2011年12月

2011年12月29日

膝関節(21)

膝関節における 膝蓋骨の主な役割を述べました。


次に

まず 膝蓋大腿関節における膝蓋骨の関節面は、大きな圧縮力を受けています。

膝関節の屈曲―伸展の際に膝蓋骨の関節面と大腿骨の関節面は、自由に滑り合うが、

膝蓋骨の関節面は、大腿骨膝蓋面からの圧力を支えています。

そして、膝関節の屈曲の角度が大きくなるにつれ圧縮応力も増していきます。

例えば60キロの人がしゃがみ込むと(文献により違いはあるが)

130°屈曲位においては260キロ 体重の4、3倍
           
145°屈曲位においては420キロ 体重の7倍

膝関節の屈曲の際には、

膝蓋骨は大腿骨の膝蓋面上を近位から遠位へと移動し、90度以上では内外側縁で接触する。

膝蓋骨関節面はほぼ平坦だが、大腿骨膝蓋面は凸状を呈しています。

そのために圧縮応力は、膝蓋骨の関節面にまんべん均等に分散するのではなく、

膝蓋大腿関節の接触線状に分散することになる。

膝蓋骨の関節刻面は屈曲の角度で大腿顆と接触することとなる。

屈曲20°では膝蓋骨の上部が大腿顆とわずかに接触。

45〜50°屈曲になると、膝蓋骨の中間刻面が主に接触、屈曲90°では全接点が外内側刻面になる。

残りの関節刻面は屈曲13°まで接触しないし、内側刻面もまた135°の後脛骨と大腿骨が

回旋を起こしてから接触する。

そして支持される接触面は関節面の全体ではなく大変狭くなっている。

その結果、単位当たり(/cm)の圧力は極端に高くなる事となります。

以上のように 膝蓋骨は非常に負担のかかる構造となってしまっています。


さて、膝蓋大腿関節における膝蓋骨そのものの障害がおこればどうなるでしょう?

おもな 膝蓋骨の障害としては、以下の疾患があります。

○膝蓋軟骨軟化症

 15〜20歳代の女性に多くみられる疾患です。

 膝蓋骨の裏側にある軟骨が変性軟化し、進行すると軟骨に亀裂が生じて水疱状にふくれてきます。

 既に述べた力学的原因説がもっとも有力となています。

 階段を上るときの膝蓋骨と大腿骨の間に加わる力は、平地歩行のときの7倍となる。

 スポーツにおけるジャンプのくり返しやランニングなどで、膝蓋軟骨にはげしい摩擦が加わって、

 軟骨表面に摩耗などの変化がもっとも早くおこりやすいからと、考えられています。

 自覚的には階段昇降時や、正座から立ち上がるときの瞬間的な疼痛や膝がくずれる感覚、

 他覚的には膝蓋骨の圧迫時の疼痛、膝蓋骨後面のじょりじょりした感覚、きしみ音などが

 検者に感じられる。

○膝蓋骨骨折

  膝蓋骨の関節面に加わる直達性の外力や大腿四頭筋の急激な収縮による介達性外力。

 青年期に多くみられ、やや男性に多いとされています。

 裂離骨折や疲労性骨折もおこりえるとされています。

 横骨折が最も頻度が高く、前面を覆う骨膜や内側・外側膝蓋支帯が断裂するので、

 大腿四頭筋の牽引力によって、近位骨片は上方に転移して、膝関節の自動伸展ができなくなる。

 基本的に手術の適応ですが、離開が2舒米發任△譴佇歛故屠,盡‘い気譴襦

 骨折部に一致した限局性の圧通や、著しい腫脹を認める。

○分裂膝蓋骨

 成長が終了した時点で、 膝蓋骨が2個あるいは2個以上に分かれる。

 男性に多く、しばしば両側に認められる。
 
 内下方の大きな 膝蓋骨本体と、外上部の小さな骨片とに分裂したものが多い。(X線上)

 激しい運動時や運動後に、分裂部の限局性疼痛を訴える。(有痛性分裂 膝蓋骨)

○膝蓋骨脱臼・亜脱臼

 純粋な外傷性脱臼は稀であり、既に述べた脱臼素因を持つ膝関節に発生する。

 若年女性に多い。

 スポーツ活動において、急激に膝が中に入った時外側に脱臼する。

 伸展時に自然整復されるものが多い。

 亜脱臼では、着地時や踏ん張り時の際に膝くずれ、脱臼感た膝前面の疼痛を訴える。

 検者が他動的に 膝蓋骨を外側に脱臼させるような力を加えると、患者は不安感を訴える。
 (アプレヘンションテスト)

 
次回は膝蓋骨周囲の障害も述べていきます。




今年の言葉は「絆」でした。

人は一人では生きていけないということが身にしみて感じた年でした。

なにも大きな災害時に限った事ではありません。

様々な疾患においても、患者、施術者、家族などの「絆」がな無ければ治療はうまくいきませんね。

そして、日々の生活においても多くの人との「絆」が無ければ生きてはいけません。

来年も多くの人々との「絆」を大切にして生きていきたいと願っております。

今年の多くの人々に感謝申し上げます。

来年もよろしくお願いいたします。




touyou8syok9 at 22:10|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 

2011年12月22日

膝関節(20)

膝蓋骨の役割

それでは反対の膝蓋骨低位はどうでしょうか?

基本的には特別問題は無い?という事になっています。がいかがでしょう?

膝蓋骨低位はどのような場合におこるのでしょうか?

膝蓋骨の中枢側は大腿四頭筋によって牽引され末梢側は膝蓋靭帯によって脛骨に固定されます。

これらの構造の結果、 膝蓋骨上方組織である大腿四頭筋などに萎縮が起きてしまうと

中枢方向への牽引力が弱くなったり、 膝蓋骨下方組織の伸長性の低下などによって、

膝蓋骨低位となってしまいます。 これは、膝蓋大腿関節の適合性が変化します。

膝蓋骨の内外側への安定性も低下させることになります。


結局は膝蓋骨の下方支持組織の伸長性の低下です。

これらは、変形性膝関節症などによって、 膝蓋骨上方を支持している組織の加齢変化による

牽引ストレスが 膝蓋骨下方支持組織に影響を与えます。

その他には、最近の膝関節関節鏡の手術などによって、穿刺こ孔によって直接侵襲される組織も

ほとんどの場合には 膝蓋骨下の軟部組織である内側膝蓋支帯、外側膝蓋支帯などの

修復過程における組織内圧の上昇による疼痛や癒着、瘢痕化によって伸長性の低下は

も多くみられます。

簡単な日帰り手術のため、患者様も簡単に考え、意外と見逃していつまでも

疼痛や屈曲時の疼痛に長期間悩まされることが多いように思われます。

手術後にかかわらず、手術後もそれらの要因を考えリハビリが是非必要です。

注意すべきだと思っています。

touyou8syok9 at 21:56|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 

2011年12月15日

膝関節(13)

膝関節

およそ膝蓋骨の役割が理解できたでしょうか

膝蓋大腿関節において次に必要だと思っているのは膝蓋骨の位置ですね。

しばしば問題になるのが 膝蓋骨高位の問題があります。

膝蓋骨高位あるいは低位の正確な診断にはレントゲン撮影が必要です。

膝関節側面X線上において、膝蓋靭帯長(T)と膝蓋骨長(P)との比(T/P)
 
 背臥位、膝関節30°屈曲位、側面像において

 膝蓋骨高位は、1,2以上

 膝関節低位は、0,8以下

しかし残念ながら私のような医師ではない施術者には撮影ができませんね。

そこで、便宜的に以下の事柄があると膝蓋骨高位を疑ってみる。

 足が長く膝蓋骨が小さい。
 膝蓋骨の下方に脂肪の塊のようなものが見受けられる。
 膝関節屈曲伸展時にポキポキとなる。
 膝蓋骨の左右の動きが大きい。
 X脚。
 偏平足。

以上は膝蓋骨が高位にあり加えて非常に不安定な状態にあることを示していると思っています。


膝蓋骨外方の不安定性の評価としてQ角がありました。

何度の述べていますように、Q角が大きいほど、

膝関節を伸展する筋力や荷重によって膝蓋骨を外方に牽引する力が大きくなり

膝蓋骨が外方に移動するために不安定性が高くなります。

外側不安定の要因として
 下腿外捻
 大腿内捻
 膝蓋骨高位
 外側広筋や外側膝蓋支帯の拘縮
 内側広筋斜走線維の筋力低下
 膝蓋大腿関節の不適合
 内側膝蓋靭帯大腿靭帯の緩みもしくは断裂
 下腿の後外側回旋不安定など

これらのはアライメントとしてknee inーtou outを観察することが重要だと思っています。


touyou8syok9 at 20:53|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 

2011年12月08日

膝関節(12)

膝関節

前回のつづき

膝蓋骨の役割

5、膝蓋大腿関節を構成する大腿膝蓋面との伸展機構の滑りを可能にしている。
  
この役割は特に重要。
  
膝蓋骨と大腿骨の関節面は、お互いに滑り合う。

そのためにお互いの直接的な関節面は関節軟骨で被われています。

当たり前ですね。

膝蓋骨の軟骨面は人体のすべての関節面のうち最も厚い軟骨で被われています。

いちばん厚いところである中央の隆線のところで5,4〜6,4个慮さがあると言われています。

一方の大腿骨の関節面において軟骨の最も厚いところで2,6〜3,2个任△襪箸い錣譴討い泙后

この関節面が触れ合いながら伸展ー屈曲運動しています。

そのさいに重要なのは、もう一度 解剖を思い出してください。

膝蓋骨は大腿四頭筋腱と癒着して関節包に出現している人体最大の種子骨でした。

膝関節の関節腔の前方には膝蓋骨、膝蓋靭帯、大腿四頭筋に囲まれた関節腔と交通している

膝蓋上包が存在しています。

膝関節の伸展機構には膝蓋上包の十分な空間が必要になります。

この 膝上包は大腿骨の膝蓋面の上方にあり、大腿四頭筋に被われており、多くの場合は

関節腔と広いつながりをもっています。

もう少し詳しく解剖すると大腿四頭筋の一部に膝関節筋が存在しています。

   膝関節筋:中間広筋の一部がわかれたものでこれに被われている。
          大腿骨前面下部から起こり、下行し膝関節包の上陥凹に停止する。
          作用は膝関節を伸ばした際に陥凹を上方に引く。

この陥凹の部分が膝蓋上包になり屈曲ー伸展の際にこの空間が変化することとなります。

 膝蓋上包は膝関節の屈曲において、膝蓋骨の長軸移動を円滑化している。

 膝関節の伸展位では、膝蓋上包は近位へと引き込まれる。

 屈曲に伴い膝蓋骨の下方への滑りを許しつつ、(大腿直筋が伸長しつつ大腿直筋と膝関節筋が
 一緒になったようなる。)

 逆の伸展においては膝関節筋により牽引され、再び2重膜構造になっています。

 膝蓋骨はこの膝蓋上包という関節腔内と交通している滑液包内で滑るように動いています。

 膝関節の伸展機構において十分な広さ、つまり奥行きがあり、柔軟である必要があります。

これも 膝蓋骨の重要な役割でしょう。

以上の条件の一つでも欠けると、膝関節における屈曲―伸展制限が起こります。


臨床上で最も問題になるのがこの部分での癒着ですね。


touyou8syok9 at 20:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 

2011年12月01日

膝関節(13)

膝関節

膝関節における、膝蓋骨の役割は重要です。

わざわざ膝関節にお皿( 膝蓋骨)があるのだろう?・・・・・・・・・・と

みなさんもなぜ?・・・・・・・と思いませんでしたか?

1、膝関節の保護

  膝関節は表層にある関節のため、前方からの圧力や衝撃に対して関節を保護する。

2、支点牽引となり大腿四頭筋の牽引力を高める。。

  大腿四頭筋の垂直方向の牽引は、 膝蓋骨があるために、脛骨を水平方向にずれて

  引っ張る力になる。

3、大腿四頭筋の効率を増大させる。

  大腿四頭筋の牽引力は、膝蓋腱のなす平面上に作用している。 

  そのために、伸展機構として 膝蓋骨が存在することによって、膝蓋骨の中心と

  膝関節の回転軸からの距離が長くなり、牽引力の作用モーメントが長くなり、

  大腿四頭筋の効率が増大することとなる。

4、大腿四頭筋の作用軸を修正し、大腿四頭筋の効率を高める。

  大腿四頭筋の軸は内下方へ斜めに向き、膝蓋腱の軸は外下方に向いています。

  このように膝蓋骨は、すでに述べたQ角によって外側に牽引されることとなる。

  その結果、膝蓋骨は外側に脱臼する傾向がある。
  
  特に、膝関節軽度屈曲、伸展位にて、大腿四頭筋が収縮すると膝蓋骨は外側に引き寄せられる。

  膝蓋骨の後面は大腿骨膝蓋面の溝に維持され大腿四頭筋が収縮される際に、

  外側脱臼を起こさないように 構造的な特徴と以下の特徴をもつこととなる。

   ○大腿骨膝蓋面の内側・外側の形状の違い。
 
    大腿骨膝蓋面の外側部分は、必要なる傾斜が必要であり十分に発達が必要。

    外側部、内側部よりも広く大きく傾斜角度が大きい。
 
   ○大腿四頭筋の一つである内側広筋の優位な活動は、 膝蓋骨に付着している線維方向と

    広筋支帯により、膝蓋骨を内側に引き付けている。

   ○内側膝蓋支帯の他動的制動は、膝蓋骨内側端を大腿膝蓋面の内側端につなぎとめている。

   ○屈曲初期による自動内旋は脛骨粗面を内方に移動させ、伸展機構がなす角度を減少させる。
 
 反対の屈曲位においては、
    
   ○外側脱臼の傾向にある伸展機構のアライメントは、屈曲において脛骨の自動内旋は、

    脛骨粗面を内方に移動させ、生理的外反を減少させる。

    十分な屈曲位では大腿四頭筋と膝蓋骨の軸が同一矢状面に位置する。

    その結果十分な屈曲位では脱臼傾向が消失する。

  ○大腿骨の関節面である滑車が大腿骨膝蓋面の溝の中に膝蓋骨を押しつける力は、

   伸展時に比べ非常に増大し、そのことが膝蓋骨を溝の中にはまり込ませる。

    屈曲位においては、 膝蓋骨と大腿骨の関節面に対する圧縮力は非常に大きくなります。


その他にも、膝関節の伸展機構には膝蓋骨を含めて非常に重要な構造的な特徴があります。










 









touyou8syok9 at 21:13|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節