2011年10月

2011年10月27日

膝関節(9)

膝関節の運動

前回は膝関節の基本運動である屈曲ー伸展を述べました。

さて膝関節における運動の残りは?

これは病態学的にも知っておくべきことです。


○内旋・外旋

 伸展位では存在しない。

 屈曲位でのみ可能であって、回旋の角度は屈曲角度に影響されます。

 実際には回旋運動は他動的に測定(座位で下腿下垂位あるいは腹臥位にて)
 大腿を固定し、他方の手で踵をつかみ脛骨を回旋させる。

 内旋・外旋ともに約10°

○内転(内反)・外転(外反)

 伸展位では存在しない。

 屈曲位においては、わずかに可能ですがわずかな動きです。

 これは病態学上での分析であって側方動揺(関節裂隙が開く)を調べていることになる。
 
 他側(患側と健側)との比較をします。

 内側動揺
 
  大腿脛骨関節の内側部分をわずかに開くように足を外側へ持っていき調べる。

 外側動揺
 
  大腿脛骨関節の外側部分をわずかに開くように足を内側へ持っていき調べる。


○大腿骨からみた脛骨の前後への滑り運動は存在しない。
 
 屈曲位にてのみ測定可能 正常の膝関節では存在しない、もしあってもわずか。

 大腿骨からみた脛骨の前後への滑り運動は、3个鯆兇┐討呂覆蕕覆ぁ

 膝関節の前方引き出し、後方引き出しは存在しない。

 もし存在する場合は病理学的な意義が存在します。

これらの事は、側副靭帯、十字靭帯の損傷の鑑別に役立つ。


側副靭帯損傷

 内反外反動揺テスト

  膝伸展位にて内反と外反をかけて不安定性(動揺感)を観察。

  次に

  膝関節約30°屈曲位で同様に内反、外反をかける。

  側副靭帯のみの損傷では、伸展位では関節裂隙は開かず30°屈曲位で開く。

  もし、

  膝伸展位で開くときは、側副靭帯の損傷に前十字靭帯または後十字靭帯損傷が伴っている。


前十字靭帯(ACL)損傷

 ラックスマンのテスト

  膝30°屈曲位で片手で大腿を保持し、もう一方の手で下腿近位を持ちて引き出す。

 前方引き出しテスト

  背臥位にて、膝屈曲90°位で患者の足背に検者の臀部を乗せ脛骨を引き出す。
  引き出した時、前十字靭帯に異常がなければ、エンドポイント(ガックと止まる)がある。
  断裂している場合は、ズルズルという感じでエンドポイントがない。

後十字靭帯(PCL)損傷

 後方引き出しテスト

  前方引き出しテストと同様だが、脛骨を後方に押す。
  エンドポイントを感じずに、ズルズルとした感覚は後十字靭帯断裂を疑う。

 ザギングサイン(脛骨の後方落ち込み兆候)
  
  背臥位で膝関節90°屈曲位とし踵を持ち上げる。
  左右を比較し後十字靭帯断裂があれば脛骨の自重にて、脛骨前縁が落ち込む。
  落ち込んでいれば後十字靭帯断裂を疑う。


良く知っている検査ですが、基本を覚えていると忘れないですね。



touyou8syok9 at 20:04|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 

2011年10月20日

膝関節(8)

前回は膝関節の前面から内側にかけての触診をお話ししました。

実際に触れることができたでしょうか?

今回は外側から後側にかけて話しします。是非何度も触れてください。

○外側半月板

 関節裂隙から外側へたどれば外側半月板がある。(外側半月板の前縁に触れる。)

 屈曲位をとると触れやすくり、伸展位では触れません。

 外側側副靭帯には付着していないために内側半月板より可動性がある。

 そのために、内側半月板より断裂は少ない。

○外側側副靭帯

 外側側副靭帯は屈曲位ではわかりづらく、膝を組むとその上を被う腸脛靭帯が弛むために
 よく触れることができる。

 硬く索状に触れるのが外側側副靭帯であり、腓骨頭に付着する。

 内側側副靭帯は関節包の一部となっているが、外側側副靭帯は独立して存在している。

 大腿二頭筋も腓骨頭に付着しており、筋群の最も後方に位置している。

○腸脛靭帯

 大腿二頭筋腱の少し前方に触れるのが腸脛靭帯であり、外側脛骨結節に付着する。

 腸脛靭帯炎は大腿骨外側上顆の2〜3センチ近位で腸脛靭帯を圧迫しながら屈曲位から
 伸展させていくと、疼痛のために伸展できないのが特徴。

後面

○膝窩部

 上外側縁は大腿二頭筋腱突出部
 半膜様筋、半腱様筋の腱により上内側縁
 下縁は膝窩から腓腹筋部の内側頭と外側頭によって形成

 もし、膝の後方でで腫瘍を触れると、ベーカー嚢腫(腓腹筋・半膜様筋滑液包の腫脹)

さて触れましたか?


それでは次に少し膝関節を動かしてみましょう

膝関節の基本的な運動は屈曲―伸展運動になります。

しかし、すでに述べたように屈曲ー伸展の際には常に回旋運動を伴っています。

完全伸展は脛骨の外旋なしでは得ることはできません。


もしお時間があれば、非荷重肢位にて

膝関節屈曲で膝蓋骨の中心にマジックで点を描き、脛骨粗面の上にも点を描いてください。

マジックの両点はほぼ同一線上にあります。

下肢を十分伸ばすように伸展させると、脛骨粗面は粗面上の点の下から外側に回り、

大腿骨に対する脛骨の外旋を示します。


これらのことは重要で、

みなさんは変形性膝関節症などで、膝関節が十分に曲がらないことを心配しますが、

実際は膝関節は完全伸展することで長時間筋力に頼ることなく立位の姿勢を保つことができます。

もし、膝が伸びない状態で立位あるいは歩行すると多大な筋力を要することとなります。


つまり、

膝関節の十分な伸展できない状態を作らないことが変形性膝関節症の予防・治療です。

あなたの膝は完全伸展できますか?

よく観察してください。

つづく。



touyou8syok9 at 20:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 

2011年10月13日

膝関節(7)

膝関節の触診

前回までは、膝関節の解剖を簡単に説明しました。

膝関節は表層にある関節です。
表層であるがゆえに私たちが触れやすい関節です。
一般的な外来の膝の診察には触診による診断が必要不可欠です。
今の時代ですので正確な診断には、レントゲンによる診察あるいはMRIによる診察診断が必要な場合もあります。

バカバカしいと思わず是非自分自身で膝関節を触れてください。

まず膝関節伸展位

○膝蓋骨・膝蓋靭帯・脛骨粗面

 膝関節の前面を覆っています。

 逆三角形で近位端が 膝蓋骨底、遠位端のとんがりが膝蓋骨尖です。

 膝関節を屈曲・伸展させれば 膝蓋骨が上下に移動することを確認します。

 膝蓋靭帯は膝蓋尖から脛骨の脛骨粗面まで付着しています。

 膝蓋靭帯を下にたどっていくと脛骨粗面がある。

 オスグッド・シュラッター病はここに圧痛。

 ジャンパー膝は膝蓋骨の下縁または上縁に圧痛。

 膝蓋骨の内側の圧痛は、たな障害

 外傷などによって、膝蓋下脂肪体が炎症をおこす場合もあり膝蓋靭帯の疼痛との鑑別が必要な場合は、

 膝関節の屈曲して疼痛が増悪する場合は膝蓋靭帯、屈曲して疼痛が消失あるいは軽減すれば

 膝蓋下脂肪体と簡易判別する

 Q角とは?

 膝蓋骨の中心と脛骨粗面を結んだ線と大腿直筋腱の長軸のなす角度をQ角と呼び、

 膝蓋骨外方不安定性の指標となっている。

 おおざっぱに膝蓋靭帯が近位に向かう延長線と大腿直筋とのなす角度になります。

 膝蓋骨上は滑液包があり、滑液包炎をおこせばここに液貯留や圧痛、発熱がある。

 膝蓋骨の触診は伸展位のほうがわかりやすい。

 力をぬかせば膝蓋骨をずらして裏の関節面を触れることができる。

 膝蓋骨を外側へずらした時患者が不安に感じ怖がることをサインといい、

 膝蓋骨脱臼の既往があるときに見られる。

 膝蓋骨をつかんでその下の大腿骨にこすりつけるように左右に動かすと、ゴリゴリとした摩擦感が

 出現すると変形性膝関節症の変化です。

 関節水腫の膝蓋跳動として関節腔内の水を遠位に押し出し膝蓋骨を押すと大腿骨に衝突して

 コツコツ音を感じるは有名ですが、相当量の水がたまらないと陽性に出ません。

 関節水腫の有無は、手指を膝蓋骨の両側後方に当て、関節腔内の水を遠位に押し出すと、

 水の波動を手指に感じる。この方法の方が確かです。


次に膝関節を屈曲位で触診します。

まず、

膝関節屈曲位で膝蓋靭帯の両側の皮膚の窪みに指を置く。

この窪みが、膝関節の関節裂隙であり触診の開始する位置になります。

この窪み圧迫すると、大腿骨と脛骨の間の関節裂隙を触れることとなります。


○内側脛骨面

 窪みを圧迫すると内側脛骨面の鋭い上縁を触診できます。

 脛骨面の関節を形成しない上縁は脛骨大腿関節の後方、前方は膝蓋靭帯まで触診できる。

 脛骨面は内側半月板の付着部になっています。


○関節裂隙

 膝関節90度においては、内側関節裂隙、外側関節裂隙を結んだラインはほぼ水平になります。

 この窪みには膝蓋下脂肪体があり、太った人は脂肪が肥厚して盛り上がっている場合がありますが、

 ごまかされずに骨を触診してください。

 内側の指を上方に動かすと大腿骨内側顆があり、膝蓋骨の内側のすぐそばまで触れることができます。

 90度以上屈曲すれば、大腿内側顆は膝蓋骨の上方部から脛骨大腿関節部まで内側縁に沿って

 触診できます。

 大腿内側顆の内側面へまわり、後部まで指を動かすと、内側広筋とハムストリングの間の筋溝の遠位部に

 内転筋結節を触れることができます。

 膝関節関節裂隙を内側にたどっていくと前から順番に内側半月板前角、内側側副靭帯、内側半月板後角が

 ある。・・・・・と想像しながら触診してください。

 ここは半月板の付着部であり、半月板の損傷時あるいは変形性膝関節症においてと圧痛が出現します。

 しかし実際は、

 内側側副靭帯(MCL)、内側半月板(MM)そのものは、ハッキリと触診できません。

 内側側副靭帯は大腿骨内側上顆から斜め前方へ走行し、脛骨内側縁と後縁に幅広く停止して、

 浅層と深層に分けられ、深層は脛骨プラトーと内側半月の中節に強く結合しています。

 浅層は、深層より遠位部の脛骨のはりだし部に付着している。

 内側半月板は脛骨面に付着しているのでハッキリと触れることはできません。

 このように内側半月板と内側側副靭帯はハッキリと触れることはできませんが、

 もしも、

 内側半月が遊離すれば疼痛は関節の縁の部位、関節裂隙内の深部でわずかに触れるかもしれない。

 あるいは脛骨を内旋した場合に内側縁が突出し、触診できることとなるし、

 脛骨を外旋すれば、内側半月板は後退し触れなくなる。

 半月板が断裂し、関節裂隙に触れたり挟み込まれると疼痛が出現する。

 内側半月断裂の方か外側半月断裂より頻度は高い。

 内側側副靭帯損傷においては関節裂隙ではなく靭帯付着部に圧痛があることが多い。


○鵞足部(前方から縫工筋、薄筋、半腱様筋から成る膝関節の屈曲筋群)

 脛骨粗面の内側、脛骨プラトーのはりだしの下で皮下に脛骨を直接触れる事が出来る。

 この部分は鵞足の付着部と鵞足の筋群の直下には滑液包が存在している。

 鵞足炎はここに圧痛がある。臨床では非常に多いです。


touyou8syok9 at 21:02|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 

2011年10月06日

膝関節(6)

膝関節

膝関節の靭帯

関節包は多数の靱帯によって被われて補強されています。

○外側側副靭帯

 大腿骨の外側上顆から起こり、外側半月の外側縁、腓骨頭の尖端および外側面に付く。

○内側側副靭帯

 大腿骨の内側顆からおこり、脛骨の内側顆および内側半月板につく。

○斜膝窩靭帯

 関節包の後面を補強する。

 半腱様筋の下端から分かれて、膝関節包の後面を斜め上後方に向かい、大腿骨の外側顆につく。

○弓状膝窩靭帯

 大腿骨の外側顆から起こり、関節包の後面を下方に向かい弧を画いて内側方に走り、

 斜膝窩靭帯の下で分かれて終わる。

 一部は、下方に向かい腓骨頭に達する。これを弓状靭帯支帯という。

○内側膝蓋靭帯
 
 膝蓋靭帯の内側にあって、膜様をなし、大腿四頭筋腱の内側から起こり、

 脛骨の内側顆の内側に至る。

○外側膝蓋靭帯
 
 膝蓋靭帯の外側にあって、膜様をなし、大腿四頭筋腱の外側から起こり、

 脛骨の外側顆の下縁に至る。

○膝十字靭帯 
 
 前方のものを前十字靭帯、後方のものを後十字靭帯が存在している。

 膝関節の中心にありますが、十字靭帯は関節外に存在しており、基本的には滑膜外組織です。

 前十字靭帯(ACL)

   脛骨の前顆間区の内側部から起こり、後上外側方に上り大腿骨外側顆の内面後部につく。

   線維の多くは外側半月板の前端に付着し、約20%は外側半月板の後方縁に達するまで

   後方に伸び、最終的に大腿骨外側顆の内面後部につく。

   
 後十字靭帯(PCL)

   反対に脛骨の後顆間区の外側部から起こり、外側半月から線維(半月大腿靭帯)を受けながら

   前上内側方に上り、前十字靭帯の後方を通って大腿骨内側顆の内面前部につく。

   後十字靭帯は明らかに関節内滑膜外靭帯になります。


靭帯ではありませんが、関節包内には大腿骨の凸面と脛骨扁平な面を補うように、

内側半月板と外側半月板が存在しています。

この両半月の前面は、横に走る靭帯でお互いに結ばれることが多く、これを膝横靭帯という。

外側および内側半月板は、ともに中心部は薄く周辺部にゆくにつれて厚くなり関節包と癒着する。

○内側半月板

 大きいが狭くてむしろ半月形を呈する。
 
 全周辺が関節包に付着し、滑液包はこの付着部で終わっている。

 内側半月板は全周辺縁で内側側副靭帯に付着している。

 内側半月板の両角は脛骨結節に付着している。

○外側半月板

 小さく、ほとんど円形を呈している。

 外側半月板は外側の関節包と荒い連結をしている。外側側副靭帯と

 中心部では、脛骨結節に付着しています。

したがって、

膝関節屈曲ー伸展の際には、半月板は脛骨と屈曲ー伸展で動き、同時に回旋をおこすこととなる。









touyou8syok9 at 21:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節