2010年01月

2010年01月28日

関節を知ろう(36)

関節軟骨

軟骨の損傷について


関節軟骨は、動かさないとダメになる組織といえます。

関節が動くことによって、関節腔の内圧が上がったり下がったり規則正しく変動しま
す。

この関節腔内の内圧の変化が重要なのです。

 圧力が高くなると関節液(滑液)が関節軟骨の表面へ浸透します。

 圧力が低くなると関節軟骨から関節液(滑液)の不要物質が排出されます。

関節軟骨にはこの関節液の新陳代謝が重要なのです。

適度な正しい関節運動の重要性が理解できたでしょうか。


適度な正しい関節運動を繰り返し行うことは、

1、関節包の内層の滑膜の毛細血管網から関節液の分泌に必要。

2、関節腔内の関節液は関節内圧の変化によって関節軟骨に栄養を与える。

  同時に関節軟骨から不要物を排出する。

3、排出された不要物や分子量の小さくなったヒアルロン酸などは

  滑膜の毛細血管網に吸収されリンパ組織に移動する。

そして、

関節軟骨基質の構造は、それらの代謝に適した構造になっているのですね。

復習をかねて説明していきます。


関節軟骨の最表層から浅層の構造の特徴

関節軟骨の潤滑や透過性に関与しています。


○ 関節の最表層は凸凹である。→関節表面の潤滑性に役立っている。

 関節の表面積が増加します。

 関節液が関節表面に広く分散するのに役立っている。

 関節液の高分子のヒアルロン酸が関節表面に付着しやすい。


○輝板が存在する。→関節液の透過性と潤滑性にも役立っている。

 多くの孔(細い線維網)をもっており関節液を出し入れしています。

 栄養素や酸素や水分や不要物の循環に役立つ。

 つまり、関節液の栄養分やプロテオグリカン、水分の平衡的な出し入れに役立つ

 輝板はまだまだ不明な点が多いといわれていますが、

 関節軟骨の栄養のほとんどが関節腔側からの供給を受けているので、

 この栄養の通過点になっていることは間違いない。


○コラーゲン線維の層は厚く関節面と並行に走り、その線維は最も細い。

 軟骨の辺縁においては、骨膜のコラーゲン線維と入り交り骨に固定されている。  
 関節腔内に存在するヒアルロン酸とともに関節面にかかる圧縮力に対応する。


○ 扁平な軟骨細胞を持っています。

 軟骨細胞の活性は低く、多少とも変性に陥っています。


○プロテオグリカンは少ない。


主に、潤滑機構や免荷機構そして透過性に役立っています。

以上のように最表層から浅層の構造は軟骨基質の維持のうえで重要です。


この部分が損傷を受けると軟骨の変性が急速に進行します。

コラーゲン線維は厚く存在しますが、その線維そのものは中層深層よりも細い。

軟骨細胞の活性も弱く、プロテオグリカンも少ない。

当たり前ですが、軟骨基質の表層ですので日常生活の関節運動においては、

せん断力による影響が最も起こりやすい部分になります。


適度な正しい関節運動が重要になります。




touyou8syok9 at 20:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 関節軟骨の損傷 | 軟骨の栄養代謝

2010年01月25日

関節を知ろう(35)

関節軟骨

軟骨の損傷について

関節軟骨にとって

細胞外マトリックスの合成あるいは分解により恒常性が維持されること。

軟骨細胞の周囲における細胞外マトリックスの代謝回転が行われること。が重要です。

そのために絶対的に必要なことは、関節の正しい運動。

前回は関節包の内層にある滑膜の運動でした。

 伸びたり縮んだりにて滑膜起始部の毛細血管網からの拡散という物理的な現象によって

 関節液(滑液)を関節包内に供給される仕組みになっています。

ご存じのように

関節軟骨は血管、リンパ、神経組織を持っていませんので、その代謝はほとんど

関節液を介して行われています


正しい関節運動は、

関節腔内の関節液の栄養物などが関節軟骨基質への相互移動する代謝における

物理的な重要な役目を果たします。


この重要な役目を担うのが、関節腔内の圧力の変化です。

一般に関節内圧と呼ばれています。

関節が動くことによって、関節腔の内圧が上がったり下がったり規則正しく変動します。

関節腔内の関節液(滑液)の栄養や酸素などが軟骨基質全体に浸透しつつなおかつ、

不必要な代謝産物が関節腔内に戻らなければなりません。

このことによって、軟骨細胞に十分な量の栄養や酸素などが供給され、なおかつ

代謝産物の供給と排出が行われ、軟骨基質の恒常性が半永久的に保たれるのです。


関節腔内の圧力が高くなったり低くなったりすることにより、

一種のポンプ作用で物理的移動拡散作用が強くなり、軟骨細胞の新陳代謝が活発になるのです。

そして不要な代謝産物は滑膜の毛細血管から吸収され、リンパ組織へと移動していきます。

これも当然、関節包自体の運動と関節内圧によって行われているのです。


つまり、

関節軟骨は、動かさないとダメになる組織といえます。


touyou8syok9 at 20:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 関節軟骨の損傷 | 軟骨の栄養代謝

2010年01月21日

関節を知ろう(34)

関節軟骨

軟骨の損傷について

細胞外マトリックスの合成あるいは分解により恒常性が維持されること。

軟骨細胞の周囲における細胞外マトリックスの代謝回転が行われることが重要です。


そのために必要なことは、何か?が重要でしょう。


加齢の変化は何も関節軟骨のみに起こるのではありません。

皮膚・血管・筋・腱・骨すべてに加齢による脆弱化は起こります。

運動器の問題に限らず、消化吸収・呼吸などの機能までも低下していくのです。

当たり前ですね。


関節軟骨に話をもどします。

半永久的に軟骨細胞が活発にマトリックスを活発に合成あるいは分解しながら

その恒常性を維持しています。

そのために必要なことは、今回は答えから、

単純明快です。

  ↓

  ↓ 

  ↓

  ↓

  ↓

  ↓

答え: 正しい関節運動です。


理由:今までの復讐も含めて考えて行きましょう。


成長してしまった軟骨細胞の活性は成長期ほど活発ではありません。

関節の軟骨細胞は浅層では細胞の機能としてはそれほど活性は高くありません。

中間層から深層では活性は高くなります。・・・・が

ご存じのように関節軟骨内には血管がありません。


関節軟骨の問題の前にまず、

関節腔内には、関節液が満たされています。

関節液には栄養となる血漿成分やヒアルロン酸蛋白複合体などが滑膜から活発に分泌され満たされています。

ヒアルロン酸は潤滑作用や機械的な衝撃に緩和するだけでなく、プロテオグリカン会合体としてリンク蛋白を介して細胞外マトリックスとしても重要出したね。



このように血管が存在しない関節軟骨の恒常性を維持するには、

まずは、関節包の内層である滑膜から活発な滑液の供給が必要ですね。


関節が運動する時に、関節包が伸縮し滑液包から滑液がにじみ出るようにして関節腔内に貯まります。

その血漿の栄養成分やヒアルロン酸などが軟骨表面に行き渡ります。

そして、関節包に栄養を届けるのは、関節包周辺の毛細血管ですから、

弛緩〜伸張〜収縮のサイクルを利用したリズミカルな筋収縮によって、関節周辺の

血流を改善する事が大切になります。


正しい関節運動が必要ですね。

ただしこれは関節包と周囲の問題で、関節軟骨以外の問題になりますね。


次回は、正しい関節運動がなぜ関節軟骨の恒常性に必要なのか?



touyou8syok9 at 21:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 関節軟骨の損傷 | 軟骨の栄養代謝

2010年01月18日

関節を知ろう(33)

関節軟骨

関節軟骨の損傷について

軟骨基質の大部分は、

水分とコラーゲン、プロテオグリカン(プロテオグリカン会合体は、ヒアルロン酸、リンク蛋白およびアグリカンの三者から成る)

そして軟骨細胞です。

軟骨細胞以外を、一般に細胞外マトリックスと呼んでいます。

単純に考えれば、軟骨基質は軟骨細胞と細胞外マトリックスになります。

みなさんに軟骨基質を知っていただきたいために、

細胞外マトリックスの成分や加齢による変化などをお伝えしました。


しかし、いまさらこのようなことをいって申し訳ありませんが、臨床においては、

加齢によってどの成分が減少したということはあまり意味がないように思います。

減少しない方が都合が良いことは当たり前ですが、

加齢による関節の変化や変性は、必ずしも疾患として認識されるものではありません。

関節軟骨の形態の変化が強いにも拘らず、疼痛や機能障害を呈しない場合も日常の

臨床では非常に多いのです。

変形性関節症は、細胞外マトリックスが減少することは事実です。

しかし加齢によって細胞外マトリックスが減少したからといって、

必ず変形性関節症になるわけではありません。

人は加齢による老化は程度の差はあるにしろ避けようがありません。

加齢によって軟骨の脆弱化は避けることはできないという事実が存在するのみです。


加齢により減少した軟骨成分のコラーゲンやヒアルロン酸あるいはグルコサミンやコンドロイチンなどをサプリメントとして服用して本当に軟骨成分として有効かどうかの真偽はさまざまな論議がありますが、特別に重要だとは思っていません。

もう一度ぜひ思い出して欲しいのですが、

身体の骨格は、まず軟骨が形成され、順次成長、分化され骨に置換形成されていき、

最終的に骨の端の表面が関節軟骨として残存して、半永久に存在しているのです。

もう少し詳しくのべると、

軟骨細胞の増殖・分化・肥大→石灰化し骨芽細胞が進入し軟骨は骨あるいは骨髄に置換されます。

そして軟骨は、長管骨の両端に残存し分化し続けて骨端軟骨となります。

骨端軟骨と骨幹の境界において成長軟骨板が形成されてさらに成長が進むと、

骨端の中心部にも骨が形成され、成長軟骨板は成長の終了とともに消失します。

成長の停止は各関節によって年齢の違いがあります。

主にレントゲンによる骨端線の閉鎖により骨の成長が止まることがわかります。


関節面の部分は、関節機能を担当するうえで、軟骨のもっている様々な長所の存在価値のため、

軟骨のまま温存された物であるという点です。

身体に存在している関節軟骨は、半永久的に身体に存在しているのです。


骨格の関節として一旦形成された関節軟骨の軟骨細胞の分裂能力は低下しており、

活動性はそれほど高くありません。



では何が重要なのでしょうか?

一度形成された身体の骨格の関節軟骨を恒常維持することが最も重要だと思っています。

軟骨細胞は、なにもヒアルロン酸を分泌するだけではありません。

自ら産生分泌した多量の細胞外マトリックスの中にちりばめられように埋もれて存在しているのです。

すなわち細胞外マトリックスの合成あるいは分解により恒常性が維持されること。

軟骨細胞の周囲における細胞外マトリックスの代謝回転が行われることが重要です。


そのために必要なことは一体何か?

恒常性を阻害するものは何か?

ということが重要だと思っています。



touyou8syok9 at 20:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 関節軟骨の損傷 | 軟骨の栄養代謝

2010年01月14日

関節を知ろう(32)

関節軟骨

関節軟骨の損傷について、

軟骨のプロテオグリカン会合体として重要な役割を持つヒアルロン酸。

ヒアルロン酸もサプリメントとしてバンバン宣伝されていますね。

お医者様の場合は変形性関節症にヒアルロン酸を関節腔内に注入されます。

変形性膝関節症をはじめとして変形性関節症の治療の主流になっています。


このヒアルロン酸は、

 硝子軟骨中では約1mg/g湿重量存在しており、

 リンクタンパクを介してヒアルロン酸が結合し安定したアグリカンとなり、
 プロテオグリカンの会合体として軟骨基質の構成に重要な役割を果たしている。
 このことは既に述べました。

 一方、

 関節腔内に存在しており常に関節軟骨を包み込んでいる関節滑液中には、

 3〜4mg/ml存在するといわれています。

 関節液で最も多く存在する関節腔が膝関節で正常で約3〜5mlといわれています。

 膝関節の関節液には最大5mlとしてヒアルロン酸約20mg存在することになります。

 ティースプーン一杯の量が約5mlです。

 みなさんが思っておられるより関節液の量ははるかに少ないでしょう。
 
 ちなみに、体内で最も多く含まれている部位が皮膚の部分です。
 成人で平均7〜8g(体全体のヒアルロン酸の約50%を占めています。)
 真皮(約0.5mg/g湿重量)と表皮(約0.1mg/g)の両方に存在しています。
 そのほかには、眼の硝子体、臍帯などの結合組織に多く含まれています。


このヒアルロン酸は、

線維芽細胞(硝子軟骨においては軟骨細胞)あるいは関節包の内層である滑膜の

滑膜細胞で生産されています。

滑膜からはヒアルロン酸を含んだ関節液(滑液)が分泌されています。

この関節液は非常に重要です。


関節液(滑液)

血漿成分とヒアルロン酸蛋白複合体が加わった構成になっています。

ヒアルロン酸は高分子多糖類でグリコサグリカンの一種です。

膝関節液の正常のヒアルロン酸は分子量約400万で変形性関節症では250万に

減少するといわれています。

関節液に粘り気があるのは、このヒアルロン酸が含まれているためです。

関節運動の際には、このヒアルロン酸は、

関節液の主要成分として関節潤滑機能(液体膜潤滑および境界潤滑など)および

粘弾性により機械的衝撃の緩和にも関与しています。


この関節液(滑液)は、

関節腔の表面つまり関節包の内層を覆っている滑膜の滑膜細胞でつくられています。

滑膜には、関節軟骨の代謝に必要な物質を出し入れする働きがあります。

関節腔の表面(関節包の内層)にある一層の滑膜細胞が血液から栄養分を取り込み、

関節液をつくって関節内に放出しています。

その一方では、古い関節液を吸収して、関節液量のバランスをとっています。


また血管が通っていない関節軟骨そのものには、血液から酸素や栄養分を直接取り込むことはできません。

軟骨細胞が活動し軟骨基質の代謝ができるのは、関節液が仲介しているのです。

軟骨には血管やリンパ管も神経も入らず、軟骨細胞は組織液を介した拡散によって
 
酸素や栄養分を受け取り、不要物を排出しています。

つまり軟骨組織内の新陳代謝は、基質内の物質の浸潤の移動で行われています。


関節液と軟骨の最表層部である輝板は

関節軟骨の潤滑や酸素や栄養のなどの関節液の透過性に関与するとされています。


関節液(滑液)と軟骨基質そして関節包の内層の滑膜は切っても切れない関係ですね。



touyou8syok9 at 21:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 関節軟骨の損傷 | 軟骨の栄養代謝

2010年01月07日

関節を知ろう(31)

関節軟骨の損傷

関節軟骨の加齢について

コラーゲンは、加齢により

 3歳時から約90歳までは、ほぼ変化がないほど非常に強い。

 加齢変性によってコラーゲンの量が減ることはないし、安定し退行変性もあまりない。

 軟骨の浅層にはコラーゲン層と軟骨細胞が多い。

プロテオグリカンは、加齢により
 
 明らかにプロテオグリカンおよび水分の減少と体積の減少がおこります。

 軟骨の中間層から深層のtiddemarkまでにはコラーゲンと豊富なプロテオグリカンと水分が多い。
 この部位は、軟骨細胞が多く存在しています。そして軟骨細胞の代謝活性は非常に高い。

加齢により軟骨基質に大きな変化が起こります。

 軟骨の中間層から深層に多く含まれている、軟骨の中間層コラーゲン線維網との

 協調作用も低下しますので軟骨基質の脆弱化がひきおこされます。



○水の水和性が減少し、結果的に水分子の減少につながり、軟骨の弾力性の低下につながります。

たとえば、
 最も多く水分を含んでいるとされている部位の椎間板の髄核においては、出生時には88%もあるのに成人で80%、77歳で65%以下となり加齢とともに低下しま
す。
 
加齢による水分量の低下は明らかであり、

その結果は加齢により、軟骨の弾力は確実に低下する結果になります。

この髄核に含まれるグリコミノグリカンのほとんどは硝子軟骨と同様な巨大プロテオグリカンであるアグリカンです。

(硝子軟骨と線維軟骨との差がありまったく同じではありませんが)

○コンドロイチン硫酸が減少し、ケタラン硫酸が増加する。

 アグリカンの構造は直鎖上にコア蛋白(G1、G2、G3)にコンドロイチン硫酸―ケタラン硫酸が多数結合しています。
 N側にケタラン硫酸、C側にコンドロイチン硫酸が存在します。
 ヒアルロン酸と結合するのがG1です。
 この部分はリンクプロテインを介してヒアルロン酸と結合し安定しています。
 
 
 加齢とともに(軟骨基質に長期間に存在するばするほど)

 分子構造ではコンドロイチン硫酸のあるC側から分断され分子量が減少し、

 切断側のC側は次第に軟骨基質から失われていきます。

 →コンドロイチン硫酸が加齢とともに減少する。

 ケタラン硫酸は分子構造上では反体側のN側にあります。

 そのためにC側のコンドロイチン硫酸が減少し、ケタラン硫酸が増えるというよりも、
 N側のケタラン硫酸の比率が高いアグリカンになります。

  
加齢とともに、

 低分子量になり、コンドロイチン硫酸の少ないケタラン硫酸を多く含むアグリカンが増えます。

 全体的にも硫酸基の陰性負荷の減少であり、水和性の減少→水分減少。

そして重要なのは、

軟骨のプロテオグリカンは多数の本分子がヒアルロン酸と特異的に結合し大きい会合体を作っていましたね 

このケタラン硫酸のN側がヒアルロン酸との結合部になるため、

アグリカン分子がたとえ新しく合成されてもヒアルロン酸と容易に結合されない。

 →プロテオグリカンの会合体を作ることができません。


最終的には加齢とともに巨大プロテオグリカンが減少する。


結論、

加齢によって

軟骨における水分とプロテオグリカンの体積は明らかに減少します。

加齢とともに軟骨の中間層から深層にかけてのtiddemarkの軟骨基質に大きな変化が起こります。





touyou8syok9 at 20:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 関節軟骨の損傷 | 関節軟骨の加齢変性