柱の安定筋としての作用がより強く働きます。

この伸筋群の機能に拮抗するのが屈筋機能として働くの屈筋群です。

意外と見逃されている傾向にありますが重要です。




touyou8syok9 at 19:44|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年02月02日

脊柱について(13)

骨盤の運動

今回も自覚しながらもう一度動作をしてください。

骨盤の大きな運動として前方の回旋、後方の回旋するときは?

骨盤だけでなく脊柱が前屈、後方に動くことは容易に自覚できますね。

ゆっくり歩行すれば?

骨盤の動きに同調し仙骨→腰椎→胸椎→頚椎と脊柱がゆっくりと波を打つように、
弓なりするように、前後スムーズな動きをしていることが自覚できると思います。

さて、もう一つ大きな運動として人が二本足歩行する際には、

前の下肢が遊脚相の時には、後方の下肢は立脚相のままで、腕は反対方向に揺れるという事実です。
左足を前に出して歩こうとすれば、右足は地面に着いた状態で、右腕は後方に引いていますね。

スポーツをしている人は、クロスの理論としてよくご存知だと思います。

歩行時には、骨盤の運動とともに必ず脊柱が回旋します。

歩行の決定因子は、脊柱のみの回旋に注目すれば、回旋トルクを推定8度の回旋を加えているのです。

歩行による下肢の運動に限らずに、上肢を使おうとすれば必ず脊柱が動きます。

当然といえば当然ですね。

二本足で立ち、上肢が自由になった人間が進化し両手・両足で行動をおこす場合には
忘れてはならない事実です。

いいかえれば、自由になった上肢帯の筋・下肢帯の筋の動きにより、
意識しようが意識しなくても、脊柱の動きに大きく関わります。

これ以上話を広げるのはやめます。

そろそろ要点をまとめたいと思っています。



touyou8syok9 at 15:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 骨盤