2011年06月

2011年06月30日

肩関節(92)

肩関節

肩関節の胸腕筋の大胸筋の腹部線維の起始部が腹直筋鞘前葉から上腕骨の大結節縁に付着するために、

腹部の筋のお話から筋膜のお話になり、胸部、背部の筋膜まで説明しました。

いかがでしたでしょうか?

臨床でお役に立ちそうでしょうか?


私たちが扱う筋骨格系の障害に対してのアプローチする場合、従手療法において様々な方法があります。

それらの方法を単純に分類するのは難しいですが、系統別・治療手技の展開の項目から

感覚系(触圧覚刺激法)
結合組織系(軟部組織モビライゼーション、マイオフェイシャルリリースなど)
筋系(マイオセラピーなど)
神経系(神経系モビライゼーションなど)
関節系(関節モビライゼーションなど)
その他(リンパドメナージなど)

と分類されています。各部の方法の詳細はこの本にゆずるとして、

一般的な手技療法としては、

結合組織系である筋膜に直接アプローチする場合は非常に多く存在すると思います。


ただ臨床では筋膜に直接アプローチするためにも前段階の様々な方法が必要な場合もあるし、

筋膜を処置した後の方法も必要となるのは実地臨床では多く存在します。

当たり前ですがいつも言うように臨床においてよほど単純な障害でない限り(たとえば筋膜のみ)、

これ一つの方法で充分だということ自体が稀だと思います。


しかしながら、骨格筋の障害のおいて筋、筋膜は最も理解しやすい方だし、加えて応用の幅も大きく

まずは利用すべき方法だと思います。

例えば肩関節においては、

障害関節に関連するどの筋膜に直接的にアプローチするのか?

 大胸筋の鎖骨部線維、大円筋、腱板筋、三角筋など

あるいは上下2関節にわたって関連する筋連結による筋膜にアプローチするのか?

 小胸筋、上腕二頭筋、、上腕筋あるい前腕深筋群や前腕屈筋群など

このあたりまでは単純に筋連結で容易に想像できます。

ところがアッレと思うところに治療できる筋膜のポイントが随所に見受けられます。


それが、腹部の筋である前腹筋であります。


アナトミー・トレイン(従手運動療法のための筋筋膜経線)を参考するのは非常に面白い。

詳しくは本著をお読みいただくとして、

どうも腹筋の筋膜はアナトミーでは転車台と比喩されているように、

身体の上下の連絡点、あるいは左右あるいは前後の方向性の変換の部位として重要な部位ようです。

臨床において大いに利用すべきと思っています。


その後は、関節の運動学や神経系の応用も必要になってくるでしょう。




 

touyou8syok9 at 21:39|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 肩関節 

2011年06月23日

肩関節(91)

肩関節

今回は背部の筋膜です。

背部の筋が浅層で浅背筋と深層をなす深背筋からできており、

浅背筋がすべて椎骨の棘突起からおこり、機能的に上肢、ことに上腕との関係が深いので、

別名、棘腕筋とよばれ第1層、2層からなります。

つまり、背部の筋膜は直接的に肩関節に影響します。

腹部の筋膜と比較してお読みください。


背部の筋膜

背部においては次の筋膜を区別します。

○浅背筋膜

 皮下に浅在する薄い線維膜。

 背部では僧帽筋、広背筋および胸腰筋膜の表面を被う。

 上端は後頭骨の最上項線に、下端は腸骨稜および仙骨後面に、内側はすべての椎骨の
 
 棘突起および棘上靭帯につく。

○胸腰筋膜(腰背筋膜)

 腰背部にある厚い強靭な筋膜筋膜であり、浅葉(後葉)、深葉(前葉)およびより成る。

 両葉の間に一まとめになった背部伸筋の腰部が包まれている。

 1、浅葉(後葉)

  背筋の浅・深両層の間に張り、僧帽筋、広背筋および菱形筋の下、脊柱起立筋の背側に位置し、

  内側方は全ての椎骨の棘突起、棘上靭帯および正中仙骨稜に、外側方は肋骨角に、

  また上端は上項線に、下端は腸骨稜および仙骨の後面に付く。

  この筋膜の腰部は背筋の浅層がないので皮下に現れ、著しく厚くなって胸腰筋膜の腱様部となる。

  腱様部の上方部の大部分は広背筋および上後鋸筋の、また下方は大殿筋の一部の起始となる。

  浅葉は脊柱起立筋の外側縁で深葉と癒着する。

 2、深葉(前葉)

  深胸腰筋膜または腰肋筋膜ともいう。

  背筋の前面に位し、第12肋骨、すべての腰椎の肋骨突起および腸骨稜の間に張り、
  深背筋ことに脊柱起立筋と腰方形筋を隔てている。

  深背筋腰部の外側縁で、浅葉と癒合してこれを鞘状につつみ、同時に内腹斜筋および

  腹横筋の起始をなす。

○項筋膜

 胸腰筋膜の上方のつづきで、頚部の諸筋をつつみ、内側は項靭帯に結合するが、

 外側は僧帽筋の外側縁から頚筋膜に移行する。

いかがでしょうか?

背部の筋膜を日本人体解剖学から抜粋しました。

腹部の筋膜と並行してお読みくだされば、臨床のポイントが見えてくると思います。


また、アナトミー・トレインにおいては

浅後線として

仙結節靭帯→浅腰筋膜・脊柱起立筋→棒状腱膜・頭皮の筋膜→・・・が記載されてい
ます。

後機能線として(身体上ではラセン状)

広背筋→胸背筋膜→(腰仙連結で正中をを超えて)仙骨筋膜→

 この胸背筋筋膜は、おそらく胸腰筋膜のことだと思ッています。

前機能線として

大胸筋の下縁→腹直筋鞘の外側縁→(恥骨と恥骨結合の線維軟骨を通り対側)→長内転筋


また前線には浅前線や深前線は記載されているのですが、後線には浅後線があるのですが、

どういうわけか深後線という項目はありません。

ただラセン線という項目があります。

ラセン線として運動機能は人体にラセン線として回旋を作り出し、それを伝達することにある。

ラセン線の筋筋膜の他の経線にも加わって多くの機能に関与する。

ラセン線は頭部⇔上半身⇔下半身のバランスを取る。と述べられています。

筋筋膜に対する従手療法は広く普及しているが、個々の筋筋膜に対する手技が中心であり、
人体の中を走る線や広い空間における筋筋膜の側面に詳しく論じられていない。

1本のアナトミー・トレインは筋筋膜経線を指す用語だが、評価と治療において、視診、
触診、運動の連続性という評価を加えたものである・・と述べられている。

確かに、手技療法として日常臨床で使っている筋連結の応用という意味で非常に参考になる点が多い。


飽きてきた方も多いでしょうが。もう少しお付き合いをお願いいたします。


touyou8syok9 at 20:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 肩関節 

2011年06月16日

肩関節(90)

○肩関節

大胸筋腹部線維が、腹直筋鞘最上部の前葉より上腕骨大結節稜につくため・・でした

肩関節の大胸筋から腹筋の筋膜のお話になっていきました。


そして、今回は胸部の筋膜の筋膜について、

大胸筋の残りの2つの線維は、

 大胸筋鎖骨部線維:鎖骨内側2分の1前面から上腕骨大結節稜につく。

 大胸筋胸肋部線維:胸骨膜、第2〜6肋軟骨から上腕骨大結節陵につく。


胸筋筋膜(浅胸筋筋膜)が大胸筋の全表面を被っている。

大胸筋と胸部の筋膜は直接的ですね。

浅胸筋膜

○胸筋筋膜(浅胸筋膜)

 大胸筋の全表面をまとい、特に内側上方が発達し三角筋大胸筋溝で深胸筋膜と合する。

 上方は頚筋膜の浅葉に下方は浅胸筋膜に、

 外側方は三角筋膜および腋窩筋膜に移行し、

 内側方は胸骨につく。

○深胸筋膜

 大胸筋下で、小胸筋を被い上外側方に向かって次第に強まり、鎖骨胸筋筋膜を作る。

 この鎖骨胸筋筋膜は強力な鳥口鎖骨靭帯によって補強され、血管、神経の通る孔がある。

 上方は鎖骨および鳥口突起に内側方は上方の肋軟骨につき、外側は血管鞘に癒着して

 腋窩筋膜に移行する。

 鎖骨下筋膜は鎖骨筋を包み、鳥口鎖骨靭帯と多様に錯走する。

となっております。

○胸内筋膜

 胸郭の全体および内肋間筋膜の内面を被い、胸郭の後方部ではやや肥厚する。

 下方は横隔膜に移行する。

 胸内筋膜の内方は胸膜に被われこれと密に接する。


どうでしょう?

筋膜を無視して治療は難しいですね。

ただ、胸筋筋膜自体を触ることは難しいでしょう。

大胸筋、小胸筋などを直接施術することで筋膜胸筋筋膜の治療になります。

一方大胸筋腹部線維の治療は腹部の筋膜に対する施術が必要です。

また腹部の筋膜の治療がダイレクトに腰にもつながっている事はよく知られていますが、

同じように、腹部の筋膜は、肩関節(85)の腹直筋の筋膜の説明で述べたように

大胸筋胸肋部線維・鎖骨部線維にもダイレクトに影響しします。

しいては鎖骨の運動や三角筋の前部線維まで影響する可能性があることは否定できないでしょう。


肩関節と腹筋や胸筋の筋膜にかぎった事ではありませんが、人体はある意味では筋膜に囲まれています。

極論すれば、関節の腱・筋膜のみならず、腹筋膜、腰背筋膜あるいは胸筋筋膜に至り、
もっと言えば各内臓を包んだ内膜まで全て筋膜で包まれています。

各関節において無関係な筋膜は無いとも言って過言ではありません。

だからといって全てを使用するわけでもありません。

やはりポイントというか着目すべき重要な個所あるいは特殊性が存在しているのは事実だと思っていいます。

着目すべきポイントですね。


参考に、アナトミー・トレインには

○浅前線

 頭皮の筋膜→胸鎖乳突筋→胸骨筋・胸肋筋膜→腹直筋→・・・・・

○深前線  胸内筋膜が関連

○外側線  腹斜筋が関連

○ラセン線  外腹斜筋・腹腱膜、白線、内腹斜筋が関連

○腕線

 深前腕線

  小胸筋→鎖骨胸筋筋膜→上腕二頭筋→・・・・

 浅前腕線

  大胸筋、広背筋→内側上腕筋間中隔→・・・・

機能線として

○前機能線
 
  大胸筋の下縁→腹直筋鞘の外側縁→長内転筋

○後機能線

  広背筋→胸背筋膜→仙骨筋膜→・・・・

ポイントがある程度絞ることができ、臨床で大いに参考すべき点が認められます。


この本は私のブログほどではないが、訳が少し理解しずらい個所もありますが(暴言多謝)

私どものように手技療法を使って施術する場合は臨床のヒントになるところは多い。


腹部の筋膜のついでですので反対側の背部の筋膜も重要になりますね。



touyou8syok9 at 21:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 肩関節 

2011年06月09日

肩関節(89)

○肩関節

肩関節の大胸筋から腹筋の腱膜・筋膜および胸部の筋膜に話を移っていきます。

関係が無いように思われるでしょうが、臨床では重要だと思っています。

前回は腹筋腱膜について述べました。

今回は腹筋の筋膜について、



腹壁表層の皮膚→ 強靱な皮下結合組織→ 皮下の筋膜として浅腹筋膜が存在し、

これに続いて3つの腹筋が存在します。

各々の腹筋は両面を固有の薄い筋膜に包まれています。

外腹斜筋の外面にある筋膜は結合組織の脂肪層で浅腹筋膜から分けられ、

腹横筋の内面にある筋膜が腹横筋膜でありこの筋膜は腹膜に被われています。

腹横筋膜と腹膜との間の前腹壁では多くの場合は脂肪の少ない腹膜下の組織があります。


腹部の筋膜

○浅腹筋膜

 皮下組織の下にあり、外腹斜筋と腹直筋との表面を被う筋膜で、

 臍より上方では薄く胸筋筋膜に連なり、臍より下方では次第に肥厚して多量の弾性線維を含む。

 後方は胸腰筋膜に、内側方は白線に下方は鼠径靭帯に結合する。

 ○横筋筋膜(腹横筋膜)

 腹横筋の内面を被う薄い筋膜で、所々厚くなっている。
 
 上部は横隔膜の下部を被って横隔筋膜といい、

 後部は腰方形筋の内面にゆき、大・小腰筋を被う腰筋膜になる。

 横筋筋膜の下方は腸骨稜および鼠径靭帯に付着する。

 前部は、その上方では腹直筋鞘の後面を被いながら白線に達し、

 その下方すなわち弓状線より下方では腹直筋鞘が欠けているので直接に腹直筋の後面を被う。

 これらの全ての筋膜を総称して腹内筋膜という。


前回の説明では

腹直筋は腱画という4から5節に分けられ、前面では著明に発達し、腹筋の腱膜である

腹直筋鞘と緊密に癒着しています。後ろ面では著明ではない。

後腹筋は腹腔の後壁を形づくり、背部の筋とは胸腰筋膜によって境されており、

腰方形筋が存在しています。

腱鞘は、筋膜に由来するもので線維性の嚢で骨に付着していて腱を通し、これに滑動性を与えています。

腹直筋の腱鞘は、その前後の2葉が次のように配列されていました。

内腹斜筋の腱膜は腹直筋を各1枚の前葉と後葉とで包んでいます。

前葉は腹直筋の前面を全長にわたって被っているが、後葉はわずか半環状線にまで達しているだけでした。

前葉はその全長にわたって外腹斜筋の腱膜によりその前面を補強されていることになり、

腹横筋の腱は上部では内腹斜筋の後葉を半環状線までの範囲で補強しており、

これに反して下部では、内腹斜筋の前葉を後方から補強している事となります。


結局このように腹筋の腱膜、腹部の筋膜、腰、背部の筋膜の関連性は非常に大きい。

これが、腰痛には腹筋を鍛えなさい?ということにつながるのでしょう。


肩関節における、大胸筋、腹筋の関係は腹部の筋膜と胸部の筋膜との関係になります。



touyou8syok9 at 20:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 肩関節 

2011年06月02日

肩関節(88)

○肩関節

肩関節の大胸筋から腹筋の腱膜・筋膜および胸部の筋膜に話を移っていきます。

関係が無いように思われるでししょうが、臨床では重要だと思っています。


今回は前腹筋である腹部の腱膜である白線と腹直筋鞘について


大まかに身体全体を診てみます。

人体の上半身は胸郭という胸骨・肋骨・胸椎という骨格で被われ、

前面には大胸筋・小胸筋、側面には前鋸筋が存在しています。

人体の上半身の背面は胸椎や胸郭および肩甲骨という骨で被われ、

肩甲帯筋、腸肋筋・最長筋などの多くの体幹筋群が存在しています。

人体の下半身の背面・側面は腰椎や骨盤および浮遊肋骨で被われ、

腸腰筋などの寛骨内筋、殿筋などの寛骨外筋である下肢帯筋群が存在しています。

様々な骨や筋群で囲まれて身体の重要な臓器を上手に守っています。

また関節という形態がよくわかります。


しかし下半身の前面はどうでしょうか?

どういうわけか? 重要な各内臓を守るべき骨がありません。

その代わりに上半身の胸郭を構成する胸骨に匹敵する前腹筋の腱膜である白線が存在します。

前腹筋である腹部の腱膜

○白線

 左・右両側の縦横に走る腹筋腱膜の腱線維が前腹壁の正中線で合してでき、

 上方は剣状突起から起こり、下方に向かって広くなり、臍より下方に至ると再び
狭くなり、

 ついに恥骨結合の上縁に付く。


前回述べたように腹部の筋には、縦走筋である腹直筋、錐体筋、斜走筋である外・内腹斜筋、腹横筋が存在します。

腹直筋は腱画として4から5節に分けられ、前面では著明に発達し、腹筋の腱膜である

腹直筋鞘と緊密に癒着しています。後ろ面では著明ではない。


前腹筋である腹部の腱膜

○腹直筋鞘

外腹斜筋・内腹斜筋および腹横筋の腱あるいは腱膜は、腹直筋を鞘状に包んでいます。

腹直筋鞘は前葉と後葉から成る。

この前葉と後葉は、弓状線の上方と下方によって異なっている。

弓状線の上では外腹斜筋の腱膜は前面に、内腹斜筋の腱膜は前面に、

内腹斜筋の腱膜は腹直筋の外側で2葉になり、うち前葉は腹直筋の前面を被い、
後葉はその後面に、腹横筋の腱膜は後面に加わるので腹直筋鞘の前面と後面の強さは同様。

弓状線よりも下方では、3筋の腱膜はすべて腹直筋の前面を被い、後面はわずかに腹横筋膜および

腹膜に被われるのみで後葉をもたない。


後腹筋は腹腔の後壁を形づくり、背部の筋とは胸腰筋膜によって境されており、

腰方形筋が存在している。


このようにして腹部の筋は、腹腔の前壁および側壁、後壁を作っている。

今までの関節としての筋とは少し様子が違うことが理解できると思います。



touyou8syok9 at 21:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 肩関節