2010年09月

2010年09月30日

肩関節(37)

肩関節

○まず前回の関節包の特徴および腱板の機能を考慮して以下の順で、

 挙上抵抗テストを行う。


<下垂位での挙上抵抗テスト>

 下垂位において、内旋・外旋0度の状態において外転させる。

 検者は上肢の末梢で運動に対して抵抗をかける。

 一方の手は検側の肩甲骨の肩甲骨の位置および動きがわかるように肩甲骨の下角を保持する。

 下垂位の肢位は、関節包の上部の緊張および腱板特に棘上筋に対して伸長された

 状態が作り出され、常に刺激を与えることになります。

 つまり、

 腱板の障害や肩峰の滑液包炎が起こっていれば疼痛が誘発されます。

 腱板、特に棘上筋に損傷あるいは関節内の炎症の著しい場合は、

 挙上抵抗運動に際し、筋の収縮、関節内圧の変化によって疼痛がひきおこされ、

 上肢の、下垂位、挙上にかかわらずどの肢位においても疼痛が誘発されるのは

 言うまではありません。

 これはすでに述べたように腱板断裂、滑液包を呈していると疼痛として現れる。

 肩峰下滑液包炎・腱板・肩関節などに炎症などの組織損傷があれば、その部位は

 モチロンあるいは上腕や肘にかけて疼痛が生じる場合が多い。


この下垂位での挙上抵抗テストにおいては、

★結果が陽性であれば、明らかに腱板の損傷あるいは滑液包炎などを疑うことができます。

★単なる腱板機能の不全障害による肩峰下のインピジメントであれば、

 関節包の解剖学的特長から、下垂位における挙上抵抗テストでは、疼痛は出現しない。

 つまりテストは陰性になります。
 

あるいは炎症などの少ない慢性期などにおいて、下垂位抵抗テストが陰性であれば、

次に述べる肢位において同様に以下の検査を行い疼痛あるいは筋力を調べる。

 1、Scapular planen (スキャプラプレーン)上45度内旋・外旋中間位置。

 2、Scapular planen (スキャプラプレーン)よりも水平内転位。

   上肢は矢状面上での屈曲45度位になります。

   肩甲下筋の機能が活発化している状態。

 3、Scapular planen (スキャプラプレーン)よりも水平外転位。

   上肢は前額面上での外転45度位になります。 

   棘下筋・小円筋機能が活発化している状態。


★Scapular planen上での疼痛は主に、インピジメントが原因の場合であるが、

 腱板の損傷あるいは炎症が強い場合は疼痛も生じる場合ある。

 しかし、Scapular planen上の肢位を変化させることで

 前回のべた関節包の前・後の緊張と弛緩および筋の相互関係により腱板を

 構成している筋の評価をすることができる。

 つまり、

 棘上筋の機能障害であれば1、2、3すべての肢位で疼痛が誘発されます。

       疼痛の強さは、1=2=3=とされています。

 肩甲下筋の機能障害であれば、疼痛の強さは2>1>3の順

 棘下筋・小円筋の機能障害であれば、疼痛の強さは3>1>2の順

 当然、抵抗力は痛みが強いほど筋力の低下を強く認めることができます。

 また、

 屈曲位から外転位に向かう水平伸展においては肩甲下筋よりも棘下筋の役割が重要になるので、

 棘下筋に何らかの問題がある場合には肢位の変化に伴い疼痛の程度が増大する。

 反対に外転位に向かって疼痛の程度が低くなる場合は、肩甲下筋の機能障害を疑う。

 このように細部にわたり評価、観察することができます。


次に、肩甲骨を固定し同様に上記の検査を行います。

肩甲骨を固定することによって、

疼痛の軽減あるいは筋力の向上が認められない場合は、腱板の問題として評価する。

しかし、

疼痛の軽減あるいは筋力の向上が認められれば、肩甲胸郭関節の機能不全も疑う。


○肩甲胸郭関節の影響

次回に、




touyou8syok9 at 20:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 肩関節 | 回旋筋腱板

2010年09月27日

肩関節(36)

肩関節

前回の理学的検査のみでは不足という事です。

なぜでしょう?

急性期での外傷における腱板損傷などは今までの検査でもわかりやすいです。

問題は、

慢性期などの腱板損傷は肩周囲の機能障害によっておこるという事実です。


この機能障害は、

 ○腱板それ自体の機能不全(機能が損なわれた不完全な状態)の場合もあれば、

  関節包の解剖学的な特徴による影響や

 ○肩甲胸郭関節の影響あるいは

 ○他の関節などの影響を

 考慮しなければならない場合もあります。


これらの影響によって、肩甲上腕関節(狭義の肩関節)の安定性が保たれない場合に、

非生理的な運動が生じてしまい、腱板の損傷が引き起こされる結果となるからです。


順に述べていきます。


つまり腱板の問題を知るには

○関節包の特徴および腱板の機能を考慮する。

 関節包が緊張した位置においては、腱板機能の安定化の必要は少なくなり、

 逆に弛緩した側では腱板機能の安定化が必要となります。

 関節包は※Scapular planen (スキャプラプレーン)上で体表において45度

 挙上位において内旋・外旋中間位置において関節包の張力が均等になる。

 この位置が関節包の緊張が最も少ない肢位となります。

 この位置が関節包の影響なしに肩甲上腕関節の安定性を評価できることにもなります。

 
したがって、

腱板の機能の問題があれば、この肢位において挙上抵抗運動を指示すれば、

上腕骨頭は関節窩に対して相対的に上昇するので、インピジメントを誘発できることになります。

反対に下垂位ではインピジメントはおこりません。

また、この肢位よりも

下垂位では、上方の関節包が緊張し、同時に腱板特に棘上筋に緊張を作っています。

挙上時は下方の関節包が緊張を増す。

水平内転・外旋では後方の関節包が緊張し、前方は弛緩します。

水平内転・外旋位では肩甲下筋の機能が重要になります。

水平外転・内旋では後方の関節包が弛緩し、前方は緊張します。

水平外転・内旋位では、棘下筋・小円筋の機能が重要になります。


結局は、

これらを利用して理学的な検査をしなければなりません。

それでは、どのような検査でどのように評価するのでしょう。

次回に、

         
※Scapular planen スキャプラ(肩甲骨の意味)・プレーン(面の意味)とは?

 肩甲骨は左右の肩を結んだ平面に沿って平行に位置しているわけではありません。
 丸みをもった胸郭の上に浮かんだ状態にあります。
 「気をつけ」の姿勢において、肩甲骨は約40度、内側13度下方に傾いています。
 この肩甲骨が作り出す面をScapular planenスキャプラ・プレーンとよんでいます。
 エクササイズなどではこのスキャプラプ・レーンと上腕骨の回旋軸を一致させる
 ポジションで行うことは、上腕骨頭が肩甲骨関節窩上で滑らかに回旋するために
 重要な位置であります。
 内旋・外旋運動や動作に非常に重要になります。


touyou8syok9 at 19:49|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 肩関節 | 回旋筋腱板

2010年09月16日

肩関節(35)

肩関節

今回も、腱板損傷における棘上筋に関わる問題点です。


<触診による圧診点>

肩を伸展させると、棘上筋の付着する大結節の上小面の(superior facet)が肩峰の

前面にでてきますので、容易に腱を触診できます。

この部位よりもやや後方に後面(middl facet)を触れることができます。


棘上筋、棘下筋の腱板断裂による広範囲の断裂において、棘上筋の断裂は前回述べた

圧痛点等により分かりやすいが、棘下筋の欠損は分かりずらい。

また、

腱板炎や肩峰下滑液包炎においても、棘上筋の収縮による疼痛が強いため、

肩関節の挙上の際に肩板断裂の場合と同様な姿勢を行うので臨床上注意が必要です。

腱板断裂に伴い肩峰下滑液包炎や滑膜の肥厚などを起こした場合は、轢音を触知する。


<肩峰下の病変を調べるテスト>

 ○有痛弧徴候(painhul ark sign)
  
  上肢を自動的に挙上するとき、あるいは挙上した位置から下ろしていくと、
  ほぼ60度~120度の間で痛みが出る。

 ○インピジメント徴候
  
  1、Neer sign

    肩甲骨を抑え固定し(肩甲骨の上方回旋を抑性)、内旋位した上肢を
    他動的に屈曲すると痛みが生じたり、クリック音が出現すれば陽性。

  2、Hawkins-Kennedy sign

    肩甲骨を抑え固定し(肩甲骨の上方回旋を抑性)、肩関節90度外転外旋位から
    内旋を強制すると痛みやクリック音が出現すれば陽性。

 ○腕落下徴候(drop arm sign)
  
    上肢を外転位(約90度)で保持できない現象。
    険者が指1本で前腕遠位部を押し下げると落下してしまう場合も陽性。

 ○zero position test

 上肢をゼロポジションに保持し、内旋・外旋を加えながら上腕骨骨頭を前後に
    圧して骨頭の安定性と疼痛を診る。
    あるいは、単純に外旋筋力を比較する。

 ○棘上筋テスト

  1、empty can test

    肩甲骨面で約90度挙上した位置で上肢を内旋位(拇指を下方)にし、

    険者が指1本で前腕遠位部を押し下げ筋力に左右差があれば陽性。

    あるいは上方に向け前腕遠位部を押し上げ筋力に差がある。

 2、hull can test

    肩甲骨面で約90度挙上した位置で上肢を外旋位(拇指を上方)にし、
    険者が指1本で前腕遠位部を押し下げ筋力に左右差があれば陽性。

   この両テストは従来どちらのテストが、棘上筋の力を良く反映されるかの見解は

   一致しなかったが、最近の解剖の研究において、

   棘上筋は大結節の前方部のみと一部は小結節に付着し

   棘下筋は大結節の広範囲に付着することが明らかになっている。

   つまり、解剖学的な性質においては、

   2のhull can testが棘上筋優位に働く。

   1のempty can testが棘下筋優位に働く。

   棘上筋、棘下筋の異常のおよその判別にも役立つので私はよく使っています。


その他にも腱板構成筋の検査法がありますが、

重要なことは、これらの検査が陽性であるか陰性であるかの前にも重要な検査が必要です。

さて、その検査は? 

話がアッチコッチに移り申し訳ありませんが、

どうしても確認して欲しい検査があります。これは実地臨床では非常に重要だと思います。

その理由と検査法は次回に、


touyou8syok9 at 21:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 肩関節 | 回旋筋腱板

2010年09月13日

肩関節(34)

肩関節


少し本来の目的からズレている感もありますが、今回もひきつづき棘上筋に関わる問題の

腱板損傷です。

MRIを撮影してしまえば正確な診断ができるでしょう。

でも、我々のような身分においてはレントゲンもMRIもできませんね。


外傷における腱板の損傷においては、

まず、疼痛や出血などのため肩甲上腕関節の可動域の制限は強い場合が多い。


腱板の広範囲断裂では肩甲上腕関節の自動挙上は困難とされています。

腱板の広範囲に断裂においては、自動挙上は不可能であるために三角筋の収縮や

脊椎を側弯させることで挙上を行います。

これをShrug sign とよんでいます。

ただ、残存した腱板や上腕二頭筋腱の長頭により、挙上時の安定性が代償される場合があります。

しかし多くの外傷性の腱板の損傷においては、

受傷原因がハッキリして視診や圧診点あるいは後にのべる理学的検査などで

診断に困ることはほぼないと思います。


広範囲の腱板損傷は、肩鎖関節が隆起して肩峰下が陥凹して、あたかも脱臼のごとく

上腕骨頭が下方に落ち込んでいます。


圧診点は

○腱板疎部損傷においては、

 鳥口突起より一横指外方にある腱板疎部の圧痛を確認してください。

○腱板断裂においては、

 大結節や小結節あるいは棘下筋筋腹に圧痛点が認められるが、棘上筋筋腹の委縮は認めても

 圧痛は意外と少ない。加えて、棘上筋断裂部の陥没あよび圧痛を認める、

 棘上筋の断裂を疑えば、

 肩関節の伸展位で内旋・外旋させると、上腕骨の大結節周囲に陥没と断裂した腱端が触れる事があります。

 腱欠損のため、三角筋を介して大結節の骨を直接触れる感触がある。

明らかな外傷性の広範囲腱板断裂の場合は、上記を覚えておけば良いでしょう。


しかし実際の臨床では、

困るのが腱板断裂の約半数は、明らかな外傷の既往がないという事実であり、

加齢による腱板の変性、機能的要因のインピジメントによる変性により

脆弱化した腱板に断裂が発生する部分断裂あるいは一部の広範囲の断裂ですね。

徐々に様々な外的なストレスが加わり腱板が損傷する場合です。



肩の周囲の視診は、

 肩峰下滑液包内に血液、滑液が貯留していれば肩前面に腫脹・熱感を認める事がある。

 棘上筋、棘下筋、時に三角筋の筋委縮を認める。

 棘上筋、棘下筋の筋委縮は腱の断裂による筋緊張の低下のため。

 三角筋の筋委縮は、疼痛や拘縮による廃用性筋委縮が診られる。


長くなるので次回

touyou8syok9 at 20:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 肩関節 | 回旋筋腱板

2010年09月09日

肩関節(33)

肩関節

今回もひきつづいて棘上筋に関わる問題を復習しながら進めます。


インピジメント症候群は、ニアーのimpingemento lesionsの分類において

ステージⅢが骨棘形成や腱板の部分断裂または完全断裂の時期であり手術の適応期であり、

肩峰形成術あるいは腱板の修復が行われます。


手術の肩峰形成術の目的は、C-Aアーチ下部の空間を広げる手術の事です。

つまり構造的要因を除去するためです。

 ○肩峰の形態の異常・・・・・・肩峰がカーブ形、くちばし形等の場合など

 ○骨棘の形成

 ○鳥口肩峰靭帯の肥厚など


反面、実際には肩峰と骨頭は衝突しないという論文やその他の理由としても

機能的な要因(肩甲胸郭関節、後方関節包、胸椎後弯など)の多くを考える必要がある。

したがって、

単に疼痛があるからといって、ただちに前方肩峰形成術の適応になるとは限らない。

ここまでが前回のまとめです。


では、腱板修復の手術はどうか?

臨床においては、

腱板の断裂あるいは部分断裂にしろ、ほとんどは棘上筋を含んだ形になります。

腱板、特に棘上筋が停止する大結節付近の部位は滑膜や関節包、肩峰下滑液包、

棘上筋腱が融合する継ぎ目であり、血流が乏しく組織的に脆弱である事が知られています。

そして、

この部位が、衝突や挟み込みインピジメントの影響を受けやすく、完全断裂あるいは

不全断裂し易いとされています

  参考までに(MRI検査による)

   ○完全断裂
    小断裂:直径1センチ未満
    中断裂:直径1センチ以上3センチ未満
    大断裂:直径3センチ以上5センチ未満
    広範囲断裂:直径5センチ以上
   
   ○不全断裂
     滑液包面断裂(表層断裂)
     関節包面断裂(深層断裂)
     腱内断裂

これら断裂の発症の原因は、単純な外傷(スポーツや事故)が原因のように思われるが、

腱板断裂の約半数は、明らかな外傷の既往がないという事実の報告が多く、

加齢による腱板の変性、上記の機能的要因のインピジメントによる変性により

脆弱化した腱板に様々な程度の外傷(ストレス)が加わり断裂が発生する。とされています。

そして、完全断裂や部分断裂が大きいといっても即手術になるわけではなく、

(そうかと言って断裂した腱の癒合はあり得ないのだが・・・・・・・・)

炎症が軽減し疼痛が消失し日常生活に支障が無くなる場合が多くみられる。

したがって、即時に腱板修復術をするわけではありません。


ただし、

肩板断裂において、棘上筋から棘下筋に至る断裂は大断裂とされ、ほぼ手術の対象になっているようです。

腱板損傷と棘下筋の断裂が同時に起きると、上肢を外転させると上方からの支えがなくなるので、

上腕骨頭が下方に落ちてしまうのでわかります。


腱板の手術はこのようにMRI検査などの画像診断による診断は当然ですが、

圧痛点や各種の理学的な検査の結果、そしてその人の生活クオリティーを考慮して

保存療法あるいは手術の実施を決定します。

スポーツ選手や大きな事故の場合の手術の実施はしかたがありませんが、

それ以外の場合は、ほぼ保存療法の対象になります。

touyou8syok9 at 20:25|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 肩関節 | 回旋筋腱板

2010年09月06日

肩関節(32)

肩関節

今回は棘上筋に関わる問題ついて

棘上筋は、肩峰や鳥口肩峰靭帯の下方を通過するために、外転に伴い衝突や挟み込みといった、

肩峰下インピジメント症候を発症し易い筋として問題になります。


肩峰下インピジメントの定義

 上肢の挙上に際し肩峰と鳥口上腕靭帯からなるcoraco-arcromial arch(CーA)archや

 肩鎖関節下面などの天蓋と、腱板や肩峰下滑液包との衝突(インピジメント)により

 疼痛を生じる病態の総称です。

 ニアー(Neer)は肩の第2関節に存在する上記の空間を棘上筋出口と(supraspinatus outiet)と

 命名した。

ニアー(Neer)は肩峰下の衝突を肩峰下インピジメントと呼び、

 インピジメントは、上記の棘上筋出口の狭窄によって生じ、衝突現象が

 この部位に限定しているために、原因が取り除かれない限り一定の進行性の変化を

 たどるとしています。

 この進行過程をimpingemento lesionsとして3期に分類しています。

 ニアーのimpingemento lesionsの分類

  ○ステージⅠ;:浮腫と出血の時期

    好発年齢:25歳以下のスポーツ選手によくみられる。
         上肢の挙上する動作の繰り返しにより生じる。
    臨床経過:可逆的
    治療:保存的

  ○ステージⅡ:線維化または、腱炎の時期

    好発年齢:25歳から40歳代のスポーツ愛好家や労働者
    臨床経過:使用で疼痛再発
    治療:保存療法
       滑液包の摘出、鳥口肩峰靭帯の切離術などが考慮される場合もある。
    
    
  ○ステージⅢ:骨棘形成や腱板の部分断裂または完全断裂の時期
    
    好発年齢:40歳以上
    臨床経過:進行性
    治療:このステージ?が手術の適応期とされています。
       前肩峰形成術、腱板修復

 この分類は、臨床的にも盲信はできない点も数々指摘され様々な議論があります。

   例として、
   実際には肩峰と骨頭の衝突は見られない。
   投球動作などの外転外旋位でも肩峰下圧の上昇は見られない。
   肩甲胸郭関節の問題として僧帽筋などの肩甲骨周囲筋の筋力低下。
   後方関節包の拘縮。
   肩甲上腕関節の広背筋の攣縮などの問題。
   胸椎の過度な後弯あるいは猫背などの不良姿勢など。

   以上の問題点などが存在します。

   これらはimpingemento lesionsの治療目標にもつながります。

  したがって、
 
  ただ単に疼痛があるからといって、ただちに前方肩峰形成術の適応になるとは限らない。
 



touyou8syok9 at 20:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 肩関節 | 回旋筋腱板

2010年09月02日

肩関節(31)

肩関節

肩甲上腕関節における三角筋と棘上筋の協調性


○三角筋のみが収縮し、棘上筋が働かないと、

 筋の作用は、上腕の外転分力と上腕骨頭を上方に押し上げる分力による合力が、

 上腕骨に発生します。
 
 棘上筋が働かないと、肩甲骨窩に対する骨頭求心力が存在しないために、

 上腕骨頭が安定せずに関節窩に沿ってすべり、外転でもたされる以上に上昇してしまう。
 
 この結果、

 関節包と肩板の上方の部分は、鳥口肩峰アーチの下で圧迫し、押しつぶされる。

 腱板損傷などに相当します。

 
○棘上筋のみが収縮し、三角筋が働かないと、

 筋の作用は、上腕の外転分力と骨頭を肩甲骨関節窩に引きつける内方への分力が

 上腕骨に対して発生します。

 棘上筋の内方への分力は、上腕骨頭を肩甲骨関節窩に対して押さえつける効果をもち、

 上腕骨頭の支点形成が形成され関節を安定化させる。

 しかし、

 外転力を発揮させるにはモーメントが短いため、非常に弱く、上腕を外転する作用はそれほど強くない。

 腋窩神経麻痺などの場合に相当します。


三角筋と棘上筋が協力することにより、(フォースカップル作用)

 上腕骨頭は関節窩の上を不安定に滑ることなく関節の安定化がおこり(支点形成)

 三角筋の強力な外転分力が効果的に働く。

 外転が進むと、棘上筋は短縮し次第に弱くなり上腕骨を安定する力は、他の腱板筋

 特に棘下筋に引き継がれていきます。


加えて、上腕骨に作用する力は、

上腕骨頭を関節窩に引き付ける力の総和を骨頭合力と呼んでいます。

骨頭合力の垂直分力をせん断力と呼ぶ。

骨頭合力は外転90度で最大になる。

せん断力は30度~60度の間の外転位で最大になる。

三角筋は上腕を垂直に上方へ持ち上げる分力を持つため、そのせん断力にうちかって

上腕を挙上するためには、上腕骨頭を関節窩に引き付けておく必要があります。

その働きをするのが、棘上筋を含む腱板構成筋です。


○腱板構成筋は、

 せん断力が大きく働く挙上前半の時期(30~90度)に最も筋活動が高くなる。

 棘上筋の筋活動は前半の初期ほど高い。

○三角筋の筋活動は挙上90度~120度で最大になる。


肩甲上腕関節において三角筋および棘上筋を主要とする腱板の協調性の働きが、

重要性が理解できると思います。








touyou8syok9 at 21:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 肩関節 | 回旋筋腱板