2011年07月

2011年07月28日

肩関節(96)

肩関節

上腕の筋は基本的に肘の運動の筋ですが、肩関節の筋としても関係があります。

今回述べる上腕二頭筋の長頭は特に肩関節の安定に関連します。

○上腕二頭筋

 起始:長頭  

   肩甲骨の関節上結節から起こり、肩関節包内で上腕骨の上に沿って外側方にゆき、

   次いで下方に向かって結節間溝に入り結節間溝液鞘に包まれて関節腔を出て筋腹に移行する。

   短頭  

   肩甲骨の鳥口突起から起こり、下方に走って間もなく筋腹に移行する。

 付着:両頭は、合して紡錘形の筋腹をなし、次いで強い腱になり橈骨粗面に付く。

    また腱の一部は薄い上腕二頭筋腱膜となり、内側方に向かい前腕筋膜に放散する。

 作用;長頭は前腕を外転し、短頭は前腕を内転する。

 この筋肉が全体として働くときは前腕を曲げ、かつこれを回外する。

 神経:筋皮神経(C6、C7)

このように肩関節には、一見関係ないように思います。

つまり、前腕の動作特に、前腕を曲げるつまり肘の屈筋、あるいは前腕の回外筋になります。

ただし、肘関節屈曲位においては上腕二頭筋は弛緩するので、このときの回外の作用は主に回外筋。

しかし、

腱板筋腱のところで述べたように、上腕二頭筋長頭は肩関節の安定筋としては重要な筋になります。

肩関節(8)(9)は、もう一度是非お読みください。

肩関節の運動においては、

 肩関節下垂では屈曲。

 肩関節外転位では水平屈曲に関与する。

 ただ、屈曲などでは三角筋と大胸筋との鎖骨部および上腕二頭筋の両頭が(外)側鋸筋、

 僧帽筋(中部・下部線維)といっしょに作用します。

 外転運動には、三角筋が棘上筋および棘下筋とともに上腕に作用するとともに、

 上腕二頭筋の長頭が上腕に作用しているようです。


○鳥口腕筋

 起始:肩甲骨の鳥口突起(上腕二頭筋の短頭とともに)から起こり、

     上腕二頭筋の内側にそって下方に向かう。

 付着:上腕骨の中央で小結節稜の下方

 作用:上腕を挙げ、かつこれを内転する。

 神経:筋皮神経(C6、C7)

肩の関節運動としては、

 肩関節の下垂位では屈曲

 肩関節90度外転位では内転

 肩関節最大屈曲位におる時は伸展


○上腕筋

 上腕二頭筋の下層にある。

 起始:上腕骨の前面で三角筋付着部の下方、ならびに内側および外側上腕筋間中隔、

     肘関節包の前面からおこり、下方に向かう。

 停止:尺骨の鈎状突起、尺骨粗面、肘関節包の前面

 作用:肘を曲げる。

 神経:主に筋皮神経(c5、C6)、外側部は橈骨神経(C7)


○肘筋

 起始:上腕骨の外側上顆から起こり、内(尺)側下方に向かう

 付着:肘頭の外側面

 作用:前腕を伸ばし、肘関節包を張る。

 神経:橈骨神経(C6〜C8)


いかがでしたでしょうか?

上腕の筋群は肘関節の運動に関わるがが、その中でも上腕二頭筋、鳥口腕筋、上腕三頭筋が

肩甲上腕関節の運動に関わっています。


もうひとつ面白くなかったかな?



touyou8syok9 at 21:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 肩関節 

2011年07月21日

肩関節(95)

肩関節

○上腕三頭筋

肩関節の重要な筋については大部分述べました。

その他の大きな筋としては上腕三頭筋、鳥口腕筋、上腕筋が残っています。

解剖学では、上腕の筋群として、

 屈筋群の上腕二頭筋、鳥口腕筋、上腕筋

 伸筋群の上腕三頭筋、肘筋

以上のように分類されています。

私だけかもしれませんが・・・・・・

上腕二頭筋以外は、どうも普段からあまり肩関節の臨床ではあまり意識していない筋が多いです。


○上腕三頭筋

肩関節の筋というよりは肘関節の伸展筋の機能が強い。

上腕三頭筋は上腕の後面にある唯一の太い紡錘状筋で長頭、外側頭、内側頭を持っている。

長頭のみが二関節筋でありその他は単関節筋になっています。

起始

 長頭:肩甲骨の関節下結節(大円筋と小円筋の間を下り、紡錘状になる。)

 内側頭:上腕の後面で椀橈骨神経溝の下内側方および内側上腕筋間中隔からおこり

 外側頭:上腕骨の後面で橈骨神経溝の上外側方および外側上腕筋間中隔からおこり、
      内側頭の大部分を被いながら下方へ向かう。
停止

 三頭は合して共同腱をつくったのち、強い付着腱をもって尺骨の肘頭に付く。

神経支配:橈骨神経(C6〜C8)

作用

 前腕、すなわち肘関節を伸ばす。

 内・外の両側頭は直角の位置にこれを伸ばし、それ以上伸ばすに長頭の働きみまつ。

 上腕の伸筋としての働きはわずかであるが、上腕の内転筋としての働きは著しい。


このように肩関節に影響は少ない?

通常の人にはあまり関係ない筋肉かもしれませんね。

 野球など投球の際のリリース期からフオロースロー期にかけて上腕三頭筋が収縮しながら

 引き延ばされるため肩関節の後方部に障害がおこったりします。(伸張性収縮)

 代表はベネット病変と呼ばれ投球動作により上腕三頭筋長頭や関節包に繰り返し力が加わり、

 上腕三頭筋長頭の起始部や関節窩後方に炎症などが繰り返され骨増殖がおこり、骨棘が発生する。

 野球に限らず上腕の遠心性収縮を繰り返すスポーツにおこる肩関節の障害として有名です。


その他には、大円筋、小円筋でも述べたQRSSです。

 三角筋長頭が大円筋と小円筋の間にできる間隙部QRSは肩関節周辺の絞扼性神経障害の部位として

 上腕三頭筋長頭の外側縁、肩甲骨、上腕骨によってできる

 挙上位にて、QRSは狭小化し、水平内転位では上腕三頭筋長頭によって腋窩神経が押し上げられ、

 下から圧迫し、小円筋によって後方から圧迫され大円筋にて前方から圧迫され牽引刺激と

 圧迫刺激によっって肩関節後面の痛みが起きる。

 腋窩神経支配が支配している三角筋、小円筋の筋委縮、外転力の低下、水平内転強制による疼痛増強、

 放散痛というQRSSが起こる。


touyou8syok9 at 20:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 肩関節 

2011年07月14日

肩関節(94)

○肩関節

前鋸筋

肩甲骨の安定化の異常は肩関節の運動の破たんにつながります。

前回は、長胸神経麻痺による前鋸筋の筋力低下による翼状肩甲および

副神経麻痺による僧帽筋の筋力低下による翼状肩甲の症状を述べました。


このように、文献では有名な翼状肩甲ですが、実地臨床の場においては、

長胸神経麻痺による翼状肩甲は比較的スポーツなどが原因で神経が繰り返し引き延ばされたり、

この神経の走行は深い部位を走行するために絞扼性神経障害をおこし、

その結果麻痺をおこすためといわれています。

その神経走行のため胸郭出口症候群を合併する場合も多いとされています。

つまり、本当の意味での神経損傷ではないですね。

実際、

長胸神経は深い部位に存在し、単独で損傷するには、事故などによる直接的な原因が必要とされています。


一方、副神経麻痺による僧帽筋麻痺における翼状肩甲の場合は、

副神経麻痺は脳神経の第11に属しますが、脳幹に連絡していないが、高位頸髄から出る

脊髄神経であるのですが、大後頭孔頭蓋内に入って頚静脈孔から外にでるため脳神経の一つとされています。

そのため頚部リンパ節の生検や脳腫瘍の手術後などが原因でひきおこる場合が多いとされています。


以上のように、

私どものような巷の施術者のもとには、長胸神経、副神経が直接的に傷害され損傷し

神経麻痺をおこし翼状肩甲を呈することはめったに遭遇することはありません。


ただ単に、翼状肩甲を呈する場合は多いように思います。


前鋸筋と僧帽筋の問題としてとらえると、

前鋸筋の作用は肩甲骨の外転です。

僧帽筋は全体として肩甲骨を内転させます。

このバランスが重要ですね。両筋は拮抗筋ともいえます。

腕立て伏せの場合などは、この僧帽筋の中部線維の内転力と前鋸筋のb線維の外転力が同時に収縮し

肩甲骨を胸郭に対して正しい位置に固定しています。


前鋸筋の筋力が落ちれば、当然翼状肩甲が出現します。


反対に前鋸筋の短縮・筋スパスムがあれば、肩甲骨が外転・下制します。

そして、僧帽筋の下部線維、中部線維の筋力低下があれば(この線維は非常に筋力低下しやすい)

肩甲骨が益々外転下制し、あたかも肩甲骨の内側縁が薄っぺらになって浮いたようになります。

一般に多くみられるのがこのタイプです。

通常そのような人の肩甲骨の多くは外転位・下制を呈してしまっています。

その結果は上腕骨が内旋してしまいます。

上腕骨が内旋位になれば当然挙上時に様々な障害がおこります。

上腕骨の内旋位は大胸筋、小胸筋あるいは広背筋の短縮位も問題になるでしょう。

しかも大胸筋、広背筋は肩甲骨を下制する作用も大きいので注意が必要です。

ここで注意するべきことは、

翼状肩甲のある側が必ずしも患側では無いという事です。

利き腕にむしろ翼状肩甲が多く、痛みなどで使用しない患側の肩甲骨側が正常である場合もあるのです。

このあたりが肩の臨床が難しいところですし、面白いところです。


肩関節そのものが複合関節であり、しかも体幹も含めて総合的な診断力が必要な由縁です。



touyou8syok9 at 21:19|PermalinkComments(3)TrackBack(0) 肩関節 

2011年07月07日

肩関節(93)

肩関節

○前鋸筋

肩甲胸郭関節の筋です。

肩甲帯筋群(僧帽筋、前鋸筋、大・小菱形筋、肩甲挙筋、小胸筋、鎖骨下筋)の一つです。

 起始:上位8ないし9肋骨、および第1、第2肋骨間に緊張する腱弓からおこり、

     胸郭と肩甲骨との間を後方に走る。
 
 付着:第1、第2肋骨間の腱弓からくる筋尖は肩甲骨の上角に、・・・・・・a線維
    
     第2〜第3肋骨からくるものは分散して広く内側縁に、・・・・・・・・・b線維

     第4肋骨以下から来るものは下角に集まる。・・・・・・・・・・・・・・・・・c線維

 作用:肩甲骨、ことに下角を前外方にひき、胸郭を圧する。
     肩甲骨を固定すると、肋骨を外側方に引く。

 神経支配:長胸神経(C5〜7)

参考:前鋸筋は腋窩の内側壁にあって、広背筋に被われ、特に上方の筋尖は皮下にあって、
    付着部は菱形筋および肩甲挙筋に入り、また下方の筋尖は外腹斜筋の筋尖に
    かみ合って鋸歯状に接する。
    筋連結のために是非覚えておいてください。


肩関節の筋としては重要な筋です。


肩甲胸郭関節の筋ですので基本的に肩甲骨の安定化に重要な筋です。

肩甲骨の安定化の異常は肩関節の運動の破たんにつながります。

肩甲骨が安定していない症状が一見して理解できるのが、

肩甲骨の内縁が浮き上がってしまっている肩甲骨です。(翼状肩甲)

その翼状肩甲に大きく影響をあたえるのが、この前鋸筋です。

その他に、肩甲骨の運動として外転運動がありますが、肩甲骨を外転させる唯一の筋です。

つまり、その他の筋によって代償性が難しい筋ということになります。


翼状肩甲は長胸神経麻痺による前鋸筋の麻痺(筋力低下)は一般的に有名です。

長胸神経麻痺→前鋸筋の麻痺(筋力低下)→肩甲骨を胸郭に圧する力・肩甲骨の外転力の低下

→肩甲骨の内側縁が浮く→翼状肩甲→上肢の屈曲(前方挙上)力の低下。


しかし翼状肩甲は僧帽筋麻痺(副神経)でも起こります。

翼状肩甲がどちらのためか鑑別

 違いは僧帽筋麻痺では上肢外転(側方挙上)時に著明になりますが、

 前鋸筋麻痺では上肢の屈曲(前方挙上)時に著明です。

 前鋸筋麻痺の場合の外転時には僧帽筋が代償して挙上が可能な場合もある。


どちらも有名なお話ですが・・・・・・・・・・・・・しかし、

私どものような巷の施術所では神経麻痺による翼状肩甲は非常に稀なケースです。

しかし、翼状肩甲は私どもの臨床の場においても非常に多く見受けることがあります。

どういうことでしょう?

当たり前ですが、翼状肩甲(肩甲胸郭関節の不安定)は肩関節の運動を破綻させます。



touyou8syok9 at 19:24|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 肩関節