2010年06月

2010年06月28日

肩関節(14)

肩関節

肩甲上腕関節の関節包内圧

○肩甲上腕関節が拘縮した場合。

 四十肩や五十肩とよばれる凍結肩の場合の関節包の内圧は運動制限が強いほど

 急激な上昇を示します。

○腱板が断裂した肩甲上腕関節やリウマチ(ステージ2〜3)の肩関節炎においては、

 たとえ運動制限が強くても関節包内圧の上昇はわずかであります。



○拘縮した場合

なぜ内圧が上昇するのか?

1、関節包自体の問題

  関節包内の炎症によって、内膜である滑膜の増殖によって、関節腔内の容積が減少。
  
  あるいは、

  関節液産出が増加することにより関節腔内の容積の減少。

  あるいは、

  関節包の退行性変性によって関節包自体の柔軟性の低下による拡延性の減少など

自然肢位においても関節包の内圧は高く、わずかな運動角度の変化によっても内圧が

簡単に上昇することは容易に想像できます。

これらの内圧の変化は関節包に存在する各種の侵害刺激受容に反応し、痛みはモチロン、

運動に反応されることも容易に想像されます。

それが拘縮した状態で関節包内圧の上昇する傾向はさらに高くなる。


2、滑液包との問題

  肩甲上腕関節の関節包と交通している滑液包があります。

  その一つが肩甲下滑液包です。

  肩甲下滑液包は、関節上腕靭帯の上部と中部の間隙にはブァイトブレヒト

 (Weitbrecht)という開孔を持っており、

  このWeitbrecht孔を介して肩甲上腕関節の関節包と交通していましたね。

  通常はこのブァイトブレヒト孔を通じて内圧の調整をしています。

  関節包内の滑液が多い場合は肩甲下滑駅包に逃がすわけですね。

  拘縮によって上腕関節が孔が閉じられるとこれらの滑液の調節機能ができなくなってしまいます。

  肩甲下滑液包に逃げることができない。

  当然

  関節包の内圧は通常の運動よりも上昇することになります。


  そして、上腕二頭筋長頭腱滑液包も関節包と交通しています。

  この上腕二頭筋長頭滑液包は関節内滑膜外組織でもあり、

  上腕二頭筋腱の結節間滑液鞘とも呼ばれます。

  肩甲上腕関節の関節包と交通していることになります。

  しかし、

  このは滑液鞘は結節間溝の下端で閉鎖しています。

  関節包と一体化した横靭帯の緊張や、上腕二頭筋長頭腱の炎症や緊張により、

  この滑液鞘が抑えつけられれば

  当然通常の運動時よりも関節包内圧は上昇する結果となります。


以上が、肩甲上腕関節が拘縮した場合は

 関節包そのものの問題と関節包と交通している滑液包の問題が複合化して、

 関節包の内圧は運動制限が強いほど急激な上昇を示すのです。

 当然、疼痛も強いわけですね。

 疼痛が強いとさらに拘縮しさらに内圧が上昇し、さらに疼痛が出現し、

 ますます拘縮するという悪循環がおこるのも当然ですね。

 
 四十肩・五十肩の凍結肩(フローズンショルダー)と呼ばれる状態はまさに、

 肩甲上腕関節が拘縮した上記状況に陥った典型例でしょうね。


それでは肩板断裂においては、

どうしてたとえ運動制限が強くても関節包内圧の上昇はわずかなのでしょう?


touyou8syok9 at 19:55|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 肩関節 | 関節包内圧

2010年06月24日

肩関節(13)

肩関節

関節包内圧

様々な方法によってこの関節包内の圧力が調べられています。
調べる方法によっては、圧力の値に多少の違いがあるようです。


一般的には、正常関節における肩甲上腕関節の関節包内圧の変化は、

 上方挙上するに従い上昇し60度以上において急激な上昇を示す。
 そして、180度において内圧が最大になります。

 これは、関節包や一体となっている回旋筋腱板・関節上靭帯(上・中・下)を
 一つの筒と考えると、それらの緊張が均等になるのが、上腕骨が内旋・外旋中間位であり、
 肩甲上腕関節が20度〜30度上方挙上した状態です。

 そのために20度〜30度が関節包の内圧は陰圧であり、その後上昇に転じ
 約60度以上において急激に上昇傾向を示し90度を境として陽圧に転じ、
 180度において関節包内の圧力つまり関節包内圧が最大になります。
 

 下降時には徐々に内圧は120度までは下降するが、その後90度に至るまでは
 再び軽度の上昇が見られます。

 そして下垂位に至っても関節包内圧は陽圧になっています。

 内旋は緩やかな上昇をしめす。

 外旋は約30度において上昇点が存在し、最終外旋40度においては
 最終内旋の内圧よりやや高い傾向にある。

 外転は少し異なっており、0〜30度までは内圧は低下して陰圧であり、
 30〜60度でも陰圧であり変化が見られずに一定値をしめし、
 60度を超え始めると内圧が上昇し陽圧を示す。


肩甲上腕関節の関節運動における一連の関節包内圧の変化は、

腱板や靭帯の緊張と関連していることが理解できます。


一方、異常な肩甲上腕関節においては、

○肩甲上腕関節が拘縮した場合

 四十肩や五十肩とよばれる凍結肩の場合の関節包の内圧は運動制限が強いほど

 急激な上昇を示します。

 1、最大挙上の角度が90度以上可能な場合は、

  正常関節の上昇と似てはいるが関節内圧の圧力の上昇が早期に起こり、
  挙上の初期におこる圧力の減少が見られない。

  全体的に高い内圧を示しおており、下降後の下垂位でも内圧は高い値を示す。

 2、最大挙上の角度が90度以下の場合は、

  一気に挙上初期に一気に上昇し高い値を示す。


ところが、

○腱板が断裂した肩甲上腕関節やリウマチ(ステージ2〜3)の肩関節炎においては、

 たとえ運動制限が強くても関節包内圧の上昇はわずかであります。


拘縮した肩甲上腕関節と比較するとどうして?

このような差があるのでしょうか?





touyou8syok9 at 21:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 肩関節 | 関節包内圧

2010年06月21日

肩関節(12)

肩甲上腕関節

関節内圧

このブログでも良く関節内圧という言葉が出てくると思います。


関節を安定補強するのが、靭帯、腱板という説明をしてきました。

そして

意外と忘れられている存在がこの関節内圧です。


この関節包内圧は様々な関節において安定性およびに疼痛などに重要です。


肩甲上腕関節は自由上枝帯の一つで非常に自由度の高い関節です。

つまり、何もしなくても上肢の重さ+重力が骨頭と関節窩を離そうとしている

牽引力が働いています


肩甲上腕関節の安定性という点においては他のどの関節よりも

この関節内圧は重要になります。


通常の正常な肩甲上腕関節の下垂位においては、関節包内圧は陰圧になっています。

関節内の圧力は大気圧よりも低く、大気圧と同じになると下方への不安定性が出現します。

つまり通常は陰圧になっており常に、骨頭を関節窩に引き付けています。

そして、骨頭を下方に牽引すると、圧力の負の値が大きくなります。

つまり、増大する牽引力に比例して関節窩へ引き付ける力である陰圧が高くなります。


反対に、

上肢を挙上すると関節包内圧は上昇し陽圧になります。

うまくしたもので、軟部組織や筋の緊張が高まるので陰圧による安定化作用は
不要になります。

このように常に関節包の内圧は変化し関節の安定化に役立っているのです。


肩甲上腕関節において、靭帯と関節包内圧の基本的な関係は、

靭帯は可動域の限界つまり、靭帯が緊張する肢位において初めて機能を発揮します。

つまり、

靭帯が弛緩している中間位には関節唇、関節窩、関節包内圧が関節安定に寄与することになります。

つまり

肩甲上腕関節の関節包周囲の靭帯・腱などが弛緩しているばあいは、

関節包の内圧はそれほど高くないということです。

反対に運動や緊張時には

関節包の内圧は上昇して高くなるのです。


肩甲上腕関節の関節包の外層は線維層であり靭帯や腱と一体しています。

何らかの傷害などにより拘縮や緊張により疼痛が生じれば、

本来は高くない関節包内圧も常に高くなり、運動によるわずかな圧力の変化に対しても

強い疼痛を生じ、さらに拘縮、緊張も悪化させるという悪循環に陥ります。


肩甲上腕関節は他の関節と違って関節可動域が非常に大きいので、

関節包内圧の変化も大きい事は容易に想像できます。

正常時と異常時での肩甲上腕関節の関節包内圧はどうなっているのでしょうか?



touyou8syok9 at 20:26|PermalinkComments(5)TrackBack(0) 肩関節 | 関節包内圧

2010年06月17日

肩関節(11)

肩関節

肩甲上腕関節

肩甲上腕関節(狭義の肩関節)の構造を観察してきました。

今回は、少しまとめながら要点を述べていきます。


肩関節は、私たちが生活するうえで最も可動域があり自由に動く関節です。

反面、非常に不安定な関節ともいえるのです。 負担の多い関節でもあります。

この負担というのは、膝関節などのような荷重関節とはまた違っています。

つまり、

支えのない関節であり常に上肢の自重と重力という牽引力にさらされています。

ちなみに、

上肢の重量は体重の約9%と言われています。

つまり体重50キロで約4,5キロ(両上肢の重さ)

この重量が日常生活で様々な動作を行うのです。

スポーツなどでは、遠心力や回旋力などより負担が大きくなります。


したがって、日常生活として、この関節の要求される構造的に重要な機構は、

安定化機構が最重要になるのです。


いままで述べてきた観察はこの安定化機構としての観察でもあったのです。


上腕骨(凸面)と肩甲骨の肩甲窩(凹面)で構成される関節面は、

非常に浅くボールアンドソケットと呼ばれる。

関節の安定化の機能として、この凹面である

浅い関節窩の周囲に丸く盛り上がった2重の環状形の軟骨性の関節唇によって

関節窩の深さは約2倍になります。

この関節唇によって関節表面の適合性が増大する。

滑膜の広がりを2倍にし、関節面の軟骨を栄養あるいは潤滑にして関節機能を高める。

それでもまだ、上腕骨頭は3分の1しかはまり込んでいません。

まだまだ適合には乏しく不完全であり不安定な構造です。

残りの3分の2は関節包に包まれることになります。


そのため関節包は靭帯、あるいは腱、筋によって補強されます。


○上方から前上方は、

 鳥口上腕靭帯、腱板、特に棘上筋によって補強されている。

 棘上筋は回旋の外転の補助筋であるとともに上腕骨頭を関節窩に引き付ける。
 鳥口上腕靭帯は、屈曲および伸展を制御し、上腕の懸垂機能ももつ。


○前上方から前方は、

 関節上腕靭帯の上部と中部の靭帯および肩甲下筋によって補強される。

 関節包と肩甲下滑液包はこの関節上椀靭帯の上部と中部の腱の開口部すなわち
 ブァイトブレヒト(Weitbrecht)という開孔により交通している。
 
 また、上腕二頭筋長頭腱も関節包の補強や運動に関与する。
 上腕二頭筋腱・関節唇複合体と呼ばれ部位から上腕二頭筋長頭腱が起始する。
 上腕二頭筋長頭は上腕の外転作用ですが、
 結節間溝内で滑動して肩の屈曲、水平内転、下垂での内旋外転位での外旋に関与
 上腕二頭筋長頭滑液包
 関節内滑膜外組織でもあり、上腕二頭筋腱の結節間滑液鞘とも呼ばれます。
 肩甲上腕関節の関節包と交通していることになります。


○前下方から後下方は、

 関節上腕靭帯複合部によって補強され、非常に弛緩し、ゆとりを持っています。
 関節上腕靭帯複合部は上腕の外転と外転時の回旋における制限。


○後方は、

 棘上筋腱、棘下筋腱、小円筋腱によって補強。


○前上方、後上方から側方は、

 主に三角筋になりますが、

 肩の第2関節と呼ばれる、棘上筋と肩峰―三角筋アーチの間に広がった滑液包も
 重要になります。

 肩甲上腕関節(狭義の肩関節)を第1肩関節と呼び、
 肩峰下関節あるいは肩峰上腕関節、上腕上方関節、三角筋下関節に存在している
 関節腔をあえて第2肩関節と呼んでいます。
 
 肩の第2関節を形成している重要な滑液包として肩峰下滑液包、三角筋下滑液包、 鳥口下滑液包の3つの滑液包は、本来は個別のものか、一つのものか未だ定説はありません。
 この滑液包は関節包とは交通していません。


ここまでが簡単なまとめですね。

もう一度読み直して整理していただければ幸いです。



肩甲上腕関節の安定化には静的安定化と動的な安定化が存在します。

○静止的安定化の機構には、

 関節唇、関節窩や関節可動域の限界で安定する関節包靭帯をふくめた靭帯。

○動的安定化の機構には、

 上肢を動かしている筋力、腱、靭帯が存在しています。

○そして動作が潤滑にできるように滑液包が存在しているのです。

 関節包と交通している滑液包としていない滑液包が存在する。

以上も理解できると思われます。


ここで肩甲上腕関節で忘れてられている重要な安定化機構の存在があります。

このブログでも時折出てきます。

それが、関節包内圧です。

筋・腱・靭帯の作用に隠れて、忘れがちな関節包内圧。

臨床的に非常に重要なのに、一般にはあまり知られていません。


今回は本題が少なかったですが、

次回は肩甲上腕関節包内圧(関節内圧)



touyou8syok9 at 21:09|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 肩関節 | 肩甲上腕関節

2010年06月14日

肩関節(10)

肩関節

肩甲上腕関節

肩甲上腕関節の下方

関節包は筋肉で直接おおわれていない最も広い部位になります。

肩甲下筋と小円筋の間に相当する部分です。

その反面、

肩甲上腕関節の前方下部から後方下部にかけての部位は、

関節上腕靭帯の3本のうちの一番下の最も分厚い靭帯が補強しています。

つまり、

下関節上腕靭帯複合体によって補強されることになります。


さて関節上腕靭帯は何度も出ています。

もう一度復習しながら詳しく述べてみます。


肩甲骨と上腕骨を補強している靭帯である。

関節上腕靭帯:関節唇のかわりからおこり、上腕骨の解剖頚につく。

       前方を補強し上部・中部・下部の三つの靭帯で構成されています。

  上部は鳥口上腕靭帯の下前面にあり、肩甲骨の関節窩の上端から起こり、

  上腕骨の小結節のすぐ上で解剖頚に付く狭い靭帯です。

  中部の靭帯は上の靭帯のすぐ前方で関節窩の前上方からおこり、

  斜めに外・下方に走り肩甲下筋と混在して小結節に付いています。

  上部と中部の間隙にはブァイトブレヒト(Weitbrecht)という開孔を持つ。

  この部分は上腕骨を脱臼させる構造的な弱い開口部になっている。

  この開口部では、関節包が入り込み滑膜は延長部分となっている。

  肩甲下滑液包はこのWeitbrecht孔を介して肩甲上腕関節の関節包と交通している

  一番下の靭帯は関節前下方の関節唇と近くの骨や上腕三頭筋長頭起始部からおこり、

  横行して外科頚内側に至ります。

  この前下部から後下部までを下関節上腕靭帯複合体と呼んでいます。

  三つの靭帯のなかでは分厚く最大・最強の靭帯になっております

  しかもこの靭帯は弛緩しています。

このように関節包の下の部分は非常にユッタリしており、しかも丈夫な構造になっているのです。

肩甲上腕関節の外転と上腕が外転位置にある場合の回旋を制限する主要な制限組織になっています。


ついでに、

後方はどうあっているのでしょうか?

後方には

特別な靭帯の補強はあまりありません。

関節包の後部は、棘上筋、棘下筋、小円筋に囲まれています。



touyou8syok9 at 20:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 肩関節 | 肩甲上腕関節

2010年06月10日

肩関節(9)

肩関節

肩甲上腕関節


上腕二頭筋長頭腱の役割について


関節の上前に存在する上腕二頭筋長頭腱の周辺の構造をもう少し

復習をかねて観察してみましょう。


 関節腔内での長頭腱は、肩甲骨の関節上結節と関節窩を形成している関節唇からおこります。

 そして、

 鳥口上腕靭帯の下方で棘上筋と、肩甲下筋の間(腱板疎部)を走行します。

 次に、

 上腕骨の結節間溝、横靭帯で補強された骨線維性のトンネル内を通過します。

 この部分まで結節間溝滑液包鞘と呼ばれる筒状の滑膜に包まれています。

 結節間溝を通過後に関節包外に出ていくことになります。

 この結節間溝滑液鞘は結節間溝の下端で閉鎖性に終っていますが、

 まだ少し余裕をもっており、その後長頭腱は筋に移行し筋腹へと移っていきます。


上腕二頭筋長頭腱の役割

1、上腕骨頭の過剰な上方移動を抑え、関節を安定させている。

  肩甲上腕関節の関節窩である関節唇の上方に付着しており、

  長頭筋の張力は関節唇を持ち上あげ、上腕骨の上方移動を抑制する。

 
2、関節の前上方を補強しています。

  明らかに腱板疎部を補強しています。→関節包の補強の役割


3、上腕骨を押さえつけ位置の維持および運動方向性を安定化させる。

  上腕骨の結節間溝と横靭帯とで構成された骨線維性のトンネルの中を、
 
  長頭腱が通っています。

  あたかも、滑車のなかをロープが通っている状態です。
 
  外旋位には長頭筋腱の緊張は高まり特に上腕骨頭を安定させる。

 (内旋位の場合は長頭筋腱の緊張は緩むが、トンネルのおかげで安定しています)

  挙上時にも上腕骨頭の上方への偏移を抑えます。


4、上腕の挙上メカニズムに寄与しています。

  上腕骨は上腕二頭筋長頭筋腱に沿って挙上します。

  長頭腱は、肩関節の屈曲・外転(前方挙上および側方挙上)にて末梢に、

  伸展(後方挙上)にて中枢に移動しているようにみえるのですが、

  実際は、

  上腕骨頭が長頭腱に対して動いており、
 
  長頭腱自体はあまり動かず筒状滑膜の部分で上下に滑動しているのです。

  関節包ートンネルー関節包外での結節間滑液鞘に包まれた部分で

  滑走しています。

  また、上腕二頭筋長頭腱の機能として90度外旋時には上腕骨の

  外転作用を有し、肩外転外旋時には上腕骨頭を抑え求心性を高め、

  支持機能の一部をなす。



以上、上腕二頭筋腱の重要な役割を述べました。

上腕二頭筋長頭の作用は、上腕の外転です。

したがって、

上腕の外転運動の役割として上腕二頭筋長頭腱の3と4の作用は非常に重要です。


ちなみに

上腕二頭筋短頭は肩甲骨の鳥口突起からおこり、上腕の中央部で長頭と合流します。

作用は上腕の内転です。

上腕骨に対して求心性に働きます。


臨床的には、

スポーツによるオーバーユースの傷害として、上腕二頭筋長頭筋腱炎

肩上方関節唇損傷(SLPA lesion)などの傷害は有名ですね。


理学的検査としてとしてヤーガソンテストが有名です。



touyou8syok9 at 21:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 肩関節 | 肩甲上腕関節

2010年06月07日

肩関節(8)

肩関節

肩甲上腕関節の上前方

上腕二頭筋長頭腱・上腕二頭筋長頭腱滑液包が存在します。

この構造の存在は、肩甲上腕関節をややこしくしています。

もう少し観察してみます。


上腕二頭筋長頭は肩甲骨の関節上結節からおこり、肩甲上腕関節の関節包内で
上腕骨頭の上に沿って外側方にいき、次いで下方に向かい結節間溝中にはいり
結節間滑液鞘(筒状の滑膜)につつまれ関節腔を出て、筋腹に移行しています。

実は上腕二頭筋長頭滑液包は、

このように筒状の滑膜となっており上腕二頭筋腱の結節間滑液鞘とも呼ばれます。

したがって肩甲上腕関節関節の関節包と交通していることになります。


さて、上腕二頭筋の長頭は、

 関節内、関節外およびに筒状滑膜に包まれた部分に分けられます。

 この滑膜に包まれた筒は、結節間溝の中で腱を包み、腱の滑りを容易にしています。

 まさしく腱鞘としての作用になります。

 みなさんは、上腕二頭筋の腱鞘炎という言葉を良く聞きと思います。

 それが、この部分の炎症の総称ですね。


 長頭の腱は、結節間溝へ入る際に上腕骨を直角に横切ります。

 結節間溝は、横靭帯とともに骨線維性トンネルを形成しています。

 上腕二頭筋腱滑膜鞘の延長部分が結節間溝と横靭帯のトンネルの中行き来しています。

 この延長部分が存在することが、肩甲上腕関節の可動域の改善につながっています。

 二頭筋腱の腱鞘やこの骨線維性のトンネル内での病変は、二頭筋腱の機能に影響を与えることとなります。


そして、

結節間溝をでた関節外の部分は広背筋と大胸筋の間を走行し、上腕中央部分で

上腕二頭筋の短頭と合流し二頭筋の筋腹となります。


一方

上腕二頭筋短頭は、肩甲骨の鳥口突起からおこり、下方に走って間もなく筋腹に移行します。

両頭が、合して筋腹をなし、強い腱となって橈骨粗面あるいは粗面の後方(回外する)につく。

また、腱の一部は薄い上腕二頭筋膜となって、内側方に向かい前腕筋膜となります。


上腕二頭筋としての、主な作用は前腕の屈曲と回外です。

 特に、肘関節の強力な屈筋であるとともに前腕の強力な回外筋です。
 (ちなみに肘関節が屈曲位での回外の作用筋は回外筋です。)

さて、

肩甲上腕関節における上腕二頭筋長頭腱はどのような作用があるのでしょう。





touyou8syok9 at 20:31|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 肩関節 | 肩甲上腕関節

2010年06月03日

肩関節(7)

肩関節

肩甲上腕関節

肩甲上腕関節の前面を観察すると、

実際は
  
肩甲上腕関節の関節包ー関節上腕靭帯ー肩甲下滑液包→肩甲下筋の順に存在しています。

このように関節上腕靭帯と肩甲下滑液包が存在しています。

(※関節上腕靭帯と臼蓋上腕靭帯とは呼び名が違いますが同じです。)


○関節上腕靭帯は、上部、中部、下部の三本のヒダがあります

○肩甲下滑液包は関節包と肩甲下筋との間に存在する滑液包です。

 この滑液包は肩甲下筋の滑りを容易にしています。

 肩甲下筋(カフ筋の一つ)は関節上腕靭帯を補強している形になっています。

 この滑液包は関節包と交通している滑液包です。

 前方の靭帯においては、関節包が入り込み、滑膜は延長部分になっており、

 肩甲下滑液包と交通しているのです。


もう少し観察してみます。

○関節包の前方に存在する関節上腕靭帯と肩甲下滑液包

 関節上腕靭帯は三つの靭帯(上部・中部・下部)を持っているのですが、

 上部と中部の間隙にはブァイトブレヒト(Weitbrecht)という開孔を持っており、

 この部分から上腕骨を脱臼させる構造的な弱い開口部を持っています。

 上腕骨の前方脱臼として有名です。

 一方、肩甲下滑液包はこのWeitbrecht孔を介して肩甲上腕関節の関節包と

 交通することができています。


このWeitbrecht孔は、肩甲下滑液包へ圧を逃がすことによって、

肩甲上腕関節の関節包内の内圧を調整する機能を持っているのです。

この機能は非常に重要です。
 


腱板炎や腱板疎部損傷、関節捻挫や打撲などの様々な関節疾患によって、

肩甲下滑液包は閉鎖してしまいます。

そのために、関節内圧の調整がうまくいかずに、肩甲上腕関節の関節包内の

圧力が非常に高くなります。

関節包の内膜の滑膜には非常に多くの神経が存在することは述べました。

内圧が高まると過敏性がたかまり、疼痛が非常に強くなります。

原因弛緩に拘らずに、自発痛、運動痛、可動域制限が出現することになるのです。



touyou8syok9 at 21:05|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 肩関節 | 肩甲上腕関節