2009年12月

2009年12月28日

関節を知ろう(30)

関節軟骨

関節軟骨の損傷について

関節軟骨の加齢について

コラーゲンは3歳時から約90歳までは、ほぼ変化がないほど非常に強い。

加齢変性によってコラーゲンの量が減ることはないし、安定し退行変性もあまりない。


それでは、関節軟骨の構造のもう一つのプロテオグリカンはどうでしょうか?

 加齢とともに、たんぱく質の占める割合が増加し、糖鎖の占める割合が減少します。

一体どういうことでしょうか?

プロテオグリカンは、糖側鎖として巨大なグリコサミノグリカンを有するたんぱく質の総称です。

コアたんぱくと呼ぶたんぱく質にグリコサノグリカン鎖が共有した複合体です。

グリコサノグリカンは、硫酸基が付加した二糖の繰り返し構造からなっています。

 一つは、糖側鎖を構成するアミノ糖であるグルコサミン、グルクロンサン、ガラクトサミン
 もう一つがウロン酸であるグルクロンサン、イズロン酸あるいはガラクトースです。
 そして多くの数の硫酸基とカルボキシル基を持つために、強く負に帯電しています。
 グリコサミノグリカン鎖には、コンドロイチン硫酸、、ケタラン硫酸、へパラン硫酸などがあります。

 そして多くのグリコサミノグリカンは、プロテオグリカンとしてコアタンパク質と呼ばれる核となる
 タンパク質に付加した形で存在しています。

 例外は、ヒアルロン酸でありプロテオグリカンとしては存在していません。

しかし、関節軟骨に多量に存在するのが、軟骨プロテオグリカン(アグリカン)は、

その構造はたんぱく質とグリコサミノグリカン鎖であるコンドロイチン硫酸と

わずかのケタラン硫酸からなる約90%の糖質を含みオリゴ糖が結合しています。

その特徴は多数の本分子がヒアルロン酸と特異的に結合し大きい会合体を作っています。
 

加齢の変化として

 糖鎖の減少。

  まず糖鎖の減少よって抱え込まれている水の水和性が減少します。

  結果的に水分子の減少につながり、軟骨の弾力性の低下につながります。
 
  たんぱく質は増加するのですが、質的な変化が見られます。

  コンドロイチン硫酸が少なくなり、ケラタン硫酸が多くなる。
 

分解・変性には

 主に分解酵素であるセリンプロテアーゼであるプラスミン、エステラーゼなどや、

 MMPs遺伝子である、ストロムライシンー1(MMP-3)やメタロプロテアーゼ(MMP−12)などが

 関連するとされています。

 とくにストロムライシンー1(MMP-3)はアグリカンのヒアルロン酸結合部位に反応し、

一部のコアたんぱくを切断・分解したりします。



今回が今年の最後のブログになりました。

お読みになっていただいているみなさん本当にありがとうございました。



今年の一文字は「新」ということでした。

新政権誕生が、一番の大きな話題ですが、何も特別新しいとは感じません。

ただ、今まで存在していた私たちの知らない闇の部分が一気に噴出し

新しく知ることができた1年だったように思います。

このように何事においても、何も知らない、無知の状態、あるいは知ろうとしない行為は

政治の世界だけでなく、健康も同じで非常に危険です。

やがてはいずれ自分自身の身に振り返ってしまいます。

でも、新政権には期待もしています。


しかし新しいということはいいですね。

気持ちが新たになります。

新しい年を迎え、みなさんの身体も心も新たに健康的に飛躍されますように。

私も新たな気持ちで新年を迎えたいと思います。

来年もよろしくお願い申し上げます。




touyou8syok9 at 21:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 関節軟骨の損傷 | 関節軟骨の加齢変性

2009年12月24日

関節を知ろう(29)

関節軟骨

関節軟骨の損傷について

物理的な力学ストレスについては理解し易いですね。

事故などが起き外力の過剰な力が加われば関節軟骨に限らず損傷するのは当然です。

関節軟骨は、せん断力に非常に弱い。

或る意味、直立して二本脚荷重の人間の構造的に体幹を含み下肢の様々な関節においては、避けられないですね。

体幹、下肢の関節は、少しの無理な日常生活の動作でも関節軟骨が損傷を受け易いですね。


一方、上肢の関節には確かに外力によるものが多いようですね。

そして上肢の関節軟骨自体よりも筋・腱・靭帯などの損傷が多いと思っています。

ただし最近では、単に外力のみではなく日常生活における携帯電話によるメール操作や
パソコンの端末操作など、凝り返す動作によって生じる種々の損傷(RSI:反復運動過多損傷)の

頻度が高いことも知られています。


さて関節軟骨の損傷に話を戻しますと、

このせん断力が大きく作用するのが関節軟骨の最表層でした。

変性が大きく作用するのが関節軟骨の中層・深層でした。


では、世間一般的に言われている加齢についてはどうでしょう?

まあ、年齢を重ねれば誰だって弱るし・・・・・、

世間でも関節軟骨の成分であるコラーゲン、ヒアルロン酸、グリコサミンが

年齢とともに減少するので・・・・・ガンガン宣伝していますね。


関節軟骨の加齢について。


若年層の関節軟骨において成分である況燭離灰蕁璽殴鵑よび多量の水分を含むプロ
テオグリカンとヒアルロン酸が豊富に存在します。


コラーゲンの加齢変化は?

コラーゲンの含有量は確かに約3歳でピークを迎えます。

そしてその量は、その後は約90歳までそれほど変化しないのです。

さらに、

コラーゲンの安定化は、

つまり関節軟骨の組織が一度形成すれば、コラーゲンの合成は一定化します。

また逆に加齢によって化学的反応にはむしろ安定する。


つまり、コラーゲンは3歳時から約90歳までは、ほぼ変化がないほど非常に強い。

ただし、

主にコラゲナーゼ群の好中球・間質コラゲナーゼなどの増加で分解されるのです。

これらをMMPs遺伝子というのですが、正常軟骨では発現しないといわれています。

潜在的にこれら2種類のコラゲナーゼは存在しているのですが、損傷した場合などに増加します。

つまり、せん断力などよって損傷した場合には、明らかにコラーゲンは変性が進みます。

単純に、

加齢変性によってコラーゲンの量が減ることはないし、退行変性もあまりしないのです。



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2009年12月21日

関節を知ろう(28)

関節軟骨

関節軟骨の損傷について、


○深層層と石灰化層(石灰化軟骨・軟骨下層)との境のtidemark。

 つまりこのラインは、

 関節軟骨と一定の波状を呈している石灰化層とのラインとなります。

 tidemarkは関節軟骨としての性質を区別する境界線として考えられています。


○石灰化軟骨(石灰下層)

 関節軟骨が骨に移行する手前の石灰層においては、軟骨細胞の周囲に石灰沈着がみられ、

 骨に同化していきます。

 コラーゲン線維内や線維間には、ハイドロキシアパタイト(骨や歯を構成する基本物質)
 が沈着しています。

 この石灰化層の手前のラインがtidemarkです。

 コラーゲン線維が垂直に石灰化層に埋めこまれた状態になっています。

 したがって、

 深層と石灰下層が関節運動によって剥離されないような緩衝機構になっています。

 せん断力に強い構造になっています。

 しかし、過剰のせん断力がtidemarkの部分に集中すれば、この部分で剥離することになります。

○軟骨下骨

 そして骨組織に移行します。

 加齢や変性とともに、石灰下層と骨が一体化し、骨髄からの血管進入もtidemarkにまでおよびます。

 tidemarkは加齢や変形性膝関節症などの軟骨の変性によって乱れたり二重、三重の構造をみせます。

 石灰化層の幅が厚くなったり、軟骨下からの血管新生がこの部分まで及んだりします。

石灰化軟骨や軟骨仮骨が損傷すれば、血管による栄養補給が可能になりますね。

栄養補給されれば修復されるのですが、これは関節軟骨の再生ではありませんね。

石灰化つまり骨の形成になりますね。様々な問題が生じます。



軟骨損傷は、

 最表層のせん断力をはじめとする力学的ストレスとともに、

 中間層におけるコラゲナーゼなどの分解酵素などの働きによる退行変性

 深層からtidemarkおよび石灰化層における力学的ストレスなどによる剥離

以上が絡み合って損傷していくのですね。





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2009年12月17日

関節を知ろう(27)

関節軟骨

関節軟骨の損傷について


浅層から中間層から深層へ、

 コラーゲン線維の太さは浅層では最も細く直径は約310Åです。

 関節面に平行に走る繊細な線維です。そして二次元的に横走します。

 さらに深くなると、斜め方向にも走行するようになります。

表層においては、せん断力による力学的ストレスによって最初に損傷を受けることになります。

この部分が損傷を受けることにより、軟骨実質の変性が急速に進行するとされています。

中層においては、コラーゲン線維は約300〜600Å

 深層においては、約400〜800Åと太さが増します。

 深くなるにつれて、周囲構造との接着も見られます。

 中層・深層においてはコラーゲン線維は網状構造で石灰化層近くになると

 コラーゲン線維はtidemarkに垂直に配列します。


一方のプロテオグリカンは、

 表層では少なく、中層・深層の軟骨細胞の周囲に多く含まれています。

 石灰化軟骨(石灰化層)では少なくなります。


○中間層

 関節軟骨全層の約四分の三を占めています。

 中間層の軟骨基質は不規則(縦横)に走っているコラーゲン線維網とプロテオグリカン、
 
 水分からなっています。

 したがって軟骨の粘断性は、おもにこの中間層の構造のおかげです。

 軟骨細胞の周囲はコラーゲン線維に囲まれて守られるように存在しています。

 軟骨の細胞成分の代謝の活性度は非常に高い。

 この部分の軟骨細胞の代謝活性の変化やプロテオグリカンの変性が、

 軟骨としての機能を失っていく原因になります。

 これらの退行変性は、軟骨細胞、滑膜細胞や好中球よりのたんぱく分解酵素の放出によります。

 これらのたんぱく分解酵素はコラーゲンを破壊するコラゲナーゼなどで変性・破壊
されます。

したがって、関節軟骨の損傷は、

  ★外力や筋収縮でおこる縦方向の力、およびひずみ

  ★軟骨に対する非生理的な力

  ★微細骨折をおこす軟骨下の骨に対する衝撃

  ★コラゲナーゼなどの分解酵素による変性・破壊などによって

 下層の石灰化層や骨へ、直接にエネルギーが伝わってしまいます。

○深層

 深層のコラーゲン線維は、この下層にある石灰軟骨に埋入していきます。

 この部分は下層にある硬い石灰化軟骨にしっかりと固着しています。

 したがって圧縮・せん断力にも耐えうるように太いコラーゲン線維が混入します。

 この部分の軟骨細胞の代謝活性は依然高い。

 この境目に、もしも、

 過剰のせん断力が働くと、この部分で離断されることになります。


深層と石灰化層の境目になるtidemarkは重要ですね。



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2009年12月14日

関節を知ろう(26)

関節軟骨

関節軟骨の損傷について


関節軟骨はせん断力に弱い。

基本的には前回述べたように、関節軟骨の損傷とは、ゆがんだコラーゲン線維の限度を超えるほどの

過剰な圧力およびせん断力が加わった際に、コラーゲン線維が切れた状態です。



どのようにして破壊されていくのでしょうか?


軟骨の表面から骨髄までを断片的に観察してみると、

 関節面から表層部分(輝板・浅層)→関節軟骨の実質(中間層と深層)→tidemark→

 石灰化軟骨(石灰化層)・軟骨下骨→骨髄に分類されていきます。


血管の進入は骨髄側から石灰化軟骨(石灰化層)・軟骨下骨およびtidemarkまでとされています。

関節軟骨は軟骨下骨へ達して終わる血管を介して浸漬作用で栄養を補給している

無血管性の組織です。



○輝板

 関節軟骨を形成するこの部分は無形質の部分と密な細い線維の部分からなります。
 
 関節の潤滑機構で述べたように、高分子のヒアルロン酸が付着して関節液の湿潤性や、

 線維の網目の多孔性を通じて関節液を出入れする役割を持っています。

 関節軟骨には血管がありませんので、

 関節軟骨の栄養は、ほとんどが関節腔側から受けとると考えられています。

 輝板は、この栄養路として働いています。

 一方、関節軟骨の実質が最も高い粘弾性を持っているのですが、

 この部分のプロテオグリカン、水分の平衡的な出し入れの際にも

 輝板は圧縮変形して力学的変形しながら半透過膜的な役目を果たすといわれています。

 輝板の機能はこのように、

 関節軟骨の潤滑や透過性に関与すると考えられているのです。

  
最表層の浅層

この部分は、関節面と並行に走るコラーゲン線維層とその中にある扁平な軟骨細胞を含む部分です。

 この部分が関節面に対する圧縮に強い最初に強い部分になります。

 軟骨構造を維持するための重要な役割を果たしています。

 通常は、この部分が力学的ストレスによって最初に損傷を受けることになります。

 この部分が損傷を受けることにより、軟骨実質の変性が急速に進行するとされています。



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2009年12月10日

関節を知ろう(25)

関節軟骨の損傷について

通常では二重三重に守られた関節軟骨は一生守ってくれるのですが、

「ある力」が働いた時に関節軟骨に傷害が起こる影響が大きいといわれています。

免荷作用、潤滑作用など二重三重に守られた関節軟骨が最も嫌う「ある力」とは?


それは、

せん断力と言われています。

せん断力(剪断力、せんだんりょく)とは、物体内部でズレを生じさせる力です。

つまり、

逆向きの2つの力によって、部材内にある断面にすべりやズレが生じる力です。

ハサミや地震の際の断層面のズレや、地滑りなどもせん断力が原因です。

物質内では力を横に流そうとする結果、せん断力が引き起こされるのです。


関節に置き換えると、関節の運動時は、関節軟骨には二つの関節面(凸凹面)上では、

圧迫、離開、滑り、転がり、軸回旋という運動をします。

この場合に関節内にある軟骨基質の断面にすべりやずれの力(せん断力)がかかり、

関節軟骨基質であるコラーゲン線維の先端がゆがんでしまうのです。


残念ながら関節の運動時には自然とこの「せん断力」が加わります。



関節軟骨の損傷とは、ゆがんだコラーゲン線維の限度を超えるほどの

過剰な圧力およびせん断力が加わった際に、コラーゲン線維が切れた状態です。



少し例を挙げますと、「せん断力」が最もかかる関節が膝関節と言われています。


膝関節はすねの骨(脛骨)の上に太ももの骨(大腿骨)が乗った状態です。

立位ではもともと体重による垂直方向の圧縮力(あっしゅくりょく)がかかっています。

しかも、もともと大腿骨の軸と脛骨の軸は一直線上にはありません。

生理的外反といって脛骨軸に対して大腿軸が5〜10度外反しているのです。

そのほかにも力学的にも高度な負荷、力学的ストレスで酷使される関節ですが・・・


単純に、

体重がかかった状態で、大腿骨が脛骨の上をこすれあうように動きます。

もともとの「体重の圧縮力」「軸のズレ」がある状態プラス「圧迫、離開、滑り、転がり、軸回旋」

という運動の際に生じる「せん断力」が非常に大きいのです。

スポーツなどの際には、プラス「大きな外力」が加わります。

半月板断裂や大腿骨内側上顆などの軟骨損傷が非常に多い関節です。



もともっと単純に言えば、・・・・・・・・

過剰な「圧縮力」プラス「捻転力」が関節には最も避けるべき関節運動となります。

ついでに、過剰な「張力」プラス「捻転力」も関節には避けるべき運動です。



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2009年12月07日

関節を知ろう(24)

関節軟骨

少し、線維軟骨の性質(硝子軟骨との相違点)を述べてみたいと思います。


関節というと滑膜性の関節です。

滑膜性の関節における関節軟骨は硝子軟骨でありましたね。

関節軟骨イコール硝子軟骨でした。

関節包の内層の滑膜から分泌される滑液を含む関節液が関節腔で満たされています。

この関節液に満たされた硝子軟骨の免荷作用と潤滑作用によって関節が守られていました。

荷重負荷のかかりやすい関節には関節腔の中には関節の補助装置である

関節円板、関節半月などのような線維性軟骨である関節小板が存在する場合があります。

したがって、線維軟骨も少し知っておく必要があります。


ここから、少しだけ線維軟骨の特徴(硝子軟骨との相違点)ついて、

代表的な線維軟骨は、

 膝半月、椎間板、手関節三角線維軟骨などですが関節軟骨の修復過程にも見られます。

 コラーゲンは儀燭最も多く(90%以上)持つが硝子軟骨に多い況燭枠鷯錣望ない。

 儀燭離灰蕁璽殴鵑寮維は況燭寮維よりも太い。

 プロテオグリカンは、儀織灰蕁璽殴鸚維と結合しやすいデルマタン硫酸プロテオグリカン(デコリンとビブリカン)で
 硝子軟骨の軟骨型プロテオグリカン(アグリカン)の成分であるコンドロイチン硫酸プロテオグリカンは少ない。

以上の結果、

非常に圧縮に強い性質を持っっていることになります

このようにして、私たちの関節は、

硝子軟骨の免荷作用、潤滑作用に加え、さらに圧縮に強い線維軟骨で二重、三重に

補強されることになります。


線維軟骨の血行は、硝子軟骨と同様に非常に乏しい。
 
ただし膝内側半月板の3分の1領域のみには、血行が存在しています。


関節軟骨つまり硝子軟骨の欠損や変性の修復過程においては、線維軟骨が出現します。

ただし、一度、線維軟骨によって修復されると、硝子軟骨に置換されることはありません。


touyou8syok9 at 19:24|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 関節軟骨 

2009年12月03日

関節を知ろう(23)

関節軟骨

潤滑作用の仕組み

1、流体潤滑機構とは?
 
 関節面がピッタリと一致していないので、その間には関節液が存在しています。

 つまり二つの関節軟骨の面は関節液の膜で隔たれことになります。

 荷重がかかると軟骨間同士は接近し、関節液の層の内圧が上昇し二つの軟骨面は直接接触しません。

 結局二つの軟骨表面の摩擦は起こらずに、その間に存在する液体の層の内部摩擦が起こっている。

従来はこの説が有力であったのですが、この流体潤滑が働くには、

関節が非常に速く休むことない運動、あるいは関節液に一定以上の圧力がが必要であるために、

関節運動がこの条件を満たしているとは限らない。


そのために、

2、境界潤滑機構が必要になります。

  境界潤滑とは?

 摩擦面に柔らかいフイラメントが固着している時に摩擦面の凸凹があり、

 部分的に流体膜がうすくても摩擦が増えない状態をいう。

すなわち関節でもヒアルロン酸の分子や蛋白のフイラメントが関節軟骨の表面に固着しているので

二つの関節軟骨の表面には境界潤滑がおこっていると考えられます。


境界潤滑の種類。

○湿潤潤滑

 関節軟骨を強く圧迫すると、軟骨から水分や分子量の小さいイオンが滲出します。

 その液体が膜を作るために潤滑作用を持つ。

○しぼり膜潤滑

 荷重が増大するにつれ、両者の関節面が近接し、関節液はゆっくりとその周囲に流れ出すれ出ようとするときに

しぼり膜という潤滑膜を形成します。

○弾性流体潤滑。

 この際に関節軟骨の成分による免荷作用で述べたように、高い粘弾性を有している

 関節軟骨は弾性変形し、潤滑膜がつぶれて押し流されないように表面形状を変えます。

 その結果、

 しぼり膜である潤滑膜を保持することができ潤滑作用をすることができるのです。

○持ち上げ潤滑

 関節軟骨の凹面に留まった滑液が押し出される時に関節軟骨表面にあるフイラメントが関節液内の

 高分子(分子量の大きいヒアルロン酸など)の成分が窪みにトラップされ残存し、

 水分は軟骨表面の多数の小孔(100nm)から流出していきます。

 その結果、

 残った関節液が濃縮され粘性の高いものとなり関節面を持ち上げ潤滑作用に働く。


このような様々の潤滑作用によって

実際に関節液が介在していると荷重により、

人の関節軟骨同士を20〜30分間押さえつけてもお互いに接触しないが、

人工関節同士を押しつければ数分間で接触してしまうという報告があります。


関節軟骨である硝子軟骨の構造、成分、関節液の成分すべてが機能することで、

関節軟骨の免荷作用と潤滑作用が働き、関節を守っているのですね。



touyou8syok9 at 22:02|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 関節軟骨