2011年09月

2011年09月29日

膝関節(5)

膝関節

大腿脛骨関節と膝蓋大腿関節の二体系で構成され、同一関節腔内で関節包(滑膜)によって囲まれています。

膝関節の関節腔は人体で最も広く、最も複雑です。

膝関節の関節包は、健康な成人で約40〜60ccの容量があります。

正常な関節においては、わずかな関節液しか存在しません。(約3〜5cc)

関節の炎症が強い場合には多量の関節液が貯留することとなります。


今回は、膝関節の関節包について

○関節包

 大腿骨前面では関節面の縁より約1センチへだった比較的高い所につき、両側では内・外両側上顆、

 後面では軟骨縁に接してつき、下方では脛骨上方関節面につく。

 その前・後両面は、ともに大腿筋腱によって補強され、ことに前面では大腿四頭筋腱が関節包の一部をなし、

 その中に含まれている膝蓋骨は後面が大腿骨の膝蓋面に触れて膝関節の一部をなしている。

 つまり膝蓋骨は関節包の前壁の中にはまりこんでいることとなる。

 関節包は前方と両側方では薄くゆるくて広いが、後方ではそれより強くなっている。

 そして膝蓋骨の底では軟骨縁から数ミリメートル離れたところに付くが、ほかのすべての縁では軟骨縁の

 すぐそばに付いている。

 後壁は丈夫で孔がたくさんにあり、脂肪組織でみたされて血管の通りぬけるところになっている。


 リンパ管は、関節包の内側・後側・外側から出て膝窩リンパ節にいたり、そこからさらに

 深鼡径下リンパ節に達している。


 関節包の滑膜層は、内側および外側半月、前および後十字靭帯などを被うのみならず、

 さらに関節腔内にのび膝蓋下滑膜ひだを形成す

 膝蓋下滑膜ひだは、大腿骨の顆間窩から起こり膝蓋尖にたっしたのち、十字靭帯およびその間の組織を

 被って垂直にくだり関節腔の下壁にゆき、関節腔の後半を左・右両部に分ける。

 底部の両側には、膝蓋骨の両側まで広がる翼状ひだがあり、中には多量の脂肪を含み、

 膝蓋下脂肪体を形成する。


膝関節の付近には滑膜包が非常に多く存在し、関節腔と交通している交通性滑液包と非交通性滑液包が

存在しています。


深在性のものに、
 
 膝蓋上包:大腿骨遠位端前面の膝蓋面の上方と大腿四頭筋腱との間にあり、大腿四頭筋に被われ、

        関節腔と広いつながりをもっている。

 膝窩筋包:膝窩筋腱の下で関節包後面外側部にある。
 
 腓腹筋半膜様筋包:腓腹筋の内側頭および半膜様筋の下で関節包後面内側部にある。

 
その他にも膝関節には多くの滑液包が存在しするが、ほとんどは関節腔とは交通していない。
 
臨床的には

 前膝蓋下滑液包:膝蓋靭帯の前
 
 前膝蓋滑液包:膝蓋骨の前面に被いかぶさる)
 
 鵞足滑液包:縫工筋、薄筋、半腱様筋の腱の間と脛骨の内上側、脛骨粗面のすぐ内側ふきんに位置


そして、関節包を各種の靭帯が補強している。



関節の基本構造<関節包> http://blog.livedoor.jp/touyou8syok9/archives/2009-09.html#20090928

関節の補助装置 http://blog.livedoor.jp/touyou8syok9/archives/cat_50030353.html

touyou8syok9 at 19:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 

2011年09月22日

膝関節(4)

膝関節

前回は1、大腿脛骨関節、今回は2、膝蓋大腿関節です。

膝関節はこのように関節が2体系で構成されている人体最大で最も複雑な関節といえます。


2、膝蓋大腿関節

 関節は大腿骨の膝蓋面で構成され、鞍関節に属している。

 ○大腿骨

   遠位骨端の前面には、両顆が会合によって生じる滑沢な膝蓋面があり、膝蓋骨の後面と関節する。

 ○膝蓋骨

   膝蓋骨は大腿四頭筋、膝蓋靭帯とともに膝関節伸展の構成要素となっています。

   膝蓋骨より下方の大腿四頭筋腱は膝蓋靭帯といい、脛骨の脛骨粗面についている。

   大腿四頭筋のなかに含まれる人体最大の種子骨です。

   膝蓋骨の上端を膝蓋骨底、下端はとがっており膝蓋尖とよぶ。

   後方はほぼすべて軟骨であり、中央の高まりを境に内側面と外側面に分かれるが、外側面の方が広い。

   大腿四頭筋の腱は3つの層で構成され、大腿四頭筋の浅層、内側広筋と外側広筋の中層、

   および中間広筋の深層で構成されている。

   浅層は膝蓋骨の前部を被っている。

   内側広筋、外側広筋は膝蓋骨の中間部に停止し、中間広筋は膝蓋骨の後上縁に停止している。

   膝蓋骨は大腿骨の膝蓋面上を近位から遠位と移動し90度以上では内外側縁で接する。

   膝蓋骨は伸展位では膝蓋骨の下端が膝関節裂隙にほぼ一致しています。

 ○膝蓋靭帯

   膝蓋靭帯は大腿四頭筋のつづきであり、膝蓋骨の下部からおこって脛骨粗面に付く強靭な線維束

   膝蓋靭帯は膝蓋骨に付く上端は幅広く、脛骨粗面に付く下端に向けて細くなる。

   大腿四頭筋の収縮力を、膝蓋骨を介して脛骨に伝える張力伝達装置です。

 ○脛骨

   脛骨粗面:脛骨の近位前面にある大きな骨隆起で、膝蓋靭帯が付着する。


前回の大腿脛骨との関節面は、関節腔内を十字形に走る2つの靭帯によって固く結ばれている。

これを膝十字靭帯といい、前方の靭帯を前十字靭帯、後方のものを後十字靭帯という。

靭帯や筋については、膝関節の安定化の機構に重要なため順次述べていきたいと思っています。


膝関節は、以上の2体系が、同一関節腔内で関節包・滑膜によって囲まれます。


touyou8syok9 at 21:12|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 

2011年09月15日

膝関節(3)

膝関節

形態的に非常に不安定な関節

1、大腿脛骨関節

 大腿骨の遠位骨端と脛骨の近位骨端で形成

 不一致関節面であるため不安定な関節

 大腿顆部の凸面と脛骨の凹面の弯曲は非対象的で安定性が無い。

もう少し観察してみましょう。

○大腿骨の関節面(凸面)

 大腿骨の遠位端は顆間窩とよばれている深いU型をした切痕で分けられた二つの顆凸面で、

 内側顆、外側顆とよばれその下面で関節接合している。

 大腿骨内側顆と大腿骨外側顆は前後に長い楕円形をしている。→膝関節伸展位で適合

 大腿顆部の前後の弯曲は円形ではなく、大腿顆部後方にいくにしたがって短くなり、螺旋形となる。

 この螺旋形の中心は単一定点ではなく、瞬間中心の軌跡として存在する。

 (膝関節の屈曲・伸展運動の際の関節運動の基本である転がり、滑り運動に適した形態になっています。)

 大腿骨内側顆の方が外側顆より一回り大きい。

 それぞれの顆表面の前後の長さは等しいが、外顆の関節長と内果の関節長では内顆の関節長の方が長い。

 (屈曲伸展運動の際に同じ距離の移動の際に外顆と内顆に多少のズレが必要となる。)


○脛骨の関節面(凹面)
 
 脛骨の凹面は大腿骨顆の凸面と関節接合している。

 脛骨の近位端は内側顆、外側顆とよばれその上面にて関節を形成する。

 脛骨内側顆の関節面は中央がくぼんだ凹面。

 脛骨外側顆の関節面は平坦でしかも後方に向かって傾斜している。

 大腿顆部の顆表面の外側と内側の全長の長さは等しい。

 しかし、脛骨の凹面の方の顆表面長さは、内側のほうが長い。

 (屈曲・伸展運動の際に回旋運動が生じることとなる)


以上の結果、


大腿脛骨関節は、

大腿骨内顆と脛骨内顆との関節面と大腿骨外顆と脛骨外顆の関節面という二つの構成単位をもつ、

双顆状の関節のなっている。

関節を構成する内顆、外顆の形態から、

膝関節の基本的な運動である、屈曲と伸展する際には大腿骨に対して脛骨の回旋が生じる。

屈曲時は最終段階にて徐々に内旋を生じる。

伸展時は大腿顆に対して脛骨の外旋が生じる。

回旋が起こるのは脛骨の平坦部と大腿顆部大腿顆部の内側顆部の関節面の前後径が長いということは、

脛骨が外顆よりも内顆のより長い道筋を滑動する。

つまり、膝伸展位での外旋、屈曲位での内旋になる。



これらの関節面での不一致は、生理的には半月板の面で補われることとなる。

運動的には靭帯がコントロールすることになる。(靭帯支持性の関節)


touyou8syok9 at 20:28|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 

2011年09月08日

膝関節(2)

膝関節

膝関節は2体系の関節から成り立っている。

大腿脛骨関節と 膝蓋大腿関節という二つ関節に体系づけられた複合関節です。


○大腿脛骨関節

  大腿骨の内側顆・外側顆と脛骨の内側顆・外側顆で構成されます。

  大腿骨と脛骨ともに二つの顆を持っている双顆状の関節になっています。

  関節面は、不一致関節面であり不安定な関節です。

 大腿顆部の凸面と脛骨の凹面の弯曲は非対称的であり、安定性がない。

この関節面の骨性の形態は非常に非適合的な関節なのです。


○膝蓋大腿関節

  大腿骨と膝蓋骨で構成され、膝の伸展機構に関係を持っています。

この2体系はおなじ関節包内で関節包・滑膜に囲まれています。



ここから日本人体解剖学(南山堂、金子丑之助著)の大腿骨、脛骨、膝蓋骨の骨の解剖を引用します。

面白くないかもしれませんが、膝関節は表在性の関節のため触診をするうえで骨を触れることは重要です。

またこれから述べることでも必要になりますので、知っておくことは必要です。

機大腿骨

身体で最も長く、かつ最も重い骨です。

近位骨端、骨体、遠位骨端に区別されています。

近位骨端は大腿骨頭と寛骨臼と股関節を構成しています。

○近位骨端

 上方内側方に向かって突出し、尖端は球状に膨大し大腿骨頭といい、軟骨に被われ滑沢な関節面をなす。
 骨頭の中央からやや下方に偏した部に粗面の大腿骨頭窩(大腿骨靭帯がつく)がある。
 頭に次ぐ細狭部は大腿骨頭頚で、頚はさらに鈍角(125〜135°)をなして体に連なる。
 頚と体との移行部には、大・小2個の隆起があり、そのうち大きな方は上外側方にあって大転子といい、
 小さな方は下内側方にあり小転子という。
 大転子の尖端は、内側方に向き、その内側面に凹窩があり、転子窩(閉鎖筋、双子筋)がつく。
 大転子の外側面には、中・小殿筋、梨状筋がつく。
 小転子は大殿筋、腸骨筋の付着するところで、内側方に突出する。
 大・小両転子は、その前面および後面で。上外側方から下内側方に向かって斜走する隆起によって結合される。
 その前方にあるものは微弱で転子間線(内側広筋の起始)といい、
 後方にあるものは著しく隆起し転子間稜(大腿方形筋がつく)という。
 また同じ後面で、大転子の下方にある粗面隆起を殿筋粗面(大殿筋がつく)といい、
 下方にゆき体にみられる粗線の外側唇につづく。
 また小転子の下で、粗線の内側唇と外側唇との中間をほぼ鉛直に走る隆起線を恥骨筋線といい恥骨筋がつく。

○大腿骨体

 3縁および3面を有する。
 3縁のうち、後縁は最も著名で粗線(大殿筋、大・長および短内転筋がつき、内・外側広筋がおこる)といい、
 これを内側唇および外側唇に区別する。
 両唇は大腿骨体の中央部で相接近するが、上方および下方に至ると相遠ざかる。
 その両唇の下端にある三角形の平坦面を膝窩面という。粗線の中央には通常1個の大きな
 (あるいは多数の小さな)栄養孔があり、上方に向かって栄養管を導く。

○遠位骨端

 遠位骨端が脛骨と膝蓋骨に関連し、大腿脛骨関節、大腿膝蓋関節という二体系で構成された膝関節を構成します。
 大腿骨の遠位骨端は著しく膨大しており、内・外2個の関節顆を有し、関節顆を内側顆、外側顆という。
 遠位骨端の前面には、両顆が会合によって生じる滑沢な膝蓋面があり、膝蓋骨の後面と関節する。
 後面で内側顆、外側顆の間は深く陥没し、これを顆間窩といい、上方は顆間線より膝窩平面から区画され、
 両顆の上方は、それぞれ凸隆し、内側上顆、および外側上顆といい、腓腹筋がつく。
 外側上顆からは足底筋がおこる。
 内側上顆の上方で内転筋腱の付着する部を内転筋結節という。

供膝蓋骨

大腿四頭筋の腱中に発生した種子骨で、三角形栗実状を呈し、大腿骨の遠位骨端前方に位置する。

 上方の膝蓋骨底・・・大腿直筋、中間広筋がつく
 内側縁・・・・内側広筋がつく
 外側縁・・・。外側広筋がつく
 に区別し、その下端を膝蓋骨尖と呼ぶ。
 膝蓋骨の前面は粗面の隆起をなすが、後面は滑らかで大腿骨の膝蓋面と関節する関節面をつくり、
 縦走縁によって内側の狭い面(内側面)と外側の広い面(外側面)とに分けられる。
 関節面の下方には膝蓋靭帯のつく三角粗面がある。

掘∽骨

下腿の内側に位置し、近位骨端・脛骨体、遠位骨端

○近位骨端

 左右に拡大して、内側顆および外側顆をなす。
 両顆の上面は軟骨に被われた関節面で、これを上関節面といい、半楕円形の陥凹を呈し
 大腿骨の内・外両顆と関節をなす。
 上関節面の周囲は鉢巻状の垂直縁をなし関節下縁といい、関節包が付着する。
 両関節面の中央近接縁からは上方に向かう1個の隆起が突出し、これを顆間隆起といい、
 その先端は内側および外側の2小節となり、それぞれ内側および外側顆間結節という。
 顆間隆起の前方には前顆間区、後方には後顆間区がある。ともに靭帯の付着部である。
 外側顆の後方で関節下縁の下に当たるところには浅い卵円形の関節面があり腓骨関節面といい、
 腓骨頭と接合し、内側顆後内側部には半膜様筋腱の通る溝がある。

○脛骨体

3面および3縁に区別する。

 縁には内側の内側縁、前方の前縁「(もっとも鋭縁をなしてS字状に曲折し、
 近位骨端で脛骨粗面(膝蓋靭帯がつく)となる」および外側の骨間縁(下腿骨間膜がつく)を区別し、
 骨間縁と前縁の間には外側面・・前脛骨筋の起始、前縁と内側縁の間には内側面がある。
 内側面は皮膚の直下にあって、上部は腱の付着する粗面縫工筋、薄筋、半腱様筋がつくに終わる
 後面の上方3分の1の所にはヒラメ筋線(ひらめ筋の起始、膝窩筋の付着)が外側上方から内側下方の
 斜めに走る。

○遠位骨端

脛骨体よりも太いが近位骨端よりは小さく、おおむね四角形を呈する。

 下面を下関節面といい、ほぼ四角形でわずかに窪み、距骨の滑車と関節をなす。
 内側部は長く延びて突起をのし内果、内くるぶしといい、内果の内側面は粗面をなし皮下につき出るが、
 外側面は内果関節面といい、平滑で下関節面のつづきとして距骨体の内側面に向かう。
 内果の後面には、短い斜めに走る溝がある。
 これを内果溝といい、後脛骨筋と長趾屈筋腱が通る。
 その外側には蝶拇趾屈筋の腱のための弱い溝がある。
 脛骨の遠位骨端の外側面は腓骨の遠位骨端をうけるために陥没し、腓骨切痕という。

腓骨

腓骨は膝関節を構成しない。


詳しくは日本人体解剖学の本書の解剖学の図を見ていただければと思います。

ちなみにこの本における図はとっても詳細で理解しやすく素晴らしいと思っています。

もっともっと詳細な解剖学の本もあるでしょうが、私たち施術者には値段的にも手頃で役立つ本の一冊です。







touyou8syok9 at 21:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 

2011年09月01日

膝関節(1)

膝関節

お盆休みでしばらく休憩していました。今回からまた始めます。

何を書こうかと迷っていたのですが、膝関節についてゆっくりと進めていこうと思います。

膝関節のおおまかな特徴を。

 身体の中の最大の関節である。

 膝関節を構成する骨は3種類

 大腿骨、脛骨、膝蓋骨(人体最大の種子骨)で構成されている。

 関節面も人体最大。

  大腿骨の内・外側顆の関節面は凸面、脛骨の関節面は凹面(ほぼ平面)、
  膝蓋骨の関節面は大腿骨の両顆の関節面の間にある膝蓋面の上を滑る。
  人体最大の種子骨である膝蓋骨は大腿四頭筋の停止腱のなかにあって関節包内にある。

関節腔内に貯蔵されている滑液の量も人体最大の量を含む。

身体の全体重という大きな荷重に耐えている人体最大の荷重関節です。

極めて非適合の関節面であり、靭帯が支持に大きく関与している靭帯支持性の関節です。

そして力学的にも非常に不利な条件で働く関節であります。

肩関節は機能的には複合関節ですが、基本的に構成する骨は肩甲骨と上腕骨ですので、
単関節であり、極めて自由に動く多軸性の球関節です。

股関節も大腿骨と寛骨で構成される単関節であり、球関節の一種であるが運動の範囲が狭い臼状関節です

膝関節は2体系つまり

大腿脛骨関節と 膝蓋大腿関節という二つ関節に体系づけられた複合関節です。

膝関節はこれらの関節と比較して構造的に遥かに複雑である。

このように人体最大の関節でありながら、構造的に非常に不利な関節ということになります。


今回はここまで。


touyou8syok9 at 20:42|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節