2010年07月

2010年07月29日

肩関節(22)

肩関節

肩甲胸郭関節

肩甲胸郭関節は肩甲上腕関節を正常に運動させるための機能関節であり仮性関節です。

肩甲上腕関節の正常な可動域あるいは機能を得るためには、

 肩甲骨が胸郭の上・側面を滑らかに動く必要がある。

 肩甲骨を胸郭の上・側面で固定され安定する必要がある。

そのために必要不可欠な関節が、肩甲胸郭関節です。


○肩甲胸郭関節の構造

 肩甲骨の前面と胸郭の上・側面に2層の脂肪組織に分けられた筋の上を、

 他の筋が滑ることによって、胸郭に対する肩甲骨の運動が可能になります。

 構造としての筋肉は、前鋸筋と肩甲下筋になります。

 ○肩甲下筋:肩甲下窩、肩甲下筋膜からおこり、筋束は外側上に向かって集まる。
      上腕骨の小結節、小結節稜、肩関節包につく

 ○前鋸筋:聞きなれない筋肉ですが、肩甲下筋の前面(関節窩)についていた
      肩甲下筋のさらに深部に位置して、もう一方は放射線状になって、
      肋骨に付着している筋肉です。

      上位8ないし9肋骨、および第1、第2肋間間に緊張する腱弓からおこり、 
      胸郭と肩甲骨との間を後方に走る。

      第1、第2肋間間の腱弓から来る筋尖(a線維)は肩甲骨の上角に、
      第2〜3肋骨から来る筋尖(b線維)は分散して広く内側縁に、
      第4肋骨以下から来る筋尖(c線維)は下角に集まる。

 前鋸筋と胸郭の間の腔間(脂肪層)が存在します。

 前鋸筋と肩甲下筋との間の腔間(脂肪層)が存在します。

 加えて、

 鎖骨が調整役をはたしながらその両端の肩鎖関節、胸鎖関節と協調して動いています。(後に述べます。この両関節の動きも肩甲上腕関節の正常運動に必要です。)


次に、

意外と忘れられているのが滑液包の存在です。

肩甲骨が胸郭の上・側面を筋肉によって大きく動くわけですので、

当然、摩擦が起こります。

そのためにたとえ脂肪組織で分けられていても、筋肉が骨性隆起上を通過する部位には、

滑液包が存在しているのです。

滑液包は可動部分の間の摩擦を最小限にして、運動を容易にしています。

肩甲骨周囲の代表的な滑液包

 ○肩甲骨内上角滑液包:棘上筋の付着部に存在。
            この部位は炎症が非常におこりやすい。
            肩コリ感覚と密接な関係があります。
            

 ○肩甲骨下角滑液包


構造的にはおおまかに以上です。

肩甲胸郭関節の重要な点は、肩甲骨が正常に動きバランスを取りながら固定安定されることです。

すなわち肩甲骨に付着する筋肉の働きが重要になります。

肩甲骨の動きと関連する筋肉は次回に


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2010年07月26日

肩関節(21)

肩関節

今回から、肩甲胸郭関節について、

この関節も本来の関節の形体をなしてはいません。

第2肩関節とおなじく機能関節であります。

肩甲上腕関節が正しく運動できるためには、この肩甲胸郭関節も正常である必要があります。

肩甲上腕関節:肩甲骨の関節窩(凹面)と上腕骨頭(凸面)が関節包で連結された関節。

       狭義の肩関節です。

肩甲胸郭関節:肩甲骨の前面と胸郭の後面・外側面の骨面どうしの間で構成される関節。

       肩甲骨の前面が胸郭の後面・外側面の上を滑るように動く仮性関節です。

       筋の上を、他の筋が滑ることにより胸郭に対して肩甲骨の運動ができます。

肩甲胸郭関節の重要な作用。

 ○肩甲骨が滑らかに可動する必要がある。

  肩甲上腕関節の正常な運動において、肩甲骨は胸郭の上を滑るように動く必要があります。

  狭義の肩は、肩甲骨を固定すると自動運動では90度、他動運動でも120度しか動かず、

  特に内旋位では60度しか外転できない。

  肩甲骨と上腕骨の動きにより運動が可能となるのです。

  この運動は甲上腕リズムとして知られております。

もうひとつ重要な作用があります。

 ○肩甲骨を胸郭に固定される必要がある。

  肩甲上腕関節(狭義の肩関節)がある角度で止まらないと様々な動作ができません。

  この場合に肩甲骨が胸郭にキチント固定されなければ肩に力が入らないのです。

  脱力してしまうのです。

  肩甲上腕関節:肩甲骨の関節窩と上腕骨がたとえしっかりと固定されても、

  肩甲骨そのものが胸郭の間でグラグラした状態であればどうなるでしょう?

  肩甲骨がしっかりと胸郭の間で固定されければ、肩関節は安定した力を発揮できないのです。

  様々な角度で固定されないと肩関節は、正常な運動もできなくなります。

  肩甲骨が胸郭に固定されない典型的な一つの例が、肩甲骨の内側縁が胸郭から

  浮き上がってしまう翼状肩甲ですね。


このように肩甲胸郭関節における肩甲骨は滑らかに動くともに、固定するという

相反する作用を持つことによって、

肩甲上腕関節の正常な運動と安定性に重要な役割を果たしているのです。



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2010年07月22日

肩関節(20)

肩関節

今回も、肩甲上腕関節の関節包周辺についてまとめながらもうすこし述べてみます。

肩甲上腕関節の関節包周囲には、

機能関節である第2肩関節(肩峰下関節)があります。


第2肩関節(肩峰下関節)は関節の形態をなしていませんが、

肩甲上腕関節の運動が可能になるには、この第2肩関節の正常な機能が必要です。

肩甲上腕関節を第1肩関節、肩峰下関節を第2肩関節という場合があります。

第2肩関節は、

 鳥口突起、肩峰、これらを連絡している鳥口肩峰靭帯から成る鳥口肩峰アーチと

 その直下の肩峰下滑液包、これに腱板、骨頭を加えた部分で構成されています。

○鳥口肩峰靭帯

 この靭帯機能は、挙上に伴う骨頭の上昇防止、棘上筋の作用方向をより求心位に向けるための

 滑車機能があります。

○肩峰下滑液包

 肩峰下滑液包、三角筋下滑液包、鳥口下滑液包(個々の滑液包か一つの滑液包かの定説はない)が、

 腱板と肩峰ー三角筋アーチの狭い空間に十分に広がることは、第2関節の動きを

 滑らかにすることになる。


第2肩関節の通過障害としてインピジメント症候群があります。

インピジメントという意味は挟み込みや衝突という意味でつかわれています。

つまり、

骨頭の変形や石灰沈着したりして骨棘ができた場合にインピジメントがおきるとされていました。


しかし、

肩峰前下部から鳥口肩峰靭帯下での圧力の測定において、

インピジメントが生じているならば、前方挙上などにおいて外転内旋位以上の

圧力の上昇がみられるべきであるが、その現象はほとんど見られなかった。

ただし、非常に拘縮の強い症例のみで観察された。

拘縮の強い場合には、挙上動作の際に内旋位から外旋運動がおこらずに、

上腕骨の大結節が肩峰上腕アーチや肩峰の下に留まるためである。

通常においては、

内圧が高くなるために腱板が押し込まれインイジメント様にされているように見えるためです。

インピジメントサインが陽性であっても、衝突や挟み込みが必ずしもおこっているとは限らないのです。

投球動作などの外転外旋位でも肩峰下圧は上昇せず、疼痛があるからといって、

ただちに前方肩峰形成術の適応となるとは限らない。




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2010年07月15日

肩関節(19)

肩関節

肩甲上腕関節

関節包、あるいは靭帯、腱板あるいは関節包内圧や滑液包内圧などで安定した動きが得られます。

今回は、肩甲上腕関節の関節包周辺についてまとめながらもうすこし述べてみます。

肩甲上腕関節において、

<関節の凸面と凹面>

 肩甲骨関節窩(凹)の関節唇によって上腕骨頭(凸)との適合性がさらに大きくしている。

<関節包>

 関節包の容積は上腕骨頭の2倍とされています。

 この容積のおかげで上腕骨頭は自由に動くことができるのです。

 関節腔内はわずかではあるが関節液で満たされ、下垂位では関節内圧は陰圧に保たれており、

 関節の安定化あるいは関節窩と骨頭の衝突の防止に役立っています。

 ○靭帯

 関節包には靭帯(上・中・下関節上腕靭帯と鳥口上腕靭帯)が存在している。

 靭帯というよりもむしろ一つの筒として関節包の外層の肥厚部として考えられる。

 肩甲上腕関節の上方に位置する靭帯は、

 上腕骨懸垂し、矢状面での運動を制限しています。

 下方に位置する靭帯は外転と回旋運動の制限因子として働いています。

 また鳥口上腕靭帯は、

 鳥口突起に付着している小胸筋と線維性の連絡が確認されています。

 臨床的にこのことは、小胸筋の緊張を緩和すれば、肩甲上腕関節の可動域が改善されることからも容易に想像できます。

 ○肩甲下滑液包

 関節上腕靭帯の上部と中部の間隙にはブァイトブレヒト(Weitbrecht)という開孔を持ち、

 このWeitbrecht孔を介して肩甲上腕関節の関節包と肩甲下滑液包は交通しています。

 関節包の内圧は、通常はこのブァイトブレヒト孔を通じて調整することとなる。

 ○回旋筋腱板

 回旋筋腱板が関節包の外側においてさらに関節の安定化が図られています。

 腱板の機能は当然、各筋の面積から関節運動にも深くかかわってきます。

 しかし、関節運動のためというよりも、むしろ関節の安定化をはかり、

 関節運動を円滑にするために働いていると考えられ、一部の機能が障害されても

 他の機能で賄えるようになっています。

 回旋筋についてはいずれお話します。


さて、

関節包は上腕が動くことにより、関節包の各部が、その運動により緊張したり、弛緩したりします。

回旋なども加わり、関節包自体にも捻じれが生じます。

この際は靭帯による制限が非常に関連することは容易に想像できます。

ちなみに、

関節包の緊張する運動方向は、

 上部:肩甲上腕関節角度30度未満
 下部:あらゆる方向への挙上
 前部:外旋および水平伸展
 後部:内転および水平内転

関節包の張力が一定になる肢位はスキャプラ・プレーン(関節窩面上)においては、

肩甲上腕関節角度20〜30度、内・外旋中間位の肢位で、上・中・前・後関節包の張力が一定します。

体表においては、45度挙上した肢位に相当するとされています。

この位置は非常に重要であり基準でもあります。

この肢位が肩甲上腕関節の機能的肢位です。

機能的肢位においては、靭帯は弛緩しています。

腱板機能の問題点を確認する点あるいは回旋筋のエクササイズの肢位においても重要です。

この肢位を基準として下垂位置では陰圧である関節包内圧においても、

上肢の挙上に従い陽圧に変化することで関節の安定と関節内の保護を図ることになる。


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2010年07月12日

肩関節(18)

肩関節

関節包内圧

インピジメント症候であれ、腱板の部分断裂であれ、肩峰下滑液包炎であれ、

三角筋滑液包であれ、鳥口下滑液包であれ、第2肩関節を構成している部分で

関節内圧が非常に高くなる。

すると腱板が押さえられる結果となります。

それが、あたかもインピジーしているように見えるのです。

肩甲上腕関節の関節包内での内圧が上昇しなくても、

この第2肩関節での内圧が上昇する病態があればインピジメント症候群がおこる

可能性があるということですね。


その最も高い内圧がかかる肢位が90度外転の内旋時です。

外転・内旋の動作でインピジーして内圧が上がる。


いかがでしょうか?

今まで思っていたインピジメント症候群とかなりイメージが違ったのでは?


ちなみに野球選手などの、投球側の肩と非投球側の肩を比較すると、

明らかに投球側の外転・内旋・水平内転の可動域は減少しているのです。

そして

胸郭・体幹の回旋・側屈や股関節の伸展・内転・内旋の可動域の低下により、

骨盤・体幹の可動性が低下しています。

以上の動作に最も重要な役目に関係しているのが骨盤の回旋です。

骨盤を充分に回旋していれば投球での内旋では痛くないのですが、

股関節や腰が止まった状態で手振りで回すと肩峰下でそ内圧がかかって痛くなる。

骨盤の回旋特に股関節の十分な内旋が重要になります。


ではどうして通常ではインピジーしないはずの外転外旋時に痛みが起こるとされていたのでしょうか?

大きな原因の一つとして考えられているのが、

広背筋の短縮です。

広背筋の短縮がおこっていると、上肢が十分に挙上できずに外転・外旋制限がおこります。

その結果、肘が下がり肩が突っ込んンで、腱板損傷や肩峰下インピジメントが生じる。

ボールを投げる手前までの時点で力が入りすぎるのですね。


肩関節に限らず関節の可動域や痛みという点において

筋(筋膜)腱靭帯なども重要なのですが、

みなさんは、意外と関節包および関節包内圧を無視している事が多いので、

少しマニアックな記載であったり、話が飛んだり困惑されたでしょうが、

非常に重要な要素であることを確認して欲しいと思います。



以下余談ですが覚えておいて孫はありません。

正しい投球フオームのポイントを一つに絞れば、

両股関節の内旋・肩関節の内旋。です。
 
 軸脚の股関節の内旋により骨盤の後傾が防止でき軸脚の足内側のエッジが効き、

 ステップ脚の膝が割れにくくなり、前方への推進力が高くなる。

 ステップ脚の股関節を内旋すると、ステップ脚の殿部が前方を向き重心が軸脚に

 残り、骨盤・体幹の前方回旋が遅くなる。

 両肩を内旋すると肘の高さが上がり後方への引き込みが減少します。

 つまり水平過伸展も予防できます。


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2010年07月08日

肩関節(17)

肩関節

肩峰下滑液包内圧および肩峰下の圧力

第2肩関節の通過障害をきたす有名な疾患にインピジメント症候群があります。

インピジメント症候群:衝突するあるいは擦れるあるいは挟み込みによっておこる症候群

よく野球やバレーボールなどの上肢を頭上挙上するスポーツなどで

インピジメント症候群があれば、肩峰を削除しないと肩板が断裂すると教えらました。

この説をどう思われますか?

これには、

○有痛弧徴候(ペインフルアーク)
 
 肩を挙上するとき、あるいは挙上した位置から下ろしてくるとき、ほぼ
 120度から160度の間で特に強い痛みを感じることがあり、これが
 有痛弧徴候(ペインフルアーク)といわれています。
 骨形態の個人差として肩峰がもともと下方に突出している場合や加齢変化として
 肩峰下に骨棘ができた場合のほか、投球動作など腕をよく使うスポーツ選手にも
 多く発症するとされている。

○ニアーのインピジメント徴候

 患者を座位として、検者はその後方に立つ。
 検者の片手で肩甲骨の回旋を抑え、(スキャプラ・プレーン)上に保持する
 同時に患肢を内旋位で他動的に挙上し、肩峰に衝突させ疼痛を生じるかどうかを調べる。
 痛みを生じた場合に肩峰稼滑液包内に局所麻酔剤を注入して、その疼痛が消失すれば、陽性とし前肩峰形成術を行う。

以上の二点の考え方が大きく影響しています。

私も実際に長い間そういう風に思いこんでいました。

特に野球などの投球の外旋位に非常に痛む・・・・・・と、


しかし冷静に考えれば

肩甲上腕関節を挙上する際には(肩甲骨を固定した場合)、

 ○上腕骨が回旋なしの正中位の場合は、

  外転は90度まで可能であり、それ以上の外転は上腕骨頭の大結節が肩峰突起と

  鳥口肩峰靭帯の両方またはいずれかに衝突する。

 ○上腕骨が内旋の場合は、

  衝突が早くおこって外転はたった、60度しかできない。

 ○上腕骨が同時に外旋すると、

  上肢は120度までの外転および挙上が可能です。

  大結節が肩峰と衝突せずに鳥口上腕靭帯の後ろを通過するため。

以上のことから、

外転と頭上への挙上には、同時の上腕骨の外旋を必要とするのです。

 
前回の<肩峰下圧および肩峰滑液包内の圧力>において、

 最も圧力が上昇するのが、肩の90度外転位での内旋時であります。

 当然と言えば当然ですね。

 この位置の状態が最も大結節が肩峰に近づく肢位であり、この肢位でいくら頑張っても

 肩はこれ以上の外転は不可能です。

 この位置で上肢を内旋から外旋位にすれば、大結節が肩峰を避けるので、

 この位置からさらに外転および挙上ができるのです。

 前方挙上においては、

 90度外転内旋位以上の内圧の上昇はみられませんでした。

 つまり、

 本当にインピジーしているのは外転・内旋位のみで、最高が90度外転内旋位です。


インピジメント症候群の場合も稀にあるでしょうが、むしろ、

この内圧の影響が大きいと思いませんか?



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2010年07月05日

肩関節(16)

肩関節

関節包内圧

腱板の断裂や腱板疎部損傷などによって、

肩峰下液包の内圧は上昇すると第2肩関節はどのような影響を受けるのでしょう。


少し復習しながら述べていきます。

腱板断裂などにより運動制限がおこるが、肩甲上腕関節の関節包の内圧の上昇はわずかです。

理由は前回述べました。

肩峰下滑液包と交通してしまうからですね。

その結果、

腱板断裂や疎部損傷があるので当然、上腕骨への力の伝達ができにくい。

 その結果は→上腕が挙上しずらくなる。運動制限がおこります。

肩甲上腕関節の内圧の保持ができない。

 その結果→通常の肩甲上腕関節の内圧による求心性が保てないため上腕が挙上しずらい。
      運動制限がよりおこります。


その反面に、肩峰下滑液包の内圧は高くなることは容易に想像できます。

一般的には、肩峰下滑液包と三角筋下滑液包は70%ほど交通し、

肩峰下滑液包と烏口下滑液包は10%ほど交通するとされてます。・・・が

実際、肩峰下滑液包、三角筋下滑液包、鳥口下滑液包は本来個別あるいは、

別々の滑液包であるかの定説はいまだありません。


どちらにしても、

肩の機能関節として重要な第2肩関節は、

肩峰、鳥口突起、鳥口肩峰靭帯化からなる鳥口肩峰アーチとその直下にある

肩峰下滑液包、肩板、骨頭との間に存在する関節腔のことであります。


この関節腔内の異常であれば、肩甲上腕関節の正常な運動が不可能になります。

そのためにこの関節腔を第2肩関節と呼んでいるのです。


腱板断裂あるいは腱板疎部損傷後の肩峰下滑液包の内圧の上昇広い意味での

第2関節のこの関節腔内および肩峰下接触圧での内圧はどのような影響を受けるのでしょう。

単純にいえば上昇するのですが、その上昇の変化が重要です。


以下、この部位の圧力を観察された信原氏の論文を簡単に紹介してみます。

<肩峰下圧での圧力>

挙上時は
 
 80度付近で上昇し130度付近から最大挙上にかけて最も高い。

 圧力の上昇は下垂位での約1,5倍。

下降時は

 最大挙上時から130度より下降し始め、80度から60度で下がり切ります。

(腱板断裂においては約30%に関節拘縮や肩峰滑液包と腱板の癒着がみられ、
 このような例では挙上時に著明な圧力の上昇がみられた。)


次に内旋・外旋運動においては、

下垂位での内旋・外旋では圧力の変化はほとんど見られない。

90度外転位での内旋・外旋では圧力は大きく違います。

90度外転位では、

 内旋に伴い圧力は約2倍上昇する。

 外旋を伴っても圧力はほとんど変化しない。

この内旋の圧力の変化は挙上での圧力の2倍以上で上昇や下降の速度も急であった。


<第2肩関節内圧との比較>

両者は共に挙上角80度あたりから圧力は上昇しはじめ、50ミリHg以上の圧を示す範囲は、

挙上角110度から下降角110度までと一致し、圧力の動態はほぼ同調する。


おおまかですが、以上のような信原氏の論文報告を紹介しました。


この報告の意味は?


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2010年07月01日

肩関節(15)

肩関節

肩甲上腕関節の関節包内圧

○腱板が断裂した肩甲上腕関節やリウマチ(ステージ2〜3)の肩関節炎においては、

たとえ運動制限が強くても関節包内圧の上昇はわずかであります

なぜでしょう?


これも滑液包との関係です。

本来ならば、交通していない肩甲上腕関節の関節包と肩峰下滑液包が

肩板の断裂によって交通してしまう結果となるからです。


肩甲下滑液包を観察してみましょう。

 肩峰下滑液包の上面の一部は、三角筋下面の筋膜、肩峰下面、烏口肩峰靭帯、

 肩鎖関節下面の関節包と一体になっています。

 そして、肩峰下滑液包の下面の一部は、腱板の表層と密着し一体となっています。

 滑液包としては最も大きい。


つまり腱板の断裂(完全断裂)によって、

肩峰下滑液包と肩甲上腕関節の関節包内が交通してしまうのです。

その結果、肩甲上腕関節の内圧を保つことができなくなってしまいます。


断裂の程度が広範囲であればあるほど関節包内の内圧を保つことができなくなるのです。

肩甲下滑液包に内圧が逃げてしまうのですね。


反対に部分断裂であれば交通しないため関節包内の内圧は通常の上昇をします。

(部分断裂は表面断裂、深層断裂、腱内断裂に分類されています。)


肩関節三大滑液包と言われている、

肩峰下滑液包、肩甲下滑液包、上腕二頭筋長頭腱滑液包の重要性が理解できます。


さて、もうひとつの疑問がここでおこります。


腱板断裂、あるいは部分断裂などの腱板疎部の損傷などによって、

肩峰下滑液包に対しての内圧は通常よりも上昇することは容易に想像できます。

この肩峰下滑液包は、

肩関節の機能関節として本来分類されている肩の第2関節を構成しています。

肩の機能が十分に働くためには、この第2肩関節の内圧も重要です。

一体どうなるのでしょうか?






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