2009年03月

2009年03月30日

股関節について(7)

股関節の内転筋

○恥骨筋
○長内転筋
○短内転筋
○大内転筋
○小内転筋
○薄筋(ただし内旋筋としての働きのほうが大きい)
この筋は2関節筋のために膝関節の屈曲と内旋をおこなっています。


非常に大きなボリュームのある筋肉の集団ですね。

これら6つのの筋肉は個々の作用としてより内転筋群として扱っています。

主な作用は当然、股関節の内転です。

しかし、起始と停止の違いから、全体として股関節を屈曲し、内・外旋も行います。

股関節の屈曲位からは股関節の伸展も行います。

大腿を固定すると、内転筋群は骨盤の内傾・内屈・外旋または内旋をおこないます。


以上の作用があるわけですが、・・・・・・・・・・・この内転筋群は

歩行や起立に対して重要とされている外転筋群に対して、特別に重要というわけではありません。・・・・といわれています。

つまり、内転筋群の重要な役割は、未だに説明されていません。

本当でしょうか? 

どうして本当に重要でない筋肉が大腿の内側部全体に、こんなに大きなボリュウムとして存在するのでしょうか? とっても不思議です。

漢方の世界では、「陰主陽従」という言葉があります。

陰:影、裏、深、内、、持続的、静的、求心的、内向的、防衛的、保養的

陽:日、表、浅、外、、瞬発的、動的、遠心的、外向的、攻撃的、活動的

本当に重要なものは影に隠れて、表に立って目立つものにを働かせているという言葉です。

内転筋群は、外転筋に対しての拮抗筋になります。

身体の内側に存在し、内転筋のなまえどおり求心性に働く筋になりますね。(陰の性質をもっていますね)

また身体を小さく丸くするために、身体が受ける衝撃を和らげる作用もあります。

またパワーを蓄える作用を持っています。

伸筋や外転筋は遠心性に働く筋で(陽の性質)で身体を大きく動かしたりスピ―ドを増したりする筋だと思います。

このように内転筋群は遠心的に非常に働いている伸筋や外転筋を上手に働かす筋肉だと思っています。

普段はその働きにはあまり気がつきません。

しかし、いったん股関節や膝関節などに故障がおこるとすぐに気がつきます。

つまり臨床的には、非常に筋力の低下がみられる筋群でもあります。

また筋肉の委縮も見られますね。

O脚の矯正や防止には、この内転筋群を必ず鍛えるエクササイズが行われますね。

細い脚の方の内転筋は痩せて委縮がみられる場合が多いですね。

つまり外転や伸展という遠心的な力(活動的で瞬発性))を

コントロールするために、内転や屈曲という求心的な力(静的で持続性)が必要なわけです。

常に収縮しつつも筋の長さが引き伸ばされるという「エキセントリック収縮」を強いられているのですね。

運動生理学では最大筋出力が最も大きな収縮の仕方です。

そのような筋肉が本当に重要ではないのでしょうか?

よく変形性股関節症には外転筋のエクササイズが紹介されています。

横臥位で股関節を外転(大腿を開く)するエクササイズですね。

実は・・・・

私は、外転の中殿筋のエクササイズは正しい歩行訓練で充分だと思っています。

この内転筋群のエクササイズこそ本当に必要な訓練だと思っています。


求心性の内転筋群が働いてこそ外転作用や伸展が可能だと思っています。


今回はここまで、次回も内転筋について




touyou8syok9 at 19:44|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 股関節について 

2009年03月28日

有事に備える。

有事に備える。

何のことでしょう?

それは突然襲ってきた!!

北朝鮮のテポドンの発射?

実は、3月6日の朝パソコンの電源を入れると、あの忌まわしい黒い画面に

白字の文字・・・・・・・・・・

パソコンが遂に壊れました。

メーカーに電話、なんとか再起動させることができ、

結局すったもんだして、結局は「初期設定に戻してください。」・・・・・・

バックアップはすべて済んだと思っていたら・・・・・

初期設定に戻し再セットアップしなんとか復元したと思ったのもつかの間、

また、黒い画面に白字の文字・・・・そして青い画面に白字の文字・・・・・

再度のセットアップ・・・・・・疲れた・・・・

なんとか起動したので、電源は切らないで何とか使える状態で、

3月14日に新しいPCを購入したが、どうも使い勝手がわからない。

慣れていないかもしれないが、ウインドウのビスタは使いづらい。・・・・しかも、

旧のPCの資料をバックアップしたと思っていたら・・・・・・・・・

あちこち抜けている!! 大切な資料が無い!!

慣れないPCでバックアップの復元、

一からの資料の作り直し、とってもゆうつで無駄な時間だけが過ぎていく・・・・・

まあもう一度勉強する機会にはなりましたが。・・・・・・・

今月はいらぬ苦労で疲れました。

これが最近、このブログの投稿がめっきり減っている原因です。

治療所のホームページの復旧は、まだまだ先になります。


そういえば、この1年間ほどPCの起動は非常に遅いし、
「システムが重要なエラーから回復しました」という警告も何度か画面に出ていた。

PCが壊れてから、なぜあの時に気がつかなったのか?

その後の復旧の方法でも、

さまざまな復旧の仕方、こんな方法あんな方法もある。など後で気がつきます。

知っていれば最悪の事態は避けれた。

知っていれば無駄な時間はなく、最小限の時間と努力で済んだ。

知っていれば回避できていた。

無知は罪。


健康も同じです。

それは突然襲ってきた!!・・・ではなくよく観察すれば兆候はあったはずです。


有事に備えてあなたは何をしますか?

転ばぬ先の杖。

あなたができることは何ですか?




touyou8syok9 at 14:40|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 啓蒙 

2009年03月18日

股関節について(6)

股関節の外転筋群

 ○中殿筋

 ○小殿筋

この二つの筋が重要です。

骨盤の水平方向の安定機能と同時に外転運動にとっても重要になります。

○中殿筋

 寛骨外筋の第2層にある筋です。
 前回の伸筋のである大殿筋と大腿筋膜張筋寛骨外筋が第1層がに存在し、
 その下層に存在する重要な筋になります。

 腸骨翼の外面で前および後殿筋線の間、腸骨稜の外唇および殿筋膜からおこり
 前部後下方、中部は下方、後部は前下方にむかい、
 大腿骨の大転子尖端の外側面に付着します。

○小殿筋
 
 中殿筋に被われた第3層に存在する筋です。

 腸骨翼の外面で前殿筋線と下殿筋線との間、または下殿筋線の下方から起こり
 筋束は集まって下外側方に向かい、
 大転子の内側面に付着します。

なぜ? この筋が重要なのでしょうか?

私たち人間は二本脚歩行をしています。
 
安定した歩行のためには、骨盤を常に水平に保つ必要があります。

歩行の際に骨盤の左右が上下しないで歩行できるのは実は、この筋肉のおかげです。

特に中殿筋は、とっても重要な筋になるのです。

この筋が障害されると、

患側の片脚立位では、対側の健側の骨盤が挙上できずに下方傾斜した状態になります。

これを、トレンデンブルグ徴候と呼んでいます。

歩行においては、患側立脚相でこの現象が起こります。

このように健側の遊脚相の骨盤が挙上されずに下降してしまう場合は、
中殿筋の筋力低下あるいは機能不全を疑います。

これを、中殿筋歩行あるいはトレンデンブルグ歩行といいます。
そして上半身の体幹・頭部までが代償的に患側に傾いて歩行します。

変形性股関節症の典型的な歩行になります。

治療において、この中殿筋・小殿筋に対するアプローチは非常に重要です。

何も股関節そのものに限ったことではなく、

腰はモチロン、膝を含めた下肢、上肢帯、首・肩まで影響を与える筋です。


大きなブ厚い大殿筋の奥に隠れた、中殿筋・その奥にある小殿筋をいかにして

侵害刺激を与えずに、痛くなく、的確に処置できるか?

非常に重要です。


チョット一言、

スペースシャトルのエンデヴァーが打ち上げられ

無重力の世界での骨粗鬆症に対する新薬の試験も行われ・・と報道されていました。

もしも、効果のある新薬であれば非常に明るいニュースになるでしょう。・・・が

骨だけでなく、関節を動かしている筋力の低下はどうなるのでしょうか?



地上では絶えず重力という負荷がかかります。そして、

関節の随意運動には、関節面上において「凸凹の法則」により、転がり運動と
滑走と軸回旋の組み合わせで関節内の動きます。

不随運動として関節包内の運動(関節の副運動)として、関節面の圧迫・離開
あるいは分離によって正しく関節運動が行われます。

そして可動性のみではなく、関節面の軟骨の栄養や成長にも役立っています。

地上で常に重力という荷重に耐えながら、四本足から二本足歩行に進化した人間。

二本足動物としての人間の骨(関節軟骨をふくむ)そして関節を動かす筋。

変形性股関節症の大きな原因となっているのは、新生児の股関節の発達
(大腿骨頭の発達・大腿頸部前捻角の異常・寛骨臼)が大きくかかわってきます。

重力のもとでさまざまな姿勢、筋力、立位の状態における二本足歩行によって
股関節構造の発達に大きく影響が働らいています。

なにも股関節に限った事ではありません。膝関節、椎間関節然りです。


筋が断裂したり、骨が傷ついたりすれば、一時的な安静は必要でしょう。

手術も必要かも知れません。・・・・しかし?

ただ寝ころんで薬を服用すれば、骨や筋が丈夫になったりすることは?


無重力の世界で薬の服用だけで果たして?いかなる結果になりますか?
わずか3か月の結果だそうですが、楽しみです。



touyou8syok9 at 15:13|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 股関節について 

2009年03月10日

股関節について(5)

股関節の伸筋について

○大殿筋

 屈筋の腸腰筋が骨盤の腸骨内にある寛内筋であったのに対し
 伸筋の大殿筋は骨盤の腸骨外にあるので寛外筋になります。
 
 骨盤を構成している腸骨のの腸骨翼の外面・仙骨および尾骨の後外側縁・
 胸腰筋膜・仙結節靭帯から起始し、
 大腿骨の大転子を超えて、浅層は大腿筋膜の外側で腸脛靭帯に移り、
 深層は大腿骨骨幹の後上方に位置する殿筋粗面に停止しています。
 
 身体で最も大きな筋です。
 脂肪組織も含んでおり、お尻の後部の大部分を構成しています。
 非常に強大な筋です。

 大殿筋は股関節を伸展する最も主要な筋です。
 
 また股関節の外旋にも作用しています。

 大腿骨(股関節)を固定すれば骨盤を後傾します。


○ハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)

 解剖学的には、下肢の後大腿筋(屈筋)に分類されています。
 前回の大腿四頭筋が太もも前面に位置し、太もももの後面に位置する筋です。
 
 股関節伸展と膝関節の屈曲を行う大腿骨の後方にある3つの筋です。
 連動した作用をもった2関節筋になります。
 一つの関節に対する作用の強さは、もう一方の関節の肢位に影響されます。
 股関節の伸展と屈曲の可動域が膝関節の屈曲位と伸展位では違っていましたね。

 大腿二頭筋:二つの頭を持つ筋肉で、長頭と短頭に分けられます。

  長頭:坐骨結節から起始しますが半腱様筋との分別は難しい。
  短頭:大腿骨幹の後方(大腿骨粗線外側唇の下二分の一)から起始します。

  二つの頭は合して共同の強い腱となり膝窩の外下方に進み腓骨頭に停止する。

 半腱様筋:坐骨結節の内側面から、その下半は細い腱となり下内側方に向かい
      脛骨粗面に沿い薄筋付着部の後下方につき、下腿腱膜につづく。
      この筋は脛骨をとりまいて、扇状の腱として終わる。
      縫工筋と薄筋の腱とともに鵞足を作っています。

 半膜様筋:坐骨結節から脛骨内側顆の後内方に停止します。
      半腱様筋に被われている。(半腱様筋より深部にある)
      半膜様筋は鵞足のうちで半膜様筋に被われ深鵞足を形成しています。
 
 このようにハムストリングスの起始は共通していますが、停止は内側と外側にわかれます。

 ハムストトリングスの主な作用は股関節の伸展と、膝関節の屈曲になります。

 大腿と脚を固定しますと、ハムストリングスは骨盤を後傾します。

 ただ、膝関節の屈曲時には、

 大腿二頭筋は外方の腓骨頭に停止しますので、膝関節の外旋を行います。
 
 半腱様筋半膜様筋は脛骨の内方に停止しますので、膝関節の内旋を行います。

 
以上、大殿筋とハムストリングスが股関節の主な伸筋となります。




touyou8syok9 at 19:04|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 股関節について 

2009年03月04日

股関節について(4)

股関節のおもな屈筋

○腸腰筋については、
 
 脊柱について(17)でかなり詳しく述べています。

 解剖学的には、腹部の筋ですね。コアな筋肉です。

 股関節の屈曲を行います。

 大腿部(股関節)を固定すると骨盤が前傾します。
 大腿部(股関節)を固定すると腰椎が前弯します。

 腸腰筋を鍛えれば痩せる!! ポッコリお腹ダイエット。骨盤ダイエット。の類は
 この腸腰筋のエクササイズが中心になっていますね。
 短縮して硬くなってしまった腸腰筋のエクササイズです。

 つまり骨盤が前方に傾き、腰椎が前弯(前方に凸)すれば、骨盤内臓器は
 あるべき場所より前にポッコリとはみ出てしまうことは容易に想像できますね。
 まさしくポッコリお腹は当たり前、よりデップリな太鼓腹になってしまいます。
 そして身体の重心線も変化し様々な症状を引き起こしますね。

 股関節はもちろん、腰椎の関節、膝の関節にダイレクトに影響する重要な筋です。
 
○大腿直筋について

 大腿四頭筋(大腿直筋・大腿内側広筋・大腿外側広筋・中間広筋・膝関節筋で
 構成されています。)は、大腿の筋としては伸筋に分類されています。
 言葉のとおり4頭からなり、共同の腱は膝蓋骨を包み、さらに下方に進んで
 膝蓋靭帯となって下腿の脛骨粗面に付きます。

 特徴は、1個の二関節性の直筋と3個の単関節性の広筋からなっています。

 大腿直筋は、この1個の二関節性の筋である直筋のことです。

 大腿直筋は2頭からできており、腸骨の下前腸骨棘と腸骨臼の上縁から
 3つの広筋(内側・外側・中間)の上面をとおり膝蓋骨の上方で四頭筋としての
 共同腱にうつります。

 股関節と膝関節(二関節性)を横切っているために、両方の関節の動きに関与します。

 骨盤を固定すると、股関節を屈曲し、膝関節を伸展することになります。

 また大腿骨を固定すると、骨盤を前傾します。

 この筋は膝の関節の筋としてはよく知られているのですが、
 股関節や骨盤・脊椎に影響を与える事実は忘れられやすい筋です。


○縫工筋について

 人体で最も長い筋です。

 上前腸骨棘のスグ下から、大腿内面を走行し大腿四頭筋上面を通り、脛骨粗面の
 内側につきます。

 この筋も股関節と膝関節をまたぐために二関節性の筋になります。

 股関節の屈曲のみではなく、外旋、外転を行います。

 膝関節も屈曲します。
 膝屈筋としての鵞足筋(縫工筋・薄筋・半腱様筋)としても有名です。
 膝関節の鵞足炎もオーバーユースとして有名な疾患ですね。

 大腿骨を固定すれば骨盤は前傾、内旋します。

 この筋は膝関節の疾患に対する影響の方が大きいでしょう。

○大腿筋膜長筋

 起始は腸骨稜の前面(前上腸骨棘)から、大転子の前をへて腸脛靭帯にうつり
 下方にむかい脛骨の外側顆につく

 大腿の外旋、屈曲、内旋の作用
 
 膝関節の伸展、膝関節を屈曲した状態からの外旋

 骨盤の前傾

 理論的には以上の作用になるのですが、実際には大殿筋や中殿筋の影響をうけ、
 むしろ股関節や膝関節の安定した固定に重要な筋です。




touyou8syok9 at 08:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0)